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石野分科員 二百海里問題が出ましてから、
日本は非常に
悲観論ばかり出ているのですね。外が締め出されて、どうやっていったらいいんだろうかというようなことだけしか論じられておりませんが、むしろ政治の面では、この二百海里問題を機といたしまして、新たなわれわれの
領域を積極的に
活用するためにも、時を移さず、そういう
活用の態勢に入らなくちゃいけない。それには基本的に
調査することから始まりませんと、口では幾ら言ってもそれは実現できないと思うのです。このことは単に
調査だけにとどまらないので、そういう
海底のいろいろな障害を起こしている
原因の
排除の問題にかかわってきます。これは当然
産業公害の問題にもかかわる問題になりますので、この問題の解決はきわめて多岐にわたる問題を提起していると思いますから、ぜひひとつ
早期にこの問題に手をつけていただくように私はお願いしておきたいと思うのです。
先ほどお話がありましたように、
海洋汚染の問題では特に
内湾が
汚染度が非常に厳しく出てまいります。それにはいろいろな理由がありますが、そういう
原因を
排除すると同時に
——原因を
排除しようといっても、
周辺におけるところの
生活態様なり
産業構造の上から来るどうにも
排除のできない、必然的にこれを必要とするものもあったりしますので、やはり閉じ込められた湾は、そこへいろいろな
被害を加えてくるような
原因を
排除すると同時に一
汚染度を薄めていくという、水の
交換なりあるいはその他の
方法による
汚染度を希薄化するということも積極的に
考えなければいけないだろうと思うのです。
私は、きょうは多くのところを申しませんが、
瀬戸内海等の問題はいろいろ
立法措置によって講じられておりますけれ
ども、きょう特にお聞きしたいのは、
三重県の
英虞湾の問題です。私は、いま選挙区は茨城でございまして、
英虞湾には直接
関係ございませんが、ただ私は、自分の生地でもありますし、古くからそのことを知っておる。その上になお
英虞湾というのは、
御木本真珠の
発祥の地でもありますし、最近におきましても、
真珠業は主としてここで、一時は漸減しておりましたけれ
ども、総体的には
三重県の
真珠はここが非常に多いところでございます。ところが、これが
養殖がだんだんとしにくくなってきている。これはどういうふうにして
水質改善をするのか、あるいは
被害発生の
原因をなくするかという問題を
考えなくちゃならないわけです。皆さんの方でも、すでに
昭和四十三年に
浅海漁場開発事業調査報告書ということで、
英虞湾の
調査をされております。その結果も私は十分承知しているわけです。
調査の結果としては、水位の差がないので水の
交換度が必ずしもよくないから、提起されているいろいろの問題を取り上げるに足りないというようなことになっているのでございます。
しかし、このままにしておきますと、
周辺地の陸地の開発なり、あるいは
生活態様が、自然のままにしておけばよろしいですけれ
ども、あの
付近は景勝の地でもありますし、合歓の里とか何とかというように、
いろいろ人の出入りも多い。
生活排水の規制なんかもずいぶんとしておりましても、これからは悪くなってもよくなる条件はないと思うのです。私は、こういうように閉じ込められた湾というのには、新しい
海水なり何なりを入れるということを積極的に
考えない限りは、もうとても死んでいく水を生き戻らせる
カンフル注射はないと思っております。どんなに皆さん手当てなさっても、
汚染度は進む一方だと思うのです。
そこで、業界の方々がここを使って
真珠養殖をしたり、またその他だんだん
養殖培養の
漁場が多くなってまいりますと、あの
湾内をまた別な形で使う
業者も出てくるでしょう。そういうときに、非常に波静かで、
漁場としても使い方によってはずいぶん有用に使える場所を積極的に開発するのには、やはりどうしても
太平洋の水を大量に入れるということが喫緊の
必要事ではないかというふうに私は
素人考えをしているのです。これは
素人考えではありますけれ
ども、率直に申しますと、私の
おやじは
漁師でした。
漁師という
立場で、あの
大王崎沖合いは非常に波が荒れるものですから、
避難港を必要としております。
波切港を
避難港ということで、
太平洋岸では第一号の
避難港になって、あれは国が設定をしたものでしたが、そのとき、ああいう港だけではだめなんだと私の
おやじがそう言うのです。どうしてもやはり
英虞湾に
避難するということを
考えなければならぬということが
一つと、当時にしますと、
えさとしていわゆるイワシだとか何かを確保するのに
英虞湾がいいところでございまして、あそこは
えさを置いておくのにもいいところである、そういうことから、ちょうど
太平洋岸にある
波切の
立神口というところがございますが、そのところは
内湾に対しての距離は三キロもないのだろう、二キロ半ぐらいしかございません、そういうところを掘り割りをして水を交流すればずいぶん違うのじゃないか、こういう話もございました。これも
素人考えですが、経験から言う言葉ですね。私は、いま
英虞湾が
真珠養殖にとって非常に大事なところであり、そして
真珠業者もあそこから離れようとしない、そういう
状態のもとでは、やはりあの
英虞湾をぜひひとつ従前の
真珠業をやるに適したような
状態に戻す、あるいはそれより以上によいものにする
可能性を引き出すことが必要なのではないかと思う。
そこで、もうすでに四十三年に一応
検討は加えておりますけれ
ども、なお新たに深谷水道の水深をもう少し深くしたらどうだろうという意見も
一つありますけれ
ども、しかしそれよりも、
太平洋岸から出る
立神口のこの
付近を掘削することによって
水質改善の一助にしてもらいたい。全的には私はできないと思います。
湾内の形状が非常に入り組んでおりますから、これは非常にむずかしいとは思いますけれ
ども、しかし
方法によっては
相当程度の効果はあらわし得ると思うので、そういうことについてひとつ
考える
用意がないのかどうか。これは
環境庁の
立場からもぜひそういうことをお
考え願いたいし、
国土庁なり
水産庁なり、それぞれ
関係するところでそういうことの
調査に取り組む
用意がないのかどうかということ、最近の
事情等を含めてひとつ御答弁いただければと思います。