○横山
委員 それは
法務大臣にむしろお願いをしなければなりませんが、くどくは言いませんけれども、
法務省は、権力的な機能と
国民のサービス面を担当する機能、両面を合わせておるという認識を十分強くしていただきまして、この面の施策を強力に展開をしてもらいたいと希望いたします。
次は、総会屋の問題でございます。時間の
関係で、警察庁も、そのほかの所管の庁も呼びませんでして、呼びませんのは、特に
法務省にバッターをお願いをしたいと思って、特に
法務省だけに質問をするのですが、これは、昨年警察庁が調べたところによりますと「総会屋は四十九年に二千二百六十三人だったが、五十年には五千二百二十七人と倍増、五十一年末には六千二百四十人にのぼっている。さらに今年上半期で五百人近くふえているという。特にここ一、二年は、領収書一枚持って企業へ行けば最低一万円の収入になるという総会屋の世界を有力な資金源として暴力団が相次いで進出、約千人は暴力団総会屋という。団体別にみると、山口組八十一人、住吉連合六十人、松葉会四十九人、大
日本平和会四十二人など、警察庁指定の広域暴力団を中心に」目覚ましいふえ方であると言っています。
また、それに対して、大阪のビジネス街、証券取引所の一、二部上場九十七社で、企業防衛対策協議会をつくりまして、警察の協力で、総会屋に対する賛助拒否基準をつくって、早速十五の総会屋に対して賛助金を停止をした、こういうことが昨年の記事にございます。
それから、同じく昨年の十月「総会屋に懲役三年」という大阪地裁の方でありますが、これは「「次の総会には多数で乗り込むぞ」などと株主総会を妨害するような構えを見せて賛助金の名目で四月から五十一年十一月までの間、九十九回にわたって二百二十八万円を脅し取った。このほか五十年三月から五十一年十一月までの間に同様の手口で」各社八百七十一万円をおどし取っていた。
東京都内の大手企業で、中央警察署管内の特殊暴力防止協力会連合会、一部、二部上場会社二百二十二社が加盟。「「高田グループ」の総会屋四十四人全員に対し、「今後いっさい賛助金、寄付金を出さない」ことを満場一致で決議した。」ということがあります。
それから、警察庁が本年一月「暴力団取り締まりの一環として進めてきた総会屋問題について企業を内部から破壊する「
自由主義社会への挑戦」」と受けとめて、本格的な取り組みを始めた。そして「
関係各警察本部の担当官を集めて開く「総会屋問題研究会」で具体策を決めたあと、」総会屋と業界団体との「決別を迫るという。その際、同庁は警告にもかかわらず“黒いゆ着”を続けている企業に対しては背任、特別背任
適用などを含めてきびしく取り締まっていく方針を明らかにする。」とあります。
国税局の本年一月の
調査によりますと、年十八億円、総会屋に、大手を含む関西の十五銀行が献上をしておるという
調査がございます。
大阪国税局の、総会屋の集金リストが押収された。これは、査察官百三十人を動員、所得税法違反の疑いで大阪北浜の総会屋
事務所など三十カ所を一斉に捜索、証拠書類を押収、その押収した材料をもとにして、金融
関係に脱税の捜査をする、総会屋については脱税容疑で告発。
それから、東京に
事務所を持つ主な総会屋の集まりである「水心会」が都内のホテルで本年の二月、総会を開いて新組織を設立、「「企業に迷惑をかけないよう会員の言動を規制する」ことなどを申し合わせた。さらに将来はこの組織を社団法人か財団法人とし、会員の資格認定を行うという
考え。これに対して警視庁など
関係当局は「いくら擬装しても総会屋は企業社会にとって“悪”。法人認可などとんでもない」と反発、」。
円高、不況の
関係で、賛助金を減らす企業が非常にふえておるという
状況で、警視庁は、これはチャンスであると言って、総会屋兵糧攻めを各企業に迫っておる。
こういう一連の記事並びに私の
調査がございます。
そこで、時間の
関係上、端的に申し上げたいのですけれども、一体
法務省は何をしておるかということであります。警察庁や国税庁がこれほど一生懸命やっておるのに、
法務省は、刑事局にしても
民事局にしても、直接自分のところに
関係があるとは言わぬけれども、もう少し協力のしようがあるじゃないか、もう少し
法務省自身が乗り出して、
関係各省と協力をして、そして総会屋締め出しをすることが必要なのではないか。自分のところへ問題が燃え上がってこなければ、この問題について
法務省が積極的に乗り出すということをしないというふうに思われてならない。もちろん、あなた方は直接の前線部隊ではないのだから、自分たちがやろうとしても限界があることはわかる。わかるけれども、少なくとも世論の動向としては、次のような指摘がされておる。
第一に、会社の中で金を出した役員に、背任、特別背任、贈収賄罪の
適用をもっとどんどんやったらどうだ。それがやれないのなら、やれるようにもっと法律
改正もしたらどうか。第二番目に、特に総会屋のバックをいたします大企業、特に銀行並びに証券、これらの会社に対して手はないのか。もちろん大蔵省あるいは警察庁がやるにしても、
法務省として、もう少しそれをバックアップする手は一体ないのであろうか。第三番目に、商法の
改正がいろいろと
議論をされておるけれども、私どもは、前から大企業の社会的
責任ということを追及しておるのであるけれども、大企業が総会屋や暴力団を育成強化しておるという結果について、商法の
改正の中で取り上げて、早速やるべきことはあるのではないか。第四番目に、上場会社
一般に対して、
法務省、それから大蔵省、それから国税庁、警察庁、そういうところが一回連絡
会議なり何かをして、総会屋締め出しについての行政指導のありようを協議し、それによって各企業に警告を渡したり何かする方法は一体できるのではないか。第五番目に、それらの連絡の中で、先ほど引用いたしましたように、国税庁の
調査がある。国税庁の
調査結果について、
関係の役所の中の連絡さえ十分にさせていくならば、これによって所得税法違反に終わるばかりでなく数々の法律違反というものが浮き出てくる。その浮き出てきた中でさらに追い打ちをかけていくという方法が各役所の協力によってできるのではないか。それから、大阪で総会屋が一番中心にばっこをしておるわけでありますが、国税庁国税局、警察本部、財務局あるいは地検というような地域における
関係の役所の協力というものがもう少し進んでいいのではないか。あるいはまた、総会屋が社団法人になりたいと言う、そしていい総会屋とでも申しましょうか、自粛をすると言う。そんな自粛というものが安易に認められたのでは世間の物笑いになると私は思うのでありますが、こういうような総会屋の媚態といいますか、あるいは看板を貸すというようなことがあってはならぬと思うのでありますが、そういう点についても
政府はみずからの態度を明白にすべきではないか等々、私が拾い上げただけでもいろいろな方法があると思うのですけれども、冒頭申しましたように、警察が歯ぎしりをしてやっても限界がある、国税局が歯ぎしりをしてやっても限界がある、各役所の連係動作、特にその中でも少し
法務省の
関係局が采配をふるってこの問題について取り上げなければ、これもまた画竜点睛を欠くと言えるのではないか。この際ひとつ、獅子身中の虫というべき総会屋に対して徹底的な糾弾を
法務省が真っ先に立ってやるべきではないかと思うのでありますが、
法務大臣はどうお
考えになりますか。