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1978-05-09 第84回国会 参議院 運輸委員会 第9号 公式Web版

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  1. 理事補欠選任の件 ○参考人の出席要求に関する件 ○運輸事情等に関する調査 (会議録情報)

    昭和五十三年五月九日(火曜日)    午前十一時二分開会     —————————————    委員異動  四月二十七日     辞任         補欠選任      柳澤 錬造君     木島 則夫君  四月二十八日     辞任         補欠選任      瀬谷 英行君     浜本 万三君      木島 則夫君     柳澤 錬造君  五月九日     辞任         補欠選任      青木 薪次君     赤桐  操君     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         三木 忠雄君     理 事                 安田 隆明君                 山崎 竜男君                目黒朝次郎君                 太田 淳夫君     委 員                 伊江 朝雄君                 石破 二朗君                 江藤  智君                 佐藤 信二君                 高平 公友君                茜ケ久保重光君                 田代富士男君                 内藤  功君                 柳澤 錬造君                 山田  勇君    衆議院議員        発  議  者  足立 篤郎君    国務大臣        運 輸 大 臣  福永 健司君    政府委員        運輸大臣官房審        議官       真島  健君        運輸省船員局長  高橋 英雄君        運輸省鉄道監督        局長       住田 正二君        運輸省自動車局        長        中村 四郎君        運輸省自動車局        整備部長     犬丸 令門君    事務局側        常任委員会専門        員        村上  登君    説明員        大蔵省主計局主        計官       窪田  弘君        大蔵省主税局税        制第二課長    水野  勝君        建設省道路局路        政課長      山本 重三君        会計検査院事務        総局第五局長   東島 駿治君        日本国有鉄道常        務理事      高橋 浩二君    参考人        日本鉄道建設公        団理事      大平 拓也君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○理事補欠選任の件 ○参考人出席要求に関する件 ○運輸事情等に関する調査  (東北新幹線の建設問題に関する件)  (身体障害者自動車有料道路通行料金割  引に関する件)  (欠陥自動車問題に関する件) ○新東京国際空港安全確保に関する緊急措置法  案(衆議院提出)     —————————————
  2. 委員長(三木忠雄君)(三木忠雄)

    委員長三木忠雄君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。  まず、委員異動について御報告いたします。  本日、青木薪次君が委員辞任され、その補欠として赤桐操君が選任されました。     —————————————
  3. 委員長(三木忠雄君)(三木忠雄)

    委員長三木忠雄君) 理事補欠選任についてお諮りいたします。  ただいま報告委員異動に伴い、本委員会理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。  理事選任につきましては、先例により委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 委員長(三木忠雄君)(三木忠雄)

    委員長三木忠雄君) 御異議ないと認めます。  それでは理事目黒朝次郎君を指名いたします。     —————————————
  5. 委員長(三木忠雄君)(三木忠雄)

    委員長三木忠雄君) 参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  運輸事情等に関する調査のため、本日の委員会日本鉄道建設公団理事大平拓也君を参考人として出席を求めることに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 委員長(三木忠雄君)(三木忠雄)

    委員長三木忠雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————
  7. 委員長(三木忠雄君)(三木忠雄)

    委員長三木忠雄君) 運輸事情等に関する調査を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  8. 目黒今朝次郎君(目黒今朝次郎)

    目黒朝次郎君 きょうは去年の運輸委員会からずうっと予算委員会などを通じて幾つかの問題を提起した問題点について、その進捗状況なり、今後の取り組みについて主として聞いていきたいと、こう思いますので御協力をお願いしたいと思います。  まず第一に、去年の十一月十五日の運輸委員会で、列車たれ流しの問題について、余り十二時の食事時間が来ないうちにやっておいた方がいいと思いますから、やっておきます。このたれ流し問題については、当時高木総裁は、内容等について十分に把握してない点もあるので、法務関係裁判関係皆さんとも十分相談をして前向きに善処したいと、そういう答弁があってから今日まで半年近くたっておるわけですけれども、その間の国鉄側としてとった措置について、裁判所関係、それから労使関係、それから当時は厚生省からも担当官を呼んで厚生省関係意見も聞いたわけでありますが、いわゆる厚生省を含めた地方自治体との関係などについて、その進捗状況などについて、まず冒頭お聞かせ願いたいと、こう思います。
  9. 説明員(高橋浩二君)(高橋浩二)

    説明員高橋浩二君) 列車から排出いたします汚物等によりまして線路近傍飛散をいたすという実態について、昨年の十一月、先生から御指摘がございました。私の方も以前からこれに対する対策はいろいろ打ってまいりました。しかしなかなか思うように進んでまいりませんという実態について、先生からいろいろ御指摘があったわけでございます。  まずこの対応といたしまして、設備の面で徹底的にたれ流しをしないようにというのが私どもの基本的な考え方でございました。ただいままず新幹線等で行っておりますようなタンク式のものを車両に取りつけまして、タンクで受けたものを基地処理するあるいは基地下水道に放流するというような、そういう設備によってこれを防ぐというのを第一義的に考えております。その点につきましては前回申し上げましたけれども、ただいま全国で二十二の基地についてその処理設備を施行中でございますが、その放流いたします下水道整備がなかなかついてこないという問題と、下水道のないところでは現地処理いたしまして河川に放流する、二つの方法で地元方々あるいは地元市町村等協議を申しておりますけれども、ただいまのところ六カ所だけが完成をいたしまして、あと残り十八カ所についてはただいま協議をしあるいは工事中ということでございます。しかし、幸いなことに、本年度から国からのこれに対する助成金もいただくようになりました。そういう予算的な処置は国からいただきますとともに、私の方は建設省には下水道整備の促進についての御協力をお願いし、あるいは厚生省等については技術的な問題についてお知恵をかりたいというようなことをいたしまして、この二十二基地についてはおおむね五十六年度までに一応完成できるという見通しが立つに至ってまいりました。ただいまそういう見通しの上に立って鋭意工事を進めておるという状況でございます。それが私のほうの設備上の問題でございます。  それから、いま先生の御指摘になりました裁判というのは、私の方の組合からこの汚物飛散によりまして保線作業上いろいろの問題が出るということで、それに対するいわゆるたれ流し差しめ請求裁判が提起されております。いままでにこれは二つ、第一次訴訟としては東京地区組合員からの提訴でございます。それからそれに引き続きまして、全国各地からの第二次訴訟が行われておりまして、第一次訴訟についてはただいまのところまで二十三回、それから第二次訴訟につきましては七回の口頭弁論を経まして、一応ことしの一月になりましてこの第一次、第二次訴訟が合併をされてただいま審理されておる状況でございます。一応これまでに裁判では原告被告双方の主張がおおむね出そろいまして、ただいまのところ屎尿類飛散がどういう状況である、あるいは汚染の状況がどうなっているか、あるいは人体に及ぼす影響がどうであるかというようなことについて裁判所鑑定をするということで、次回この六月の五日にはどこでそういう鑑定をするかという鑑定場所等について、裁判所原告及び被告の三者の間で打ち合わせながら進めていくといういま段階になっております。  しかし、この点につきましては、先般総裁も申し上げましたように、この裁判につきましては私どもの方の職員との関係でございます。いわゆる組合との関係でございますので、ただ裁判だけに——裁判裁判として私の方は訴えられておりますので、裁判を進めることについてはそのとおりでございますけれども、その裁判の推移を見守りながら、これと並行いたしまして、労使間の問題ということで労使間の話し合いを続けて、できるだけ円満に解決を図りたい、そういう気持ちでいま対処しているのが今日の状況でございます。
  10. 目黒今朝次郎君(目黒今朝次郎)

    目黒朝次郎君 この二十二カ所、昭和五十六年ということであったんですけれども国鉄全体としてどのくらいの年限と、具体的にどのくらいの金が要るのか、こういうことを全体的に、五年計画か三年計画か知りませんが、基本的に直すと、そういうことについて計画か何かあるんですか。それをある程度長期的な問題も示してもらって、それと財政との関係、国の助成という点をかみ合わせないと、単年度年度じゃないと思うんですけれども、その点に対する若干の展望があれば教えてもらいたい、こう思うんです。
  11. 説明員(高橋浩二君)(高橋浩二)

    説明員高橋浩二君) 先ほど申し上げましたのは、現在工事中の二十二基地について申し上げました。で、工事中の二十二基地は比較的車両基地としては大きな場所をまず選んで、大きなところはしたがってそれだけ車両をよけい抱えておるということで選んだわけでございますが、この二十二基地では急行特急列車ただいま千六百本ほど運行いたしておりますけれども、千六百本の約六割の本数をカバーするのが二十二基地でございます。それから、あと残りました四割の特急急行をカバーいたしますためには、あとおよそ三十ほどの基地、これは規模は小さくなりますけれども、三十ほどの基地汚水処理施設を完成いたしますと、全列車、全急行特急列車新幹線並みになるということでございます。  で、これに要します全体のお金は、ただいまの試算では約千八百億ぐらいかかるんではないかというふうに予測をいたしておりますが、ただいままでに使用しております金はまだ二百億程度でございますので、今後進めるべきものは、そういう意味では基地の数としては非常にまだたくさん残っております。いまの二十二基地についてはこの五十六年度までにぜひ完成さすべく努力いたしておりますけれども残りの点については下水道整備その他地元との協議、非常にいろんな問題を抱えておりますので、できるだけ早くという気持ちは持っておりますけれども、ただいまのところ何年間ということはちょっと的確にお答えいたしかねますけれども、できるだけ早くこの点を解決したい。先ほど申し上げましたように、国からの助成もいただけるということにもなりましたので、なお一層ピッチを上げていきたいというふうに考えております。
  12. 目黒今朝次郎君(目黒今朝次郎)

    目黒朝次郎君 そうすると、通勤列車だとか、普通列車の方はまだ手は伸びないのですか。
  13. 説明員(高橋浩二君)(高橋浩二)

    説明員高橋浩二君) いわゆる普通列車の中にも通勤電車のようなものと、それから長距離普通列車、これは余りございませんけれども長距離普通列車、それからいわゆる中距離電車、大きく分けて三つの種類がございますが、長距離のものについてはいまの基地と同じ種類処理ができると思います。近距離の通勤電車等については、私鉄と同じように、これは便所のないもので運転します。  それから、中距離電車等が一番これは処理の問題についてはむずかしい問題を抱えておりまして、いわゆる従来のタンク式基地処理をするという方式よりも、むしろ非常に量が少のうございますので、量というのは、お客さんから排出されるその量が非常に少ないということもございまして、むしろ新しい技術開発をして、列車の中で貯留をいたしておりまして、それを乾燥、圧縮させるという技術の方がよろしいんじゃないかということもいま実はいろんな方々からお知恵をお借りして、そういうことで解決できないかということでいま鋭意研究をいたしております。それができますれば、むしろ基地で放出、処理するよりはその方がよろしいんじゃないかというふうにいま考えております。その間につきましては、御承知のように、なるべく御使用を御遠慮いただきたいというようなかっこうで旅客の御協力をいただくとともに、また、中距離電車等については、比較的乗るお客様が、一人のお客さんが乗っている時間が短うございますので、便所の数をまず減らして、お客様の御協力をいただくというようなことも考えながら、そうして、基本的には技術開発によって処理をしたいというふうに考えております。
  14. 目黒今朝次郎君(目黒今朝次郎)

    目黒朝次郎君 そうしますと、やっぱり相当時間と金がかかるということになるんですが、私はこの前総裁にも言ったとおり、私どもお互い国鉄に世話になった人間として、裁判お互いに言いたいことを言うということですから、これはわからないわけじゃないですけれども裁判所国鉄側の反論といいますか、言いわけといいますか、これは準備書面を見ますと、労使関係をむしろぶち壊すような陳述をやっておるわけです。私は相当金もかかる、時間もかかるということになれば、現にいま現場で働いている方々の苦労というのは夜と言わず昼と言わず並み大抵のものじゃないですよ。ですからもっと、むしろ裁判に訴えなければならない全施労なり、保線従業員皆さん気持ちそれなりにくんで、やはりこちらの方の設備の方もお互いに努力するとしても、裁判論争だけは余りかっこうのいいものじゃありませんから、やはり前向きに取り組んでいろいろな条件で待遇その他の面で解決すると、そういうふうに、この前もずいぶん私は言ったし、公明党の先生大分お願いしてあるんですが、やはりそこは今度の春闘が終わって、賃金の配分などもあるでしょうから、そういう必要なものについては少し前向きに取り組んでもらって、裁判については、北陸トンネル事件、あのでかい事故でも裁判で和解しているんですからね。国鉄内部の労働問題を、これはスト権とか何とかという問題はいざ知らず、こういう待遇改善の問題で法廷で争うというのは、国鉄指導力を問われると、こう私は思うんですよ。その点についてはどうですか、ひとつ国鉄側見解と、それから運輸大臣、単にこれは国鉄だけじゃなくて、私鉄にも若干関係があるし、私鉄の方はそれなりに、この前も進んでいるという話がありましたから、大臣の方もこの点でひとつ前向きに検討して、たれ流し裁判論争ということには一日も早く終止符を打つように国鉄さんの側に指導してもらいたいものだと、こう思いますが、両者から見解をお聞きしたいと、こう思います。
  15. 国務大臣(福永健司君)(福永健司)

    国務大臣福永健司君) 先刻来お話を伺いつつ、この問題はまさに前向きに検討すべきものであるという感を深くするものでございます。いろいろお話のございましたこと等を念頭に置いて対処をいたしたいと考えます。
  16. 説明員(高橋浩二君)(高橋浩二)

    説明員高橋浩二君) 裁判の問題は直接私の方の職員との関係でございます。しかし、この便所の問題は、それ以外にも社会的な問題として非常に総裁以下われわれも重要な問題だというふうにして考えて取り組んでおるところでございます。ところで裁判は一応裁判として、裁判の席上では、準備書面等、非常に法律上の問題として弁護士その他と相談をいたしておりますけれども、いま先生からの御指摘のように、この問題は裁判裁判として、私の方は訴えられている状況でございますが、そういう形でなくて、先生のおっしゃいますように、それと並行いたしまして労使間の問題としてできるだけ円満に解決をしたいというふうな考え方で、なお一層の努力を続けていきたいというふうに考えております。
  17. 目黒今朝次郎君(目黒今朝次郎)

    目黒朝次郎君 私たちも注目しておりますから、ひとついまのお言葉が実際に実を結ぶように御検討方を改めて要請をしておきます。  それから国鉄問題をやったついでに、この前高橋常務から東北新幹線地震の問題についてそれなり報告があったわけですが、その後四月の十一日ですか、何か学会先生方を含めて新幹線仙台工事局本社側方々を含めて現地を見に行ったら、大変な、想像以上のひどさだという点でローカル新聞大分でかでかと出ておったわけなんです。ですから、この問題について十二日ですか、仙台検討会を開いたという記事が載っておるのですが、その検討会内容と、本当に大丈夫なんだろうかという東北新幹線住民心配がありますので、そろそろ試運転も始まるということも聞いておりますが、それらを含めて再調査状況と今後の取り組みについてお知らせ願いたいと、こう思うんです。
  18. 説明員(高橋浩二君)(高橋浩二)

    説明員高橋浩二君) 二月の二十日に地震が起きました。私の方の仙台から北でございますが、宮城県と岩手県の県境付近にございます高架橋の二、三割のものに高架橋のけたを受けておりますくつ、シューのところに非常な被害が出たわけでございます。そこで、いま先生のおっしゃいますように、四月の十一日と十二日に地震構造物関係専門先生方現地を視察していただきました。現地では、まず地震がどういう性状——性状と言いますか、性格と言いますか、性状地震であったか、結果的に見ますと、震源地に近い海岸部よりもむしろちょうど新幹線の通っておりました内陸部の方に大きな震度が出たという、そういうことが明確にわかりました。しかし、それがどういう性状震度だというようなことも先生方の御意見を賜りまして、むしろ宮城県のあの付近では沿岸部よりも奥地の方で大きな震度が出るというようなこともよく教えていただきました。そういうことから、この被害を受けました構造物並びに被害を受けなくても従来の設計で考えていた部分部分的に手直しをする必要があろうというようなサゼスチョンもいただきまして、いまそういう御意見を取り入れたかっこうで、補強の具体的な設計について設計を進めております。その設計がまとまりました段階で、もう一度先生方の御意見を承りまして、最終的に決まった方針で補修並びに補強をいたしたいというふうに考えております。そういたしますれば、前回の地震というのは比較的大きな地震であったことも事実でございますので、しかしそれ以上の地震に対しても安全なような施工をいたしまして、御安心して列車に乗っていただくようにしたい。ただ、まだよく解明されておりませんのは、地震時にちょうど列車が走っていたらどうなるかという問題がございますので、私の方の技術研究所でいま総力を挙げまして、列車走行中の震動による影響というものも並行いたしましてただいま研究を進めておるような状況でございます。
  19. 目黒今朝次郎君(目黒今朝次郎)

    目黒朝次郎君 この前資料をもらって、各業者別に手抜かりがあったかどうかということについてはそれなり説明を受けたんですが、それは大体ないようだという話がありましたから、それはそれなりに信用したいと思うんですが、いま言った海岸線より内陸部震動が多い。裏を返せば、新幹線をやったあの地域ですね、その選定に甘さはなかったのかという点が大分土木学会あたりから問題提起をしておるのを私はいろんな雑誌で読んだんですがね。その土層選定に誤りはなかったのか。同じ新幹線であの岩手の一ノ関ですね、あの部分だけが集中的になるというのはやはり土層上の問題があったんではなかろうかという点で、その点もやっぱり精密検査をする必要があるんじゃないか。場合によっては安全を考えると路線の修正ということも考えざるを得ないんじゃないか、そういう点の検討はどうなっているんでしょうか。
  20. 説明員(高橋浩二君)(高橋浩二)

    説明員高橋浩二君) 地震は非常に広い範囲に伝播してまいります。それから、内陸部に入ったから必ずしも大きいということではございません。たまたまいま通しました新幹線ルート範囲に今回の地震は大きな影響が出たということで、別の震源地から出ますと、また別の震度が出るということもございまして、ただ、先生方意見を総合いたしますと、どうもこの付近は昔から地震の頻度も多いし、地震の大きさも新幹線を通しましたルート付近は多いんだということはよくわかってまいりました。したがって、いまルートを変更するということは前後の関係からできませんが、そういう実態を踏まえて、その部分について特に補強等を入念に強くするというのが当面の対策かというふうに考えております。この地震の問題は、ここに限らず、全国的に非常にむずかしい問題がありますので、そういう点も今後十分勉強して対処していきたいというふうに考えております。
  21. 目黒今朝次郎君(目黒今朝次郎)

    目黒朝次郎君 これは新幹線建設が始まってから初めてのケースですから、いろいろな面で不安と心配があるものですから、念には念を入れて、開通後、いま国鉄側が言った走行中にぶつかった際にどういうことかという、思っただけでもぞっとするようなことになりますから、ひとつ、慎重に慎重にと要望しておきたいと思います。  それから新幹線が出たついでに、大臣もおるんですけれども景気対策も含めて、いま凍結中の新幹線をどうするかという話が大分出ておるので、しかも、成田新幹線は一体どうなるんだろうかという問題などもあるのですが、この新幹線の問題について、運輸省なり国鉄側はどんな考えでいるのか、参考までにこの際聞かしておいてもらいたい、こう思うんです。大臣でも結構です。
  22. 国務大臣(福永健司君)(福永健司)

    国務大臣福永健司君) 新幹線全体の問題は大変大きな問題でございますし、したがってこれに対処するにはいろいろの点から考えなきゃならぬわけでありますが、一口に申しまして、いま目黒さん、凍結状態と言われましたが、そういうような状態のままであらせたくないというのがまず私どもが考えていることでございます。もちろん景気対策と関連しても大変いいことであるということもございますが、そもそも新幹線ということを言い出し、考え出したそういう趣旨から申しまして、できるだけ事情が許すならばこれを進めていきたい、こういうことで、過般も関係閣僚間におきましてもそれを促進するような意味における話し合い等もいたしましたわけでございまして、文章の中にも、九月末までにこれの具体化について、いまお話のあったような凍結状態を脱してどういうように進めていくかということについて、ある程度の前進をさせたい、こういうように考えております。いろいろな調査等はもちろんある程度やっているわけでございますが、そんなことだけではもちろんいけませんので、これが実施、実現に向かっての前進をさせたい、こういうように考えております。現在も、九月と言いましてももうじきでございますから、そういう意味でいろいろ検討をいたしておるわけでございます。  これについてはいろいろ問題がございます。一例を挙げてみれば、全体をやるのか、そのうちのどれとどれというようなぐあいにして順序をつけてやるのかというようなこと等いろいろございますが、いずれにいたしましても、相当期間凍結状態であったのを、いま申しましたような趣旨における前進を図っていきたい、こういうように考えております。
  23. 目黒今朝次郎君(目黒今朝次郎)

    目黒朝次郎君 大臣、要望なんですけれども、ほっとして長崎新幹線が出てみたり、あるいは盛岡以北新幹線が出てきたり、いろんな話題の出ることは結構なんですけれども、この前も議論した交通全体のお互い役割りはどうあるべきなのか。空、海、陸、トラック、自家用あるいはバス、公営鉄道公営バス、相対的な役割りをどうお互いに位置づけるかということを展望しないままに政治的な段階で既定化、既定事実がつくられてしまうと、そのしりぬぐいはやっぱり国鉄の財政負担になってしまうのではなかろうかと、私はこう思うんです。私は今月のこの「エコノミスト」を非常に興味を持って読んだのですが、五月十六日の「エコノミスト」、これは新幹線と空の問題などについて大分皮肉って書いておりますが、一面、私はやっぱり慎重さを要する点があるなということも教えられました。ですから、新幹線の問題は、議論することは結構なんだけれども、もうどうにもならなくなってしまって、たとえば今度の佐世保重工の問題で原子力船「むつ」を持っていくかわり長崎新幹線オーケーなんていうようなことになってしまうと、そのしりぬぐいはだれがやるのか、こうなってしまうと、われわれとしても非常に問題がかかると。ですから、やって悪いとは言いませんが、やる際には去年の十一月、十二月、国鉄再建論争をやったその問題点、それから運輸省が全体の交通政策をどう調整すべきかというやっぱり問題の所在、その点を考えた上での私はやりくりをしてもらわないと困るということだけ要望として申し上げておきますから、大臣なり鉄監局長を含めて十分な配慮をお願いしたい、こう思うんですが、いかがでしょう。
  24. 国務大臣(福永健司君)(福永健司)

    国務大臣福永健司君) ただいまのお話の点は、私の立場からもそういう議論を出していただいて、大変ありがたいと思います。私自身は、別にこの幾つかの新幹線のうちどれを先にやるとか何とかというようなことは、一切申しておりません。ただ、私が申しておりますことは、それと関連いたしますと、党内等でもぜひ凍結を解除してやれというような議論等がある。それで、私はそういうときに、やれ、やれというときには、どれでもいいから始めろというように聞こえるような議論が多いんでございますが、いよいよやるとなると、議員さんたちも、相なるベくは自分の関係するところを早くやれというお気持ちも、これはまあある程度自然であろうと思うんです。そこで、私といたしましては、いよいよそういうときには、順序等について決めたら、それには従っていただかなけりゃいかぬ、こういう程度のことは言っております。いままでのところでは、それは聞くという話にはなっておりますが、なかなか、いよいよとなると問題はむずかしかろうというように私も覚悟はいたしておりますが、いずれにしても、そういう程度のことでございまして、先ほどお話があった、ある固有名詞でどこのどうというような話は、私は全然言ってもおりませんし、また、そういうことで、ある局部的な問題と結びつけてどうこうということは、私は考えておりません。まさに御指摘のごとく、総合的に判断をいたしまして、どうすべきかということを大所高所からいろいろのことを考えての結論を出さなけりゃならない、こういうように考えております。また、いずれにしても、これはまた別途いろいろ議論があるわけでございますが、あんまり国鉄にいろいろおっかぶせるようなことにならないようにしてやらなきゃ、とても国鉄も容易じゃないし、そういうことでないと、国民の待望する交通機関、特に鉄道等について要望に応じていくのにはなかなか容易ならざる事態がある。そこで、何とか国鉄も、そう大きな負担がどんどんどんどん増していく、累積赤字はますますふえていくというようなことを避けるような方途を財政的見地その他から考えていかなきゃならないということで、これにつきましても、すでに建設公債等の構想等につきましても、関係者間で私は話を出しているところでございます。趣旨に対してはすでに賛成をしてもらっているわけでございますか、これからさらに一層具体化していかなければならぬ、そういうように考えております。
  25. 目黒今朝次郎君(目黒今朝次郎)

    目黒朝次郎君 それでは、次は身体障害者関係の問題と交通問題で、若干連絡の不徹底もあって、大蔵省等の関連については不十分な点もあると思うんですが、ひとつお願いしたいと思うんです。  最初に、自動車局長の方から、車いすなどの皆さん公営あるいは民営のバスの乗車等についていろいろ経緯があったんですが、現在としてはどういう考えを持っていらっしゃるか、まず聞かしてもらいたい、こう思うんです。
  26. 政府委員(中村四郎君)(中村四郎)

    政府委員(中村四郎君) 車いすの利用者の方から、バスにつきまして、車いすを広げたままで乗車できるような方法をとってもらえないか、また盲導犬を連れた盲人の方が、従来よりも簡便に盲導犬と一緒にバスに乗車できないか、こういうような御要望があったわけでありまして、私どもそういった御要望に対しまして、バス輸送の安全かつ円滑な利用という観点から、これには身障者のお立場もちろんございますが、他のお客さんとの関係、また事業者、それから運転その他に従事する従業員との関係、いろいろな立場があるわけでありまして、これにつきまして精力的に関係者の間の御意見の調整を図りまして、また他方、車両実験も行いまして、本年の三月の末に結論を出しまして、バス協会、陸運局、それから関係省庁、それから全交通の方にも協力依頼いたしまして、この通達を出しまして実施に入っておるところでございまして、何と申しましても、他の乗客を含みました社会の理解と協力がございませんと円滑な実施ができないところでございますので、これの通達に基づく実施につきまして、私どもなおフォローして、その実効が上がるように努力したいと、かように考えておるわけでございます。
  27. 目黒今朝次郎君(目黒今朝次郎)

    目黒朝次郎君 鉄監局長、これは軌道関係はどうなんですか。
  28. 政府委員(住田正二君)(住田正二)

    政府委員(住田正二君) 国鉄私鉄両方について言えることでございますが、目の不自由な方々のためには、駅舎におきまして、誘導装置あるいは点字運賃表を設置いたしたり、あるいは自動券売機に点字テープを張りつけるというような措置をとっております。また、車いす利用者のためには、改札口を広げましたり、あるいは駅のトイレの改良、駅エレベーターの活用など、身体障害者の利用の多い駅から逐次実施いたしております。また、新幹線車両につきましても、車いすの利用ができるようにいたしております。ほか、御承知のように、シルバーシート等の制度も設けております。また、車両等へ盲導犬を一緒に乗せる、あるいは車いすの持ち込みを認めるということで、身体障害者の利便を図ってきているわけでございます。今後もこういう方針に従いまして、国鉄私鉄を指導してまいりたいと考えております。
  29. 目黒今朝次郎君(目黒今朝次郎)

    目黒朝次郎君 大蔵省来ておりますかね。これね、私たち身体障害者皆さんと話して、バスとか軌道関係で話をしますと、バス会社の皆さんとか、それから鉄道関係の経営者に言わせると、単に企業サイドで負担するには少し負担が多過ぎるじゃないかと、だから社会事業全体として、こういう設備をつくるにはそれには金がかかるわけでありますから、いわゆる免税措置をするなり、あるいはそういうものをやった場合には交付とか補助をするなり、そういう国全体としての身障者に対するやっぱり措置が必要なのではないのかという点が、いろんな議論を詰めていくと必ずそこにぶつかってくるんです、各会社別にも話をしますと。ですから大蔵省としても、これは厚生省関係もあるでしょうけれども、そういう社会保障の施設に対して特別な金融面なり補助面の減税、免税を含めてできないものだろうかということについて御見解を聞かしておいてもらいたいと、こう思うのです。
  30. 説明員(窪田弘君)(窪田弘)

    説明員(窪田弘君) 先生の御指摘の問題は、国としては全くそのとおりだと思います。現に五十三年度予算でも三千八百九十七億円、身体障害者対策として、所得補償を含めてでございますが計上さしていただいているわけでございます。身体障害者の方がいろいろ外へお出になる場合の対策といたしましても、たとえばことしは新たに福祉バスというふうなバスの助成も始めましたし、あるいは就労のために必要な自動車をお持ちの場合は、その改造費を助成するというふうにきめ細かくやらしていただいているわけでございます。さらにこれ以上、たとえば御指摘のような免税といいますと、恐らくガソリン税とかそういう問題もあろうかと思いますが、こういう運営費等に関してはこれは地方団体でもいろいろおやりになっているところでもあり、国、地方を合わせて身障者対策に今後力を入れていくという点については、私ども全くそのとおり考えております。具体的に何をどうするかということは、これは今後厚生省ともいろいろ相談をいたしまして施策の充実を図ってまいりたい、このように考えております。
  31. 目黒今朝次郎君(目黒今朝次郎)

    目黒朝次郎君 われわれが調査した——これは警察庁に聞きますから、後で間違っておれば修正しても結構なんですが、身障者のドライバーは約七万人、所有台数が大体十二万台、これだけの免許と台数を持っている。こういう方々が、身障者の車というのは装備具の一部ですから、非常にこの方々は、これは大臣にもちょっと考えてもらいたいと思いますが、ガソリン税の免税などについて特に配慮してもらえないかという点があるんです。ここに私は、東村山市心身障害者自動車ガソリン費補助要項ということで東村山市で実施していますよね。このところでは、大体一人当たり月額八十リッターまで免税をすると、こういう条例をつくって、身体障害者皆さんに非常に温かい措置をしているという自治体もあるわけです。でありますから、こういう地方自治体の実情を踏まえて、ひとつ国全体で、この身体障害者が自分の生活の一部にしているガソリン税については免税ができないものだろうかというのが非常に強い要望としてありますので、この問題等について、大臣の感じで結構ですから、あるいは大蔵省の担当者の見解なりをひとつお聞きをしておきたいとこう思いますが、いかがでしょうか。
  32. 国務大臣(福永健司君)(福永健司)

    国務大臣福永健司君) これは申すまでもなく私だけでできることではございませんが、ひとつ研究をするようにいたしたいと思います。また、他の責任者の人たちとも話し合いをしてみなきゃいかぬことでございます。いずれにいたしましても、私どもとしての調査といいますか、研究といいますか、それをやってみたいと思います。
  33. 説明員(水野勝君)(水野勝)

    説明員(水野勝君) 自動車関係身体障害者のための施策の充実ということでございますが、先ほど主計官の方からもお答えをいたしましたように、国全体としていろいろ施策を充実さしていくという方向につきましては、私どももそのように了解をいたしておるわけでございまして、税金の面につきましては、たとえば物品税につきましては、足がわりにお使いになるという場合にはその免除措置を講じておるわけでございます。  ただ、先生いまのお話ございましたガソリンでございますが、ガソリン税につきましては、これは御承知のように、その全額を道路整備財源として使われておるという面がございまして、こういう税の性格からいたしますと、どのような方がガソリンをお使いになって道路を走られるかということでもってこの税を減免するというのは、この税の性格からしていかがかという点がございますので、なかなかむずかしい問題ではないかと私ども考えておるわけでございます。
  34. 目黒今朝次郎君(目黒今朝次郎)

    目黒朝次郎君 地方自治体でやっている議事録を見ますと、その面はもう議論を乗り越えて社会福祉政策の一環としていろんな方法があるんですね。金をそのまま払って社会保障費で補助する方法もあるだろうし、いろいろあるんですから、ひとつこれは検討をしてもらいたいなあということを要望しておきます。  検討するときに、もう一つは自動車重量税の免税ということについても来ておりますので、これは軽自動車の生産が中止されて大体大型車に変わってきたという点で、この自動車重量税の問題についても検討をひとつお願いしておきたいとこう思います。これは検討ですから答弁要りません。  それから、有料道路関係はこれは建設省ですか、有料道路の通行料について、これは外国のお客さんなどはある程度例外があるということも聞いているんですが、どうかわかりませんが、有料道路の割引料の問題等についても、建設省有料道路課ではなかなかむずかしいと、こういう話を聞いているんですが、回数券に切りかえる際には、道路管理者の権限で二割以内は云々だという運用条項もあると聞いているんですが、この運用条項などをうまく利用してできないものだろうかということもこれは身体障害の皆さんの要望として来ておりますので、見解を聞かせるなりあるいは今後検討を願えないかと、こう思うのです。
  35. 説明員(山本重三君)(山本重三)

    説明員(山本重三君) 自動車を利用する身体障害者に対する有料道路料金の優遇措置につきましては、建設省といたしましては心身障害者対策基本法の趣旨あるいは昨年の衆参両院の請願の採択、また地方公共団体や関係団体からの多くの要望等踏まえまして、現在関係有料道路事業の事業主体と前向きに調査検討を進めているところでございまして、建設省の中におきましても、本年一月に関係公団を含めた身体障害者有料道路通行料金に関する検討会を設けて、鋭意検討を進めているところでございます。この問題につきましては事業主体が非常に多くて、しかも事業主体ごとに料金の体系なり徴収方法がそれぞれ異なっておる、こういうこともありまして、この優遇措置が円滑に実施されるためにはまだ幾多の技術上の問題等も踏まえて検討しなければならない問題がございますが、私どもといたしましては、今年中には何らかの結論を出したいということで、前向きに検討を進めております。
  36. 目黒今朝次郎君(目黒今朝次郎)

    目黒朝次郎君 ひとつ前向きに一日も早くいい結論をということを要望しておきます。  最後に自動車局長、これは私この前運輸委員会から派遣されて長崎の造船関係を見に行ったんですが、ある市で、これは名前は言いません、まだあれですから。ある市でタクシーの運行状況をちょっと聞いたら、俗に言うアルバイト運転手というのをやっているんですね。大阪、東京でも一部問題になったことがあるんですが、私も現実にこの目で確認してきたんですが、ですから大体自分の勤務時間が終わると二時間か三時間アルバイトの時間だということでハンドルを握っている、それも労使とも余り気にかけないという形で行われておるということを見てきたんですが、私はタクシーの公共性と安全確保、いままでのいろいろな経過から言って、自分の所定の勤務時間が終わった後にアルバイトでハンドルを握るということはこれは好ましい方向ではないし、むしろ経営者の方も率先そういうことはやるべきじゃないと、こう思っているんですが、このアルバイト運転手の問題についてどんな見解と指導をされておるか、ひとつ聞かしてもらいたいとこう思うのです。
  37. 政府委員(中村四郎君)(中村四郎)

    政府委員(中村四郎君) 先生申されましたように、私どもとしましても、やはりタクシー事業の場合に安定的な供給力の提供ということを基本にいたしまして、安全性の確保なりサービス水準の維持改善、こういうことを図っていかなきゃならぬわけであります。その場合に運転手の方々のいかんによりまして、サービス水準なり安全性の問題というのは左右されるところが大きいわけであります。したがいまして、私ども自動車運送事業等運輸規則によりまして、たとえば日々雇い入れる者と、いわゆるアルバイト運転手という者の採用、雇用ということについては禁止いたしておるわけであります。従来からそういう見地で事業者を監査、指導するということに努めてまいったわけであります。いま、先生おっしゃいましたような一部の事業者あるいは地域におきましてそういう状態があるということでありますので、私としてはさらにいまの基本的な立場からそういったいわゆるアルバイト運転手の導入ということについては、これを厳しく排除して、そしてやはりタクシー事業の安全性の確保とサービス水準の向上を図らなきゃならぬ、こういうふうに考えておるわけでございます。
  38. 目黒今朝次郎君(目黒今朝次郎)

    目黒朝次郎君 社会問題が起きてからじゃ遅うございますから、業界を含めてひとつ的確な指導をお願いします。  最後に船員局長、船員雇用促進センターが、もう大分なるんですが、この進捗状況見通しを聞いて私の質問を終わります。
  39. 政府委員(高橋英雄君)(高橋英雄)

    政府委員高橋英雄君) 船員雇用促進センターの設立の準備につきましては、民間におきまして日本船主協会を中心にいたしまして、関係のところと協議を進めながら準備を進めております。春闘の処理等もございまして多少おくれておりますけれども、遠からず船員雇用促進センターとしての指定の申請が出てくるんではないかと思って期待しております。まあ、申請が出てまいりましたら、私どもといたしましてはできるだけ早く処理をいたしまして、一日も早くこのセンターの仕事が開始されるように取り計らいたいと、かように考えております。
  40. 目黒今朝次郎君(目黒今朝次郎)

    目黒朝次郎君 局長、私も三カ所ほどあるネタを持ってるんですよ。これは促進センターがおくれると、その持っておるネタの方がだんだん勢力を持ち上げて本来のセンター設置の趣旨がパアになっちゃうということを心配しておるものですから、やはりこの点は早急に、問題のないように、ここの委員会の決議を忠実に生かす方向でひとつ促進してもらいたいということを要望しておきます。
  41. 内藤功君(内藤功)

    ○内藤功君 まず、会計検査院にお伺いをしたいと思います。  四月の三日の予算委員会で東北及び上越新幹線の高架排水設備工事の材料費の問題を取り上げて私が質疑をいたしました。特に新幹線の排水管ですね、ここにも私写真を持ってきましたが、特に一見しただけでは変哲のない雨どいのようなものであります。これが非常に値段が高くつり上げられておる、そして元請、下請、孫請の各契約ごとに——これは図表でありますが、元請契約、下請契約、孫請契約、契約ごとにピンはねされておる。ピンはねはほかに例があるかもしれないけれども、四三%もピンはねされておる。これはちょっと多いですそういう問題。これを実は取り上げて聞いたわけです。調査のお約束が運輸省国鉄からも、また会計検査院からもあった。  そこでまず会計検査院、これの調査の経過と結果をお答え願いたいと思うんです。
  42. 説明員(東島駿治君)(東島駿治)

    説明員(東島駿治君) お答えいたします。  仙台新幹線工事局の実施検査は、四月の十日から二十日まで私ども職員六名を派遣いたしまして実施いたしました。その際、ただいまお話ございましたように、予算委員会で御指摘がございました排水設備工事についても検査したわけでございます。先生指摘の点につきましては、私どもの検査権限の及ばない点もございましたが、国鉄御当局と元請業者の協力によりましてほぼ解明いたしました。ただこの点につきましては、今後まだ相当検討をしなくてはいけない問題がございますので、最終結論というところまではまいっておりませんが、中間報告の形で御報告させていただきます。  まず、工事施工の形態でございますが、これは元請業者から下請業者、下請業者から専門業者に孫請されまして、いわゆる重層下請関係にございますが、これは先生指摘のとおりでございます。  次に、材料の単価につきましては、国鉄ではメーカーから見積書を徴しまして、これを査定いたしまして予定価格を積算しておりまして、この価格については、先生先般御指摘になりました価格にほぼ近いものになっております。  次に、下請での価格でございますが、これは材料費一本で元請に見積書が出されておりますので、各構成部品の単価についてははっきりいたしませんでしたが、全体としては、先ほど申し上げました予定価格の線よりも低価になっているということもこれも先生指摘のとおりでございます。  また孫請での価格でございますが、これは私どもの検査権限がなかなか及びませんで、この点ははっきりいたしませんでしたが、元請の方のお話によりますと、それよりももっと低価に取引されているということは聞いてまいっております。全体といたしまして、したがいまして先生指摘のA、B、Cという価格の低価傾向といいますか、価格がだんだん低くなっているという傾向については、私ども先生指摘のとおりであるというふうな心証を持って帰ってきております。ただ、重層——元請と下請、下請と孫請の間の契約は総工費一本で契約されておりまして、私どもの検査した範囲におきましては、元請業者が足場費等の経費を負担しておりますので、総工費の面におきましては下請価格というものは予定価格の約九三%程度になっているというふうになっております。私どもの検査結果はまだ結論は得ておりませんが、ただいままでに解明した点を中間報告の形で報告させていただきます。
  43. 内藤功君(内藤功)

    ○内藤功君 問題は総工費の問題もありますが、私が特に問題にしたいのは、材料費の問題ですね。材料費について大体私の指摘が、ほぼそういう指摘が当たっているという心証を得られたという御答弁と伺った。そういう事実が明らかにされたわけですね。  これと、もう一つお尋ねしたいのは、この排水管は普通の家庭であるような丸じゃなくて四角です。角なんですね、非常に珍しい。私も目を皿のようにしていろいろ見ているけれども、角というのは天下広しといえどもこの新幹線ぐらいじゃないかと思うんです。そういうことも含めて値段が上がっている原因が考えられなくてはいけない。国の乏しい財政の中での問題でありますから、値段がそういうふうに不当につり上げられているという経緯ですな、背景というか、経緯というか、そういうことについて、検査院の専門のお立場でどう判断、考えられておられるかということを伺いたい。
  44. 説明員(東島駿治君)(東島駿治)

    説明員(東島駿治君) お答えいたします。  先生指摘のとおり、東北新幹線関係では角形を使っております。それで、この経緯について、先般御指摘を受けてから国鉄当局の方にもいろいろお尋ねし、また、われわれの検査の、かつて検査したものについてもずっと調べてみましたが、東海道新幹線のときは丸形を使っておりまして、これがその丸形を使った結果の検討の際に、非常に破損しやすいとか、あるいは橋脚のコンクリート面への接着その他からいって、丸形よりも角形の方がいいのではないかという結論になりまして、山陽新幹線からは角形を使われたというふうに聞いております。  それで、当初角形を使われるときには、丸形も角形も価格はそう大して変わっていなかったということでございますが、その後、丸形の方は大量生産、あるいは需要が多いということで値段は下がってまいりましたが、角形の方は、先ほど先生指摘のとおり、国鉄だけしか使っていないという特注品でございますので、価格がほとんど下がらないで、むしろどんどん上がっていって、丸形との対比というものが非常に乖離してしまったというような状況でございまして、この点も確かに先生おっしゃるようにいろいろ問題がございまして、私どもとしても今後少し検討を加えてみたいと、このように考えております。
  45. 内藤功君(内藤功)

    ○内藤功君 確かに角ということになったのが値段の乖離を来したやはり大きな原因になっていると思うんです。検討を加えたいというのは、この角形を使ったことの可否、丸にすることがいいかどうかという点も含めての検討ですか。
  46. 説明員(東島駿治君)(東島駿治)

    説明員(東島駿治君) これは値段だけでもございませんで、あるいはその排水容量とか、あるいは強度、そういう点も含めて今後検討の課題になるんじゃないかと、このように考えております。
  47. 内藤功君(内藤功)

    ○内藤功君 国鉄にお伺いしますが、国鉄調査の経過と結果、いま検査院からもお話ありましたが、ほぼ同様と伺っていいかどうか、お伺いしたい。
  48. 説明員(高橋浩二君)(高橋浩二)

    説明員高橋浩二君) 私の方は、御指摘を受けまして直ちに、いま検査院から御報告のありましたような内容については同じような調べ方でございますけれども、実際にメーカーの方を呼んで、特に先生がこの前の御指摘の中ではA、B、Cという三つの単価表をお示しいただきました。そういうものがどういういきさつのものか、あるいはどういうものであるかというようなことについても調べました。  それから、なお、国鉄の発注したものがいわゆる元請と下請の間でどういう契約になっているか、これ全数はまだ調べておりませんけれども、相当数実は調べました。内容についてはいま検査院から御報告のありましたような実態でございます。特に私の方はA、B、C、という三つのものについて一体どういう状況なのかということを調べましたけれども、これについては正確な答えは出てまいりませんでした。元請、下請、あるいはいわゆる孫請関係のおのおのの流通段階における取引価格という一つのその中の例というふうには考えられますけれども、正確な実態の把握はいたしかねたのが実態でございます。いま検査院からも御報告のありましたようなこととほとんど同じ場合でございます。  なお、今後どういうふうに検討するかという点につきましては、いま検査院から御指摘のあったようなことでございますけれども、丸形が非常に、当時山陽新幹線時代には丸形も角形も値段的には、単位重量当たりの値段はほとんど同じでございました。汎用性という点において丸形の方が非常に値段についてはどうも軟調をいたしておるというような実態も把握いたしましたので、そういう値段の問題及び取りつけの関係から、取りつけと金具を含めて一体どうなるかといったようなことも至急検討して、合理的なものにしたいというふうに考えております。  なお、実際には東北新幹線のごく一部でございますけれども、丸形等を使っておる区間もございますので、そういう意味も含めてケース・バイ・ケースで十分検討していきたいというふうに考えております。
  49. 内藤功君(内藤功)

    ○内藤功君 鉄建公団どうですか、どういうふうですか。
  50. 参考人(大平拓也君)(大平拓也)

    参考人大平拓也君) 鉄道公団でも、この排水管工事は下請施工ということになっております。その際の下請の金額につきましては、元請から一括して総価で契約されておりまして、その調査の結果は九三%というようなことになっておりまして、ただいま検査院の方から御報告ありましたとおりでございます。
  51. 内藤功君(内藤功)

    ○内藤功君 一応三者からのお答えを得ましたが、なお私は欲を言いますと、いまの御調査、特に国鉄さんの御調査の中で、孫請の方から事情を聞く、調査をする、孫請側からの調査という面で欠落しているように私は感じたのです。検査院も同様ですが、検査院は権限がないとおっしゃるから、私は強く言わなかったが、私の予算委員会での質問では、メーカー、元請側の調査、メーカー側の資料を入手しましてメーカー側からつくことと、それから孫請側からも資料を入手しまして、孫請の複数から調査をする、両側面から調査をしていったわけなんですが、国鉄さんの調査は孫請の方の調査が欠落していると思います。したがって、きょうのはあなたの方も中間の報告とぼくは聞くので、引き続きこの点の孫請側の調査を極力やって正確を期していただきたい。特に、国鉄理事の常務のお答えでは、A、B、Cについて正確な答えが必ずしも出なかった。ただ、自分はA、B、Cというのはそれぞれの契約の単価と考えるけれども、正確ではないと、こう言っているんですから、その点では孫請側の調査を、くどいようですが、要求しておきたい。  特に蛇足とは思いますが、これは去年の五月二十五日に当院本会議におきまして、四十八年度決算の審査報告がなされまして、決算委員長から報告がありましたが、この中で特に一項を設けて、「政府及び公共企業体は」「請負関係の適正化を図るため、その実情を把握し、下請負人または建設労働者の不利益にならないよう、指導監督に努める」ということが本院の警告で報告の中に特にうたわれておりまして、そういう実情もありますから、これはぜひ引き続きその面も調べていただきたいと思いますが、どうですか。
  52. 説明員(高橋浩二君)(高橋浩二)

    説明員高橋浩二君) いま先生の御指摘のように、なお突っ込んでその点を調査したいというふうに考えております。調査いたします。
  53. 内藤功君(内藤功)

    ○内藤功君 次に、会計検査院から先日私のところに来ていただいて、資料を若干いただきました。この中に、排水管の材料の比較表というのをいただきました。これは、たとえば角上合ですとか、細かい話になりますが、ジョイナーですとか、角エルボのふたですとか、あるいはとめ金具ですとか、こういう品目ごとに、K社、S社、M社、これは私は久保田鉄工、三菱樹脂、積水化学だと思いますが、このK、S、Mという三社が幾らで見積もったかと、そしてその三社の見積りの中の一番安い価格で幾らで査定をしたかということがこの表に書いてございました。  そこで、これを見ますと、これは特に会計検査院に伺いたいんですが、あなた方の専門家の御判断で伺いたいんですが、私ら素人が見ましても、三社とも値段が同じ値段で見積もっているのが幾つかの品目ございますし、それから十円から百円ぐらいの差であります。そうして、ほぼ同じくらいの金額を国鉄に見積もっていると、私は全く素人でありますが、あなた方の目から見て、この表を見た場合に、このK、S、Mの三社について、これは特に話し合いをやって、価格のつり上げを図ってきた、さっき皆さん方が御答弁なったように。価格の方は、どんどん値段が上がってくると、そのためにうんと高くつくようになっちゃったと、こういうことなんですが、その背景として私はそう感じるんですよ。いや、それはおまえ素人の見方だと言われるかもしれないが、これどうですかね、そういうふうにぼくは断定せざるを得ないと思うんです。この点、検査院いかがですか。
  54. 説明員(東島駿治君)(東島駿治)

    説明員(東島駿治君) 私ども実は正直申し上げまして、こういう部品の価格の原価計算というところまではまだ実際はやっておりませんし、この価格が大体似通っているということの意味ということについても、まだわれわれとしてはちょっと正確な判断をいたしかねるというのが実情でございまして、まあ先生の御質問の御答弁にならないと思いますけれども、私どもとしてはちょっとはっきりここでは申し上げられないという実情でございます。
  55. 内藤功君(内藤功)

    ○内藤功君 この点はさらにいまのぼくの指摘をもとに、最終結論まで研究をしていただくことを検査院と国鉄にもあわせて要求をしておきたいと思うんです。  それで私は、さっきも答弁が出ましたが、この際、排水設備のこういう排水管の設計そのもの、それから材料の選択、こういった面について、この際全面的に抜本的な改善を加えて、むだな経費というものを抑えて、それからさらに、中小企業の業者にできるものはどんどん積極的に示唆していくと、こういう設計面、材料面の抜本的改善と、それから分離発注ですね、この問題をやはりこの機会に、こういう事実が指摘された現状においてやるべきだと、この前も言いましたが、地方に行っていろいろ業者の声を聞きますと、公共投資ということを福田総理は言っているけれども、こっちへ回ってこないじゃないかと、われわれでもあの工事はできると思うのが、大きなところだけにやっていると、特に国鉄さんはこれは敷居が高いという声が率直に言ってあります。これは申し上げておきたい。そういう状況でありますので、まず、この設計面、材料面、分離発注面、この点について前回予算委員会検討することを皆さんお約束されたんですが、検討の結論を、さっきも一部出ていますけれども、もう一度国鉄からお伺いをしたい。
  56. 説明員(高橋浩二君)(高橋浩二)

    説明員高橋浩二君) 材料面と設計面、これにつきましては、いまの市場価格その他を十分検討いたしまして、材料の問題と設計の問題については十分検討していきたいというふうに考えております。  それからもう一つ、後で申された分離発注という点でございますが、現実にただいま東北新幹線でも一部盛岡地区等で高架橋がすでに完成した後発注したものについては、分離発注も数量は少のうございますけれども実際にはいたしております。この分離をして発注するか、総合一括発注するかということは、まあ建築等ではほとんどが総合発注というのが日本の建設業における一般でございまして、土木構造物の場合には、その施工の時期、あるいは周りの状況等によって分離発注する場合も、一括発注する場合もございます。ただ、一括発注したから値段が高くなるか、あるいは分離発注したら安くなるのかという点につきましては、必ずしもそうは言えない点がございまして、また一括発注をいたしますと、私の方の監督員の監督の量自体が減ってまいるというメリットもいろいろございまして、ケース・バイ・ケースに応じてこの分離発注ということは考えなくちゃならぬと思いますけれども、いろいろ先生からの御指摘のような趣旨も踏まえまして、分離発注できるものについては、十分分離発注の方向で検討をしていきたいというふうに考えております。
  57. 内藤功君(内藤功)

    ○内藤功君 公団も同様ですか。
  58. 参考人(大平拓也君)(大平拓也)

    参考人大平拓也君) 公団も国鉄と同様に考えていきたいと思います。
  59. 内藤功君(内藤功)

    ○内藤功君 最後に、この点について運輸大臣、前にも予算委員会で伺いましたが、いまの排水管工事ですね、これはまあいま国鉄がその事業の中で分離発注させるとすれば、私はまずこのくらいが手っ取り早いところだと思います。この点についての明確な御答弁をひとついただきたいと思います。
  60. 国務大臣(福永健司君)(福永健司)

    国務大臣福永健司君) 官公需につきまして、中小企業者の受注機会を確保してやるということは、私はぜひ必要であると考えます。前々から内藤さんのいろいろのお話等も伺っているのでございますが、そういう私がいま申しましたような趣旨において、ただいまの御主張、私同感でございまして、そういう考え方のもとに実効ある、効果ある措置がとられなきゃならないと思います。ぜひそうしたいと私は考えます。
  61. 内藤功君(内藤功)

    ○内藤功君 それでは次の問題に移りますが、私の指摘したいのは、欠陥自動車の問題です。いまあちらこちらで問題になっておりますが、きょう指摘するのはその一部になりますが、鈴木自動車工業の生産にかかる自動車、幾つかの欠陥があるという。特にこの鈴木は軽自動車をやっておりますが、農村部なんかで非常に多いように私は見ておりますが、こういう指摘運輸省に何件かなされておるはずであります。  具体的に聞きますが、LJ10型、これは鈴木ジム二一と呼ばれております。ここに私ブレーキパイプの現物を持ってきました。これがそれでありますけれども、亀裂が入っています。こういう指摘運輸省になされているはずであります。この事実と、それから、運輸省はこれに対してどのように処置をされたかと、この点をまずお伺いしたいと思います。
  62. 政府委員(犬丸令門君)(犬丸令門)

    政府委員(犬丸令門君) 鈴木ジムニーのただいま御指摘のブレーキパイプの亀裂の件につきましては、北海道におきまして苦情の申し立てがございました。陸運局で一般調査いたしました結果、本年の初めから本省に上がっておりまして、私どもで追跡調査をやっておるところでございます。
  63. 内藤功君(内藤功)

    ○内藤功君 運輸省の方で把握しておられるところで、クレーム申請されている台数はどのくらいというふうに把握しておりますか。
  64. 政府委員(犬丸令門君)(犬丸令門)

    政府委員(犬丸令門君) LJ10、一万二千五百九十三台についてでございます。これはLJ10の生産総台数でございます。
  65. 内藤功君(内藤功)

    ○内藤功君 いや、私の聞いたのは、クレーム申請をされている台数という聞き方をしたんですが……。
  66. 政府委員(犬丸令門君)(犬丸令門)

    政府委員(犬丸令門君) ただいま私どもが把握しておりまする状況では、北海道から札幌陸運局に対して苦情申し立てがございましたこの一件だけでございます。
  67. 内藤功君(内藤功)

    ○内藤功君 そこで時間の関係で、私、直接もう結論について伺いたいと思うんですが、この鈴木自動車工業株式会社、メーカーがディーラーに出した内部文書を私ここに持っているんです。おたくの方にも同じものがあるかもしれませんが、これは昭和四十七年の六月一日付の「サービス速報」というもの、いま持っておりますか。この文書は非常に問題だと思うんですね。これによりますと、三枚目に、「3、クレーム申請方法」というところがございまして、ここにこう書いてあるんですよ。「ブレーキパイプN01を交換した場合は、下記項目以外は通常の申請方法で行って下さい。」、つまり、下記項目の場合は通常のクレーム申請の方法で行わないという——非常に私は、自動車の問題素人ですけれども、クレームという車の安全にかかわる問題でこんなことを言うのは異常じゃないかと思うんですね。まず、これは品番ですね、これが五一四〇〇から六三八三三まで、クレーム工賃が一台一千五百円、故障コードナンバーは「記入しないこと」と書いてある。特に、こういうふうに書いてあるんですね。そして、LJ10型の保有台数、これで言いますと、五一四〇〇から六三八三三まで、約一万二千台余りが明記されて、これが通常のクレーム申請の対象外とされている。そして、二番目には、通常の申請方法と違う異常な取り扱いが指示されている。それから、故障コードナンバーを記入しないと。私は、これはブレーキパイプの故障を内部の記録に一切残さない、公にしない、残さない方法だと見るしかないと思うんですね。この点について、まずこの文書を持っているかどうか、それからこの文書の第三項に、ぼくのいま言ったようなことが書いてあることを確認されるかどうか。それから、これについてのあなたの方の御意見というものをずばり伺いたい。
  68. 政府委員(犬丸令門君)(犬丸令門)

    政府委員(犬丸令門君) 私どもその資料を持っております。そして、その三ページ目に、先生ただいま御指摘のような内容が記載されておることも承知いたしております。しからば、このようなサービス速報の内容は何を意味するものかという点につきましては、私どもは次のように理解いたしております。  すなわち、これは四十七年の六月に出されたものでございますが、四十七年の四月からLJ10の生産は打ち切られまして、LJ20に変わっておるわけでございます。この時点におきまして、これは同じような型でございますが、車格としては同じ軽でございますけれども、いろいろ改善かなされたわけでありますが、この場合におきまして、ブレーキパイプとホースの配管方法が多少変わっております。そういう観点から、部品の共通化のために、従来生産されておったLJ10、これに対しまして補給部品、もしくはクレーム等によって故障等が起こったものを改善する場合には、LJ20の部品を使ってくれと、こういう意味でございます。そうして、その場合におきましては、ブレーキパイプとホースのアセンブリー交換をしなければならないものでございますが、その取り扱いをここに書いたものである。「ブレーキパイプNO1」と書いてございますのは、これはしJ10のもの——「ブレーキパイプNO1」を交換した場合は、これはアセンブリー交換を行った場合には、その以下のように処理してくれと、品番五一四〇〇から六三八三三と書いてございますのは、これはアセンブリー交換の意味でございます。そうしてディーラーがクレーム処理を行った場合、その工賃の積算はこういうふうにするよということでございます。したがって、こういったクレーム処理でございますので、故障コードといったふうな内容は必要はないというふうに理解をいたしております。クレームで処理をするという場合の処置でございます。
  69. 内藤功君(内藤功)

    ○内藤功君 いまの説明で私はよくわからないのですよ。それで、特に私の方に申し立てをしてきた苦情申し立て者の方ですね、この方からお聞きしたところによりますと、運輸省ではメーカー側に事実をいろいろ調査した結果として、大体こういうことを言っているというのです。私が聞いたところですがね。これはあなたの方で明快にこういうことを聞いたことがあるかどうか。一つは、故障コードナンバーを記入しないということは、いまあなたの説明とちょっと違うのですよ。こういうふうに言っているのですよ。第一が、ブレーキパイプが保安部品であるということから、特に適正な判断をする必要がある。二点目が、標準工数の変更による金額の記入ミスを防止する必要がある。そのために、これは異例の指示だと、あなたの場合はきわめて自然なようにいま言われましたが、この故障コードナンバーを記入しないことというのは異例な指示だと、こういうように聞いているというのですね。少しいまの御説明が私の予想しておった答えと違うものですから、再度いま私が紹介したような、こういう調査の結果をあなた方は持っていないのかどうかという点を伺いたい。
  70. 政府委員(犬丸令門君)(犬丸令門)

    政府委員(犬丸令門君) 先ほど申し上げましたように、LJ10につきましては、従来のLJ10の部品を取りつけてクレームに対処するのが一般的なやり方であろうと思います。で、この場合におきましては、LJ10の部品はあったようでございますが、ない場合におきまして、LJ20の部品を使って、クレームに応ずるという場合においては、このアセンブリー交換という措置でやってください、その場合における単価等のメーカーとディーラー間の取り扱いはこういうふうにいたします、という内容であるというふうに理解しております。
  71. 内藤功君(内藤功)

    ○内藤功君 そういうようないまの答弁は、メーカー側から聴取した向こう側の言い分ですか。
  72. 政府委員(犬丸令門君)(犬丸令門)

    政府委員(犬丸令門君) メーカー側からも聴取しておりますし、私どももこのサービス速報の内容を前後にわたって判断したものでございます。
  73. 内藤功君(内藤功)

    ○内藤功君 そうであれば、なお疑問が残りますのは、この通常の申請方法でなぜ行わなかったか、故障コードナンバーの記入をしないということをなぜここで書いたか、私はこの疑問がまだいまのあなたの答弁でもぬぐい去れないんですが、運輸省自身は内部において、この答弁について不自然な弁解というふうにお考えになったことは一度もないんですか。
  74. 政府委員(犬丸令門君)(犬丸令門)

    政府委員(犬丸令門君) その記入しない理由につきましては、これは先生がただいま御指摘のように、工数が変わり単価が変わるといったような点があるんだと思いますけれども、このLJ10のクレームをLJ20の部品でやるということが異例であるので、そういったケースについては、特に故障コード等を記入しなくても、メーカーとしては実態が把握できるというふうに考えたものだというふうに思います。
  75. 内藤功君(内藤功)

    ○内藤功君 私はやはりこれはメーカー側の言い分というものを聞いて、それに運輸省の安全の立場からの批判が加えられていないように私は感じられてならないんですよ。一般的には運輸省はこういう場合は単に言い分を聞いたり文書を見るだけでなくて、たしか実験をやるところがありますね、交通安全の研究機関がありますね。そういったところで調べることもできるし、そういうふうなやっぱり調査は恐らくこれしてないだろうと思う。私は、これは押し問答になりますから、私の意見を率直に言って調査を求めたいんですがね。これは明らかにブレーキパイプの欠陥を通常のクレーム申請という手続というものを踏まないで、このメーカー側において事態を公開しないで隠蔽しているという疑いを持たざるを得ないんです。あなた方の運輸省内部で、もしこれに完全に一つも疑いを差しはさまなかったとすれは、これは大問題なわけなんです。私は、やっぱりブレーキパイプというのはきわめて安全上重要な部分でございますから、そういうものの処理がこんなふうな「サービス速報」ですか、故障コードナンバーを記入しないこと、通常の申請方法以外でやってくれというような、こういう処理でやられること自体が非常に私は問題だと思います。これを見過ごしてはいけない問題だと私は思うんです。  そこで、二点私は当局に申し上げておきたい。一つは、メーカーに対してやはり行政指導権を行使をして、そしてこの事態を国会で指摘されたのを契機にもう一遍調査をしていただきたい。特に四十七年ごろこれが出てから、もし私の推論のとおり公開されないでやみからやみに葬られていたとすれば、これは大問題でありますから、これが一つ。再調査。それから二番目は、われわれリコールの問題にもなり得るのじゃないかとも考えるんですけれども、これはいろいろ議論がありましょうから、少なくともメーカーに対して警告を発すべきだ、こういう指摘があったということについて警告を発し、注意を促すべきだ、この二点をこの場でもって特に運輸省当局にお願いしておきたいと思うんですが、どうでしょうか。
  76. 政府委員(犬丸令門君)(犬丸令門)

    政府委員(犬丸令門君) 御指摘のブレーキパイプでございますが、これは重要保安部品でございます。したがって、私どもはこういったものに設計製作上に起因する欠陥があるとすれば、これは直ちにリコール等の措置を講ずべきものであると考えます。しかしながら、現段階までに私ども調査した結果によりますと、これはブレーキパイプの取りつけがエンジンルームの中にございまして、そういった意味では通常の運転状態によって力が加わるものでないのでございますが、御指摘のブレーキパイプの亀裂というのは、当核部分に予期しない大きな外力がかかった、そのために曲がって押されて管部が亀裂したものでないかというふうに考えております。このような例はほかに聞いておりません。クレーム等はございますが、それはいずれも油漏れもしくはパイプのさび等によるものでございます。しかしながら、御指摘の点につきましては、その点をさらに調査するということは御指摘によりまして調査をいたしたいと思いますし、またその結果、保安上問題があれば厳重に警告する等の処分を講じてまいりたいと考えております。
  77. 内藤功君(内藤功)

    ○内藤功君 恐縮ですが、ここに私現物を持っておりますので、ちょっとこれ見てください。いろいろ言われますけれども、こういうことで亀裂が生じたのじゃないかと思われますと言うけれども、ちょっと見てください。持っていっていいです。(現物を渡す)  思われますと言いますけれども、そういう推測じゃなくて、研究機関もあることだし、そういったところでちゃんと調査をして、それで科学的なやはり結論を持ってきてもらわなければそれは困りますよ。
  78. 政府委員(犬丸令門君)(犬丸令門)

    政府委員(犬丸令門君) 現在この部分の亀裂をどういうふうに何するかという点については、現時点において、私明確に判断できませんが、御指摘の線に沿いまして、私どもの交通安全公害研究所におきまして調査検討をさせたいと考えますが、つきましてはこれを預からしていただけますかどうか。
  79. 内藤功君(内藤功)

    ○内藤功君 これはまた後で。ちょっとそこへ持っていてください。  もう一つ、時間が来たので関連して、LJ10の話がいま出まして、その次にLJ20の話が出たのでついでに言っておきますが、このLJ20型というのはいわゆる「スズキフロンテ」ですな、これについてもブレーキパイプの問題があるのです。いま持っていかれた中に20のもあるのです。これはバッテリー液がブレーキパイプに落ちてそれで腐食を生じていると、こういう問題なんですね。メーカー側は昭和五十年の十二月以降の新しい車については被覆——そこについていますね、被覆をつけて被覆処理をしている、覆いをつけている、こう言っているのですが、この理由は万が一の事故に対応して処置をしたということなんであります。しかし、五十年の十二月以前の「スズキフロンテ」、これは九万六千台と聞いておりますが、こういうものについては処置されていない。私はこの問題もひとつ指摘をしておきたい。万が一の事故対策ということであれば、五十年十二月以前の車の方が、より取りかえ処置を要する点は強いのじゃないかと思うのですね。いまの点、LJ20、「スズキフロンテ」のブレーキパイプの問題はどういうふうに運輸省は処置をしていますか。
  80. 政府委員(犬丸令門君)(犬丸令門)

    政府委員(犬丸令門君) 御指摘の点につきましても私ども調査したところでございますが、これはバッテリーベッセルと申しまして、バッテリーの液が漏れたときにそれを受ける受けざらがございまして、それにドレーンホースがついておってそれを車体外に排除するという装置になっておるわけでございます。整備をいたしますときに、何らかの理由でこのドレーンホースを穴から車体外に落とすというのを、その穴に入れるのを忘れることによりまして、いわゆる誤って配管することによりましてバッテリー液がその車体内に出される、そういったようなケースが出てくる。そのためにバッテリーから漏れたバッテリー液がブレーキパイプにかかってそしてさびが出るケースがあるというふうに承知いたしております。この点につきましては、こういう方式でバッテリー液のドレーンを取っておるそういう車はほかにもあるのでございますけれども、この点につきましては、すべてのユーザーに、車と一緒についてまいりますところの取扱説明書にそういったことの内容、特に絵入りで解説がなされておりまして、絶対にドレーンホースを穴から外すことのないようにと、特に取り扱い、整備等のときに注意してくれということが丁寧に書いてございます。したがって、そういった点から見て、やはりこれはメーカーがそういったような注意をしておりますわけですから、やはりその使い方に従ってユーザーが使っていただきたい。そしてなお、ただいま御指摘の五十年の九月におきまして、バッテリーのベッセルを固定化した、それからさらにブレーキパイプを被覆処理をしたという点については、その事実も承知いたしております。まあ申しまするならば、念には念を入れるという対策であるというふうに理解をいたしております。
  81. 委員長(三木忠雄君)(三木忠雄)

    委員長三木忠雄君) 内藤君、時間です。
  82. 内藤功君(内藤功)

    ○内藤功君 じゃあ大臣、まあ専門的なことはもう結構ですから、こういう車が多くなってきて、ユーザーの立場からしていろんなその安全にかかわる重要な部分が何か、やみからやみにというと語弊があるかもしれませんが、きちんとした手続を経ないで処理をされていくということは、やはり非常に不安だろうと思うんですね。で、基本的なお考え方でいいから、いままあ調査は部長が約束されましたけどね、こういう欠陥自動車問題に対処する運輸大臣の基本的な姿勢というものを、最後ですから大臣にお伺いをしておきたいと思います。
  83. 国務大臣(福永健司君)(福永健司)

    国務大臣福永健司君) 私まあ素人ではございますが、お話を伺いつつ思いますことは、ぜひこういうことにつきましては特段の気をつけたいと、こういうように存じます。
  84. 委員長(三木忠雄君)(三木忠雄)

    委員長三木忠雄君) 本日の調査に対する質疑はこの程度にとどめます。午後三時まで休憩いたします。   午後零時四十二分休憩      —————・—————    午後三時十一分開会
  85. 委員長(三木忠雄君)(三木忠雄)

    委員長三木忠雄君) ただいまから運輸委員会を再開いたします。  新東京国際空港安全確保に関する緊急措置法案を議題といたします。  まず、発議者から趣旨説明を聴取いたします。衆議院議員足立篤郎君。
  86. 衆議院議員(足立篤郎君)(足立篤郎)

    衆議院議員(足立篤郎君) ただいま議題となりました新東京国際空港安全確保に関する緊急措置法案につきまして、自由民主党、公明党・国民会議、民社党及び新自由クラブを代表し、提案理由を御説明申し上げます。  去る三月二十六日、新東京国際空港の開港阻止を叫ぶ過激派暴力集団が同空港内に乱入し、その一部が管制室に侵入して、管制機器類が破壊されたことにより、同空港の開港は一時延期のやむなきに至りました。  衆参両院におきましては、全党一致の決議をもって、再びかかる不祥事を引き起こさざるよう暴力排除に断固たる処置をとるとともに、地元住民の理解と協力を得るよう一段の努力を傾注すべきこと及び新空港の平穏と安全を確保し、わが国内外の信用回復のため万全の諸施策を強力に推進すべきことを、政府に対し強く要請したのであります。  政府においては、新東京国際空港安全確保について責任を持って対処することを明らかにし、開港期日を来る五月二十日とすることを決定するとともに、同空港の安全強化等の諸対策を決定し、その推進に努めているところであります。  しかしながら、同空港及びその周辺に過激派集団の活動の拠点となっている団結小屋等の工作物が存在している現状においては、同空港及び航空機の航行の安全を確保するためには、きわめて重大な不安があり、現行法の適用を検討した結果、いずれの法律もこのような事態は予想しておらず、その解決は不可能との結論に達したのであります。  したがって、当分の間の緊急措置として、新東京国際空港もしくはその機能に関連する施設の設置もしくは管理を阻害し、または新東京国際空港もしくはその周辺における航空機の航行を妨害する暴力主義的破壊活動を防止するため、新たに法律を制定する必要があると考え、この法律案を提案した次第であります。  次に、本案の内容について御説明申し上げます。  第一に、この法律は、新東京国際空港及びその周辺において暴力主義的破壊活動が行なわれている最近の異常な事態にかんがみ、当分の間、暴力主義的破壊活動の用に供される工作物の使用の禁止等の措置を定め、もって新東京国際空港及びその機能に関連する施設の設置及び管理の安全の確保を図るとともに、航空の安全に資することを目的といたしております。  第二に、暴力主義的破壊活動等、暴力主義的破壊活動者及び規制区域についての定義を規定し、規制区域は、空港内及びその外側三千メートルの範囲の区域並びに航空保安施設または空港機能を確保するために必要な施設のうち政令で定めるものから三千メートルの範囲内で政令で定める区域といたしております。  第三に、規制区域内に所在する工作物が暴力主義的破壊活動者の集合場所として、爆発物、火炎びん等の製造または保管の場所として、または、航空機の航行を妨害するために用いられまたは用いられるおそれがあるときには、運輸大臣は、その工作物の所有者、管理者または占有者に対して、期限を付して、当該工作物をこれらの用に供することを禁止することを命ずることができることといたしております。  さらに、この禁止命令に違反してこれらの用に供されているときは、当該工作物について封鎖その他その用に供させないために必要な措置を講ずることができ、また、諸般の状況から判断して、暴力主義的破壊活動等にかかわるおそれが著しいと認められ、かつ、他の手段によっては禁止命令の履行を確保することができないと認められるときであって、本法の目的を達成するため特に必要があると認められるときに限り、当該工作物を除去することができることといたしております。  第四に、これらの命令または措置に関し、立ち入り・質問、土地の使用等、現場にある者の退去、物件を除去した場合の保管等に関する規定を定めております。  第五に、国は、封鎖、除去、土地の使用等の措置を講じたことにより、損失を受けた者に対し、通常生ずべき損失を補償することといたしております。  第六に、運輸大臣は、規制区域内において暴力主義的破壊活動者の所持し、または使用する物件が、暴力主義的破壊活動者の集合、爆発物、火炎びん等の製造または保管の場所または航空機の航行に対する妨害の用に供され、または供されるおそれがある場合において、諸般の状況から判断して、暴力主義的破壊活動等にかかわるおそれが著しいと認められ、かつ、本法の目的を達成するため特に必要があると認められるときに限り、当該物件を一時保管することができることといたしております。  第七に、この法律に基づく運輸大臣措置の一部は、これを新東京国際空港公団に行わせることができることとし、また、関係行政機関は、この法律の実施について、運輸大臣協力しなければならないことといたしております。  以上が、この法律案を提案する理由であります。  何とぞ慎重御審議の上、速やかに御賛成いただきますようお願い申し上げます。
  87. 委員長(三木忠雄君)(三木忠雄)

    委員長三木忠雄君) 本案に対する質疑は、これを後日に譲ります。  本日はこれにて散会いたします。    午後三時十九分散会      —————・—————