○矢原秀男君
先ほども話が出ておりますけれ
ども、当
委員会の、国民の
立場から見て、この
ロッキード疑獄、これが国民の前に解明をされていかなくてはならない、これは非常に重大なことであろうと思います。それだけに特別
委員会の権威というものも考えていかなくちゃいけません。で、いま
大臣席を見てもどなたもお見えになっておられない。いろいろの事情等が御報告ございましたけれ
ども、やはり主管
大臣である、私は、法務
大臣が主管
大臣であって、その他の
大臣についてはいろいろの
要求があれば出席をしていただく、そういう権威あるものでなくてはならないのに、こういうふうな形の中で審議が続けられようとしていることを非常に遺憾に思うわけでございます。そういう
意味で
委員長に特にお願いしたいことは、今後、せめてどういう行事日程があろうとも主管
大臣と思われる法務
大臣は必ず最初から最後まで出席をする、こういう形のものを
理事会で検討していただき、今後はこういう形にしていただきたいと思うのでございます。
まあ、私も考えてみますと、この事件が起きまして、二月の四日でございますか、日本で報道がございましたときに、ちょうどアメリカに私も行っておりまして、二月の十日にホワイトハウスでロックフェラー副大統領と会談をいたしました。で、そのときには大統領
選挙の状態でございましたから副大統領しかおりませんでしたが、そのときに、日本の国民が、この
ロッキード問題、アメリカと日本にわたっておりますけれ
ども、ぜひアメリカで協力をしてもらいたい、そうして日本の国民の
立場から明快にしていただきたい、こういうふうに要請をしたわけでございます。そのときに副大統領の、一つは商行為としてある
程度は許してもらわなくちゃいけないという話でございましたが、そういう問題と違う、政府高官、
政治高官が
関係する限りは
政治的な道義の問題があるから、商行為ではなしにこれは厳しくやらなくちゃいけない、こういうふうに重ねて
指摘をする
段階の中で、日本の御要望があればそれに沿って米政府としても一生懸命やらしてもらいますと、そこまで言ったいきさつというものを私はいま追憶をするわけでございますが、いずれにいたしましても、この
ロッキード疑獄ということは、
政治、財界腐敗のかたまりというものが、やはり大きな金権の、経済、金権
政治、こういうふうな形の中で国民の不信を買っているわけでございます。そういう
意味で、ただいま申し上げた第一点の、
委員長、主管
大臣である法務
大臣が必ず出席をしていただいてこの権威ある特別
委員会が今後開かれますように強く要望いたしますので、
理事会で諮っていただきたいと思います。
なぜ私がそれを申し上げますかと言いますと、話がいままでに出ておりますように、
政治的道義の問題という形はどうしても
大臣に私
たちは
質疑をしていかなくちゃいけない。この前も
全日空ルートの第四十三回の公判があったわけです。そうして、副島元
丸紅課長もいろいろと明かしておるわけでございますけれ
ども、この
全日空からの依頼により
丸紅が、
伊藤、副島氏の二人が分担をして元運輸
大臣の
橋本登美三郎氏、元
運輸政務次官の佐藤孝行
——被告になっておりますけれ
ども、そして二階堂進元官房長官それから佐々木秀世元運輸相そして福永元自民党航空対策特別
委員長そして
加藤六月元
運輸政務次官の
——灰色高官の疑いがいま出ておりますけれ
ども、その四人に対してもリベートを贈ったことを明らかにしたわけでございます。そうして、その副島氏
自身が佐藤氏、佐々木氏、福永氏、
加藤氏のそれぞれに対して直接
お金を手渡した、そういう具体的な
状況というものが詳細に証言をされたわけでございます。そこで、国民の
方々が報道機関のそういうニュース、テレビ、そういうものをずっと見ておりまして、副島氏は証言をしておる。ところが、肝心の福永さんにしても佐藤さんにしても
加藤さんにしても佐々木さんにしても、それぞれ結論的には、副島は初めてだ、ああいう者は知らない、こういう形ですべてが否定をされて、稲永さんだけが一応受け取った、まあ、その
趣旨は別といたしましても、こういう形で国民の前に明らかになっている。
そうなってくると、国民から見ても、副島氏が言っていることが、
裁判の席上で言っている、確かにこれは正しいと思う、そういうふうに感じておるところへ、四高官は知らぬ存ぜぬ、こういうふうな形で、名も知らない、会ったこともない、これは元運輸相の佐々木氏。
運輸政務次官の
加藤六月氏は、神聖な次官室でそういうことはあり得ないと、こういうふうにいろいろと反論が出ている。こうなってきますと、国民はどちらが正しいんだ、はっきりしてほしい、こういうふうな国民の声というのは私は当然だと思うのです。こうなってきますと、四高官の
立場に対しては、私がいま法務
大臣の出席をと言っておりますけれ
ども、
政治的な道義の問題がまず前面に出るわけですから、どうしても主管
大臣である法務
大臣、そういう人を前にして、こういう方
たちのあり方、今後どうするか、こういうふうなことの
質疑が行われなくちゃいけないけれ
ども、このように全然どなたもおられないというようなことでは全然話になりません。そういう
意味で、まず一つの御要望をお願いしたわけでございます。
そういうふうになりますと、どうしても当特別
委員会に、
証人喚問という形の中でこの高官の方方にも出ていただいて、そうして正邪というものをはっきりしていただかなくちゃいけない、それが国民のやはり主体性のある
政治というものに対する答えであろうかと思うわけでございます。
ですから、ここでまず
委員長にお願いしたい第二番目は、せめて福永氏だけでも、
喚問に出たいという話があったわけですから、参議院のこの特別
委員会においても
証人喚問に出ていただく努力を
委員長から
理事会に諮っていただいてしていただくこと、そうして、四氏の
方々がみんな否認をされていらっしゃるわけですから、正々堂々とこの場に出ていただいて、そうして
自分が正しいんだ、こういうことになれば、この場でやはり明らかにしていただくのがその人のためにもいいんではないか、こういうふうに思いますので、この高官の
人たちに対して
証人喚問という形でここに出ていただく、そういう努力を
委員長にしていただきたいと思うわけでございます。その点いかがでございましょうか。