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1978-01-20 第84回国会 参議院 ロッキード問題に関する調査特別委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十三年一月二十日(金曜日)    午後一時三十四分開会     —————————————    委員異動  十二月二十日     辞任         補欠選任      三治 重信君     和田 春生君  十二月二十二日     辞任         補欠選任      大塚  喬君     寺田 熊雄君  一月十二日     辞任         補欠選任      矢田部 理君     森下 昭司君  一月十三日     辞任         補欠選任      森下 昭司君     矢田部 理君     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         梶木 又三君     理 事                 斎藤 十朗君                 田原 武雄君                 寺田 熊雄君                 峯山 昭範君                 神谷信之助君                 和田 春生君     委 員                 浅野  拡君                 岩崎 純三君                 成相 善十君                 山本 富雄君                 久保  亘君                 野田  哲君                 矢田部 理君                 矢原 秀男君                 橋本  敦君    国務大臣        法 務 大 臣  瀬戸山三男君        国 務 大 臣        (防衛庁長官)  金丸  信君     政府委員        国防会議事務局        長        久保 卓也君        防衛政務次官   竹中 修一君        防衛庁長官官房        長        竹岡 勝美君        防衛庁防衛局長  伊藤 圭一君        防衛庁経理局長  原   徹君        防衛庁装備局長  間淵 直三君        法務省刑事局長  伊藤 榮樹君        国税庁調査査察        部長       藤仲 貞一君    事務局側        常任委員会専門        員        首藤 俊彦君    説明員        内閣審議官    門田  実君        大蔵省主計局主        計官       志賀 正典君        大蔵省主税局税        制第三課長    亀井 敬之君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○理事補欠選任の件 ○ロッキード問題に関する調査  (ロッキード問題に関する件)     —————————————
  2. 梶木又三

    委員長梶木又三君) ただいまからロッキード問題に関する調査特別委員会を開会いたします。  まず委員異動について報告いたします。  去る十二月二十日、三治重信君が、同月二十二日、大塚喬君が、一月十二日、矢田部理君が委員辞任され、その補欠として和田春生君、寺田熊雄君、森下昭司君がそれぞれ選任されました。  また、一月十三日、森下昭司君が委員辞任され、その補欠として矢田部理君が選任されました。     —————————————
  3. 梶木又三

    委員長梶木又三君) 次に、委員異動により当委員会理事二名が欠員となっております。  これより理事補欠選任を行います。  理事選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 梶木又三

    委員長梶木又三君) 御異議ないと認めます。  それでは、理事寺田熊雄君、和田春生君を指名いたします。     —————————————
  5. 梶木又三

    委員長梶木又三君) ロッキード問題に関する調査を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  6. 久保亘

    久保亘君 最初に、新たに防衛庁長官に就任をされました金丸防衛庁長官に、ロッキード事件等にかんがみ、今後の防衛庁長官としての所信を伺っておきたいと思います。
  7. 金丸信

    国務大臣金丸信君) 私は、去る十一月二十八日、防衛庁長官を拝命いたしました。  国の防衛が国家の存立の基本であるということ、その職責の重大さを痛感をいたしております。私といたしましては、ロッキード事件について、防衛庁にはいささかの疑惑もないと考えている次第であります。当委員会の御審議を踏まえ、調達を含む防衛行政適正化になお一層努めてまいりたい次第であります。具体的には、このたび閣議了解されたP3C、F15の導入に関し、選定公正化価格適正化を図る等、いろいろの施策を講じてきたところでございます。  今後ともできる限り努力を重ねてまいる所存でありますので、深い御理解と格別の御協力を賜りたいと思う次第であります。
  8. 久保亘

    久保亘君 長官に対しては後ほど私はただいま述べられました所信等にも関係をしながら見解をただしてまいりたいと考えておりますが、特に防衛庁の元主要な幹部でありました方の手によって書かれております「日本防衛体制の内幕」という出版物を見ますと、防衛庁とP3Cをめぐるロッキード社との関係について状況的にいろいろと国民の間に疑惑を抱かせるような防衛庁の今日までの体制をこの筆者はかなり大胆に記されているようであります。私はそういう点に関しても、この際、いま長官が言われましたように、機種の選定価格の適正という問題だけではなく、防衛庁あり方についても長官が謙虚な立場でいろいろと私の質問に対して見解を述べられるように期待をいたしております。  最初に、法務大臣に御出席いただいておりますので法務大臣に対する質問をいたしたいと思いますが、ロッキード事件に関する政府報告は、これまで二回にわたって、当委員会におきましても法務大臣を通じて中間的報告が行われております。三木内閣のときにも、また福田内閣になりましてからも、政府は、いずれロッキード事件に関しては総括的な政治報告を行う決意があることを約束をされてまいったのでありますが、二回目の中間的報告が行われました後すでに一年を経過をしようといたしておりますが、一体政府ロッキード事件に関して総括的な報告をまとめられる御意思があるのか。これを公約どおり国会を通じて国民に明らかにされる御意思があるのか、その点を法務大臣にお伺いをしたいと思います。
  9. 瀬戸山三男

    国務大臣瀬戸山三男君) いま久保さんからお話しのように、政府といたしましては、この事件発生以来、鋭意捜査を続けまして、昭和五十一年でございましたか、十月、五十二年三月、二回に中間的報告として当委員会に御報告申し上げておるわけでございます。その後の捜査の結果によりましても、それが進展する新たな犯罪事実を認める段階に至っておりませんので今日まで報告を差し控えておりますが、いまおっしゃったような全貌といいますか、最終報告をする必要があるかどうか、これは正直なところ衆参両院ロッキード調査特別委員会の御意向等も承って、それが必要であると、こういうことでありますれば御報告を申し上げたいと、かように考えておるわけでございます。
  10. 久保亘

    久保亘君 この問題は、特別委員会が必要があるかないかを政府に対して申し上げるという段階の問題ではないと私は思っております。で、すでに委員会におきましても、またしばしば総理大臣の言葉を通じても、いずれこの問題については国民に対して全貌を明らかにし、その政治的道義的責任についても明確にできる政治報告を行うということを公約されておるのであります。政府は、このような問題に関して、いままで国民に対する公約を果たせなかった問題が幾つかあります。一つは、田中金脈事件関連をいたしましても、これは当時の首相にかかわる問題であり、いずれその問題についてはみずから国民に対し釈明をするということを明らかにされ、それに対して政府も、当然にそのようなことが政治責任として行われるべきだということを主張されながら、今日までこの問題はそのままになって、国民疑惑解消、解決されておらないのであります。で、ロッキード事件に関しても、結局このまま終わってしまうのではないか。特にこの審議の過程におきましては、政府高官といいますか、国会議員なども含めて、その政治的道義的責任があるということをかなり明確にここで委員長席から宣言をされて、その内容報告を求められた経過もあるのであります。で、これらの点等もありまして、国民はいずれ政府責任においてその全貌が明らかにされ、政治的道義的すべての責任国民の前に明確にされるものと考えておるのでありますが、この点に関して政府が積極的なその意思をお持ちにならないということは大変遺憾なことだと考えております。  それでは、具体的にお尋ねいたしますが、ロッキード事件捜査本部はすでに解散されているのかどうか、この点について大臣お尋ねいたします。
  11. 瀬戸山三男

    国務大臣瀬戸山三男君) ロッキード事件捜査本部東京検察庁に設置してありましたが、十二月十四日に解散をいたしております。それはロッキード事件捜査は、先ほど中間報告で申し上げましたように、現在起訴すべきものは起訴し、公判進行中でございますが、その後の犯罪事実を発見する段階に至っておらない、こういうことで解散をいたしておるわけでございます。
  12. 久保亘

    久保亘君 もう一つ政府部内にはロッキード問題関係閣僚会議が設置をされておったと思うのでありますが、このロッキード問題関係閣僚会議は現在も存続しているのか、あるいはこれはすでになくなっているのか、この点も明らかにしていただきたいと思います。
  13. 瀬戸山三男

    国務大臣瀬戸山三男君) 結論を申し上げますと、これは解散といいますか、解消いたしております。政府の中に各種問題について閣僚会議あるいは閣僚懇談会というのをたくさん設けてありましたが、必ずしも全部が機能しておるという状況でなかった、そういうものもありますので、一応すべてのものを解消いたしまして、問題ごとに、新たに問題が起こったときに閣僚間で協議をすると、こういう取り扱いをするということになりまして、このロッキード問題についても同様なケース解消をしておると、かような次第でございます。
  14. 久保亘

    久保亘君 すでにこの事件に関する捜査本部解散し、内閣ロッキード問題関係閣僚会議解消をしているという状況でありますならば、すでに政府はこのロッキード事件に関してはすべてが終わったという考え方にお立ちになっているのでないか、後はただ裁判がその事件犯罪としての結論を出すのみであって、すでに政治的な意味ではこの問題は終了したと考えておられるのではないか。しかもそういうことが、国会になおロッキード問題調査に関する特別委員会が存続し、審議を続けているにもかかわらず、政府の方ではすでにこれら問題をすべて解散解消されておるということは、私は非常に理解のできない点なのであります。で、もし捜査本部解散し、閣僚会議解消するのであれば、その時点において政府ロッキード事件に関する政治責任を明らかにした最終報告国会を通じて国民に行うべき義務があったのではないかと思うのであります。この点については、総理大臣が御出席になっておりませんから、ひとつ、特にこの事件捜査責任を持っておられた法務大臣として、また、二回にわたって中間報告の直接の提出者となられた法務大臣として、最終的な政治報告を行って国民にその信を問うという立場をおとりになるべきだと私は思うのでありますが、いかがでありましょうか。
  15. 瀬戸山三男

    国務大臣瀬戸山三男君) 法務大臣といたしましては、犯罪の有無を調査いたしまして、犯罪ありと見ればこれを起訴等処分をすると、こういうことで進んできておるわけでございますが、その問題については先ほど来申し上げておりますように、調査の結果、犯罪ありと認めましたものはすべて起訴等処分をし、その以上に犯罪ありと認められるものがないと、こういう段階でありますということを先ほど来お答えしております。そういう関係捜査本部はこの際、長期にわたってありましたけれども、これを解消したと。もちろん、さらに新たな事実等が発見されればこれを捜査するにやぶさかではもちろんございません。ただ、政府の問題としてお話しでございますが、先ほど来報告のことがありますけれども、これは、報告を申し上げるにやぶさかでございません。先ほども申し上げましたが、皆さん等の御意見等も拝聴して、報告する必要があるということでありますれば、報告するにやぶさかでありません。政治責任云々の問題がありましたが、これは法務省として犯罪以外のものを政治責任を問うわけにまいりませんが、政治責任の問題は、御承知のとおりに国会を通じて政治責任を明らかにされた部分もあるわけでございまして、政府といたしましてはこういう事件が再発しないようにと、ここは各般にまたがりますから大きく反省もし、また、いわゆる多国籍企業あり方等についても検討をして、さようなことのないようにしなきゃならない、かような責任をもちろん感じておるわけでございます。
  16. 寺田熊雄

    寺田熊雄君 関連。  ロッキード問題がすでにもう究明を終わったかどうかという問題に関連する問題ですけれども、まあ布施検事総長以下検察当局が大変な苦心と努力の結果、ああいう犯罪が明らかになって、いま現に公判に付されているわけですね。で、検察権行使というのは、単に犯罪捜査して、犯人起訴して、というだけで終わるものではないでしょう。これは明らかに、これから公判を維持して、正しい裁判権行使というものを見守らなきゃいけませんね。ですから、検察権行使というものの中には、明らかに公判を維持していくその検察権の問題も入っておるわけですね。そうでしょう。われわれはそれをやはりじっと見ておって、いやしくもこの検察官の方で士気が阻喪したり、あるいは努力が不足したりして、そのせっかくの成果が画餅に帰してしまうようなことのないように注意深く見守っておるわけです。ですから、ロッキード問題というのは、その犯人を検挙して起訴したから終わったという問題じゃないんで、裁判が結了するまでわれわれは検察権行使というものを見守り、鞭撻し、あるいはそれを監視し、いろいろとそれに対してこれから質疑を行っていかなきゃいけない。そういう意味から言って、裁判が完全に終わるまではロッキード問題に対する政府責任、それに対するわれわれの監督といいますか、立法府の行政府に対するその点の監督というようなものは終わらないわけです。こういう点、大臣どんなふうにお考えですか。
  17. 瀬戸山三男

    国務大臣瀬戸山三男君) 寺田委員指摘のとおり、もちろんこれは起訴すれば後は知らぬ顔というわけにはまいりません。犯罪捜査をいたしまして、先ほど来申し上げておりますのは、これ以上犯罪を発見することが不可能である、あるかないかわかりませんけれども、鋭意捜査の結果、ない、あるものは、犯罪ありと認められるものは起訴をして現在裁判進行中でございますが、これに対しては、もちろん検察庁としてはその公訴維持のために全力を挙げる、こういうことは当然であろうと考えておるわけでございます。
  18. 寺田熊雄

    寺田熊雄君 その問題で、ひとつ最近のロッキード問題、ロッキード裁判経過を私ども見ておりますと、検察官取り調べ内容と、すでに取り調べを受けた者が証人として出廷してそれを証言している内容とが非常に食い違っていることを新聞紙上などで知るわけですね。で、われわれも裁判経験からして、検察官捜査内容がすべて事実に即したものだとは考えていないんです。それはずいぶん違っている場合もあるけれども、しかし、あのロッキード汚職の問題については、検察官捜査というものは非常に確信を得たものだというふうにいまでも考えておるわけですね。ところが、その点偽証ではないかと思われるようなことが非常に現に裁判の中で行われているわけで、多分にその点憂慮の念を覚えておるんですが、この際、特に大臣なりあるいは刑事局長に、公判維持について起訴当時の確信をいまなお持ち続けていらっしゃるかどうか、その点をはっきりお伺いしたい。
  19. 瀬戸山三男

    国務大臣瀬戸山三男君) この事件は、御承知のように国の内外を震撼させたと言っていいくらいの大事件でございます。しかも、いわゆる政府高官起訴されておる、こういう重大な事件でありますから、捜査にももちろん検察当局としては慎重の上にも慎重を重ねておるはずでございます。したがって、一たん起訴いたしました以上は、その真実を裁判の上で明らかにするために全力を挙げる、これまた当然のことであるわけでございます。裁判進行中のことがいろいろ新聞等で報道されておりますが、直接これをわれわれが担当しておるわけじゃございませんけれども、検察庁としては確信を持って進んでおるものと、かように信じて疑いません。そういう意味全力を挙げて、先ほど申し上げましたように公訴維持のために尽くしておる、これは疑っておりません。そういうことを検察庁確信を持って進んでおると、かように申し上げてよろしいと思います。
  20. 久保亘

    久保亘君 これから公判が進むことと、それからロッキード事件に関して政府がその政治的な責任を明らかにするということとは、ともに国民に対して果たさなければならない義務であると考えております。特にいま法務大臣も言われましたように、この事件は国の内外を震憾させた事件であり、国民政治に対する不信を一挙に増幅さした大変遺憾な事件であったと考えております。この事件に関して、政府立場からのこの政治的な責任というものは国民に対して明確にされなければならぬ問題だと考えております。私はそういう意味で、このロッキード事件に関する政府総括的報告を提出せられるよう強く要求をいたしておきます。  なおまた、政府がすでに関係閣僚会議解散されているということでありますが、このことはロッキード事件に関する政府がこれからやらなければならない、いまもありましたように再発防止等に関する諸対策について取り組むことを怠ってはならないのでありまして、その点については、やはり政府が積極的なロッキード事件に対する取り組みを進められるよう求めたいと思うのであります。  そのことに関連をして、ひとつお尋ねしたいのは、田中金脈ロッキード事件を通じて、国民は、政治家などの地位利用とか汚職関連をする脱税時効によってそのままになっていることについて非常に不信を抱いております。この点に関して、政府はこれらの汚職にかかわる脱税について時効あり方を再検討すべき必要があるのではないかと思うのでありますが、大蔵省見えておりますか。
  21. 亀井敬之

    説明員亀井敬之君) はい。
  22. 久保亘

    久保亘君 大蔵省お尋ねいたしますが、この種の脱税について諸外国においてはどのような時効措置がとられているか、大蔵省の方で御承知事例を御説明いただきたいと思います。
  23. 亀井敬之

    説明員亀井敬之君) お尋ねの点でございますけれども、実は諸外国事例それほどつまびらかにはなっておりませんが、西ドイツにございましては単純な過少申告の場合は五年、脱税の場合は十年、こういうようなことでございます。あと英米関係では、単純なものはアメリカは三年、脱税の場合は特に期限の制限はないようでございます。また英国でございますけれども、これも単純な過少申告の場合は六年、脱税の場合は期間制限がどうもないようでございます。
  24. 久保亘

    久保亘君 わが国においては、このような欧米諸国脱税に対する取り扱いに比べて非常に寛大な時効措置がとられていると思うのであります。このことが特に今回のような事件の場合に法律時効措置によって免れ、しかも、すでに時効になった問題であるからということでこの事件全貌も明らかにされない。このようなことは、これらの犯罪を防止するためには大変問題が多いと思うのでありますが、政府においては、欧米諸国事例等を参考にしながらこれらの脱税についての時効措置を改めるお考えはないのかどうか、この点について検討されている点があれば、ひとつ御説明いただきたいと思います。
  25. 亀井敬之

    説明員亀井敬之君) ただいま先生が御指摘になられました点でございますが、確かにわが国の場合、通常のケース税務署長更正決定を打てます期間は三年、それからたとえば偽りとかその他不正の行為があります場合に五年間更正決定を打てるということになってございます。この限りでは、御指摘のように欧米諸国に比べて偽り、不正の場合短いのではないか、こういう御指摘のように承っておるわけでございますけれども、これにつきましてそういう御趣旨自体、御指摘のような点の御指摘がございますけれども、一面私どもといたしましては、たとえば納税者の方々が書類をどのくらいの期間保存されるかといったような問題でありますとか、あるいは国の一般的な債権あるいは国の徴収の権限が時効にかかりますのが五年であるといったような問題とのバランスでありますとか、そういったようなことでわが国経済取引の中で法的な安定性といったような問題を十分念頭に置いて考えていかなければならないんではないかというふうに、いろいろ問題があるのではないかというふうに考えているわけでございます。
  26. 久保亘

    久保亘君 これは、大蔵省が主としてこの種の問題については検討をせらるべき問題だと思うんでありますが、私は全体的に五年の時効を廃止しろということではなくて、特にこの種のロッキード事件やあるいは政治権力者金脈と呼ばれるような事件等関連をする場合には、この種の時効適用をしないで追及できるような手段を残しておくことがこれらの犯罪を防止する道だと思うわけであります。そういう意味でひとつこの問題について、ロッキード事件再発防止というような立場からも、政府としてこの問題について法的な立場から御検討になる必要があるのではないかと思うのでありますが、これは法務大臣にその見解を述べてもらうのは大変無理なことでしょうかね。
  27. 瀬戸山三男

    国務大臣瀬戸山三男君) 無理なことかなあという御感想のもとに受けるお尋ねでございますが、一般犯罪あるいはこういう脱税等、御承知のとおりに時効というものは、それはけしからぬことではあるけれども、やっぱり一定の期間が過ぎると社会生活上安定させる必要があるということで不問に付するという制度が私は時効の精神だと思います。でありますから、いま御指摘のようなものをそういうふうに特別な取り扱いをするかどうかということ、これは簡単には判断ができないわけで、先ほど大蔵省からも御説明がありましたが、他の諸制度とのつり合い等もございましょうし、いまおっしゃったことを明確に特定し得るかどうかということも技術的には非常に問題があろうと思います。しかしせっかくの御指摘でありますから、これを研究することはやぶさかでございません。
  28. 久保亘

    久保亘君 この問題は、初めての経験でそういうことを検討せよというのではなくて、すでにイギリスやアメリカにおいて、こういう脱税の場合に時効を定めないという法律適用をやっている国があるわけでありますから、それらの諸国事例等検討されれば、わが国においてそのような制度をしくことは不可能ではなかろう、こう思うのであります。ぜひその検討をされるように希望をいたしておきます。  それから法務大臣に、最後に先ほどのことを確認して大臣に対する私の質問を終わりたいと思うんでありますが、政府責任において政治報告といいますか、ロッキード事件総括的報告をこの段階でお出しになるよう私先ほど申し上げました。そのことについて内閣において検討をされた上政治報告をなさるよう御努力いただけるのかどうか、大臣に伺っておきたいと思います。
  29. 瀬戸山三男

    国務大臣瀬戸山三男君) 政治報告という御趣旨が私自身はまだ明確に受け取れないのでございますが、この事件についての、こういうことでこういう結末になっておりますと、裁判は現在進行中でございますというようないわゆる全貌といいますか、明らかになりました状態、それに対して反省を加える問題点等を含めてということだろうと思いますから、それを私一存でここでさよういたしますというわけにいきませんが、私個人としては御報告してしかるべしと思いますから、政府内で相談をいたしましてそういう措置をとるように進めたいと、かように考えております。
  30. 久保亘

    久保亘君 次は、防衛庁長官お尋ねいたしますが、私はロッキード事件関連をする質問の前に、先ほどの所信にも関係をしながら、去る一月八日、新聞の報ずるところによれば、習志野空挺部隊の演習を視察されました防衛庁長官は、公式の訓辞として、「自衛隊が外国に脅威を与えてはいけないと言う人がいるが、敵に脅威を与えなくて何の防衛か」と勇ましく演説をされた、こういうことのようであります。この訓辞は記者団もいる中で行われたのでありますから、言ってみれば、公開の場で公式な発言として長官が行われたものだと考えておりますので、このような発言は事実に相違しないのかどうか、もしこのような発言が、訓示がなされたとするならば、発言の真意について長官に伺いたいと思います。
  31. 金丸信

    国務大臣金丸信君) お答えいたします。  ただいま御指摘の、敵に脅威を与えなくて何の国防かとの趣旨を述べたが、この問題につきましては前提があるわけでございます。いわゆる平和憲法、専守防衛という中で侵さず侵されずという考え方を私は持っておるわけでありまして、またそういう平和憲法という中で日本は専守防衛をしなければならぬけれども、その防衛の中で敵に脅威を与えないような防衛ということになれば、防衛にはならぬじゃないかと、こういうような考え方で申し上げたわけでありまして、敵に脅威を与えるという、侵害をするという考え方ではないわけであります。国民の血税を使いながら、いわゆる一握りの自衛隊であってはならぬ。それだから精強な部隊にならなくちゃいかぬと、こう申し上げたわけであります。  以上。
  32. 久保亘

    久保亘君 私は防衛庁長官としてこのような発言は、長官の真意が那辺にあるにせよ、きわめて不穏当な発言だと考えております。わが国の憲法九条は、武力による威嚇を明確に禁止しておるのであります。脅威という言葉は、国語の辞典によれば、威圧されて感じる恐ろしさのことを脅威という、こういうことになっている。しかも、あなたの役所が発行されました防衛白書にも脅威の意味について非常に明確に書かれております。この防衛白書の五十二ページには、「脅威についての見方」という見出しがつきまして脅威の意味が書かれておるのであります。「一般に脅威とは、侵略しうる能力と侵略する意図とに大別して考えられる。「能力」がいかに大きくても「意図」がなければ、脅威は現実のものとはならない。脅威は「能力」に「意図」が結合することにより侵略となり、現実化するものといえよう。」と、こう書いてあるんであります。つまり、脅威というのは侵略と結びつく言葉として防衛庁自身が定義づけられておるのであります。その言葉を使って、敵に脅威を与えずして何の防衛かという訓示をされますと、これは憲法における、武力による威嚇を禁止していることからいいましても、また防衛白書が定義づける脅威の意味からいいましても非常に問題か多いと思います。このような発言は、長官としてやられることが妥当なのかどうか。特にあなたは、それじゃ脅威という意味をどういうふうにお考えになっておるのか。それから、敵に脅威というならば敵とは一体何か、この点について長官の御意見を伺いたいと思います。
  33. 金丸信

    国務大臣金丸信君) 私は防衛という問題につきましてこんなようにも考えておるわけでありますが、一軒のうちでかぎをかけておる。そのかぎをかけておるのは、わが家の家族の生命と財産の保全を考えてかぎをかけておるということであろうと、こういうように私は解釈します。そういうことで、一軒一軒が積もり重なったものが国家である以上、その国家の、いわゆる一軒のうちでかぎをかける程度の防衛というものはなくちゃならない。いわゆる外から、日本の国でない国の外の方から日本に入ってくる、この侵害しようとする人に対しては、あくまでも国民の生命、財産を守るだけの手だてはしなくちゃならないと、こういうような考え方の中でさような発言をいたしたわけでありまして、ぜひ御理解をいただきたいと思います。
  34. 久保亘

    久保亘君 これは私が理解をするしないの問題ではないんでありまして、私は、防衛庁長官がそういう発言をされることと全く軌を一にするといいますか、同じような立場で、「ウイング」の、月四日号に統幕議長の栗栖さんが寄稿されております文章を非常な危険な考え方だと思いながら見るのであります。いま長官はそういうふうに言われるけれども、あなたの指揮下にあります栗栖統幕議長は、「世に攻撃的軍備と防御的軍備とを区別して、前者は平和を脅威するが、後者は許容しうるものとする説がある。しかし、かくの如き区別は、所詮困難と言わねばならない。」という書き出しで始まるのであります。「何となれば、いかなる国家も、侵略的意図を自己の軍備の目的とするものは無く、必ずや他国からの攻撃に対する防御の必要を強調するからである。」、こういう統幕議長の発言と、あなたの、敵に脅威を与えずして何の防衛かという発言とをあわせて考えていきますと、いま長官が釈明されたようなことにはならないのであります。栗栖さんはさらにこういうことも書かれておるんですよ。「何時、わが基地や策源がやられるかも知れぬという心理的拘束力を相手方に与え得ない武力は、先方の攻撃企図を未然に防止する効果に乏しいものと言わねばなるまい。然らば、「専守防衛」と「抑止力保持」とは並存し難い概念である。」、こう言っておられる。そうすると、あなたはこの統幕議長のこのような考え方を支持されますか。
  35. 金丸信

    国務大臣金丸信君) 実は私はこの話を統幕議長からも聞いたわけでございますが、統幕議長の考え方は、「わが基地や策源がやられるかも知れぬという心理的拘束力を相手に与え得ない武力は、先方の攻撃企図を未然に防止する効果に乏しい」という発言をしておるわけですね。その直後に、「軍事的にそうであっても、政治的な制約がある以上、その範囲で努力すべきは当然である。」と述べているということからも考えまして、有事に際して防衛の第一線に立たなければならない自衛官として純軍事的な見解の一端を述べたということでありまして、いわゆる政治的な立場から言えば、それはいま先生のおっしゃられるような考え方で進まなければならぬと本人も言っておるわけでありますから、私は、その点はいわゆる純粋な軍事的立場で申し上げているんだが、きょうの日本のこの状況の中で、政治的にシビリアンコントロール、こういうような中では許されるものでないと、こう言っているんですから、それは御理解いただけるじゃないかと思うんですが、どうでしょう。  なお、詳細につきましては、事務当局も十分事は、話を知っておりますから、お話し申し上げたいと思います。
  36. 久保亘

    久保亘君 栗栖さんは、純軍事的な立場と言われますが、この方は、シビリアンコントロールを否定すると思われるような発言をされたり、統幕議長を認証官にしろという意味のことを言われたり、いろいろと政治的発言の多い方であります。いまあなたはそういうふうに言われましたけれども、その後にもう一つ続いておるんですよ。そういうふうに言われた後で、「政治的な制約がある以上、その範囲で努力すべきは当然である。」と言われておりますが、その後ろに書かれていることがそのことをまた打ち消しているのであります。「しかし、この際、一般国民が専守防御の限界を充分認識していないと、万一の場合、無力の悲哀に愕然とするであろう。」ということで結ばれているんであります。だから、おれの言うとおりにやらなかったら大変なことになるぞということで結ばれておるんであります。いまはわしは統幕議長という立場だから、長官が言われるように、ここのところはちょっとおれの立場も言うておかにゃいかぬが、わしの言うとおりやらなかったらこうなるぞということをまた最後に書かれておるのであります。このことが私は、統幕議長の立場にあられる方が専守防衛という立場を否定されている発言であると考えます。シビリアンコントロールを否定するような発言をされるのと同じように、専守防衛に対して、読みようによってはナンセンスと、相手の基地を攻撃できないような武力で何が守れるかというような言い方なんです。そうするとこれは長官の習志野発言と重なってくるわけであります。  あなたは敵はどこだということを言われないけれども、恐らくアメリカを敵だと考えておって言われたわけじゃありませんでしょうからね。そうなれば大体はっきりしてくるわけであります。で、敵に脅威を与えぬでおいて何が防衛かという言葉と、敵の基地を未然に攻撃してぶつつぶすという武力を持たないでおって専守防衛だと言っておったんじゃ、「万一の場合、無力の悲哀に愕然とするであろう。」というこの統幕議長の発言とは非常によく重なってくるのであります。だから、私が長官に聞いているのは、あなたの発言の真意があなたの言われるとおりであるとするならば、統幕議長のこの発言は、これは防衛庁の制服最高幹部としては、一般に出されたものでありますから好ましくない発言であるというふうにあなたはお考えになりますか。そして、この問題は、日本国憲法とか自衛隊の基本の精神に照らして行き過ぎである、こういうふうにお認めになるんでしょうか。
  37. 伊藤圭一

    政府委員伊藤圭一君) 大臣から御答弁いたします前に、いま御指摘がございました、専守防衛では限界があるということは、これは政府防衛構想の中でも明らかになっているところでございまして、防衛構想の中では自衛力の足りないところ、すなわち攻撃的な、あるいは大きな侵略に対応する力というものは、日米安保体制によって補完するというような構想を持っているわけでございます。その明らかな点といいますのは、核の攻撃に対してはこれは防御する方法がないのでその報復力をアメリカに期待するということでございますし、規模の大きなものに対しましては、米軍の協力を得てこれを排除するという防衛構想を持っているわけでございまして、専守防衛の中におきまして必要なものは日米安保体制に依存するという考え方をとっているわけでございます。
  38. 久保亘

    久保亘君 いや、それは私の聞いていることとあなたの話とは一つもかみ合っておらぬのですよ。私は日本の自衛隊、防衛庁あり方のことを日本国憲法に照らして問題にしているんであります。敵に脅威を与えるような武力を持たなければ何の防衛かということ、敵に脅威を与えるということは、統幕議長の主張によれば、いざというときには敵の基地をこちらから攻撃できることであると、こういうことが言われておるわけですよ。だからそのことは日本国憲法や自衛隊に対して、これまで政府国民説明をしてきたこととは違いやしませんかと言っているんですよ。
  39. 伊藤圭一

    政府委員伊藤圭一君) 自衛力の限界というのは、たびたび御説明申し上げておりますように、憲法の制約の中にあるものでございます。で、大臣が敵に脅威を与えるというのは、いわゆる侵略をしてくるものが何の損害も受けずに侵略ができるというのではなくって、日本に対する侵略を企図し実行するときには手痛い損害を与えるということ、すなわち精強な自衛隊でなければならないということをおっしゃっているものでございます。しこうしてまた……
  40. 久保亘

    久保亘君 あなたが言うておらぬのに何でわかるんだ。自分で言うたことじゃないでしょうが。これはあなたのところが書いた原稿にもなかったことなんだよ。それで何であなたがそんなにわかるかね。
  41. 伊藤圭一

    政府委員伊藤圭一君) これは私は隊員の一人として新聞を読んだときにはそういうふうに理解しましたし、またわれわれが話し合ったところでも理解としてはそういうことでございますから、自衛隊全体が攻撃的兵器を持つというようなことを大臣がおっしゃったというふうには理解していないところでございます。  また、専守防衛によって足りないところ、これはアメリカに依存するということは従来からの方針でございまして、いわゆる憲法の制約下における専守防衛というものは軍事的な観点からするならばあるいは欠けるところがあるかもしれない。そこは米軍に依存するという従来からの方針が定まっているところでございます。
  42. 久保亘

    久保亘君 長官、いまあなたのところの局長かなんかそういう説明をされるけれども、そうは言っておらぬですよ。アメリカに依存するなんていうことば統幕議長は言ってないんです。統幕議長自身は、専守防衛というような立場で言うておるといまにひどい目に遭うぞと言うておられるわけですよ。それはどこから出てくるかと、長官は従来の考え方によって専守防衛、いまあなたが言われるように、攻められたらそれを防御する脅威であると、こう言われる。そういうときには脅威という言葉は使わぬのです。防衛白書にだって脅威というのは別にそういう区分けして書いてないじゃありませんか、あなた方が出されたものに。脅威というのは侵略の意図と能力と、こう書かれておるんですよ。侵略の意図と能力というのは、それで栗栖さんが言われているように、いつの世の中にだっておれは侵略するぞということを言うて軍備をするやつはおらぬと、防御のための軍備だと言ってそういうものを準備すると、ここに書かれておる。どこの国だってそうだと書かれておる。そんならばやっぱり防衛庁長官が敵に脅威というような言葉をお使いになることは私は適当でないと思うんです。ついつい正月の寒いときに少し気分もよくなられて言われたのかもしれませんけれども、しかし防衛庁長官が空挺部隊の隊員を整列させて公式にやられた訓示でありますから、これは長官の物の考え方を言われたんだろうと思うので、しかし、あなたが言われたようなことを表現されたとするならば、非常に私は配慮を欠く不適切な表現だとこう思いますがね。そうお考えになりませんか。それで、そうでなければ、あなたはやっぱり統幕議長のこのような発言を支持されるということになるんでしょうか。統幕議長のこのような考え方を支持し、そしてあなたの発言も、何らそのことについて自分は配慮に欠けるところがあったなどと思わないと言って、長官としての当然の訓示であると、こういうふうに胸を張って言われるようなことなんでしょうかね。私は、その辺は防衛に対する考え方がおまえとは違うからというようなことじゃなしに、日本国憲法や、いままで政府説明されてきた日本の自衛隊のあり方というものに照らしても、ここでやっぱり謙虚に今度のこの考え方や、統幕議長が述べられているこの防衛に関する思想というようなものについて、私は国民説明のつく釈明をしていただかないと困ると思うんですがね。
  43. 金丸信

    国務大臣金丸信君) 私は、脅威という言葉の前に、あくまでも憲法にのっとって、いわゆる侵さず、侵されずという考えの中で、わが国防衛という問題については、敵が日本に上陸して来たとき一握りの自衛隊だという考え方でおったんじゃ、これは自衛隊の存続というものの意味というものはないと、そういう意味で私は精強でなくちゃならぬという、いわゆる敵に脅威を与えるとか与えないとかという、その言葉のいい悪いは別問題として、あくまでも日本の国を守るという立場においては強くなくちゃいかぬ。強くなるということは敵が侮りがたいと、侮りがたいということは脅威を感ずると、こういうことじゃないかと私は思うんですが、どうでしょう。
  44. 久保亘

    久保亘君 いや、あなたがそういうふうに考えていかれるのなら、私はちょうどいま福田内閣がF15の空中給油装置とか爆撃装置についてこれはあなた方が主張されてきた専守防衛の範囲を超えるものではないという立場で、従来の国会に対する責任ある発言を修正されようとしているわけでありますが、そういうこともある状況の中で、敵に脅威を与えるというような発言というのは、私は非常に問題を含む発言だと思うんですよ。で、あなたのその発言に合わせるように統幕議長がきわめて——これは軍人なのか何か知らぬが、こういう立場の人としては大胆不敵な発言をされておるわけです。国民はこういうようなあなたの発言や、統幕議長の発言や、そしてF15をめぐる問題などを見ながら、一体日本の自衛隊というのはどう進んでいくのだろうということに対していろいろの疑念を持つわけであります。だから、私は防衛庁長官が、私は憲法の範囲内で、憲法に忠実に長官としてやっているのだと言われるならば、少なくとも憲法が武力による威嚇は禁止しておるんです。九条をお読みになれば書いてあります。脅威という言葉は使ってありませんが、「武力による威嚇」という言葉は使ってあります。禁止していることを敵に脅威を与えると、敵に脅威を与えるというのはこれは受け身の表現ではないのであります。言葉そのものを素直に読めば敵に脅威を与えるというのはむしろ能動的な立場を示すものであります。だから、こういうような言葉を十分に選ばずにお使いになるということは、国民に対して非常な疑惑をもたらすものであり、私は大変配慮を欠く不穏当な発言であると考えております。長官がその点について、自分はそうは思わぬと言われるなら、これは私とここでこの問題について結論を出すということに至らないのかもしれません。私は、そういうようなあなたのお考えならば、そういうような長官立場を前提としてこれからP3CやF15の問題について質問をしてまいりたいと思うのであります。この習志野におけるあなたの発言は、少なくとも私だけではなく、国民のかなりな人たちが大変問題だと思っているからこそ、新聞の投書欄にもあなたのこの言動に対する批判が二、三見られるのであります。この点について長官は、こけんにかかわる、面目にかかわるというようなことではなくて、謙虚に批判を受けとめるべき問題だと思うんですがね。それは、あなたは自分の言っていることは依然として正しく、一切そういうような批判は当たらないものだとお考えになるんでしょうかね。もう一遍見解を聞いておきたいと思います。
  45. 金丸信

    国務大臣金丸信君) 国民である以上、憲法を守ることは当然でございますし、私も防衛庁長官という立場から言えば当然憲法というものは守るべきだ。そういう中で私も二十七万の隊員の長である以上、これがなまくらであってはならぬという意味で習志野の空挺部隊へ行ってただいま議論のようなお話を申し上げたわけでありますが、真意というものは、敵にいわゆる先生がおっしゃられるような脅威を与えるというようなことでなくて、むしろ本当の自前で国民を守る防衛でなくちゃならぬという意味で申し上げておるわけでありますから、憲法を逸脱してそれでおれはいいんだというような考え方で申し上げておるのでないということだけは御理解いただきたいと思います。
  46. 久保亘

    久保亘君 時間がありませんので、国防会議が昨年の末に決定をされ、そして五十三年度の政府予算案に計上されるに至りましたP3CとF15の購入決定の経過とその及ぼす影響など、特にGNP一%以内に防衛費をとどめることができるのかどうかといったような問題について少しお尋ねをしておきます。  昨年十二月末に三回にわたって行われました国防会議における主な審議内容、特に議論の焦点は何であったのか、国防会議の事務局長にお尋ねをいたします。
  47. 久保卓也

    政府委員久保卓也君) 防衛庁から詳細に説明を受けたわけでありますが、防衛上の必要性の問題、それからこれは両機種ともにでありますけれども、費用対効果の問題でありますとか、それから国産あるいは輸入といったような問題、さらにはロッキードの問題、P3Cにつきましては特にロッキード関連の問題、そういったところが中心的な対象であったと思います。
  48. 久保亘

    久保亘君 ロッキードの問題に関連しては、防衛庁に対してロッキード社が提出いたしました誓約の中で、原価の調査、原価の監査、それからもしFMSによる場合には手数料の排除、そういったようなことが述べられておりますね。だから、当然にこのP3CとF15の決定に当たっては、まあF15はロッキード社じゃありませんから、これそのまま適用されるのかどうかわかりませんが、精神としては同じことになってくると思いますが、P3Cについては原価調査防衛庁の手によって行われたのかどうか、その点をひとつ御説明ください。
  49. 間淵直三

    政府委員間淵直三君) お答え申し上げます。  原価調査はこれから予算の御審議を願いまして、予算が決定した後に契約をするわけでございまして、その契約をする際に価格調査というのを、過去の事例であるとか、諸外国が買った事例とかいったものを勘案いたしまして価格調査をいたすわけでございまして、ただいままでのところでは私どもの手によって現地において価格調査、誓約書に言う意味におきます原価調査というのは行っておりません。
  50. 久保亘

    久保亘君 契約前には必ずロッキードの誓約に基づく防衛庁の手による原価調査が正確に行われるものと理解してよろしゅうございますか。
  51. 間淵直三

    政府委員間淵直三君) 第一段といたしましては、その価格調査をいたすわけでございまして、契約を行う前にはこの価格調査を私どもの手で行います。
  52. 久保亘

    久保亘君 そうすると、このP3CとF15を国防会議において費用対効果とか、これは国の経済全体の上からの位置づけというようなことも当然検討されたと思うのでありますが、そういうものを踏まえた上で大蔵省は——主計局お見えになっておりますか、大蔵省はP3C、F15の予算価格の決定について、防衛庁の提出した積算資料を十分なものとして御検討になり査定をされたのかどうか、その積算資料をあなたの方がもしお持ちでしたらそれを提出していただけるかどうか、その点をひとつ。大蔵省がこの予算審査をする上でどうしたかということを聞いているのです。
  53. 志賀正典

    説明員(志賀正典君) お答え申し上げます。  ただいま御質問のございましたP3C及びF15の価格の予算における見積もりでございますが、これは従来からほかの航空機についても同様の方法をとっておるわけでございますが、防衛庁におきまして輸入機につきましては米国防省から提示をされております見積もりを私ども拝見をいたしまして、これにつきまして私どもの方も十分説明を聴取いたしまして、その見積もりを基礎といたしまして計上をいたしております。また、ライセンス生産機につきましては、こういう航空機は注文生産でございますので、従来から原価の見積もりの基礎に立ちまして予算の計上を行っております。本件につきましても、防衛庁におきまして米国のメーカー等から直接収集いたしました各種の資料につきまして説明を聴取いたしました。また、従来P2Jであるとか、F4EJであるとか、そういうもののライセンス生産もやっておるわけでございますので、その生産の実績を加味いたしました原価の見積もりを防衛庁から提出をしていただきまして、それにつきまして検討をし計上いたしたわけでございます。  積算資料についてというお話でございますが、これは防衛庁の方からあるいはお答え申し上げるべきことかと存じますけれども、今後予算成立後発注先等との契約の際に防衛庁の方で商議を行ってまいるわけでございますが、そういう観点もございますので差し控えさしていただきたいと思います。本件は防衛庁の方からお答えいただくべきことかと存じますが、ちょっと付言申し上げます。
  54. 久保亘

    久保亘君 大変上手に説明されるけれども、四次防のときにはすでに四次防の計画単価として出ざれたもの、それから初年度の四十七年度の予算単価として出されたもの、そして実際の契約単価というのは全部一致しておるのです。全然狂いがありません。だから、すでに四次防の計画段階における単価でさえも正確無比なものを持ってやられたということになる。中にはちょっと違うのがありますけれども、しかしほとんど、これは防衛庁がお出しになった資料でありますから間違いないと思うのでありますが、ほとんど変わっておりません。P2Jは四次防の計画単価が十六億八千四百万、予算単価も契約単価も皆同じ、全然変わりありません。だから、大蔵省防衛庁によって提出されたP3C、F15の積算単価というのは、これは恐らくそのまま私は予算単価が契約単価になっていくと思うのであります。これ四次防の前例を見ればそういうことになっております。私がこれを出していただきたいと考えておりますのは、この契約方式や価格の決め方が防衛装備、つまり武器の場合には国民には非常にわかりにくい。一体われわれの税金がどういうふうに使われていったのであろうかということに対して大変深い疑問を持つわけであります。その国民の持つ疑問の合間にロッキード事件が入り込むのであります。従来、私はそういうことでこの問題がいろいろとあったからこそ、海原さんがこの本の中に書かれているように、いろいろな装備の選定をめぐって庁内の幹部が自殺されたり、いろいろなことがあった。人事にもそういう問題が絡んでくるということを書かれておるんです。だから、そういうことが防衛庁の元幹部の手によって市販される出版物にちゃんと書かれておるにもかかわらず、防衛庁がこういう問題について国民に対して胸を張って堂々と積算単価についても説明できないというようなことでは困るのであります。きょうは時間がありませんから、私はもう少しこの問題を少し進めて聞きたいと思うのであります。  大蔵省は五十三年度の予算編成に当たって、この防衛装備品に限らず、同じ基準でやられると思うんでありますが、いまは防衛装備品のことについてお聞きいたしますが、円とドルの為替レートを五十三年度は一体幾らで見てこの予算を査定されたのか、そのことをお聞かせいただきたいと思います。
  55. 志賀正典

    説明員(志賀正典君) 御質問の点でございますが、これは昨年の十二月、わが国の基準外国為替相場が二百六十二円ということに決められておりますので、それに従いまして二百六十二円という支出官レートを定めております。それに従いまして予算を編成いたしております。
  56. 久保亘

    久保亘君 従来は、五十二年度の予算までは三百八円を使われておりますか。
  57. 志賀正典

    説明員(志賀正典君) お答え申し上げます。  五十二年度予算までは、お話しのように三百八円の為替レートを使用いたしております。
  58. 久保亘

    久保亘君 五十二年度までは三百八円の為替レ−トを算定の基礎とし、それから五十三年度の予算に当たっては二百六十二円をお使いになったということでありますから、この間には四十六円の差があるわけであります。二百六十二円というのは去年の暮れに定められた計数でありますから、防衛庁が夏に予算要求をされますときには当然これは三百八円をもとに出された予算要求であるはずであります。ところが、防衛庁の予算要求の単価と、今回政府案として決定をいたしました単価が円においては全く変わりがないというのは、これば一体どういうわけでありますか。四十六円のレート差が生じておるにもかかわらず、予算要求の金額から政府案決定に至る間に全然レート差が見られておらない。これはどういうわけか説明してください。
  59. 間淵直三

    政府委員間淵直三君) 私どもが昨年八月概算要求をする段階では一ドル三百八円の計算で概算要求をしたわけでございますが、査定に当たりましては二百六十二円で査定を受けておるわけでございまして、まあ相当恐らく、たとえばP3C、私どもが概算要求の段階ではフライアウエー・コストで一機平均七十五億円ということを申し上げたと思うわけでございますが、これが決定いたしました政府原案では、一機当たり平均が六十三億円ということになっておるわけでございます。
  60. 久保亘

    久保亘君 それ間違いないですか。あなた、そんな無責任なこと言われると、後で大変な目に遭うぞ。
  61. 間淵直三

    政府委員間淵直三君) 間違いございません。しかしながら、ちょっといろいろの数字が錯綜いたしまして、ちょっと誤解なさるといけぬと思うわけでございまして、ちょっと御説明申し上げますと、ただいま申し上げました七十五億円、概算要求における七十五億円、それから予算案における六十三億円というのは、初度部品を込まない、含まない価格でございまして、初度部品を、補用部品を入れました単価というのは、五十三年度の概算要求の時点におきましては九十億円でございまして、それが予算案におきましては七十五億円になっておるわけでございます。
  62. 久保亘

    久保亘君 そうすると、あなた方の予算書に出てくるのはやっぱり最初が七十五億で、そしてやっぱり後も七十五億になっている。そういう説明は書いてないんですよ、これは。−もうよろしい。わかりました。それはレートの差がそういうふうにして織り込まれているということであれば、それはそれでよろしい。しかしこの価格の決定に当たっては当然に原価計算方式を、積み上げ方式をとられておれば、そういう積算の根拠というのは大蔵省に対して示されたわけでしょう。だからそういう示された内容というものによって、この初度部品を含めた七十五億円の、P3C一機当たり七十五億円の単価というものについて説明をしてもらわないと、国民は全然わからぬわけです。しかもあなた方がすでに私どもに説明をされておりますように、昭和四十八年に調査団がアメリカに行きましたときには、このP3Cの一機当たりの価格は、もちろん百機買うつもりで行ったんですが、三十億円でしょう。三年半前——いや四年半前か、三十億円だった。それからアメリカ海軍が購入している確定数字は、一九七七会計年度でもって千三百九十万ドル。千三百九十万ドルというのは三百八円レートで四十三億円。これをもし二百六十二円レートにするならば、四十億円を割るのであります。去年ですよ、一九七七年というのは。一九七七会計年度でアメリカ海軍が購入した値段は、P3Cは一機いまのレートで言えば四十億円以下であります。仮に二百六十二円レートに直したから六十三億円に落ちたと言われても、なおかつ一・五倍以上の値段で買わにゃならぬわけであります。一・五倍以上の値段で、しかも初年度に買います八機というのは、これは完成機が三機、ノックダウンが四機です。ライセンスは一機です。だからほとんどは丸ごと持ってくるわけであります。その平均単価が六十三億ということは、アメリカ海軍が購入する同じ飛行機の値段に比べて余りにも高過ぎる。同じ三百八円レートで比べるならば実に三十億円以上一機について違うのであります。だからその積算基礎について国民にちゃんと説明をしてもらいたい。契約の段階までそういうものを出すと困ると言われるけれども、困りゃせぬじゃないですか。いままであなた方がやってこられたこの契約を見ると、計画単価も予算単価も契約単価も全然変わらないということを私は申し上げておる。だからかなり正確なものをいまお持ちになっているはずです。それを示してもらわないと私どもは納得がいかぬ。
  63. 間淵直三

    政府委員間淵直三君) 先ほど先生が申されました四次防の単価とそれから四十七年度予算の単価とはぴっちり一緒ではないかというお話でございますが、これは四次防が成立いたしましたのは四十七年度予算が成立した後でございまして、四次防の単価に四十七年度予算の数字をそのまま当てはめた次第でございまして、実際の契約ということ、あるいは概算契約それから確定契約とあるわけでございますが、そこら辺の実際の契約の単価になりますと多少違ってくるわけでございまして、もちろん私ども概算要求の決定あるいは査定を受けるという際には、輸入機につきましてはアメリカ軍からの受けましたオファーというものを詳細に検討いたしましたし、それからライセンス生産機にありましては、ロッキード社から提示された価格あるいは従来のP2J等をつくりましたときの経緯というものを踏まえまして、厳密に査定いたして決めたわけでございますが、これからの商議と申しますのは、予算の御審議を願いまして予算が決定されました後に、機体あるいは搭載電子機器といったようなおのおのにつきまして細かく商談をやるわけでございまして、それ以前に私どもはこれは幾らで買う、これは幾らで買うというようなことを明らかにするということは、商議に先立ちまして相手に自分のふところを知らせるというようなことになるわけでございまして、私どもは一文でも安く買いたいという、こういう願望でこれから進めていきたいと、こう思っている次第でございまして、そういう点を御考慮願いまして、従来ともその詳細の点につきましては御容赦願ってきてまいった次第でございますし、それからやや詳細にわたる部分につきましても従来秘密会といったような形態におきまして御説明さしていただいたという経緯があるわけでございまして、そういう一文でも安く買いたいという点を御考慮願いまして、よろしく御考慮願いたいと思う次第でございます。
  64. 久保亘

    久保亘君 四十七年は四次防の計画が決まったのが後だったと言われたけれども、あなた方が出された資料で、四十八年も四十九年も五十年も、予算単価も契約単価もP2Jについて全く一緒ですよ。どの年度をとってみたって皆一緒ですよ。だから予算が決まったときにはすでに契約も決まっとるようなものです。全然変わりありませんよ。そんなこと口実の、言いわけみたいに言われることははなはだ不愉快です。ぴったり一致しております。これはあなたの方からもらった資料です。——もういいです、答弁は。これ数字間違いないんだから。きょうは時間がないから、そういうようなことで国民はやっぱり機種の選定と同時に価格の適正な決定ということについて、特に武器の場合には競争入札とかそういうことをやらないのですから、機種が決まって相手方と契約結ぶんですから、非常にそこのところでは国民としては重要な関心を持つわけであります。だからそういうことになるから機種決定の段階で児玉譽士夫が出てくる。価格の決定の段階でまたいろいろなものが出てくる。あなたもごらんになったでしょうが、海原さんの本も一遍読んでおかれると非常に参考になると思うのです。そういうようなことがあるわけであります。だから私はこの際、長官にお願いしておきたいと思うのでありますが、防衛装備の購入契約に当たってはその契約内容と支払い条件を、少なくとも国会に対して明示する、そういうことについては御同意をいただいておきたいと思います。その時期をいつにしろということまで私は申し上げません。しかし、防衛装備品の購入に当たっての契約内容と支払い条件は国会に対して明らかにする。それがなければ防衛庁に関してはロッキード事件のごときものは一切ございません、公明正大でござんすと言ってみたって、国民アメリカ海軍の買う値段と日本の防衛庁が買う値段と何でこんなに違うんだろう、そういうことについてその疑問は解消しないのであります。だからぜひその契約内容と支払い条件を、必要ならば国会に示して審議をしてもらう、こういうことについて御回意いただけませんか。——長官に。
  65. 間淵直三

    政府委員間淵直三君) ちょっとその前に……
  66. 久保亘

    久保亘君 何をその前にやることありますか。
  67. 間淵直三

    政府委員間淵直三君) 事務的に話して、後ほどお話しします。  アメリカ海軍の買う値段と私どもの買う値段というものの差につきましては、FMS——アメリカの軍の管理費を付加されるとかあるいは研究開発費がアメリカ海軍のものの値段に付加されるとか、そういう事情があるわけでございまして、これはまた別途御説明を詳しくいたしたいと思うわけでございますが、その契約の概要というものにつきましては、契約の前にと申しますと、これ、非常に困るわけでございますが、契約が終わった後、しかるべき機会にはその概要を報告さしていただいて御理解願いたいと、こう思っておることでございます。
  68. 久保亘

    久保亘君 事前なら概要でよろしい、事後なら契約内容そのものを示してもらわぬと、そんな、あなた、概要で、都合のいいところばかりまとめてこられたってぐあいが悪いです。ここはひとつ御容赦願いたいというようなことで、肝心なところは出さないでいままでいつもやられてきた。それではロッキード事件のようなことは防衛庁の装備調達には一切ありませんとあなた方が言われたって、私どもはそれを信ずるわけにはいかぬのであります。長官、いかがでしょうか。
  69. 金丸信

    国務大臣金丸信君) ただいまのお話につきましては、私も防衛庁へ参りましていままでの慣例もわからないことでありますが、しかし防衛という予算の問題について、国民疑惑を持たせることはこれはいけないと思う。ですから疑惑を持たれぬような方法で何らかの解明をするように、なるほどと言われるようなことだけはいたしたいと、こう考えております。
  70. 久保亘

    久保亘君 わかりました。  それじゃ時間がありませんから、いまの長官の言葉を信頼して、これらの防衛装備、特に何千億、一兆数千億に及ぼうとする契約でありますから、これらの問題については契約内容や支払い条件についても御提示をいただけるものと理解をいたしておきます。  なお最後になりますが、防衛庁はF15を十年間で百機、八年で百機かな、——十年で百機、P3Cを十一年で四十五機ということを御決定になっておりまして、五十三年度予算にはそれぞれ二十三機、八機を計上されております。しかしこの飛行機の契約に当たっては一般的な契約としては、恐らく相手方の都合もありますから一括長期契約というようなものが起こってくるのではないかと思うのであります。その支払い条件とかそれから債務負担義務とかそういうようなものはかなり明確にしておかないと、この四次防の状況を見ますと、たった五年間に最初の四十七年度に決められました単価からいたしますと、P2Jで六四%の値上がり、で、最高は七三式装甲車に至っては九六%の値上がり、五割以上五年間で値上がりしていない防衛装備品は一切ありません。全部物すごい値上がりをしておるのであります。そういうことになってまいりますと、恐らくはP3CとF15についても、五年間ではありません、十年に及ぶ長期の購入計画でありますから、この値段は二倍をはるかに超えることが予測されます。これは四次防の経験に照らせば当然そういうことが予測されるのであります。今日六十三億で出発するといたしましてもこれは一番最後の飛行機の値段になってまいりますときには、恐らく百五十億に近づくと、この四次防の経験からするならば考えなければなりません。ましてや、これに地上設備などもいっぱいついてくるわけであります。だからこれらの契約の内容とか支払い条件とかいうものは、ただ単に五十三年度の契約について国民疑惑を持たせないということだけではなくて、長期にわたってその点について国民に明らかにしていかなければならぬ問題だと考えております。  その点はきょうは時間がありませんので要望にとどめておきますが、最後の私の質問は、本年度の防衛関係費はGNPの〇・九%と発表されております。これは政府の言う七%成長、名目一二%の成長が達成された場合の〇・九%であるということが一つ、もう一つは、〇・九%と言いながら、実に八千七百四十五億円の後年度負担額を別途に用意しているということであります。特にP3CやF15については、わずかにP3Cの場合には八機五百九十八億円のうち十二億円しか今年度の予算には計上しておりません。F15については千六百十二億円のうち四億円しか予算計上しておらぬのであります。そのほかは全部後年度負担額としてことしの防衛関係費の中には入ってきておらぬ。このことを思うならば、すでに防衛関係費は政府の言うとおり五十三年度の経済成長が見られたとしても丁三二%に達するのであります、後年度負担額を入れれば。これを仮に五十三年度分だけこの五年間の負担を割り崩して考えたといたしましても、かなりな額に達するのであります。それに今後のこの防衛装備品の四次防と比べて見た場合における値上がりを考慮に入れるならば、GNPの一%以内に防衛関係費をとどめるということはもはや不可能と言わなければなりません。この点について、防衛庁長官はGNPの一%以内に防衛関係費を今後もおさめていくということについて確信をお持ちになっているのか、あるいはそれを維持するお考えがおありなのかどうか、この点について意見を承りたいと思います。
  71. 原徹

    政府委員(原徹君) お答えいたします。  防衛関係費の今後の見通しになるわけでございますが、まあこれから先の一体GNPをどのくらいに見るかというところが必ずしも明白ではございませんが、ことしの一兆九千億円、これが仮にまあGNPが六%実質伸びるというふうにいたしますと、防衛関係費の方も実質六%伸びれば一兆九千の六%でございますから約千百億円でございます。それがノミナルになるとどのくらいになりますか、これはデフレーターの関係になりますが、そういうことでだんだんふくらんでいくわけでございます。で、私どもも戦闘機とP3Cと買って、ほかのことができないんじゃこれ大変困るわけでございます。で、過去においてどういうことがあったかと申しますと、やはり四十四年からF4という当時の戦闘機、これもロッキードの104に比べるとたしか四倍ぐらい高い飛行機でございます。そのときにP2Jも並行してやっておるわけでございます。そのとき一体、戦闘機とP2Jに防衛関係費のうちどのくらいの金を使ったかというのは、四十八年がピークでございますが、防衛関係費の約七・九%を飛行機と戦闘機とP2Jに使ったわけでございます。で、いま私どもが計画しているF15百機それからP3C四十五機、これピークが五十九年ぐらいになりますが、仮にいまの六%で実質成長し、そしてそれと同じだけ防衛関係費がふえるということは〇・九%ということでございますが、そういうことを想定して一体幾らになるかと、そういたしますといまの七・九が六・八ぐらいにしかならない、それ以下のことであります。で、そういうことでありますから、まあGNPと同じだけふえればほかの方にそれほどしわが寄らないかもしれないなと思っておりますけれども、そのほかにいまの〇・九%と一%の差額というのは、ことしの五十三年度の見積もりは二百十兆でございますから、一%というのは二兆一千億でございます。ことしの予算は一兆九千億でございますから二千億ございますわけです。で、その二千億がまたGNPが六%ずつ成長すればだんだんふえていきますので、五十九年ぐらいになれば三千億程度になってしまう。で、いまの根っこの方の成長といまのすき間の成長と合わせるわけでございますので、一%を超えるという見通しは私どもは持ってない。一%以内でもできるし、それから防衛関係費だけ非常に伸びて、そして他の施策を圧迫するというような見通しも持っておらないのでございます。できるというふうに思っておるわけでございます。
  72. 久保亘

    久保亘君 大蔵省見解として、防衛関係費がP3C、F15の購入を計画どおりに進めても、その値上がりを見込んでも一%を超えることはないということを大変確信に満ちて申されましたが、じゃあ防衛庁長官、もし一%を超える事態になってきた場合には、この計画は当然国防会議の確認事項でもありますから、一%以内というのは。しかも、この航空機の購入計画も国防会議の決定でありますから、一%を超えざるを得ない事態になった場合には、計画がその時点において再検討されなければならない、こういうことになろうかと思いますが、そのように理解をしてよろしゅうございますか。
  73. 金丸信

    国務大臣金丸信君) 当然一%以内ということは、当面一%以内という国防会議で決定いたしておることでございますから、この問題については、いま先生の御指摘になるようなことになるとするならば、これは国防会議にかけて十分に御審議願わなくちゃならぬと、こう考えております。
  74. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 きょうは初めに長官にお伺いします。先ほどのいわゆる習志野発言ですね、これは先ほどから大臣説明をずいぶん聞いたわけですけどね、非常にわかりにくいわけですよね。それで、これはたとえば大臣が初めに一家のかぎ、自分の家の生命と財産を守るためには家にかぎかけるのは当然じゃないかと、こういうたとえで話をされましたけども、それはどういうふうに意味しているのか全然わからないんですね。ですから長官が、この「敵に脅威を与えずして何の防衛か」というこの発言の真意というのは非常にわかりにくいんですけどね、再度説明願いたい。
  75. 金丸信

    国務大臣金丸信君) 私は、部隊の隊員に、いわゆる国民の血税によって防衛というものが成り立っている以上、その国民の期待にこたえていわゆる精強であれかしと願う意味で申し上げたと、こういうように御理解をいただきたいと思います。
  76. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 これは、大臣は先ほどもいまと同じことをおっしゃいました。二十七万の隊員がなまくらであってはいかぬ、精強でなくちゃいかぬ、だから言ったんだと、こういうふうにおっしゃっていますけども、——それでは説明にならないんですね、実際問題として。いわゆる「敵に脅威を与えずして何の防衛か」という、これは非常に長官の発言とともに、先ほどから出ておりますように、統幕議長の発言とともに、非常にこれは重要な問題になってきておる。これはそういうふうな意味で、大臣はこの発言の前に、憲法上のいわゆる制約云々という話を先ほど答弁されましたけれども、そういう発言はされたんですか。
  77. 金丸信

    国務大臣金丸信君) 私はそのお話を、私の考え——指摘されている問題の前に、平和憲法の中でいわゆる日本の国を守る、また平和憲法のたてまえから、侵さずという中で、この国を守るという中でそういうことを申し上げた。だから私は、専守防衛という考え方を憲法で言っているんだから、それはその前提の中に言っておることは間違いありません。
  78. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 憲法で専守防衛ということを言っていると、それで、それはそれとして、その後でこの発言が出てきた、こういうことになりますと、これは憲法でそれじゃ、敵に脅威を与えると——「与えずして何の防衛か」ということなんですから、ということは、憲法の範囲内で言う敵に脅威を与えるということは一体どういうことなんですか。これは非常にわかりにくいんです。これは大臣、もうちょっとわかりやすく言っていただかないと、憲法で認める敵に脅威を与えるということは一体どういうことなのか。もっと端的に言いますと、これは防衛局長でも結構ですが、先ほどの統幕議長のこの「ウイング」の中の発言で「外国からの誘導弾等による攻撃に対しては、独立国としての自衛権を持つ以上、座して自滅を待つべしというのは、憲法の趣旨ではなく、万やむを得ぬ最小限度の措置として、その基地を叩くことも可能である。」と、憲法という話は出ておりますけれども、いわゆる座して死を待つというんじゃなくて、憲法の趣旨はそういう趣旨ではなくて、いわゆる敵の基地をたたくことも可能であると、これは要するに憲法で認められたいわゆる専守防衛という範囲の中に入るんだと、もっと端的に言うと、現在の憲法で認められているというのは、いわゆる敵の基地をたたくこともできるのかどうか、これはやはり今後、いままで議論になってきた大きな問題だと私は思うんですが、この点どうです。
  79. 伊藤圭一

    政府委員伊藤圭一君) いま先生がおっしゃいましたように、この座して死を待つよりたたく必要があるということは、国会で当時の鳩山総理大臣の御答弁を船田長官がお答えになっているわけでございます。しかし、さらにその後の国会の論議におきまして、これは法理論的にはそのとおりなんだけれども、そのたたく手段を自衛隊は持つことはしないということを言っているわけでございます。したがいまして、自衛隊が持ち得る能力としては、専守防衛の範囲にとどまる、いわゆる自衛権の発動の範囲にとどまるというふうに私どもは考えているわけでございます。
  80. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 ということは、要するに、先ほど自衛力の限界の中で局長が答弁になりましたように、要するに自衛力の限界はやっぱり憲法で認められた範囲内であると、そうすると要するに専守防衛で足りないところ、これは要するに米軍に頼るんだと、そういうようなことになってくると、この統幕議長が言っている、このやむを得ぬ最小限度の敵の基地をたたくということもあり得るという、これは要するに自衛隊が持つべき問題ではないんで、要するに日米安保なりそういうところで補完するところのことを言っているのか、これは、統幕議長はこれは言っているのは、決してこれは日米安保とかそういうことを言っているわけじゃないんだ、ほんま言うたらね、これ。自衛隊が当然そういうことを持たないと——局長が言うているのとはちょっとやっぱり違うと思うんですよ、私は、意味がね。
  81. 伊藤圭一

    政府委員伊藤圭一君) これは先ほど大臣からも御説明申し上げましたが、統幕議長とも私も話してまいりました。統幕議長は憲法の制約下における自衛力というものは十分承知しているわけでございます。しかしながら、軍事的に見ますると、専守防衛と言うだけでは勝利につながるものではないということは軍事的な立場で言っているわけでございます。ここのところの座して死を待つべきではないということにつきましては、私も来る前に話をいたしましたが、現在の自衛隊としてはそういった手段は持てないので、その点は日米安保体制に依存するという従来からの防衛構想があるんだということを話しまして、そのことは十分理解しているようでございます。ただ、ここで述べておりますことがストレートにいま先生がおっしゃったということではございませんので、その点を御理解いただきたいと思うわけでございます。
  82. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 大臣、そういうふうな趣旨になってきますと、大臣が憲法の範囲内とはいえ、敵に脅威を与えずして何のための防衛かというこの発言は、やはりちょっと文章上、あるいはその言葉の意図、あるいはそこで聞いている隊員の意図というのはこれは私相当違ってくると思うんですよ。大臣の意図が本当のいまのたとえば、ただ二十七万の隊員の士気を鼓舞するために言ったことであるということとその「敵に脅威を与えずして何の防衛か」ということとは、これは大分隔たりがあるように私は思うんですよね。これは大臣、ここら辺のところは慎重に発言する必要があると思うし、今後やっぱり重大な問題を含んでおりますので、正確にきちっと答弁をしていただきたいと思います。
  83. 金丸信

    国務大臣金丸信君) 日本の国の防衛ということで、全き防衛があればよそからわが国を侵すという人も踏みとどまるということになるだろうと、こう私は考えての訓示であったわけでありますが、まあいわゆる憲法という問題を踏まえまして、先ほども御答弁申し上げたんですが、国民である以上憲法を守ることは当然でありますし、そういう意味で、憲法に抵触するような不穏当な言葉ということであるならば、これは私も言葉の使い方を間違ったということでありますが、私の真意はそこにあったということを御理解いただきたいと、こう思います。
  84. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 大臣の真意として言葉の使い方を間違えたということですから、まあそれはそれでこれ以上は時間の関係もありますので、そのくらいに置いておきたいと思います。  そこで、まずこの当参議院のロッキード問題の特別委員会では、この二年余にわたりまして特にP3Cの問題を相当いろんな角度から真相究明ということで取り組んできたわけです。そこで、私はまず一つは、先ほどもちょっと出てまいりましたが、法務大臣ですね——大臣が直接関係があるわけじゃないんですが、このロッキード事件の、いわゆるロッキード問題閣僚連絡協議会というのですね、これは取り消し——何ですか、解消をされたということなんですが、これはどういうことなんですか。要するに、これは解消したというのは、実は私、当委員会で余り議論になったことはないんですが、解消したというのを聞いたんですが、これ、いつ解消になったんですか。
  85. 門田実

    説明員(門田実君) お答え申し上げます。  ただいま御質問のございましたロッキード問題関係閣僚連絡協議会、これは五十二年の一月二十一日に廃止されております。その背景は、これは当時閣僚協議会というのが非常にたくさんございまして、先生、御承知のように、閣僚協議会あるいは閣僚懇談会というような呼称でもって二十余りあったわけでございますが、その中には非常に運営が形式に流れておる、あるいは十分機能を発揮していないというようなものが見受けられましたので、内閣の方針といたしまして一たんすべて廃止すると、そうして今後は必要に応じて随時機動的に関係閣僚による会議をやっていくと、特に閣僚のイニシアチブを発揮して運営に当たると、こういう方針が出されまして、その一環として廃止されたものでございます。
  86. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 これは私は何もあなたに答弁してもらいたいと思って言ったんじゃないんですが、大臣、これね、このいまのあの人の、どなたか知りませんが、発言ですね、これは非常にわがロッキード特別委員会としては内閣閣僚会議、こういうふうなものがようけあるということについては、それはようけあってあの人が言うように形式的に流れて、それで廃止せにゃいかぬのがあるというのもわかります、これはね、当然。これは廃止せにゃいかぬのは、形式的に流れてどうしようもないのは、当然それは行政改革の一環として廃止してもらいたいと私は思うんですけれども、ロッキード問題閣僚連絡協議会というのもそういうぐあいに形式的に流れておったんですか、大臣
  87. 瀬戸山三男

    国務大臣瀬戸山三男君) この際昭和五十二年一月二十一日の閣議決定の文を全部読み上げてみましょうか。
  88. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 いやいやそんなに全部読み上げぬでもいいけど。
  89. 瀬戸山三男

    国務大臣瀬戸山三男君) 短いですから。  「関係閣僚による会議の効果的運用について」、これが五十二年一月二十一日閣議決定でございますが、「各省庁に関連する重要な政策問題については、関係閣僚による会議によって十分な協議を行い、内閣として一体的な解決を図る必要があるが、既存の閣僚協議会等の中には十分その機能を発揮していないものも見受けられるので、この際、閣僚協議会及び閣僚懇談会等はすべて廃止し、今後は、必要の都度関係閣僚による会議を機動的に開催することにより、その効果的な運用を図ることとする。」、かように閣議決定されております。それに従ってロッキード問題に関する閣僚連絡会議も廃止になっておるわけでございます。
  90. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 これは大臣、実はこの閣僚協議会、できましてそんなに長くなっていないわけですね。五十一年の二月十九日にできたわけですから、一年もたっていないうちに解消されたことになるわけですけれども、実際問題としましてこのロッキード問題閣僚協議会では、これは五十一年の十一月十二日付で、要するにこのロッキード事件のいわゆる再発防止のための対策についてこれは相当な項目にわたりまして当時閣議決定をして、これすでに当委員会にも資料として提出がされております。これ、この中の、私たちが質問の中で答弁でもずいぶん出てまいりましたけれども、やらなきゃいけない問題がずいぶんまだ残っておるわけですね、実際問題として。こういうふうなあのときにいわゆる五十一年の十一月十二日付でこのロッキード事件再発防止のための対策についてとかそれからロッキード事件再発防止のための対策として今後検討すべき事項についてと、こう二つに分かれまして中身相当あるわけですが、これは法務省関係も相当あるわけですが、こういう問題もすべてこれはどうなったんですか、こういう問題は。
  91. 瀬戸山三男

    国務大臣瀬戸山三男君) その対策の内容、残念ながらいま私はつまびらかにしておりませんが、その際に対策を決めるなら決め、今後検討するなら検討するとしておることは、各省庁において担当して検討することになっておるわけでございます。
  92. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 これは私は時間の関係がありますから一つ一つ、各省庁においてというとこれは一つずつどこの省庁って全部決めたんですかな、これ。
  93. 伊藤榮樹

    政府委員伊藤榮樹君) 関係閣僚でお決めになりました対策は御指摘のように多岐にわたっておりまして、各省庁の所管分野にまたがっておるわけです。それを各所管庁が一生懸命検討し推進しておるということでございまして、法務省関係といたしましては収賄罪の法定刑の引き上げ等の措置並びに逃亡犯罪人引き渡し関係の条約の作成促進と、この二点につきまして鋭意努力をしておるところでございます。
  94. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 これはいま局長から二点について話ございましたけれどもね、そのほかにもまだ法務省関係にかかわり合いのあるような問題がこれずいぶんありますね。これは一つずつ検討すると相当ありますね。そのほかのはどうなっているんですか。
  95. 伊藤榮樹

    政府委員伊藤榮樹君) 他に法務省に関します部分といたしましては、多国籍企業の腐敗行為等に関して何らかの措置を考究検討するという事項がございました。これも鋭意検討しておるところでございます。
  96. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 いずれにしましても、これは大臣、これはこういうふうなロッキードの問題につきましては、少なくとも両院に特別委員会が設けられて、それでこういうふうにいろんな角度から審議が行われていると。そういうような段階でこういうような問題についてほかのいわゆる閣僚協議会が一緒に廃止されるから、いわゆる先ほどの答弁によると、運用が形式的になっているからなんということで、みんな一からげにして廃止になるなんというのは、ちょっとやっぱりおかしいんじゃないでしょうかね。やっぱりこういうような問題もきちっと置くものはきちっと置いて、設置するものはきちっと設置して、そして当委員会に対してもその対策についての具体的な施策としてこういう項目こういう項目という、きょう具体的に全部申し上げている時間がないんですが、報告している内容についてやはりその審議なり何なり行わなきゃいけない問題なんですよね、当然。それが全部各省庁に任すというんで、すべて解消になるなんていうのは、やっぱり内閣の姿勢として私はおかしいんじゃないかと思うんですけれども、ここら辺はやっぱりきちっとすべきじゃないかと私は思うんですけれども、これはどうなんですか。
  97. 瀬戸山三男

    国務大臣瀬戸山三男君) 五十二年の一月に廃止されておりますので、いまここで私がとやかく言う立場にございませんが、こういう事件に対する対策というものは、その後も各省単独でできるものは各省単独で、あるいは関連のあるものは関連各省が協力しながらもちろん検討を続けなきゃいかぬ、実施すべきものは実施しなきゃいかぬ、かように思っています。
  98. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 きょうは政府のいわゆる官房長官なり責任者おりませんので、この点についての追及はこれ以上もう行いませんが、先ほど局長から答弁ございました二つの点について、その後の進捗状況はどうなんです。
  99. 伊藤榮樹

    政府委員伊藤榮樹君) 二つの事項ということでございます。  まず第一が、刑法の贈収賄関係の規定の整備でございます。これにつきましては去る第八十国会に刑法の一部改正法案を提出いたしまして、以来衆議院法務委員会で御審議をいただいておるところでございまして、一日も早く成立させていただきたいと念願しておる次第でございます。  次に、日米犯罪人引渡条約の改定作業を昨年来精力的にやっておりまして、今日の段階では米側との交渉も九五%程度詰まっておりまして、何とか早い機会に調印にこぎつけていただきたいと、外務省と御協力申し上げてやっておりまして、私どもの願望といたしましては、今通常国会において御審議をいただけるというスピードを期待して、いま鋭意努力しておるところでございます。
  100. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 そのくらいを前提にしまして、これからP3Cの問題並びに具体的な問題についてお伺いしたいと思います。  まず、これは防衛庁長官にちょっと一遍お伺いをいたしますが、大臣は最近防衛庁長官に御就任になったわけですが、このロッキード事件という一つ事件ですね、これは大変な事件だと私は思うんですけれども、この問題について大臣はどういうふうな御認識をお持ちなんですか。このロッキード事件というのは、たとえば端的に言ってどういうふうな事件なのか、一遍ちょっとお伺いしておきたい。
  101. 金丸信

    国務大臣金丸信君) ロッキード事件という問題につきましては、外国との関係事件としてショッキングな事件であったということはだれしもが認めるところであろうと思いますし、この事件のためにいわゆる国政は渋滞し、政治国民から不信を買い、まことにこの問題の発生したということによって及ぼした影響というものは大きい。そういう意味で今後かかるような事件がまたと起きないようなあらゆる施策というものは講じておかなければならぬ。先ほど先生からもいろいろお話がありましたように、また法務大臣からもお話がありましたように、これに対処する道については国民等しく重大な関心を持つべきじゃないかと、こう私は考えております。
  102. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 これはもうまことに恐縮なんですが、法務大臣にもちょっと一遍お伺いしておきたい。
  103. 瀬戸山三男

    国務大臣瀬戸山三男君) これは外国の企業によって、あらわれております態様によりますと、金銭等の授受によって日本の行政を動かそうと、こうした事件でありますから、私は非常に重大な事件考えておるわけでございます。こういうことがありますと、いま防衛庁長官もお話ありましたように、国民政治に対する信頼を非常に大きく阻害する。断じてかようなことが繰り返されてはならない。したがって、そういうことの起こらないような措置を、もちろん各人が自粛しなきゃなりませんが、政治としても起こらないような措置を講じなきゃならない、かように考えておるわけでございます。
  104. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 そうしますと、いま両大臣から話ございましたように、現在ロッキード事件は、先ほどの質問で、国会報告する、いわゆる結末の報告ですね、この問題について先ほど大臣最終報告をすることにやぶさかではないという御答弁がありました。これは当然法務大臣としての、いわゆる司法関係からの具体的な最終結末の報告をするにしても、現在やはり公判中でございますし、そこら辺のところはきちっとしないと結末は出ないであろうと私は思うんですけれども、それはいわゆる政府高官に対する公判が現在続行中なんですね。そこで、それともう一つの側の外国の企業というのがありますね。外国の企業というのは、これはもう私、大臣に答弁していただくまでもなく、ロッキード社なんですね。ロッキード社なんですよ、これ。そうでしょう大臣。その認識は変わりませんか。どちらでも結構ですが。
  105. 瀬戸山三男

    国務大臣瀬戸山三男君) この事件はもちろんロッキード社との関係でございます。
  106. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 そのとおりですね。そうしますと、ことしの予算で、また先般からの国防会議等で、ロッキード社の問題になっておるP3Cが決定されたということですね。これは私は非常に、この事件そのものがまだいまだに解決しない——公判中であるからその点は解決したかもわかりませんけれども、その結末がついてない。しかも、ロッキード社に対するいわゆるあれは何にもないわけですよね。ロッキード社側から見れば、事件が起きたために手数料は払わなくてよくなった。こんなことないと言うかもしれませんが、それはイメージダウンとかいろいろな問題はあるにしても、私はそういう点からいくと、ロッキード社はこれから相当な大変な、これは先ほどの金額一機当たり七十五億円とか六十何億円とかいうような、六十三億円というようなお金もありますけれども、これから実際一機百億円近くになると思うんですよ、私は。そういうふうなのが四十五機も購入される。大変な金額になりますね。そうしますと、そういうような金額が、言うたら指名で入札したようなもんでしょう、これ。そうしますと、一体ロッキード社はどういう責任を感じているのかというわけですよ。少なくとも私は日本の政府高官の側は、道義的責任は、裁判がずっと行われることによってある程度の政治的道義的責任は問われるでしょう。ロッキード社は一体どういう責任が問われていると皆さんはお考えなんですか。私はこのロッキード社が道義的責任が問われるということは、たとえば普通の、日本国内で言えばたとえば指名入札が停止されますね。そういうことは防衛庁長官は当然、そういうふうな担当の大臣やられたこともあるわけですから、こういうふうな汚職があったらその会社は入札に入れてもらえないでしょう。そういうふうな私はあれがきちっとあってしかるべきじゃないですか。そういうことが全くなくて、ちょっとしたいわゆる防衛庁に対する誓約書とか、そんなちょっとしたことで、私この間のロッキード委員会でもその点ちょっと言ったわけですけれども、そこら辺のところはロッキード社に一体何があったのかと。片っ方の方に対しては相当、いま裁判も続行中ですし、あれですが、片っ方の方に対してはどういう処置——日本の国民なり政府なり、政治の空転やそういう点から言うと大変な迷惑を受けているわけでしょう。それに対してはやっぱり断固とした措置をとるべきだと。何にもとってないということについては私は非常に遺憾だと思うんです。ここら辺の問題については、これは防衛庁長官法務大臣、お二方に御答弁いただきたいわけですがね。そこら辺の問題に対しての措置というのは当然私は必要だと、そう思うんですけれども、この問題についてどうお考えです。
  107. 金丸信

    国務大臣金丸信君) 私も建設大臣をやりましたから、国内でそういうような問題が出たときは指名停止というようなことをやったということも承知をいたしておるわけでありますが、この問題につきまして、外国でありますということと、そんな会社からいわゆるP3Cを買うこと自体、契約すること自体が不穏当じゃないかというお考えも御質問の中にあるやと思うわけでありますが、しかし、この問題につきましては、P2J等の哨戒機が消耗していくというような状況の中で、防衛という問題の欠陥を生ずるということでありますから、また、私は、ここに法務大臣もおるわけでありますが、法務省関係の方から、この問題と、P3Cと防衛庁との関係等を私も調べてみたわけでありますし、またやめられました三原長官からも引き継ぎを受けまして、そういうことは全然ないというようなことでございますから、防衛の上に欠陥を生じては困るということでこのP3Cというものに踏み切ったという、もちろんこれは国防会議で十分な御審議をいただいて決定されたことは申し上げるまでもないわけであります。
  108. 瀬戸山三男

    国務大臣瀬戸山三男君) 防衛庁がP3Cを購入することを決定された——国防会議の決定のもとでございますが、これにとやかく私が言う立場でもございませんけれども、問題は、いま防衛庁長官からお話がありましたように、P3Cに対して忌まわしい事態はなかったと、こういう結論の上でございます。しかも、私は兵器のことはわかりませんけれども、いろいろ専門的に研究されて、日本の防衛の補足といいますか、強化といいますか、そのためにはこれが適機であると、適切な兵器であると、こういう判定のもとでありますから、これは私はやむを得ないんじゃないかと、かように考えておるわけでございます。
  109. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 いや、私は非常に皆さん方の答弁は矛盾していると。これは何で矛盾しているかといいますと、これは防衛庁長官法務大臣は担当じゃないからとおっしゃいますので、私は少なくともP3Cの問題については、忌まわしい点はない、疑惑はなかったと、これは法務大臣もいまこうおっしゃいました。われわれはP3Cに対して疑惑があると考えております、私は。現実に当委員会で相当議論がありました。これはまあ議論のすれ違いですからもういいです。結構です。けれども、P3Cに忌まわしい点があったとかなかったとかいう議論は私いましてないわけです。ロッキード事件全体として見た場合に、ロッキード社自身がいわゆる賄賂を贈って日本の国民に迷惑をかけ、日本の政治に支障を来すということをやったわけです。会社自身が、当然私は、建設でいけば指名停止になるのはあたりまえじゃないか、こういうわけです。それが指名停止にならないで、しかも指名入札みたいなやつが逆にあったと、こういうんですね。これは当然私は、大臣ね、あなたの見識で私お伺いしたいんですが、まず質問を区切って質問いたします。防衛に支障を来すということがなければ、当然私は指名停止になるべきだと思うんですが、どうですか。
  110. 金丸信

    国務大臣金丸信君) 私は日本と同じような、もし仮にロッキード社が日本にあるとして言うのであるならば、これは防衛庁が必要でない飛行機であるならば、全くこれは指名停止で、全然買う必要はないという感じもしますが、ただ、防衛という問題はそういう自分の感情や考え方だけでは判断できない、いわゆる欠落があるいは欠陥が生じてはいかないというところにあるわけですが……
  111. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 いや、それがなければと言うてるんです。
  112. 金丸信

    国務大臣金丸信君) なければ私もあなたと同じ考えでいくと思います。
  113. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 そうすると、ロッキード社はまあ言うたら指名停止、しばらく謹慎を申しつけにゃいかぬ会社であるけれども、日本の防衛に支障を来すという、もうやむを得ない点があって、しょうことなしにこれはもうP3Cを買わざるを得ないんだと、こういうことですか、大臣
  114. 金丸信

    国務大臣金丸信君) まあこの問題と、P3Cと、ロッキード防衛庁との関係犯罪関係はないということはおわかりであろうとは思うんですが、まあ私は防衛庁としては、この問題について、P3Cが関係ないということでありますからこの問題を踏み切ったということについて——何と言ったらいいかな、いま一回聞かしてください、急所のところを。
  115. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 あのね、まあいい、結構ですわ、どうぞ座ってください。  あのね大臣ね、このP3C——ですからもう議論のすれ違いはすれ違いとしてたな上げしてと私は言っているわけです。P3Cについてはわれわれは疑惑があるということをここでずいぶんいろんな角度から丸紅の契約を出し、児玉との契約を出し、もうずいぶん議論してきたわけです。ところが、法務省のいろんな捜査段階で、いわゆるP3Cと防衛庁関係、いろんな関係を見て、P3Cについては疑惑はないという政府報告が出ている。われわれそれについてもいろんな異議があるわけですけれども、それはまあそれとして、そういう議論がすれ違っているわけですからそれはそれでいい。しかし、ロッキード社自身については少なくともこれは疑惑はなしとはしないわけですね、P3C以外にトライスター、いっぱいあるわけですから。現実に日本の政治をゆがめた責任というのは当然あるわけです。大臣ですね、おうち建てる場合でも、こっちの家は汚職したけれどもこっちの家は汚職してないと、両方こっちの方は関係なかったからこっちの方でというわけにいかないでしょう。やっぱり片一方のこっちの、たとえばこっちの村で学校建てていて、そこで贈賄が行われて汚職があったというんだったら、同じ村だとこっちの方もやっぱり指名停止になるでしょう。それと一緒なんですよ、これは。ですから、いやこっちの方は全然関係ない、こっちはあったけれどもこっちはないという、こっちは注文していいという理屈にならないわけですよね。ですから、そういうような意味で私は、これは当然ロッキード社に対してロッキード社の道義的責任というのはあるんですよ。それに対して私は防衛庁としてどういう議論をしたのか。これは私はこれからP3C、F15の決定の経緯を国防会議事務局にお伺いをいたしますがね、久保さんおいでになっていますからね。これは実際問題そういうところで、国防会議の席上でこのロッキード社の——国防会議の席上ではなかったかもわかりませんから防衛庁にもお伺いしますが、ロッキード社の道義的な責任ということについては防衛庁としてはどうお考えなのか。P3Cには疑惑がないから真っ白けなのか。そんなばかなことはないと私はいま言っているわけです。これはどうなんですか。
  116. 間淵直三

    政府委員間淵直三君) P3Cの選定に関しましては、まあ純粋に軍事的、技術的あるいは費用対効果といったような面を考え選定いたしたわけでございますが、まあ私どもといたしましても、できればほかにもっとこういうところから買わぬでも、いい飛行機はないかということを一生懸命探しまして、またロッキード事件そのものというものにつきましても、私どもとしてははなはだ不愉快、迷惑だという惑じを持ちつつも、軍事的、技術的な面といったような検討からやむを得ず採用したというのが事実でございます。
  117. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 ということは、逆に言えば、要するに防衛上支障を来すから、いわゆるロッキード社のこういう問題については全く不問に付してやむを得ずこの契約をしたということになりますか。
  118. 間淵直三

    政府委員間淵直三君) 先ほど申し上げましたように、防衛上の支障を来すというようなことから、ロッキード社に対しましてはいままで日本国政府及び国民に迷惑かけたことを謝罪させると同時に、今後こういうことが絶対起きないということを誓約さして決めた次第でございます。
  119. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 私はね、そういうことだけではとてもこの問題について、これは納得できるような問題じゃないですよ。ロッキード社は、要するにそういう謝罪文にしたって一枚の紙切れをちょっと出して、それで後何千億という指名入札を受ければ、すぐそういう入札が受けられるなんということが通用するようでは本当は困るわけですよ。防衛庁自身も自主開発なり何なり相当やってきたわけですから、現実の問題として、要するにこのP3C自身がもうロッキード社のものしかないという、いま防衛庁が強く主張しているようなことが、初めからそういうような主張しているんならいいですよ。もう最近になってこういう主張を始めただけの話であってね。これは昭和四十七年の当時からそういう主張がきちっと出ておればこんな事件起きてないわけだ、逆に言うたら。また研究開発なり何なりが進んでいるわけですからね。これはね、やっぱり防衛庁のいわゆる施策の誤りですよ、逆に言えば。もうやむを得ずこれを採用せざるを得ないと、向こうは悪いことした男だけれども、どうしようもないというふうに、そこまで追い込まれてしまっているわけですからね。これはやっぱり私はミスを認めざるを得ないと思うんですよ。  そこで、これはまず国防会議で先日このP3Cの問題について決定をしたわけですが、十二月二十八日の国防会議ですね。それでP3C四十五機を十一年間で整備すると、これは決定したわけですが、これはやはり坂田、三原両長官大臣のときにも疑惑を残さないように結論を出すということだったんですけれども、いろんな疑惑が現実にあったわけですけれども、そういう問題については国防会議の席上ではどういう議論が行われたのか、そういうことも含めて御答弁を願いたい。
  120. 久保卓也

    政府委員久保卓也君) 国防会議といたしましては、P3Cが防衛上必要であるのかどうか、P3Cの選定それからその価格に対して不正不当なことはなかったかということが主たるテーマであったわけであります。しかしながらお話しのようにロッキード事件との関連もございますので、その点についてはいわゆる事件関連としての防衛庁長官からの御説明を願って、その点は了承をされたということであります。
  121. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 非常にえらい簡単な説明ですがね。もうちょっと詳しくお伺いしますが、まず、そのP3Cを四十五機と、こう決められたのは、これは一体どういう意味ですか。これはもともと私はロッキード社のあれは、児玉との契約でも五十機となっていましたね。これがまあ四十五機、確かに後でへ理屈をつければ幾らでもつくと思うんですがね。私は五十機にしなくて四十五機にしたところにもいろんな意味があるであろうと。関係ないことを証明したみたいな感じですけれども、これはやっぱりこういうところにも具体的には問題があるんじゃないかとも思うんですがね。これ四十五機と決定された根拠は一体どういうことなんです。
  122. 久保卓也

    政府委員久保卓也君) 国防会議の皆さんは格別そういったことをお疑いになっているのではありませんで、当面十年間ぐらいを見込んで長期的なP3Cの計画がどうかということの防衛庁の原案が出ましたので、一応四十五機を議論の対象にし、かつそれを決定したわけであります。ただしその間に、一つの機種でもって長期的に決めてしまって大丈夫かというような御意見もありましたけれども、防衛庁からも再々御説明のありまするように、いまの時点ではP3Cがベストであり、九〇年代も使えるという、そういう見通しのもとで一応やったと。しかしながらさらに、たとえば百機であるとか八十機であるとかというところまで決定するというところには至っていないということであります。
  123. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 それではもう少し詳しくお伺いしますが、時間の関係もありますので次回にも譲るとしまして簡単にお伺いしますが、これは、当ロッキード委員会でもこのP3Cの決定につきましては、総理大臣初め官房長官もそうだったですが、要するに国防会議で慎重に検討するということを繰り返し答弁していらっしゃるわけですね。これは私は、そのP3C決定に至る審議経過ですね、これはやっぱり久保さんね、そんな簡単な説明じゃなくて、いついといつと開いて、それで何時間ぐらい審議して、それで国防会議の中ではどういうことが問題になったのか、これはやっぱりいま防衛上の必要性とか費用対効果とか、そういういろんなことをおっしゃいましたけれども、やはりもう少し詳しく一遍おっしゃっていただくか、あるいは資料を当ロッキード委員会に提出をいただくかしないと私はいけないと思うんですよ。これはあわせて……。
  124. 久保卓也

    政府委員久保卓也君) 国防会議は、言うまでもなく総理大臣に対する諮問的な機関でありますから、総理に物を申す組織になっているわけです。したがいまして、国防会議設立当初から具体的な審議内容、あるいは資料の提出等については御容赦願っている次第であります。そこで、しかし一応の概要で申し上げれば、一番初めに審議されましたのは、八月の末に防衛庁が概算要求を提出する際に当たって、その事前にF15も含めまして、F15及びP3Cの概要、防衛上の必要性、将来の防衛庁としての計画、それから経費見込みといったようなものも一通り説明が行われております。それから十二月に入りましては、慎重に審議するという総理のお言葉を踏まえまして四回やっているわけですけれども、御承知のように内閣改造があり、臨時国会があり、そして予算がありという、そういう非常にあわただしい中では、慎重にという言葉が当たるような経過が行われたと思います。時間は余り正確に記憶しておりませんが、十二月十二日のときが一番長かったと思いますし、この際には相当活発な議論が出ております。この場合には、言うまでもなく防衛上の必要性の問題、価格の問題、それから費用対効果の問題、それから特に戦闘機の方に爆撃装置どかそういった問題の議論が出ておったものですから、そういう問題等にある程度時間を費やしたわけであります。それから、十二月の二十三日に再びこの問題について審議をいたしました。この際には、事務当局でも並行しまして審議をしておりまするので、全体規模の適正かどうかというような問題等についての議論が出ております。なお、申し忘れましたけれども、十二月十二日のときには、ロッキード問題に関連しての説明が、これは資料も防衛庁側から提示されて相当詳しく説明されております。これらは以上いずれもチャート等を使ってもおります。それから十二月二十八日に、これはP3CとF15の機数、全体計画の規模そのものを決定をしたということであり、さらに十二月二十九日のときには、これは概算要求の主要な事項の決定と関連するわけでありますが、五十三年度分として幾らにするかという決定が行われたわけであります。
  125. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 久保さん、十二日は時間どのぐらいかかったんですか。
  126. 久保卓也

    政府委員久保卓也君) 多分一時間ぐらいだったと思います。
  127. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 それは久保さんね、一番長いときが一時間で、そのほかの二十三、二十八、二十九、これは余りにも私は、これはちょっとおかしいんじゃないですか、久保さん。
  128. 久保卓也

    政府委員久保卓也君) 国防会議は、大変お忙しい総理及び各閣僚が御出席になりまするので、頂点に当たるようなところについての議論が行われるわけで、実は私ども国防会議事務局関係参事官というのがおります。これは関係省庁にまたがっているわけで、この関係参事官でもって八回ないし十回ぐらい、時間的に申せば二時間から三時間常にやっております。この審議経過というものは絶えず国防会議の幹事会のメンバー、つまり各省の次官に報告され、それから各省大臣報告されるということであります。そこで、非常にお忙しい中から国防会議を開くという場合には、ポイントだけ、重要なポイントだけが議論される。しかし、そのすそ野というものはすでに参事官から各大臣方に御報告がいっているということでありますので、私は慎重に検討されたという内容に当たると思っております。
  129. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 これは久保さんですね、私は、きょうはまあ私の持ち時間があともう少ししかありませんからこれ以上詰めることはできませんが、ロッキード事件がなぜ起きたのか。P3Cが、要するにそういうふうないわゆる一つ犯罪を犯したような会社の製品をどうして買わざるを得なくなったのか。要するにP3C、ロッキード社のP3Cしか、なぜP3Cしかなくなったのか。時期的に見てもどっから見てももうこれしかないということになってしまったのか。もっと端的に言うと、手おくれになってしまったのか。これはやはり私は、当ロッキード委員会で、参議院のロッキード委員会で何回も問題になったことですけれども、国防会議あり方が問題になったわけです。昭和四十七年の十月の九日のあの国防会議の、あの当時の田中総理を中心にした決定に至る、いわゆるその経過というのが当ロッキード委員会で問題になりました。いま、まさに久保さんのいまの発言だとお忙しい——お忙しいでしょう、それは。お忙しい大臣なりそういう人たちが構成メンバーでトップになっている、だから本当に短い時間でもいいんだと、久保さんそうおっしゃっているわけです、いまね、言葉の裏では。そのことが問題になってロッキード事件が起きたんじゃないですか。参議院の当ロッキード委員会でもそのことが問題になったんじゃないですか。だからそのことを、そういうんじゃまずいと。ロッキード委員会では当然、少なくとも通産大臣なりいろんな人も入って、本当にこういう装備の問題やこういう問題については国防会議のトップで真剣に議論するようでないといかぬというのが当ロッキード委員会のいままでの経過じゃないですか。ところがあなたは、あなたの答弁はまたもとへ返って、昔のいわゆる国防会議あり方に返っていますよ、あなたの答弁だと。私はそれだとこれはもうロッキード問題に対する国防会議の反省は全くない。これはあなたね、総理大臣や官房長官が、国防会議検討いたします、慎重に検討しますと言ったことが何回あるかわかりますか。いままで予算委員会ロッキード委員会で何回にもわたって、これはもう数え上げれば切りがないほどP3Cの決定、F15の決定、あるいは先ほどから問題になりましたいわゆる爆撃装置や空中給油装置の問題につきましても、その決定に当たっては国防会議で慎重にやるということで、総理大臣や、もう予算委員会の答弁も何回も回避してきているわけですよ。それにしては、あなたのいまの答弁だと従来の国防会議あり方と全く変わらない。これは私はその姿勢が変わっていないということは、これはもう本当に私これから質問しようという重大な原点がもうおかしいわけですから。それじゃ私は話にならないと思うんですよ。どうなんです。
  130. 久保卓也

    政府委員久保卓也君) 四十七年のときの国防会議は、言うまでもなく私は関与しておりましたからよく存じているわけですけれども、いま反省してみると、国防会議で御審議願うその事前の段階の事務的なすり合わせというものがやはり一〇〇%いっておらなかったというふうに思うわけであります。  で、今回には慎重にという姿勢を絶えず貫いておりましたから、まず事務的な検討関係省庁を含めてずいぶんやっております。繰り返しますけれども、その都度次官、大臣に御報告が行われているということであります。そういう手続を踏まえた上での国防会議の開催でありまするから、私は全体としてながめれば、やはり慎重に検討が行われたというふうに考えてしかるべしであろうと思います。
  131. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 いや、私は久保さん、あなたの見解とは全く違いますわ。これは国防会議あり方自身、それは久保さんは、従来のいわゆる昭和四十七年当時の久保さんが関与しておられたという国防会議あり方と、いわゆるそのあり方が間違っていなかったと、現在もそのとおりでいいんだと、こういう考えなんですか、要するに。これだけのロッキード事件が起きても全く変わらないというのがあなたの考えなんですね。
  132. 久保卓也

    政府委員久保卓也君) いわゆるロッキード事件というものが起こってなければ、こういう手順、あるいは時間をかけてやらなかったであろうと思うんです。やはり背景にロッキード問題があればこそ事務的に、かつまた国防会議も三回開いていただいた、真ん中で三回ですね、前後で合わせれば五回になるわけで、これはやはり異例な措置と言わざるを得ないと思います。
  133. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 久保さん、いずれにしましても、これはもうこれから中身を質問する時間がございませんが、その国防会議における論議、これもあなたは全く公表されてはいないとは言いながら、やはり少なくとも国防会議で行われたいろんな、たとえば概要とかそういう問題については公表されているわけですね、実際問題。ですから、私は国防会議の中身の問題についても、私の手元に入りましたいろんな資料によりますと、この国防会議で行われた——あなたはいろんなことを先ほど言いましたけれども、防衛庁とかそういうところの説明は別として、事務当局の説明は別として、国防会議の議員が種々問題にした問題というのは一体何かと。これは詳細は私のところに手元に入っておりますけれども、要するに国防会議の議員が実際に問題にした問題というのは大体どういうことなんです。
  134. 久保卓也

    政府委員久保卓也君) これはやはり防衛上の必要性の問題、それから費用、特に価格の問題、それから輸入と国産との関連の問題、それからP3Cについては特にロッキード事件の問題、それからF15にはまた憲法との関連の、国会で問題になったような事態もありましたので、そういったことが触れられたということであります。
  135. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 その久保さんが口を滑らせたように、実際の論議というのは久保さんがいまおっしゃったことは全部あったんでしょう。けれども、実際の議論というのは、もっぱら対米配慮のいわゆるこの黒字減らし、現在の黒字減らし、これに役立つかどうか、現在のいわゆる対米のいろんな経済問題と絡んでの問題、こういうことがやはり中心であって、いわゆる防衛政策そのものというよりも、やはり経済政策という面に重点が置かれたと、こういうふうに現実にしゃべっている人がいるんだ、そうではなかったんですか。
  136. 久保卓也

    政府委員久保卓也君) 日米関係について申し上げれば、日米安保体制上の関連についてのこれは防衛的な問題として議論をされ、またそれがドルとの関係ではどうかということについての言及もありました。しかしそれが中心的な議題あるいは話題であったことではございません。
  137. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 いずれにしましても、久保さんがそういうふうにおっしゃるんですからそれはそのとおりだったかもわかりませんが、いずれにしましても、あなたの議論の、あなたが発言した中身にもありましたように、私は、大臣ですね、これは実際問題、国防会議のいわゆるP3CとかF15を決めるに当たっての本当の意味の論議、これは私はもっと防衛上——さっき大臣がおっしゃいましたように、支障を来すか来さないかということについて本当に詰めた議論が行われたのか、そしてこういうようなロッキード社にどうしても発注しなければならないのかどうか。そこら辺のところが深刻になさったかどうかということについてはわれわれやっぱり不審に思わざるを得ない。そういうような意味では、そういうふうな会社に注文をするんだということをやっぱりはっきり防衛庁は認識してもらいたいと私は思うんですよ。そうでないと、P3Cについては何らいかがわしい特典はなかったんだというだけでは国民も納得しないし、われわれも納得しにくい。そういうような意味ではそこら辺のやっぱりきちっとした反省があってしかるべきじゃないか。あと細かい問題がありましたけれども、細かい問題については次回に譲るとしまして、最後に大臣の所見をお伺いしておきたいと思います。
  138. 金丸信

    国務大臣金丸信君) 貴重な御質問をいただきまして非常に感銘をいたしておるわけでありますが、ただいまの問題につきまして、ことに国防会議久保さんの答弁等もあったわけでありますが、私は現在の国防会議はこれで最高だ、ベターだとは思っておりません。たゆまざる努力によってこの内容も順次変えていかなければならぬことは当然でありますが、しかし国防会議の、私も出席をしている一人といたしまして、非常に真剣に討議をされたということも事実であります。  また、ドル減らしというようなことに憂き身をやつすとか、そういう問題についてはほとんど出てこなかったと、むしろ私は、防衛という産業の中から考えれば、いわゆるアメリカあるいは外国に兵器を頼るというようなことは、防衛という立場から言えばこれは話が違うというようなことまで申し上げたわけでありまして、そういう意味で、この国防会議の問題につきましては私は十二分に審議されたと、また、ロッキード問題等につきましては、いわゆる将来の、こういう問題を他山の石として間違いのないように十分に努力してまいりたいと、こう考えておる次第であります。
  139. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 終わりました。
  140. 神谷信之助

    神谷信之助君 昨年末P3Cの導入を国防会議で決定をされたわけでありますが、このロッキード事件が明らかになって以来、国会でこの問題が追及をされました。その都度三木内閣以来政府の答弁は、疑惑の解明なしに機種の選定なしということをしばしば繰り返してこられています。したがって、国防会議で決定をしたということは、一切の疑惑の解明が済んだということになるのかどうか。この点について長官の答弁を求めます。   〔委員長退席、理事斎藤十朗君着席〕
  141. 金丸信

    国務大臣金丸信君) この問題につきましては、解明されたという——いま公判中ですから解明されたということにはならぬと思いますが、しかしP3Cとの、ロッキード社との関係防衛庁との関係等は一切関係がなかったということばかりでなくて、いわゆるこの哨戒機というものを採用しなければP2J等の哨戒機の消耗というような立場からいわゆる防衛に欠落を生ずるというようなこともこれありまして、そういうことでいろいろ状況を調べてみますと、私も防衛庁長官になりまして間もないことではございますが、国防会議でこれを選定するときは大臣であったわけでありますから、そういう意味で、三原長官から引き継ぎにもその話もありましたし、また防衛庁の幹部からもいろいろの意見があって、法務省もこの問題とは関係がないと、そういうようなことでこれを採用したということでございます。
  142. 神谷信之助

    神谷信之助君 P3Cについては犯罪とするだけの要件がなかったということは法務省当局も言っています。しかし、ロッキード社自身がどういう売り込み政策をやってきたかということは、私はこれははっきりしていると思うんですがね。この点はいかがでしょうか。
  143. 間淵直三

    政府委員間淵直三君) ロッキード社が児玉との間に巨額の成功報酬を伴うような契約が存しておったということは、私どもとしてもはなはだ不愉快、迷惑だと、こう存じておる次第でございますが、ただいまも長官が申し上げましたように、P3Cに関しては犯罪の容疑が存在しないということ、それから当防衛庁に関しましてロッキード社から過去及び現在、将来にわたって決して不正不当なことは行わないというような誓約、それから価格の正当性の調査については十分協力するというような誓約書を提出させまして決定した次第でございます。
  144. 神谷信之助

    神谷信之助君 ロッキード社がいま過去、現在、未来にわたってとおっしゃったが、過去にわが国の航空機、自衛隊の飛行機ですね、自衛隊機の購入に当たって不正な金品を提供したり、あるいはそういうことを企図したと、そのことは御存じないんですか。
  145. 間淵直三

    政府委員間淵直三君) 私どもはP3Cの導入に当たってということを中心としてロッキード社といろいろの誓約書の提出その他をさせたわけでございます。
  146. 神谷信之助

    神谷信之助君 そうすると、過去の不正行為は不問に付しているということですか。
  147. 間淵直三

    政府委員間淵直三君) 過去の不正行為についてはロッキード社からは聞いておりません。
  148. 神谷信之助

    神谷信之助君 どうしてですか。
  149. 間淵直三

    政府委員間淵直三君) 不正行為の事実ということについては聞いたことはございません。
  150. 神谷信之助

    神谷信之助君 七七年の五月二十六日にロッキード社自身が調査をして、その調査報告書をSECとそれからワシントンの連邦地裁に提出をした。その内容のうち国名とか不正な金品を受領した人の名前は伏して公表されていますが、この事実は御存じないですか。
  151. 間淵直三

    政府委員間淵直三君) SECに対して国名それから人名等伏せて報告書を提出したということは存じております。
  152. 神谷信之助

    神谷信之助君 SECに提出した場合は国名全部入ってるんですよ、人名も。公表する場合にその点は伏せているんですよ。あなたの理解は違っています。それで明らかなように、その中で日本に関する部分としては、第一にロッキード社の秘密資金のうち一千三十万ドル、約三十一億円が航空機売り込みのための疑わしい支払いに使われた。第二に児玉と見られる秘密代理人——名前隠していますからわかりませんが、児玉と見られる秘密代理人に一九五八年からトライスターの販売合戦に至るまで六億二千九百万円が支払われている。第三に航空自衛隊のT33ジェット練習機やF104機の売り込みをめぐって巨額の金が手数料として秘密裏に支払われたこと、これらが明らかになっているんですよね。すなわち当国会でもしばしば、かつてもこのロッキード事件が起こりましてからも問題になりました三十三年から三十四年のグラマン、ロッキード騒ぎ、この時期にいろいろなうわさがありましたが、ロッキード社自身の報告書によっても黒い金が流れていたということが明らかになった。このことは御存じないですか。
  153. 間淵直三

    政府委員間淵直三君) 事実としては確認しておりません。
  154. 神谷信之助

    神谷信之助君 公表された資料です。どうして入手しようとしないんですか。
  155. 間淵直三

    政府委員間淵直三君) ロッキード社から直接その事実を確認してはおりません。
  156. 神谷信之助

    神谷信之助君 なぜ確認をしないんですか、なぜ確認をしないんですか。ロッキード社が今日まで数々の不正行為をわが国だけではなしに世界じゅうロッキード戦略といわれるそういう不正行為をやってきた。このことはもうすでに明らかになっているわけだ。そこで国民が大きな怒りをもってこの疑惑解明を要求しているわけです。そして国会特別委員会をつくってやってきているわけだ。そのロッキード社からP3Cを買おうとするわけです。過去のそういう罪状を不問に付する、おかしいじゃないですか。あなたがあなたの名前でロッキード社に「次期対潜哨戒機の選定について」という文書を出しています。わざわざP3Cに関してと断わりです。あとのことは触れる必要ありません、あなた方のやっている悪いことは、防衛庁も一緒になって国民の前には隠していますよと言わぬばかりの文書じゃないですか。しかもそういうことは公表されておっても入手をしようともしない。ロッキード社を呼んで聞こうともしない。国民の前に疑惑を解明しようとしないじゃないですか。   〔理事斎藤十朗君退席、委員長着席〕
  157. 間淵直三

    政府委員間淵直三君) 私どもといたしましては、P3Cに関しての疑惑その他を解明しようと努めたわけでございます。
  158. 神谷信之助

    神谷信之助君 過去に多くのいろんな不正行為をやっている、日本においても。しかも外国でもやっている。オランダでもイタリアでもそうだと。そのことが明らかになったわけでしょう。しかし、そのことは私ども知りませんと。P3Cを買うんだからP3Cに関係したのだけだと。いいですか。それでP3Cはおっしゃるように児玉契約書であればそれについての情報の提供をしている。いろいろなことをやっています。これは冒頭陳述で明らかになっている。しかし彼が手にするのは、これは成功しなかったら成功報酬の二十五億円もらえない。だから、それはまだいま金は渡っていない、成立していないんだから。だから、そのことについて直接的な金の流れはいまのところない。しかし、コンサルタント料としては渡っていて、その中には含まれているということは昨年の十一月二日の答弁であなたが認められた。だから、そこまではある。だが、これはやっと去年の暮れの国防会議で決まって、これから契約するんですからね。契約が成立して初めて成功報酬その他の問題が出るでしょう。だから未遂のうちにこの問題明らかになったが、P3Cについてはわれわれが四十七年の八月九日のあの決定をめぐるいろいろないきさつ、ここにまだ多くの疑惑を持っておりますけれども、さらにそれ以後明らかになっていますから、ストップしていますよ、それは。だからP3Cは関係ありませんと言うんだよ。関係ある、かつてやった悪いこと、どうして明らかにさせないんですか。
  159. 間淵直三

    政府委員間淵直三君) 私どもといたしましては、そのF104とか何とかの導入といういろいろのうわさとかあるいは報告といったようなものは存じておるわけでございますが、ただいまそのP3Cの導入ということを頭に置きまして、それに関連いたしましてどういう行為があったかということを明らかにしたいと、こう努めたわけでございまして、先ほど先生御指摘のように、一般手数料といったような中にもP3Cが含まれるという、こういう理論構成になってくるわけでございまして、そういうものにつきましても、それをどうやって処理して、それが私どもがいま買おうとしておるP3Cの価格に上乗せされないようにするにはどうするかといったようなことの解明に努めたわけでございます。
  160. 神谷信之助

    神谷信之助君 それでは防衛庁長官、いまお聞きのように、すでにロッキード社自身もみずからの調査で過去のそういう不正行為を明らかにして、SEC並びにワシントン地裁に報告を出しておりますね。これは入手しようと思ったら入手できますし、聞こうと思えば説明を求めることはできます、日本の政府の側からいえば。SECに対して要請することもできるし、あるいはロッキード社に直接そのことを明らかにしない限りこれはできないじゃないかと言えば、これは説明せざるを得ないでしょう。そういうことをなぜやらないんですか。疑惑の解明をすることなしにP3Cの機種選定はできない、そういう努力をしないで、どうして機種の選定をなさったんですか。
  161. 金丸信

    国務大臣金丸信君) 私も防衛庁へ参りまして日も浅いことでございますが、私一人ですべてが解明できるわけでもなし、私は長たる者、部下の言うことを信用できないような長ではならぬと思いますし、そういう意味で、きょうまでのこのP3Cを購入するにつきましては、関係の局長、幹部からいろいろ意見を承り、また、三原長官からも話を承った関係の中で判断をいたし、そのP3Cも、あるいはF15の問題についても、全然今度のロッキードの問題とは関係がないと、しかし、これはどうしてもいわゆる防衛上欠落を生ずるからここに入れなければならぬということでありますから、先生のおっしゃられることも、いろいろ内容の中で、根拠のある中でいろいろ指摘されておると思うんですが、私はロッキード問題のその内容を詳細にいろいろ聞いているんですが、なかなか私は頭が悪いものですから、うまくわからなくて、これから勉強をいたしたいと思います。
  162. 神谷信之助

    神谷信之助君 勉強されるのは結構ですが、そうすると、勉強なさって、これはぐあい悪いということになれば決定を変更なさいますか。
  163. 金丸信

    国務大臣金丸信君) この問題は国防会議で決定されることでありまして、私がこれを破棄する、これはだめだと言うべき筋合いのものでもないと、もうこれは国防会議で決めていただいた厳然たる一つの結果だということだけ御理解いただきたいと思います。
  164. 神谷信之助

    神谷信之助君 長官ね、先ほども話がありましたが、普通の国内における入札ならばもう指名から外すということがなさるる、そういう企業ですよね。あるいはそういう企業の犯した不正行為ですよ。これが続々といまみずからも明らかにしていると。  さらに、私はもう一つ問題にしますが、それで誓約書を出しなさいと。「P−3Cを次期対戦哨戒機として選定をするためには、貴社が下記の諸点に同意されることが極めて重要」だと、だから誓約しなさい、誓約しなかったらだめですよと言われておるんですから、これは誓約しますよ。約する内容ですが、それには「P−3Cに関する日本との販売契約の獲得に関し不当な影響力を及ぼすあるいは有利な取扱いを受けることとなる賄賂を伴ういかなる販売努力又は関連する工作にも従事したことはありませんし、いかなる代理店又はコンサルタントにもかかる行為に従事するよう指示し説得し又は示唆したこともありません」とある、いままでに。そのとおりあなた方は信用されているんですか。
  165. 間淵直三

    政府委員間淵直三君) その文字にありますように、不当な圧力云々といったようなことは一応信用しております。
  166. 神谷信之助

    神谷信之助君 それじゃ、たとえば小佐野賢治の公判廷における冒頭陳述書にもありますが、ロッキード社は対潜哨戒機を日本政府に売り込むため、児玉の尽力を要請していたが、コーチャンは児玉と同席の上、小佐野に説明をして、依頼をして、小佐野はこれを了承する。さらに小佐野はコーチャンに対して「P−3Cの販売についてロッキード社を援助するためには、暫定的に取決めている追加報酬を増額をすべき」だと、こういう勧告をして、コーチャンはこれを了承すると、こういうのが冒陳に出ていますね。それについて、売り込みについての見通しや、あるいは分離リリースはだめだということを工作しなさいとかいう情報を与えていますよね。これは児玉の方の冒陳に出ているわけだ。これ、五十機売れば、五十機以上の売り込みに成功したら二十五億円も払ってやるとか、それからコンサルタント料も値上げをするとかということは、ロッキード社としては小佐野や児玉に尽力をしてもらうと、尽力と言っていますね、冒陳では。そうして、これの売り込みを成功させると、そういうことを要請をする。あるいはそのために必要なら、必要な金も渡しますよと、成功すれば。こういうことも含めているわけでしょう。しかも、ロッキード社は、そのことはすでに第一次FX戦争以来、そのことによって成功してきている。オランダでも成功したと、イタリアでも成功したと。だから、そういう経験に基づいて、そういう小佐野や児玉がこの売り込みにいろんな影響力を行使をする、あるいはそのためには賄賂も使うかもわからぬ、使わないかもわからぬ、ネコババするかもわからぬ、そのことはいずれにしても、とにかくそういうことをやって協力をしてくれと、それを期待をしてああいう膨大なわれわれが考えられないような成功報酬を含めた契約が結ばれる。だから、ロッキード社はそのことを期待しているわけですよ。この点はいかがですか。
  167. 間淵直三

    政府委員間淵直三君) 私も冒頭陳述を読ましていただきまして、尽力を約したというようなことがあるわけでございますが、その尽力をしたかどうか、あるいは尽力の内容はどういうものであるかということについては……
  168. 神谷信之助

    神谷信之助君 そんなことを聞いていない。ロッキード社はそのことを期待しているだろうというのです。だから契約を結んだんでしょうと。
  169. 間淵直三

    政府委員間淵直三君) まあそう推測されるのが普通だと思うわけでございますが、明確にはしておりませんです。
  170. 神谷信之助

    神谷信之助君 明らかな常識じゃないですか。そういう尽力をしてもらうためにわざわざコンサルタント料を払い、成功報酬を払うという契約を結んでいるんでしょうが。これはやったかやらないか、それはまだ知りませんよ、まだ明らかになっていないんだから。やった内容の一部は出ています、そうでしょうが。そうすると、ロッキード社はそういうことを期待をしたからこそああいう契約を結んだ。ところが、いままで何にもしてなかった、いままで一切示唆したことありませんです、これはもう明らかにうそじゃないですか。
  171. 間淵直三

    政府委員間淵直三君) 誓約書の内容になっておるのは金を払ってということでございまして、その尽力の内容が金を払わないいろいろの方法もあるんだろうとは推測はできるわけでございますが、金を払ってそういう努力をしてはおりませんということでございます。
  172. 神谷信之助

    神谷信之助君 いや、ロッキード社努力をしてませんということですよ。しかし、指示をしている、あるいは期待をしたと。うまいこと書いてますよね。だから、ロッキード社は賄賂を使ってでも売り込みをひとつうまいことやってくれという期待のもとにあの契約が結ばれたということにならなければ常識が通らぬじゃないですか。何のためにあんなことやるんですか。
  173. 間淵直三

    政府委員間淵直三君) ロッキード社から児玉に金を払うということは問うておるわけではございませんで、児玉から金を払ってということがここに書いてあるわけでございます。そういうことはしておらないということでございます。
  174. 神谷信之助

    神谷信之助君 それじゃそんな誓約もらったって意味ないですよ。ロッキード社から依頼はしてませんと、児玉のところに金渡りましたと、そこから先は知りませんと。それは知りませんと、そういうことをやってないはずですというだけでは誓約にならぬじゃないですか。信用できない。  それよりもね、逆な聞き方しましよう。本来軍用機を日本政府に売り込む場合ですね、これはMDAOを通じて飛行機の、航空機の性能なり価格なりを説明をして、その優秀性と低廉性を説明をする、すれば足るわけでしょう。あるいは防衛庁に直接行って説明をする、これもやっていますわね、事実。なぜ小佐野や児玉を必要としたか、ロッキード社は。
  175. 間淵直三

    政府委員間淵直三君) 私どもにとりましては、その正規のルートできちんと、技術的にきちんと説明していただけばいいわけでございまして、私どもといたしましては全然そういう必要性を感じておりませんです。
  176. 神谷信之助

    神谷信之助君 いや、ロッキード社はなぜそれをしたかわからぬわけでしょう。聞いていないわけでしょう。ロッキード社がなぜ小佐野や児玉を必要としたのか、あるいはまた第一から丸紅になぜ代理店を転換をしなければならなかったのか、そういった理由、お聞きになっていないわけでしょう。そうして、この一片の、そういうことはいたしませんと、したことありませんという一片の紙切れで信用するということは一体どういうことですか。
  177. 間淵直三

    政府委員間淵直三君) まあロッキード社といたしましては、あれだけ金を払うんでございますから、何らかのその有用性、必要性を認めておったというふうには思うわけでございます。
  178. 神谷信之助

    神谷信之助君 そのロッキード社が認めておった有用性、必要性、それが問題なんでしょう、それが。ロッキード社が児玉、小佐野を使えば日本の政治を動かすことができる、彼らの金力と権力をもってすればやれる、あるいは人、脈をもってすればやれる、彼らは、ロッキード社はそう考えた。そして、それは第一次FX戦争で実験済みである。あるいはトライスターはそれで成功した。ここにあるんでしょう、問題は。その構造、そういう日本の——ロッキード社考え方、彼らがそう見ておった日本の政治体制といいますか、構造といいますか、ここのところをはっきりさせなければこの問題の徹底的解明というのはできなかったということになるんじゃないですか。この点ひとつ、防衛庁長官法務大臣から答えていただきたいと思います。これは政治問題ですよ。事務上の問題じゃない。
  179. 間淵直三

    政府委員間淵直三君) そういう思惑といいますか、そういう期待というものがP3Cに関しましてはまあむだに終わったというふうに感じられるわけでございますが、いずれにいたしましても、今後こういうことが絶対ないというようにその誓約書を取っておる次第でございます。
  180. 神谷信之助

    神谷信之助君 だめなんですよ。いままでどういうことをやってきたのか、そしてそのことがなぜ日本で効果を発揮をしたのか。あなたの方はP3Cを買うか買わぬかだけの話。われわれ国会が問題にしているのはそうじゃない。日本のこの汚職構造の問題を問題にしている。これは先ほど長官も答弁されているようですね。この汚職構造といいますか、そういう体質、これをきれいにしなければ国民に対して責任を果たしたと言うことはできない。だから、そういう意味から長官法務大臣にお答えいただきたいんです。問題はそこのところをはっきりさせなきゃいかぬ。それをはっきりさせようと思ったら——ロッキード社は、もうこの手紙が真実とすれば、いままで大変御迷惑をかけましたと、ですから全部経営陣は更迭をし、経営政策も転換をいたしましたと、これからはそうしませんと言っています。で、みずから調査をして数々の不正行為もアメリカでは公表している。ここまでやっていますね。だから、それを聞けばいい。日本の政治体質を彼らはどのように見て、そして彼らがいままでどういうことをやらせるために黒い金を渡してきたのか、そのところをえぐらなかったら、これからやりませんというこの一片の通達だけでは日本の政治はきれいにならない。私はそう思うんだが、この点いかがですか。
  181. 金丸信

    国務大臣金丸信君) 私は、いま装備局長から答弁があったわけでありますが、この問題は実際問題として防衛庁は何ら関係がないという中で契約をするということ、その時点において、その前からロッキード社は小佐野、児玉を使って、いわゆるそういうロッキード事件の起きるような配慮をしておったという、そういうことをえぐらなければというお話、それはえぐることは十二分にえぐらなくちゃならぬと思うけれども、私たちが申し上げておりますのは、防衛庁はこの問題とは、いわゆる小佐野も児玉も関係はないんだと、そうして、このP3Cはどうしても入れなければ防衛上欠落を生ずるということでありますから、先生のおっしゃっていることとわが方が言っていることとちっとすれ合いになっているという感じを私はするんですが、えぐるということについては私も同感であります。同感であるけれども、この問題と防衛庁との関係は何らないという私も判断をしたと。そういう意味で、いや、そんなところとなぜ不正な会社と契約するんだ、日本であればいわゆる指名停止の会社じゃないかという先ほどの御質問があったとおりでございますが、しかしそれは実際問題として、きょうの日本の防衛上欠落を生ずるという問題とあわして、いわゆるロッキード社防衛庁との関係あるいはP3Cとの関係はないと、こういう判断の中で決めたということでございますから、まあ、えぐるという問題と必要性に迫られてやらなくちゃならぬという問題と、そこら辺がすれ合っているという惑じがいたしておるんですが、防衛庁考え方にも御理解を十分いただきたいと思います。
  182. 神谷信之助

    神谷信之助君 あのね長官、事務当局がそういうことを事務的に処理をする、進めていくというのはわかりますよ。ただ、防衛庁との関係があるかどうか、防衛庁はきれいなんです、ということでもうきゅうきゅうしている。まあ、それは事務当局としてはそれで、われわれは批判はあるにしてもそういう立場をとるのかもしれません。しかし、長官の場合は政治家ですからね、確かに犯罪行為があったかどうか、これは法務省検察庁でやる。しかし、今日までの機種選定に当たってしばしば問題になってきているこの第一次FX戦争から第三次まであったあの時期の経過、あるいはロッキード社が小佐野や児玉を使ってこういうことをやろうとして、実際どこまで効果があったかどうか、まだ明らかにはなってないわけですけれども、そういう問題について向こうに聞こうと思えば聞けるわけですよ。こちらも追い込まれて——長官の話ですと、P2Jがもうどうにもならぬ欠陥が起こるから、そういう会社とわかっていてもP3Cを買うためにはそこに頼まなきゃいかぬと、そういう追い込まれ方ですが、しかし、向こうの方も買ってもらわなきゃ困るという問題でもある。だから、買ってもらおうと思うなら誓約書を書けと言ったらすぐ書いてくるわけですよ。おっしゃったとおりの誓約書を書いてくる。そういう状態ですからね。あなたの方は、ロッキード社がいままでやったことについて明らかにしなさいということを防衛庁あるいは防衛庁長官として防衛庁当局に命じて調べさせる、ロッキード社報告を求めるということをやれば、それだけでも今日までの不正行為の幾つかの部分は明らかになり疑惑は解明されていくわけでしょう。これをやるのが政府責任じゃないですか。私もいままで国会ロッキード特別委員会として盛んにそれを要求した。ところが、政府当局は、いや、もうそれは法務省でやっています、検察でやっています、と言ってみずから解明しようとしない。まさにそこにロッキード隠しがあると言ってわれわれは追及している。そういうことをほうっておいて、そういういわくつきのロッキード社にもうやむを得ぬのだからといって注文せんならぬと。ただ、これはやむ得ぬのだから認めなさいと言ってどうして国民が納得できるか。そこのところですよ。どうやって長官国民にそれを納得させられますか。公然と去年の五月段階で日本に対してもそういう賄賂を使う売り込み工作をやったとみずから公表しているその会社に、いままで悪いことをやったけれども、これからはちゃんとまともになったんだから認めてくれということだけで納得できるでしょうか。いかがですか。
  183. 間淵直三

    政府委員間淵直三君) 私ども捜査当局と違いましてそういう捜査能力というのは持たないわけでございますが、防衛庁といたしましては、そのP3Cに関しまして過去その金を受け渡しするとかなんとかということは、不正不当な圧力を及ぼすといったようなことはないということを誓約書によって確認いたしまして、私どもとしてできる限りのことをいたした次第でございます。
  184. 神谷信之助

    神谷信之助君 私はそれだけを言っているんじゃないですよ、先ほどから、局長。いいですか、みずから言っているんですね、SECに出した、あるいはワシントン地裁に出したものに。まずこれを入手して、そしてそれで、あるいはロッキード社からその間の事情を聞き、そして、ロッキード社としてそれに対してどういう反省をしているのか、その点について明らかにしていただけますか。
  185. 伊藤圭一

    政府委員伊藤圭一君) 私は脳の選定の当時から防衛庁におります。したがいまして、このロッキード委員会でもいろいろそういう御質問がございまして、装備局を中心に第一次のとき以来の防衛庁関係については十分調べておるわけでございます。したがいまして、防衛庁としてはそういった圧力によって機種選定を行ったことはないということを自信を持っているわけでございまして、御承知のように、第一次のF104のときの選定につきましては、当時、御記憶だと思いますけれども、グラマン社がプロトタイプの飛行機をつくっただけにおいて、物すごく動いたというようないろいろな話があったわけでございます。この飛行機につきましては、現実に……
  186. 神谷信之助

    神谷信之助君 もうそれはいいですよ。
  187. 伊藤圭一

    政府委員伊藤圭一君) 源田先生が乗ってお決きめになりましたし、また、ファントムのときには、ロッキードのCL一〇一〇というのがありましたけれども、防衛上の見地からファントムを選んでおりまして、防衛庁がその圧力によってその機種選定をしたということは全くないということは十分調査をしているところでございます。
  188. 神谷信之助

    神谷信之助君 だれも防衛庁がそれによって金をもらったとかどうとかいうことは言ってないのですよ。わからぬのですよ、まだ。ただ不正な金を日本にそのときに使ったということは、ロッキード社自身の調査結果で発表している。ですから、調べたらどうですかと言っているのですよ。それを取り寄せてみたらわかるでしょう。それで、実際にその金がどう動いたのか、それがいま犯罪行為になるかならぬか、そんなことは関係ない、別の問題です、それはもう大体時効にも係る問題ですからね。それ自身はあれじゃないですけれども、どうやってそういうことが——ロッキード社いままでやってきたのかということは、やっぱり自白をしているのだし、告白をさして、そして、日本の国民が納得するように明らかにするというのがあたりまえじゃないかというのが私の意見なんです。この点、もう時間がありませんから、長官ちょっといかがですか、その点は。
  189. 間淵直三

    政府委員間淵直三君) ロッキード社のSECへの報告その他によりまして、まあ不正かどうかということは別にいたしまして、金が動いたということは承知しております。  いずれにいたしましても、こういうコンサルタントといったような存在がございますと、実際やったことがどうあれ、誤解を生むというおそれが非常に強いものでございますから、こういう反省に立ちまして、今後コンサルタント的なものは一切認めない、あるいはやむを得ない場合にはその契約というものを提示、開示させるということにして今後やっていく、こういう所存でございます。
  190. 神谷信之助

    神谷信之助君 それじゃ委員会として、委員長政治的道義的責任を追及する、明らかにしなきゃなりませんから、ロッキード社はすでにそれで公表しているわけですから、この資料を取り寄せるということを理事会でひとつ検討していただきたい。
  191. 梶木又三

    委員長梶木又三君) 後刻また理事会で検討します。
  192. 神谷信之助

    神谷信之助君 それから次の問題に移りますが、時間がありませんので、きょうはもう一つ再発防止対策の問題で追及をする予定であって、関係者の方にたくさんお越しいただいていますけれども、もう時間がありませんから、これは次回に譲ることにして、きょうはこれで終わります。
  193. 梶木又三

    委員長梶木又三君) 以上をもちまして本日の質疑は終了いたしました。  本日はこれにて散会いたします。    午後四時四十三分散会