○
国務大臣(
福永健司君) ただいまお話しの点でいろいろわれわれも考えなきゃならないところがあるわけでございますが、まあ
空港へ遠いということは確かにそうでございますが、これは世界じゅうのなにを見ますと、このごろ町の真ん中になかなか
空港をつくるということは困難であるという事情がございますので、ここまでまいりますと、なかなかすぐそばとか町の中とかいうことはむずかしかろうと思います。私も世界じゅうあっちこっち行って
成田よりも大分遠いところの
空港もよく知っておりますが、それはそれなりの理由があるわけであり、いま
瀬谷さんが昔海洋
空港等も考えたというお話でございまして、私も当時はまだ生きておった川島正次郎氏等とともに、党の役員といたしまして、この問題について、
成田の前にここはどうかといったようなこと等にもある
程度触れた次第で、私は羽田があってほかにつくるということなら、気象条件等を異にするようなところで、一方は使えないが一方はというようなことになり得るようなところというような考えも実は持っておったんでございます。しかし、いずれにいたしましてもいろんな点からこういうように決まったということで、その後の経過はあえて申し上げるまでもありませんが、そこで現在ないし将来を考えた場合に、海洋
空港等について東京の場合も考えてみたらどうかとか、あるいは日本全体として大阪等についてはその種の考慮は払うべきではないかというような点につきましては、実は私も素人ながら
運輸大臣になりました当初からいろんなことを考えておりまして、確かに大阪の浮体工法による
空港のことなどを申しました。これとてもこれに決めたということでなくて、いまやこういう時代であるから、
空港というものは陸地に決まっておって、それが足らなければ埋め立てるだけというようなことを言っておったんじゃ海洋汚染その他の点を考えてもなかなかめんどうな問題であるから、狭い日本だから進んで頭脳的に領土を新しく造成するくらいな考えを持って臨んでいくべきだというようなことから、ああいうことを実は申しましたのでございます。いま御研究をいただいているわけでございますがが、こういう点については今後も大いに考えていかなければならぬと思う次第でございますが、まあいまのところどのぐらいかかるかということはは、見当はもちろんつきますが、相当かかるけれ
ども、埋め立て等に比べて航空審議会で検討したころには大分よけいかかるということでございましたが、このごろは鉄があぶあぶしているし、造船業も不況で困っているしと、いろんなことでございまして、そういうことを考え合わせますと、こういうことはほかにも非常に利点があるし、それから当時高かったものがこういう状況で大分安くなってきたりしまして、海洋につくるというのはそう大したことではない、少なくともわが国が現在できないことでは決してない、だから進んでやるべきだという意見も出てくると思いますが、しかしそれに決めたと言うとまたしかられますので、決めておるわけじゃございません。そういう意見も持ちつつ対処しておるわけでございます。
まあ羽田にいたしましても、あそこも海の方へうんと拡張する等の考え方ももちろんあるわけでございます。この点につきましては、すでに美濃部知事とも私会っていろいろ話しもいたしましたし、あの
地元の区の
皆さんともいろいろ話をいたしました。で、単に
空港というだけでなくて、いま滑走路のあるようなところは場合によっては公園なんかにするというようなことにすれば、都民も非常に喜ぶであろうしというようなこと、そういう考え方も加えまして、あそこのところをかなり大きく
空港にしていく——まあ将来を考えますと、これはまだまだいろいろあるんでございますが、世界のあちこちの例を見ますと、これからどんどん航空がいま以上に発達していきますと、二つだって足りないという時代はきっと来る。来ると思いますが、だからというようなところまでいくと、これは話は大分また先のことにも
関係してくるわけでございますが、現在そういうようにあっちこっちに、大きなところですとニューヨークだとかパリだとかロンドンを考えてみると、二カ所じゃだめで、もっと多くの
施設をということになってきておりますが、そういう
意味から申しまして、私は当面といたしましては羽田は国内線ということではございますが、これもりっぱにつくっておいて、万一
成田が故障等がある場合には代替使用することもある
程度できるようにしておかなけりゃなりませんし、それにいまお話が出ましたが、これは単にいままでの考え方だけでなくて、もう少しスケールの大きな考え方から将来の航空政策を考慮に入れた措置も考えつつ前進すべきではないか。もとよりこれは
政府だけのことではございません。都や区の
皆さんともよく相談して、そういう方々の合意も得て対処しなければならぬと思います。
関西
空港の場合な
ども、私、金額的にどうということはむしろ局長たちの方が見当がついていると思うんでございますが、たとえばあそこで使います鉄材を考慮に入れますと、六百万トン
程度と私は認識しておりますが、そういうようなことになりますと、いま船なんかもうんと減ってしまいまして、その量よりはいまでは年間に使う鉄材も少ないんじゃないかというようなところまで来ておりますだけに、短に
空港だけでなくて、政治全体、国民生活全体を考えつつ問題も進めていく、このことも必要であろうと、こういうように考えております。