○竹本
委員 私は、
円高の
説明も、あなたが理解するぐらいのことは理解しておる。問題は、政治家として
予算委員会で提案
説明をする場合に、大蔵大臣としてもこんなに税収の見積もりを誤ったということは申しわけない――これはそろばんが一つ違ったというのじゃないのでしょう。
経済運営、
経済見通しの二つが間違ったからこれだけの赤字が出たのですから、それに対する責任ある陳謝なり申しわけないという一言なりがないということが私にはわからないということを言っておるのです。
総じて、私は、自民党内閣には四ない政治ということを言っておるのですが、覚えておいてください。四つないものがあるのだ。第一に、過去について反省がない。第二に、現在については
認識がない。第三に、将来については展望がない。第四に、すべて物事に責任がない。これが四ない政治だ。この四ない政治を続けてもらっては困るということを言っておる。
次に進みますが、これからいよいよ
予算の内容について具体的に、本来これは本
予算の審議で論議すべき点であるから、少し遠慮しながら時間を省いて申しますが、私どもも、今度の
予算で
福田さんの御努力も評価しておる。どういう点を評価するかということも念のためにちょっと申し上げますと、たとえば、一つは、われわれが常々言っておったような、七%
成長をねらいとして大型
予算を組まれた。これは評価する。中身については議論がありますが。第二番目は、十五カ月
予算という発想も、これまた、私は非常に評価をしております。第三には、投資部門と経常部門と分けて、二つの部門を立てられた。これは非常な進歩です。
実は、われわれ民社党は、ずっと前から三本立ての
予算編成をやってもらいたいということを要請して、私も何度か
委員会で言ったことがありますが、これは三つなのです。
一つは、租税で賄うべき経常経費の部門、これは倹約が第一です。赤字を出してもらっちゃ困る。第二は、キャピタルバジェット、投資部門。キャピタルバジェットは公債を出すことにそうちゅうちょしなくてもよろしい。通産大臣がお
考えになるぐらいの積極
政策で結構だ。これはキャピタルバジェット。第三は、われわれの
考えでは、福祉部門というものは単なる税金で賄うということになると、少し収入が減ると福祉部門は犠牲にされる。そこで別枠にすることを
考える。同時に、
民間資金の動員をして、たとえばみんなが健康で長生きするようになれば生命保険は利益が出るのですから、アメリカあたりではその生命保険の金をいかに活用するかということを
考えているようですが、そういう第三部門もあってよろしい。そこまでいかなかったけれども、二つの部門ができたということは、われわれの
考えの七割が実現しつつあることですから、これを評価しておる。
もう一つは、補助金の整理というものをいままでよりは積極的にやられたようでありますから、この点も評価しておる。
そういう
意味で、私は悪口を言うのが専門ではありませんから、評価することは評価をいたしますが、しかし、まだその上でもなお問題が残るのは、先ほど来議論のありました七%
成長その他の問題ですから、私は一言、これに触れておきたい。
まず第一に、けさほどから非常に問題になりましたのは、七%が国際的公約であるかどうかということについて、
総理は、アメリカの圧力に屈して公約を結んだと言われるとわれわれのプライドを大いに傷つけるということを御心配になって、非常にこだわった答弁をしておられるけれども、先ほど
総理からも御答弁がありましたように、自主的に判断をして七%をやるべきだし、やれるという判断に基づいて七%と言われたのならば、ちょうど国際条約を結ぶ場合に自主的に判断をして条約を結べば、何もこれは屈辱でも何でもない。ですから、公約と言われても何も差し支えないのじゃないかと思うのだけれども、これは議論になって時間がむだですから、私の意見だけ申し上げる。
自主的に判断をして、自主的に結論を出したと
総理も言っておられる。それならば、自主的に判断して国際間に公約があって結構だ、条約もあって結構だ、何もためらいを感ずる必要はないじゃないか。また、そういうことを言っておれば、先ほど来もお話がありましたように、もしこれが達成されないときに外国に対して公約違反にならないということになりますから、なおさら外国は、また
日本が、先ほど来のお話じゃないが、七億ドル赤字と思ったら、百何十億ドル、百二十億ドル黒字になるというようなことになるのじゃないかという疑惑をかえって大きくする。私は、先ほどの
総理のお
言葉で言うならば、公約と申すべき筋合いの約束だ。それでは今度は、違反をした、それが達成できなかった場合には、公約違反と申すべき違反の責任を負わなければならないということになると思うのです。
総理、それはお認めになるでしょう。