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上田分科員 延長を含めて今後真剣に努力するということは、延長に真剣に努力しますということと同じだと私は思っているのです。ただ、あえて含めてと言うのは、われわれはただ単に単純な延長だけを言っているのではないのです。特別措置法のいわゆる強化の問題、あるいは法の問題だけではなしに、同和問題は法律ができたからといって解決する問題ではございません、そういう
意味で、同和問題全般という
意味で、いわゆる延長を含めてというふうにわれわれは理解しておるわけでありますから、そういう点で、少なくとも延長を含めてと言うならば、延長そのもの自身を
政府自身がやはりしなければならぬという認識に立っておるからこそそういう
発言があった、こういうように思うわけであります。いわんやいま
長官がおっしゃったように、各政党間の問題とかあるいは同和対策協議会、確かに各政党間の問題については、いまやられておるやに聞いております。とりわけ自由民主党の中に若干の慎重論があることも聞いております。しかしながら、
長官もすでに御存じのように、同和対策協議会の特別
委員会でこの二月二十日に
中間報告を出し、特別措置法の延長は必然である、こういう
結論に達して、二十一日には
政府に同対協の代表によって文書が手渡されている。この二月二日の日にも、会長の磯村私案という形で同趣旨のものが出されているのは御存じのことだろう、こういうふうに思うわけであります。
この強化延長につきましては、全国の市長会はすでに昨年の十月の六日に強化延長の決議をして、この二月の二十日に首相に申し入れをしておるわけであります。大阪の和泉の市長が全国市長会の特別
委員長という立場で総理に文書で手渡されておるわけであります。
また、全国の府県を中心とした自治体で全同対という組織がございますが、ここにおいても昨年の十一月の二十四日、
内容充実を含めた延長決議をし、二月の二十一日に、特に
内容の
充実も含めた
中間報告を了承しているということも御存じのことだろうと思います。
また、
国会議員についても、自民党の先生方においても衆参ともに七十九名が強化延長について賛同され、合わせて三百四十一名がすでに署名され、間もなくすべての
国会議員の過半数を上回ろうというような勢いであることも事実であります。
また、全国の地方議会において、同和
関係地区を含む市町村が千四十一ございますが、その中ですでに九百十四の市町村が
総理府にその要望決議をしているところであります。
また、いわゆる首長といいますか、市町村長についても六百四十九の代表が行政代表という形で要望書を上げている。
あるいは全国の大学の数が百十一であるかどうか、まだあるのではないかと思いますが、百十一の大学の教官七百六十八人、学長だけでも七十八人の署名がされて、決議が上がっておるわけであります。
同和対策
事業特別措置法は四十四年に制定されました。このいきさつ等につきましては、各党の協議がまとまって、
政府提案によって
内閣委員会を通じて本
会議で満場一致で日の目を見たことは事実でございます。しかし、私が言いたいのは、法律をつくるという問題は、少なくとも同和対策
審議会が
昭和四十年の八月十一日に
政府に
答申を出した時点から歴代の
内閣が同対審の
答申を尊重します。こう言っているわけであります。その
答申の中身が特別措置法をつくれということでありますから、そういう
意味では、
答申を尊重するということの中にもうすでに法律をつくることを了としておったんじゃなかろうか。ただ、法律の中身の問題があって各党協議があった、私はこういうふうに理解をしておるわけであります。ところが、その法律も十カ年があと一カ年を残すのみになったわけでありまして、五十年の春の五十年
調査といわれる全国
調査の中でもあなた方自身が認めておられるように、一兆二千億の残
事業がある。あるいは、われわれは反対でございますが、もし五十三年度の予算が決定されたとするならば、五十四年度以後だけでも、あなた方の言をかりるならば三千二百億円の残
事業がある。この問題については後から言及したいわけでありますが、そういうことを
考えるならば、十年間で部落問題を解決しなければならぬにもかかわらず、
政府の怠慢によって残
事業ができたということになるならば、この法律を延長するべきかどうかということで各党とか協議会にいろいろ
参考の
意見を聞くというよりも、
政府みずからの責任でこの
事業が残ったのでありますから、
政府がまず最初に強化延長なら強化延長という態度を決めて、その上で各党どうですか、延長したいんですけれ
ども御賛同いただけますかというふうに言うべき問題ではないか。それを言わないで、自分たちの責任をなすりつけて、各党でまとめてくださいとか同対協の
結論を待って――その同対協ですらも延長は必然であるという中間
答申が出ているじゃないですか。
長官、あなたは先ほど重大な差別
発言をしたわけでございますが、あなたがやめられるかどうか、これは今後の問題かもわかりません、大臣としてきょう一日かもわかりませんよ、あなたは。そういう
意味で一
国会議員、一稻村左近
四郎として、あなたはこの問題に対して責任を持って答弁してもらいたいと私は思うのです。強化延長するのかどうかということを、はっきりと、ごまかさずに答えていただきたいと思うのです。