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島田分科員 部長がおっしゃるのは、これはたてまえだと思うのです。
実態は必ずしもそうではありませんで、いま申し上げておりますのは、地方自治体に負担が重くかかり過ぎないかという点の指摘なんであります。それはたてまえは確かに国が三分の二出しておる、こういうことでありますけれ
ども、しかし、やはりそれなりに地方自治体はいろんな知恵と工夫と、ない財源をひねり出して、それは三分の一持てば済むという制度にはなっていますけれ
ども、そうではない。こういう面について、制度的にも非常に定着をし、社会からもこの制度の積極的な認知といいますか、こういうものがなされている、そういう世論というものもあるわけでございますから、まあいまの制度で不都合だと思っておりませんという
お話でありますけれ
ども、私は必ずしもそういうしゃくし定規に判断するような
事態にはなっていないんではないか、こんなふうに思うわけであります。
そもそも、こういう
お話をいたしますと決まって出てまいりますのが、失対事業というのは失業対策という、出発点の違う対策なんでございましてと、必ずそういう話になるのでありますけれ
ども、
時代がこういうふうに進んでまいりまして、確かに失対労務者対策だ、こういうふうな制度的な
一つの枠があるということはこれは認めなくちゃいけないのでありますけれ
ども、しかし、働いている場所とか、地方自治体が責任を持っておるという
立場から言いますと、地方公務員の
状態と失対労務者との比較というのは、これはやはり身近なところでありますから行われるのは当然だし、またそういう感覚が出てくるのは、これまた否定できないわけです。そういう中では、たとえば寒冷地手当の問題、石炭手当を含めました寒冷地手当の問題だとかあるいは交通費の問題なんかも比較論議がそこに出てまいりまして、制度的に何とか少し前進を図ってもらいたいという要求が必然的に出てくるのも、これまた避けられぬことだと私は思っておりますので、そろそろ積極的に見直しを図っていく、そういう姿勢で取り組んでもらいたい、こういうふうに考えているわけであります。
そこで、いま申し上げました、たとえば石炭手当の問題でありますけれ
ども、特に昨年の冬と今年の冬、ついこの二、三日前までは、春を目の前にして北海道の寒さというのは、とてもとても常識で考えられないような大変な寒波に見舞われて、私のところの周辺でも連日氷点下二十度を超すという厳しい寒さに見舞われているわけであります。失業者は
生活の上で大きな不安と危険を感じているのはあたりまえのことでありますが、しかし、これを補償する
生活給の
一つであります石炭手当、寒冷地給というのは、他に比較して非常に恵まれない
状態にある。これも制度的にそういう仕掛けにはなっておりませんのでということになるのでありましょうけれ
ども、これにはいろいろな歴史的な経緯があって、失対部長も頭をひねって御苦労されていることは私もよくわかるのであります。きょうは大蔵省からも来ていると思いますので、後ほど大蔵省の見解も聞きたいのでありますが、比較してみますと余りにも格差が大き過ぎます。これも比較論議でやるということは許されぬという制度的なものがあることは承知でも、それでも私は納得ができないし、何とかこれを制度化することについて、いまの役人の皆さんの明晰な頭脳の中で私はもっといい知恵が出るのではないかとさえ思っているのです。私の言うような正攻法的な制度化を図れということが当面むずかしいとすれば、これを何とかもう少し直してもらうことができぬでしょうか。公式論議をするといろいろ差しさわりのある部面もあることを承知の上で私は申し上げているのでありますが、たとえばこれの基本になっております単価の見方だって、
昭和四十年にその原資三円と決められて、こんなに物価が大変な値上がりをしているときでも、今日まで依然三円がそのまま据え置かれて原資の計算の根拠になっているというのは、これはちょっと
時代がかってい過ぎはしないでしょうかな、そんなふうな感じがするのであります。これは失対部長と私とやり合ってもしょうがないわけですが、
大臣、そういう御
認識を十分お持ちになっていらっしゃると思うのですけれ
ども、どうですか、私がいま指摘したような点について改善する必要があるというふうにお思いにならぬのでしょうか。
そしてしかも、この寒冷地給というのはいま一日百八十円であります。これも現実には、必ず働かないとこれがつかないものであります。休んでいたらつかないのであります。平均稼働日数で見ると言いますけれ
ども、大体二十日から二十二日くらいの間の計算で百八十円掛けてまいりますから、一カ月というのは本当に驚くべき低額であります。仮に石油二十リットル一かんが七百円といたしましても、一体幾かん買えるかということになったら、これは大変なことであります。こういう
時代がかった
内容をそのまま据え置いているというのはいかがなものか、こんなふうに考えます。公務員は幾ら、
生活保護は幾らという比較論議もありますけれ
ども、それは法律のよって来るところが違うわけでありますから単純に比較することは私は避けていきたいと思いますけれ
ども、私は非常に質問しづらい、議論しにくいところをいまやっておるのでありまして、その辺のところを大いに御理解いただいた上で、これはぜひ
大臣からお聞かせ願いたいと思うのであります。
それからもう
一つ、二番目には交通費の問題であります。これも同じような議論になりますが、地方公務員、つまり市町村役場でお働きになっている方は大体二キロ以上になりますと実費弁償されるという仕組みになっているようでありますが、この失対労務者につきましては六キロ以上でないと見ない。しかもそれは半分ということで実費の二分の一しか見ない、こういうふうなことでありますが、これもまだ制度化という点では問題があるわけでございます。お年寄りの方が多いし、また御
婦人もいらっしゃるわけで、現場に駆けつけるのにはなかなか交通費なんかもばかにならぬ額になる、こういうことを考えますと、これらも大上段に振りかぶった正攻法的な話ではなくて、恩情あふるるというようなところから制度的に何か知恵をめぐらして改善を図っていくということができないのでしょうか。
大臣、いま私は二つの具体的な問題を提起いたしました。御感想、いかがですか。