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坂井委員 どういうことでこういうことになったのであろうかという内容等も含めて、つまり私が言いますところの行政なり政策変更、そういう重要な内容等も含めて御報告されるということであるならば、それはそれなりの
意味があろうと私は思うのですね。ただしかし、その場合においても、位置づけをするならば第三次中間報告というようなことだろうと思う。事件の終結を宣言するような全容報告ということには相ならぬであろう、これは私の感じとして、そう一応申し上げておきたいと思います。
さて、通知をいたしてございます問題につきましてお伺いしてまいりたいと思います。
五十三
年度予算を見まして、確かに
景気浮揚、きわめて重大な使命をこの
予算に持たした、かつてないほどの
公共事業中心の内容になっておりますことは、先般来
質疑のあるとおりでございます。そこで、私は、この建設業界にひとつ視点を当てて論議をしてみたい。
この問題を
考えます前提として、少なくとも二つの重要な要請を忘れてはならぬと私は思っております。まずその
一つは、この
公共事業という大型
予算は、
景気浮揚という
目的達成のために、より高い効率を持たせなければならぬということ、さらにもう一点は、最近とみに不公平の是正ということが言われるわけでございますが、この不公平を是正するどころか、なお拡大していくというようなことがあっては断じて相ならぬ、この二点はやはりしかと踏まえて、具体的に
公共事業の実施、これを推進していかなければならぬ、こう思うわけでございます。残念ながら過去の
公共事業を見ますと、建設業界そのものがきわめて重層的な構造になっておる、そういう中で一体どのような問題が提起されてきたかということを、実は具体的に申し上げてみたいと思います。
特に元請と下請の
関係。元請といいますと大手業者が多いわけであります。下請はやはり中小業者ということに相なるかと思いますが、この
関係、
状況はどういうことであったか。お手元にお配りしました表をひとつ参照していただきたい。
まず表I。これは
発注者、ここでは住宅
公団、それから道路
公団が取り上げてございますが、今度の
予算でも、一に道路、二に住宅、三、四がなくて五に下水なんということが言われておりますけれども、この
発注者であります
公団、これが元請に対して代金をどういうふうに支払ったかということ、そういう内容であります。
一見すればおわかりいただけますように、元請というのは
相当優遇されておる。優遇という言い方は言い方がよくないとしますと、
公共事業を完成するのに非常につつがないような十分な
手当てを国費、公費によって行われておるということが言えると思います。
たとえば、契約金額を見ますと、当初契約額と最終支払い金には非常に大きな開きがございます。一・七倍、二倍と。契約が倍になった、こういう例もここに表示いたしました。つまり公正な競争入札を終わって受注をした仕事であるにもかかわらず、この最終支払い金額は一・七倍、二倍になるということは一体どう
考えたらよろしいのか。この資料では、それはインフレスライド分、それから設計変更分だ、こう説明をいたしております。そういうことになりますと、それでは一体予定価額とは何なのであろうか、果たして公正な入札が行われたのであろうか、こういう素朴な疑問が実は払拭できないわけであります。難
工事だから金額が倍加した、その他やむを得ない
事情もあった、いろいろあるのでしょう。いずれにいたしましても、元請の請求に対しては国、
公団、唯唯諾々として支払いをしておる、こういうことを結論づけるのは、非常にうがった見方でしょうか。
さらに、前渡し金四〇%、これが現金で支払われております。このこと自体、私は悪いと言っているわけじゃない。物価狂乱時の
工事等につきましては、資材とか人件費の値上がり、ひどいものがございました。
工事着工当初ではとうてい予測もできなかった。それにしても、インフレスライド分が、ごらんください、四七%、あるいは四二%、これはまたいかがなものだろうかと首をかしげたくなるわけであります。現在、大手元請業者外注分、これは下請に依存するわけでございますけれども、半数余りが下請依存であります。つまり大手元請業者の商社化ということがだんだん進行しておる、こうも言われてございます。
さらに、この表をごらんください。大手元請が受注した
工事を再度請け負ったところの
下請業者はどのような扱いを受けたか、このことにつきまして具体的なアンケート
調査をいたしました。表IIでございます。
まず、元請は下請におろす際にはマージンを取ります。この中には、本社で受けた仕事を支店に出す際にもマージンを取って、支店もマージンをさらに取る。下請におろす。同じ会社で二重マージンというような会社すらございます。さて、そのマージンの率が、回答者の半数が二〇%以上と答えておるわけでございます。たとえば、元請に国の
工事を一億でおろしたといたしますと、下請が実際その
工事を請け負う価格が七千万ないし八千万、こういうことになるわけであります。元請も商売ですから、何もマージンを取って悪いと私は言っておるわけではありません。ありませんが、余りにもそのマージンーマージンと言っていいのですか、どうですか、ちょっと大き過ぎるのではないか。それのみではございません。後でだんだん申し上げてまいりますが、仮にマージン
一つをとってみましても、もっと狭めれば安い価格で
公共事業ができるのではないかという
一つの
問題点として出したわけです。
それから、設計変更分について元請は、先ほど申しましたように多額の請求をして受領いたしてございますが、下請にそれが払われておるかということになりますと、この表IIに示しますとおり、ケース・バイ・ケース。額が大きい場合には下請は元請からいただいておる、しかし小さい場合はがまんしろ、こういうことであります。
工事期間中に種々の
理由で
工事の変更等、これが予想されることがございますが、そのうち、元請の事由で変更になった、元請の責任で変更になった、そこで
工事金額がふえた、そういう場合は事由を生じた元請が負担しなければならぬのは当然のことだと思うのですけれども、下請は、そのような場合においても泣き寝入りをしておる。つまり、元請は増額修正には全く応じない。ちなみに、
発注者が国の場合、国の責任で変更ということの事由が生じた場合には、元請に対して国はその分に対してはちゃんと払っているわけですね。下請は、いま言ったような状態であります。
さらに、下請代金の支払い
状況はどうか。この
調査では、五〇%が現金、五〇%は手形、そのサイトは百五十日、こういうケースが非常に多いわけであります。個別的には一〇〇%手形という大手もあるわけです。また、現金で払う場合にいたしましても、いつも繰越分を残しておくのですね。たとえば一千万円、これは五百万円払って五百万次に繰り越す。翌月に一千万の
工事が出ますと合算して千五百万円、これを二つに割りまして七百五十万払う、また七百五十万繰り越す、こういうやり方がまかり通っておるようでございます。
いずれにいたしましても、元請の優遇、優位に対して下請がきわめてひずみを食って劣位に置かれておる。たとえば先ほどの元請の前払い金四〇%、
公共事業ですと現金で受けるのですね。ところが、それが下請におりていかない。下請は、今度は
金融機関から高い金利の金を借りる。元請は国から受けた現金四〇%から金利を生むのです。下請は
金融機関から高い金を借りて金利を負担しなければいかぬ、こういうことが現実に行われておるというような、まああらましを申し上げました。
そこで、建設省にお伺いをいたしたいのでございますが、建設省、一番大きな
公共事業を抱えておる省でございますのでお答えいただきたいが、下請代金支払いの実態を
調査されておりますか。おりましたらその概要をお述べいただきたい。
同時に、公取にこの際お伺いしておきたいと思います。いま私が申し上げましたようなことが
公共事業の実施上の実態、これは私どもの
調査による実態でございます。こういう実態でございますが、これは建設業法四十二条で
公正取引委員会に措置請求ができることになっておりますが、過去十年間ぐらいに限定しましょう、そういう措置請求がなされましたかどうでしょうか、その結果についてお答えをいただきたい。