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吉田之久君 私は、民社党を代表して、ただいま議題となりました三十日間の
会期延長に対し、
反対の
意見を申し述べます。(
拍手)
そもそも、わが党は、本
通常国会に当たり、定められた百五十日間の
会期の中で、終始最も誠実に
審議に加わり、
国民の負託にこたえるべく努力し続けてきた
政党であることを自負してはばかりません。(
拍手)そして、
各党間で
意見の対立するいわゆる
重要法案に対しても、お互いにただすべきは十分にただし、すべて正常なる時期に、正常なる議決を経るべきことを提唱し、かつ、みずからもその実践の先頭に立ってまいりました。
中でも、特に今
国会で問題となっている
法案の
一つである
日韓大陸棚関連法案の
早期成立を呼びかけてまいりました。なぜなら、この
法案は、
日韓両国の
国際信義にかかわる
大陸棚条約と不可分の
関係にある
法案であり、また、資源の乏しさをかこつ
両国にとって、膨大な
エネルギー開発の夢を開く画期的な
法案でもあるからであります。にもかかわらず、この
法案はその微妙な
国際性のゆえに、余りにも多くの紆余曲折を経て今日に至っております。すなわち、せっかく
委員会の採決を終わりながら、昨年十一月十七
日本会議の開かれないままに、第八十二
国会の
最終日に継続となり、第八十三
臨時国会を通り越して今
国会に持ち越され、ようやく去る四月七日、本院で議了されて
参議院に送られているものであります。
他に、ふくそうする幾つかの
重要案件があるとはいえ、今日、
参議院に送られてすでに四十日間も経過しているわけであります。
他院に属することとはいえ、この間、ほとんど
審議もなされていないことはまことに遺憾であります。したがって、わが党は、この
法案を
国際信義のためにも、
国家国民のためにも、今
国会で
成立させなければならないとの考え方を改めて堅持いたしております。(
拍手)
また、その他、
現下不況の中で、
国民が待望している
予算関連法案も数多くあるわけでありまして、そのためには、定められた
会期延長の
規定に基づき、なお必要な
限度での
会期の
延長を図ることにはやぶさかではございません。
ただ、問題なのは、そのことのために、常識をはるかに超えた定見のない
大幅延長を行うことは決して妥当でないばかりか、かえって
議会の
権威を失墜することになり、将来に向かって悪例をとどむることになりこそすれ、決して
議会の
権威を高めることにはならないと思うのであります。(
拍手)
この時点において、なお懸案の
重要案件を
審議すべき必要にして
最小限度の
会期延長幅はどの辺に求めるべきか、わが党は、あらゆる角度から精査、検討をいたしました結果、三週間程度の
延長が最も適切、妥当なものであると判断いたしました。
その
理由は、すでに、
参議院において
審議すべき
重要案件は最低二十日間の
審議期間を確保すべきであるという
各党の合意が定着しているからであります。
両院とも審議の
能率化、
合理化が共通の課題となっており、次第にその努力が続けられているときに、必要以上の
会期延長幅を設定することは百害あって一利ないものと考えます。その点、ただいま
提案されている三十日間の
延長は、なお従来のあしき
慣例に基づく
延長後の
空白日数を明らかに織り込んでいるものでありまして、わが党としては了承でき得るものではありません。
なおこの際、私は、今後の
国会運営の
あり方について一言申し述べます。
民主主義の大
原則は、
与野党を問わず、国政に対して等しく責任を分担するという決断と実行であると存じます。
審議拒否やいたずらな
国会の
空白は、どのような
理由があっても許されるべきものではありません。(
拍手)現に、いまこの重要な本
会議の
審議にさえ出席しない
政党が存在するということは、まことに悲しむべきことであります。(
拍手)このような異常な
運営は、今日をもって最後のものとすべきであることを強く訴えるものであります。
また、そのためには、多数を持つ
政府・
自民党がみずから姿勢を正し、いやしくも無
原則な妥協によって当面をつくろうような
場当たり的運営を今後一切行わないことを明らかにされるべきであると思います。(
拍手)そして、こうした過去の
運営が結局は尾を引いて、今日の
審議のおくれを生じている遠因となっていることを、この際、大いに反省されたいと思うのであります。
会期延長幅についてわが党は
意見を異にいたしますけれども、いずれにいたしましても、
延長が決定すれば
両院ともに直ちに
法案の
審議を開始し、一致して
国民の要請にこたえるべきことを特に申し添えまして、私の
反対討論を終わります。(
拍手)