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1978-06-07 第84回国会 衆議院 文教委員会 第25号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十三年六月七日(水曜日)     午前十時五十一分開議  出席委員    委員長 菅波  茂君    理事 石橋 一弥君 理事 唐沢俊二郎君    理事 藤波 孝生君 理事 渡部 恒三君    理事 木島喜兵衞君 理事 嶋崎  譲君    理事 有島 重武君 理事 曾禰  益君       石川 要三君    久保田円次君       小島 静馬君    齋藤 邦吉君       坂田 道太君    田中 正巳君       玉生 孝久君    渡海元三郎君       中村  靖君    水平 豊彦君       渡辺 栄一君    池端 清一君       小川 仁一君    千葉千代世君       中西 積介君    湯山  勇君       池田 克也君    鍛冶  清君       伏屋 修治君    中野 寛成君       山原健二郎君    西岡 武夫君  出席国務大臣         文 部 大 臣 砂田 重民君  出席政府委員         文部政務次官  近藤 鉄雄君         文部大臣官房長 宮地 貫一君         文部省社会教育         局長      望月哲太郎君         文部省体育局長 柳川 覺治君  委員外出席者         文教委員会調査         室長      大中臣信令君     ――――――――――――― 委員の異動 六月六日  辞任         補欠選任   西岡 武夫君     山口 敏夫君 同日  辞任         補欠選任   山口 敏夫君     西岡 武夫君 同月七日 辞任          補欠選任   石田 博英君     渡辺 栄一君   塚原 俊平君     渡海元三郎君   長谷川 峻君     齋藤 邦吉君   渡部 恒三君     田中 正巳君   長谷川正三君     池端 清一君   山原健二郎君     津川 武一君 同日  辞任         補欠選任   齋藤 邦吉君     長谷川 峻君   田中 正巳君     渡部 恒三君   渡海元三郎君     塚原 俊平君   渡辺 栄一君     石田 博英君   池端 清一君     長谷川正三君   津川 武一君     山原健二郎君     ――――――――――――― 六月五日  霧島地区への大学設置に関する陳情書  (第三八八号)  義務教育施設等整備促進等に関する陳情書外  二件  (第三八九号) は本委員会に参考送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  オリンピック記念青少年総合センター解散に  関する法律案内閣提出第六七号)      ――――◇―――――
  2. 菅波茂

    菅波委員長 これより会議を開きます。  オリンピック記念青少年総合センター解散に関する法律案を議題といたします。  この際、砂田文部大臣及び望月社会教育局長より発言を求められておりますので、これを許します。砂田文部大臣
  3. 砂田重民

    砂田国務大臣 国立オリンピック記念青少年総合センターにつきましての構想概要を御説明申し上げたいと思います。  国立オリンピック記念青少年総合センター事業機構定員施設等について、文部省としては次のような構想のもとに、その充実、整備を図ってまいりたいと考えております。  本来、国立オリンピック記念青少年総合センターは、青少年及び青少年教育指導者その他の青少年教育関係者に対します研修を通じまして、そしてまた青少年教育に関する施設及び団体との連絡協力並びに青少年教育に関します専門的な調査研究を行うことによりまして、健全な青少年育成及び青少年教育振興を図ることを目的として設立しようとするものでございます。  以下、事業機構定員施設等につきまして、社会教育局長から御説明を申し上げます。
  4. 望月哲太郎

    望月政府委員 それでは引き続き、事業機構定員施設につきまして御説明を申し上げたいと思います。  事業についてでございますが、新センターは、青少年及び青少年教育指導者その他の青少年教育関係者に対する研修を通じ、並びに青少年教育に関する施設及び団体との連絡及び協力並びに青少年教育に関する専門的な調査研究を行うことにより、健全な青少年育成及び青少年教育振興を図ることを目的としており、具体的には、従前の実績を尊重しつつ、運営委員会等意見を聞いて次のような事業実施することを考えております。  まず第一に研修でございますが、研修につきましては、まず受け入れ利用でございます。これは、利用団体がみずからのプログラムをもって行う自主研修受け入れでございまして、研修内容の例といたしましては、一般教養職業スポーツレクリエーション、音楽、演劇、奉仕活動交流活動、さらに指導者関係といたしまして、指導技法グループワークリーダーシップ)、施設運営集団宿泊指導青少年育成等研修一般的なテーマになろうかと思うわけでございます。  次に、新センターがみずから行う主催事業でございますが、センターが企画し、希望者個人またはグループ)を対象とした青少年教育に関する専門的、技術的な研修等実施でございまして、一例を挙げますと、青少年施設職員研修集団宿泊研修研究会レクリエーション講習会スポーツ技術研修講演会等一般的なものであろうかと思います。  その次に、青少年教育施設あるいは青少年教育団体との連絡及び協力に関する事業でございますが、その事業の内訳といたしましては、一つ情報サービス、これは青少年施設あるいは団体活動等に関する情報の収集、整理、提供等でございます。第二番目が連絡サービスでございまして、青少年施設団体関係者連絡会議開催あるいは交流連絡の場の提供等でございます。第三番目が事業サービスでございまして、青少年施設団体の求めに応じて専門的、技術的な指導、助言、講師のあっせんあるいは複数団体による共同事業の仲介、協力等でございます。  それから第三番目が調査研究関係事業でございますが、青少年教育青少年施設青少年団体青少年指導者に関する調査研究実施及び調査資料研究成果公表等考えております。  調査研究内容の例といたしましては、青少年教育活動内容スポーツレクリエーション、芸術、文化実践活動奉仕活動についての調査研究、あるいは教育方法学習方法につきましての問題といたしましては、グループワーク個人学習指導プログラム教育機器・教材、特技指導法リーダーシップ等の分野についての調査研究考えております。それから施設関係につきましての課題といたしましては、施設め配置職員あり方施設あるいは設備のあり方、それから事業の持ち方等につきまして調査研究をすることを考えております。それから団体につきましては、団体現状なり指導者あり方あるいは事業あり方等につきまして調査研究をいたすことを考えております。  なお、主たる事業のほかにその他といたしまして、相談資料提供等のことも一つございます。これは青少年に関する相談、レファレンスサービス、資料提供図書室資料室一及び展示室整備等考えております。それから国際交流といたしまして、国際交流集い開催外国青少年との交流研修受け入れ海外情報提供等考えております。  その次に機構定員でございますが、新センター機構定員については、昭和五十四年度予算の審議を通じて決定されることとなるわけでございますが、文部省といたしましては、新センターが現センター施設業務を受け継ぐものであることから、現センター機構定員を基礎として出発いたしたいと考えております。  機構につきましては、直轄化に伴う業務処理方法の変更、改善並びに新たに遂行すべき業務を勘案いたしまして、所長のもとに、庶務、会計、施設整備等事務総務部門)、利用申し込みの受理、施設利用計画研修指導主催事業青少年教育に関する施設及び団体との連絡及び協力調査研究等事務事業部門)を分掌させるのに必要な課等を置くことを考えております。  また、事業の基本的な運営方針に関し、所長に助言する機関として、各界代表の参加を得て運営委員会設置考えております。  次に施設の問題でございますが、施設現状を見ますと、その主要部分を占める宿泊棟及び研修棟については、転用施設の限界、老朽度進行等から、宿泊研修機能に支障を来すようになっておりますし、また青少年の多様化し、高度化する学習要求にこたえ、わが国の青少年のための総合的かつ中核的な教育施設としての機能を十分果たし得る施設とするためにも整備が必要でございますので、これらの点を考えなから整備をする必要かある、このように考えておる次第でございます。  なお、施設整備の問題につきましては、宿泊棟集中化研修情報資料施設青少年交流施設文化活動施設運動場集いの広場の整備等、これまで青少年団体等から各種の意見が出されておりますので、文部省といたしましては、今後、これらの意見も参考にしながら、学識経験者青少年教育関係者専門家の御意見を聞きながら整備方針を策定することといたしたいと考えております。また、この整備方針を策定するに当たりましては、転用施設老朽化の進度や工事による施設機能への影響等に十分配慮しつつ、施設配置やその設置順位等について検討してまいる考えでございます。
  5. 菅波茂

    菅波委員長 質疑の申し出がありますので、これを許します。湯山勇君。
  6. 湯山勇

    湯山委員 ただいま御説明がありました文部省から出された資料についてお尋ねいたしたいと思います。  まず、この資料は、今回廃止になって国立センターになっても従来の事業とは変わりはないのだとしばしば大臣がおっしゃる、その裏づけとして出されたものと解してよろしゅうございますか、いかがでしょうか。
  7. 砂田重民

    砂田国務大臣 おっしゃるとおりでございます。
  8. 湯山勇

    湯山委員 これは法的な性質では非常に大きな変化があると私は考えております。国立になれば当然憲法第八十九条の制約を受ける、従来の特殊法人の場合はその制約を受けない、こう解釈しておりますが、この点はいかがでしょうか。
  9. 望月哲太郎

    望月政府委員 お答え申し上げます。  ちょっと条文を読み上げさせていただきます。「公金その他の公の財産は、宗教上の組織若しくは團體使用、便益若しくは維持のため、又は公の支配に属しない慈善、教育若しくは博愛の事業に封し、これを支出し、又はその利用に供してはならない。」こういうことで、直轄になると公の財産になるのではないかという御質問であろうかと思いますが、それは直轄になりますと公の財産になることは当然でございます。なお、オリンピック記念青少年総合センターにつきましては、現在の施設の大部分は国が出資をしておるものでございますので、そういう意味におきましては、特殊法人であってもその施設について公の財産であるという考え方があるわけでございまして、その点は今回の場合には大きな違いはないのではないかと思っております。
  10. 湯山勇

    湯山委員 そういうことじゃなくて、純枠な法律論からいって、国立になれば当然に憲法第八十九条の拘束は受ける、特殊法人の場合はそういう厳密な拘束は受けない、こう解釈しておるのですか、よろしいですか。
  11. 望月哲太郎

    望月政府委員 一般的に申しますと先生のおっしゃったとおりでございます。
  12. 湯山勇

    湯山委員 きょういただいた資料をごらんいただきますと、研修の「受け入れ利用」の中に一般教養あるいは職業研修というのがありますね。これは教育とは言えないのですか。
  13. 望月哲太郎

    望月政府委員 もちろん、いずれも一般的に申しますと教育という概念に入るわけでございます。ただ、憲法八十九条で申しますところの教育事業となるかどうかというのはまた別の問題でございます。
  14. 湯山勇

    湯山委員 それではもう一つ聞きますが、いまの一般教養とか職業研修というのは受け入れ利用ということになっていますから、これは当然公の支配には属しないと解釈すべきですか、公の支配に属すると解釈すべきですか。
  15. 望月哲太郎

    望月政府委員 お答え申し上げます。  一般的に社会教育学習する人の自発的な教育活動を尊重するというたてまえでございますので、公の支配に属さないと解する方が妥当であると思います。
  16. 湯山勇

    湯山委員 局長が言われたように、これが憲法で言う教育に該当するかどうかは検討を要するということでした。しかも、これは公の支配には属しないということですから、もしこれが教育という範疇に入るということになればこういうことは当然できませんね。
  17. 望月哲太郎

    望月政府委員 お答え申し上げます。  憲法に言う教育の問題というのは、昭和三十二年に社会教育法改正の問題が論議されましたときに、法制局の方から「憲法第八十九条にいう教育事業について」ということで、「教育事業とは、人の精神的又は肉体的な育成をめざして、人を教え導びくことを目的とする事業であって、教育する者と教育される者との存在を離れてこれを考えることはできない。すなわち、教育されるものについてその精神的又は肉体的な育成を図るべき目標かあり、教育する者が教育されるものを教え導びいて計画的にその目標の達成を図る事業でなければ教育事業ということはできない」このような解釈が出されておりまして、まず、ここで展開されます教育事業というものかそれに当たるか当たらないかは個々のケースの問題であろうかと思いますけれども社会教育一般的に行われます自発的な研修につきましてはそこまでの形をとっていないものが多いのではないかと思うわけでございますし、それからまた、広く一般の方々の利用に供するわけでございまして、特別の団体利用に供するとかなんとかという限られたものではなくて、広く開かれた施設としてこの施設運営していくという考えでございますので、そういう意味におきましても、一般に御利用いただく場合には特定の団体に御利用いただくということとは意味合いが違ってくる、このように考えておる次第でございます。
  18. 湯山勇

    湯山委員 それは少し間違っているのじゃないでしょうか。私はこの改正のときにちょうど審議に参加しておりまして、その問題をいろいろお尋ねいたしました。いまのような解釈じゃなくて、当時の十三条というのは一切補助してはならないという規定であった。しかし、憲法制約の中での補助ならばいいという緩和された改正であって、それがいま言われたように教育事業野放しになったというのではないのだ、これはおわかりのとおりです。  そこで、教育学術新聞社会教育局民間社会教育文化事業概要というのを調査されたのか発表になっておりましたが、局長、御存じですか。
  19. 望月哲太郎

    望月政府委員 発表いたしましたことはあれでございますが、いまちょっと手元に資料がございませんので、細かい御説明を申し上げるには資料を取り寄せまして御説明させていただきたいと思います。
  20. 湯山勇

    湯山委員 私の方から申し上げますか、文部省発表のとおりです。これは放送局新聞社デパート等対象に、民間社会教育文化事業概要調査です。それによりますと、局長のいま言われたような形の社会教育じゃなくて、学級講座形式、これが圧倒的に多い。件数で言いますと、学級講座形式社会教育が五千百七十二件、講演会が三百六十三、展覧会が千七百六十二、公演発表会が七百三十四、その他千百三十二で、圧倒的に学級講座形式が多いのです。学級講座形式の合計は五千百七十二に対してその他のものは三千九百九十一です。学級講座形式というのは、これはもはや教育じゃありませんか。目的を持って、しかもこの目的青少年の健全な育成です。心身育成を図っていくのですから、局長の言われたとおりです。  それから、従来の青少年総合センター解説書、これもこう書いてあります。公開以来、広く内外の青少年教育文化スポーツ等研修利用され、云々と。それから、本来青少年施設だけれども成人教育はもとより、婦人教育家庭教育社会教育など生涯教育関係利用できますとこれにありますよ。こんなことかできますか、いまのようなことで。一般教養を計画的に、しかも文部省講師をあっせんする場合もあるでしょうが、自主的に先生を入れてこういう目的職業教育をやる。これはいいのですよ。それま一体、公の支配に属しない場合に八十九条に抵触しない言えますか。
  21. 望月哲太郎

    望月政府委員 先ほども申し上げましたように、広く一般の御利用に供するということでございますし、また、内容につきましても、いろいろなことはございますけれども、これは広く一般に開いた事業として御利用に供するわけでございますので、私どもはそれは差し支えないと思っております。
  22. 湯山勇

    湯山委員 それができないような規定になっておるでしょう。憲法は、公の支配に属するものであればそれはよろしい、これが一つです。それからいま一つは、それか教育事業でなければいい。この二つの制約条件はこれは守らなくてもいい、一般に公開されても、ということにはならないでしょう。
  23. 望月哲太郎

    望月政府委員 たとえば各地方公共団体設置いたします公民館等につきましても、やはりこれは公の財産でございます。それはもう広く一般に御利用いただくという形においては、公の財産教育事業に御活用いただくということは当然許されてしかるべきことではないかと思います。
  24. 湯山勇

    湯山委員 そうすると、公の資産を国または公の支配に属しない教育事業使用させてもいい、こう局長はおっしゃるのですか。
  25. 望月哲太郎

    望月政府委員 お答え申し上げます。  先ほど来申し上げておりますように、広く一般の御利用に供するということでございますし、それからまた、一般的には、社会教育活動というものは憲法に言いますところの教育事業に該当するという形態をとるものは私どもは少ないと思っております。その両方の面から考えまして、公民館と同じように、やはりこういう施設というものは一般のいろいろな活動にお使いいただけるのは当然じゃないかと思います。
  26. 湯山勇

    湯山委員 大変な間違いじゃないでしょうか。これが社会教育なるがゆえにこそ、旧法では十三条で一切補助してはならないという規定があったわけです。これは社会教育だからそういう規定を設けておったのです。これはいいですね、その点は。それは実情に合わないというので、一切の補助金は出してはいけないというのはなくなりました。しかし、憲法における拘束というものまで解除したのじゃありません。ですから、公民館にしてもあるいはその他の施設にしても、それが教育事業であるかどうかの検討は必要です。したがって、さっきおっしゃったように、目的がはっきりしていないとか、あるいは継続していくものではなくて、あるいは自主的に集まってやるものだとか、あるいはとぎれとぎれにそのときそのときでやっていくようなもの、それは別ですけれども職業訓練のように、あるいはこの調査によって出てきたような学級をつくって講座形式で、しかもちゃんと指導者があって一定の者を対象にしてやっていくというのまでいいとは言っていないはずです。当時の法制局見解も同様です。公の支配に属しない場合にそれは使用させていいですか、憲法からいって。あなたも憲法は守らなければならないわけですから、憲法からいって可能ですか。だとすれば、私はこれは重大な問題があると思うのです。
  27. 望月哲太郎

    望月政府委員 お答え申し上げます。  先ほど来申し上げておりますように、憲法八十九条で考えております教育事業につきましては先ほど説明を申し上げたとおりのことでございます。職業教育をやるといたしましても、直ちにいわゆる職業訓練というような形でなくて、一般に実際には、集まっていろいろな学習をする、あるいは知識を付与されるというような形態で進められますのが一般には社会教育実態でございますので、私ども実態から見まして、特に直轄施設になりましてもそれによって運営に新しい変化が起きるとは考えてない次第でございます。
  28. 湯山勇

    湯山委員 私はその御答弁は、何というか、非常に危険というか、問題か多いと思います。  大臣にお伺いいたしますが、憲法八十九条で、公の支配に属しない教育事業には提供してはならないという規定は生きておるわけです。いま局長のように、多分そういうことはないだろうと言われますけれども社会教育局調査によっても、最近は学級講座形式が多いというのです。しかも職業研修ですから、ただ一日だけこうこうというのではなくて、計画的に、継続的になされている、こういうものも当然あるわけです。そのチェックをしないと、野放し職業研修だからよろしいというわけにはいかない状態になってきておる。これはお認めになられると思いますが、いかがでしょうか。
  29. 砂田重民

    砂田国務大臣 憲法を守らなければならないという御発言はもうまさにそのとおりでございます。私ども、基本的なその姿勢でなくてはなりません。ただ、憲法第八十九条の公の財産というのはやはり、現センターのように国のお金、出資でできているような特殊法人財産もまた含まれると私たち解釈しておるわけでございます。センター直轄化に伴って、その利用に関します憲法第八十九条の制約が新たに変わるということにならないと思うのです。それが一点でございます。それから、新センターは、青少年及び青少年教育指導者その他の青少年教育関係者に対します研修を通じて、健全な青少年育成及び青少年教育振興を図るための機関として設置される施設でございます。青少年青少年教育関係者関係のある人たちはだれでも自由かつ平等に利用ができる。したがって、その利用は何ら特色的な、または独占的な利用意味しない、そういう性格のものでございます。  ところで、憲法第八十九条の規定は何も宗教団体や公の支配に属さない教育事業に対して一切公の財産利用し得ないという趣旨のものでないことは、社会教育法の御審議がありましたときの法制局見解というものをただいま望月君が御説明いたしましたが、そう解するものと私どもは心得ているわけでございます。たとえば宗教団体一般人同一条件で道路や公営交通機関利用する場合を考えれば、この趣旨は明らかであろうと考えるのです。すなわち、憲法第八十九条の規定は、広く国民に自由に使用させることを目的として設置されている公の財産につきましては、その利用宗教団体や公の支配に属さない教育事業等一般人同一条件使用を認めることまでを禁じているものではない、そのように解するわけでございます。私どもといたしましては、現在のセンター、そして国立になりましても、そういう意味での八十九条の規制を受ける、さように解するものでございます。
  30. 湯山勇

    湯山委員 じゃ、これは問題がまた一つ出てまいりましたのは、現在のが憲法で言う公の資産という解釈に立っておられるとすれば、現在までの使い方に問題があったということになりませんか、大臣。現在までの使い方が、教育のことに使う、研修にも使っておる。そしてしかも計画的に、指導者も、教える者、教えられる者、それで心身をそういう方向に向かって教育していく、教育施設という名前もちゃんとついておるわけです。もしそれをいままで野放しにやっておったとすれば、それはいままでの使い方が間違っておった。したがって、いままでも公の、国のものであり、今度の国立になっても国のものだからその間に性格的な変革はないのだ、変化はないのだということであれば、従来が間違っておった。従来は、特殊法人というものはそこまで厳重な規制を受けないのだということで来ておったとすれば、今回変化をする。そのどっちかでなければ私はおかしいと思うのですが、いかがでしょう。
  31. 砂田重民

    砂田国務大臣 先ほどもお答えをいたしましたように、広く一般にだれでもが利用ができるということで、現在のセンターもそういうものでございますから、いままでのセンター利用について憲法八十九条に触れるところはございません。また、国立にいたしましてもその解釈は同じことでございます。
  32. 湯山勇

    湯山委員 だれにでもというのはいいです。それは結構です。だれにでも、何にでも、どんなことにでも、社会教育であれば使えるということですか。それには制限かありますか。——大臣に。
  33. 砂田重民

    砂田国務大臣 先ほどお答えいたしましたことを勘案いたしまして、また先生の御指摘の点でありますから、センター利用するものかセンター目的に合致する活動を行う限りにおいて、ときに憲法第八十九条に言う教育事業を行うことがありましても、その利用を認めることが直ちに憲法上の問題を生じるとは考えていないわけでございます。
  34. 湯山勇

    湯山委員 大変重要な御発言だと思うのです。公の支配に属しない教育事業をそういう人たちがやっても抵触しない、こうおっしゃったと理解してよろしゅうございますか。
  35. 砂田重民

    砂田国務大臣 一般に広くだれでも利用できる、そう開かれたものでありますならばさような解釈をいたすものでございます。
  36. 湯山勇

    湯山委員 どういう団体でも、社会教育団体であろうが何団体であろうが、公の支配に属しない団体でもいいし集団でもいい、それが教育事業にそれを利用する、そればよろしい、憲法上よろしいということですか。
  37. 砂田重民

    砂田国務大臣 一般的に開かれたものである限りは許されるものと解釈しております。
  38. 湯山勇

    湯山委員 この施設一般的に開かれたというのは、国の財産、国の資産それが一つ条件です。それからいま一つはいまのように人の問題。問題は事業です。教育事業に使ってもいい。たとえば青年なりが自主的な教育活動教育事業を、計画を立ててそしてそれを利用する、それに提供してもよろしいと大臣はおっしゃるのですね。
  39. 望月哲太郎

    望月政府委員 お答え申し上げます。  先般来お答え申し上げておりますように、一般的に広くいろいろな活動に場を提供するという形で現センターも御利用いただいておりますし、新しいセンターも同様な考え方で運営をしてまいる予定でございますので、その点については先ほど来お答え申し上げたとおりであると思います。
  40. 湯山勇

    湯山委員 先ほど来のお答えがわからないからお尋ねしておるのです。いいですか、もう一度お聞きしますけれどもセンターは公開されている、これはいいです。よくわかります。が、そのセンターで公の支配に属しない教育事業が行われてもそれはよろしい、こういう大臣の御答弁と私は受け取りましたが、それでよろしゅうございますか。
  41. 砂田重民

    砂田国務大臣 そのセンターでの研修内容一般に開かれ、だれでも利用できるものであるならば差し支えないと私ども解釈しております。
  42. 湯山勇

    湯山委員 一般に開かれたというのはどういうことを意味しておられるのでしょう。
  43. 砂田重民

    砂田国務大臣 だれでもが利用できるということでございます。
  44. 湯山勇

    湯山委員 だれでもというのは、まだはっきりしないのです。だれでもとはどういうことを指しておられるのでしょう。
  45. 砂田重民

    砂田国務大臣 だれでもということは、一般に開かれたということでございます。
  46. 湯山勇

    湯山委員 いま非常に厳しい質問を申し上げておるつもりです。それで、憲法第八十九条の制約を受けるということは、大臣、最初御確認になったところですから。その憲法の第八十九条には公の支配に属しない教育事業。人を指していないのです。憲法は。だから私は、だれでもと言われようが一般に開かれたと言おうが、それにこだわるつもりはないのですけれども、これを、教育事業であってもよろしいという前提に大臣がそれをお挙げになるから、それでこのことを念を押してお尋ねしておるわけです。しかし、だれでもであろうが、一般に開かれようが開かれまいが、公の支配に属しない教育事業には提供してはならないというのが憲法規定です。しかし、それは破ってもいい。その破る条件は、一般に開かれている場合、だれでも使っていい場合、こういう前提をおつけになったのですが、それはどうしてそういうことで憲法違反にならないのか、私には理解できない。大臣も恐らく同じようにお感じじゃないでしょうか。まことに簡単なことですが、ただ、おっしゃったように、従来特殊法人になった機会、社会教育法補助金の禁止規定かなくなったということから若干その辺の厳密さが足りなかったんじゃないか。私学の場合は、これは明らかに公の支配に属しているという解釈に立って助成ができるようになりました。しかし、社会教育の場合はなおかつ公の支配に属する、属しない、こういう教育事業というものは非常に厳重であって、守っていかなければならない点です。ことに国立になればその点は、従来がルーズであればなお一層厳重にしなければならないし、従来と考えが変わったのであればこの際明確にしなければならない。私は、この点ではいずれにしても非常に重要な問題がここで提起されている、こう考えますが、いかがでしょうか。
  47. 砂田重民

    砂田国務大臣 憲法第八十九条の規定というものを、私どもは、広く国民に自由に使用させることを目的として設置された公の財産につきましては、その利用を、公の支配に属さない教育事業等一般人同一条件使用を認めることまでを禁じているものではないという理解をしているわけでございます。法制局の見解もそういう見解を示しているわけでございます。
  48. 湯山勇

    湯山委員 そうすると、憲法第八十九条で言う公の資産というのは何を指すのですか。
  49. 砂田重民

    砂田国務大臣 公共の財産を指すわけでございます。
  50. 湯山勇

    湯山委員 今度の国立センターは公共の財産じゃありませんか。
  51. 砂田重民

    砂田国務大臣 現センターも、国の出資でという観点からすればこれもやはり公共の財産であり、国立になりました場合も公共の財産でございます。
  52. 湯山勇

    湯山委員 そうすると、これはその憲法第八十九条で言う公の資産に該当しますね。
  53. 砂田重民

    砂田国務大臣 公の財産に該当いたします。
  54. 湯山勇

    湯山委員 それならば憲法の制限規定の適用を受けますね。
  55. 砂田重民

    砂田国務大臣 八十九条が当然これに絡むわけでございます。
  56. 湯山勇

    湯山委員 それならば、公の支配に属しない教育に提供してはならないという規定の適用は受けることになりますね、いまの御答弁から言えば。
  57. 砂田重民

    砂田国務大臣 教育と言われることの内容によると思います。
  58. 湯山勇

    湯山委員 では、教育というものの内容というのは一々検討しないとわからないですね。こういうものはこうだというきちっとした区別がおありになりますか。これは該当しない、これは該当するという区別がございますか。
  59. 望月哲太郎

    望月政府委員 先ほど一応御説明申し上げましたけれども法制局の見解にございますように、教育される者についてその精神的または肉体的な育成を図るべき目標があり、教育する者が教育される者を教え導いて計画的にその目標の達成を図る事業というのが、憲法八十九条に申しますところの教育事業とわれわれは解しております。
  60. 湯山勇

    湯山委員 いま局長の言われたような教育事業には提供してはならない、こうなるわけですね。もう一度確かめます。大臣、いかがでしょう。
  61. 砂田重民

    砂田国務大臣 局長のお答えいたしましたとおりでございます。
  62. 湯山勇

    湯山委員 そうすると、このいただいた資料の「受け入れ利用」の中で、一般教養とか職業とかというものに利用させるかさせないか、その内容を見ないとわからないですね。いま局長の言ったような条件に当てはまるものか、当てはまらないものかというのは、内容を見なければわからない。
  63. 望月哲太郎

    望月政府委員 お答え申し上げます。  先生の御質問の趣旨が、一つ一つ事業憲法八十九条に言うところの教育事業に該当するかどうかということだけを考えますと、これは一つ一つ事業を洗ってみませんとどちらかは言えないということは確かでございますけれども、ただ、公民館にいたしましても、公の社会教育施設というものは広く一般利用していただくということが原則でございますので、その観点に立って考えますときはまたおのずから別の考え方も出てくるということでございます。
  64. 湯山勇

    湯山委員 委員長、お聞きいただいておってどうでしょうか。これで私も時間が来たからもうやめなければならないのですけれども、非常に重要な問題だと思います。そして、いまおっしゃったように、ただ公民館でどうとか、そうだから構わないということも、憲法の問題としてはお答えとしていただきかねるし、また大臣は、国鉄やその他と同じようにそれはオープンで何でもいいじゃないかというお答えもあったり、その後また、それは教育事業のいかんによるんだという御答弁もあったり、そして局長の言われたような意味教育ならばそれはいけないんだというふうな御答弁もあって、いまここではこれ以上は同じことの繰り返しになるように私は思いますので、もう一度改めてこの問題については、非常に重要な問題ですし、それから社会教育なるがゆえに自発的、自主的な活動を阻害してはならない、国立になれば公の支配に属するということからの拘束というものも考えなければならない重要な問題でございますので、ここまででこの問題、保留させていただいて、なおそのことを明らかにする機会を与えていただきたいと思いますが、委員長、いかがでしょうか。
  65. 菅波茂

    菅波委員長 さよう取り計らうようにいたします。  池田克也君。
  66. 池田克也

    ○池田(克)委員 前回の委員会でお願いをいたしました資料、期日までにお出しいただきまして、内容はともかくとして、われわれが審議をさせていただくのに資料か出てまいりましたことについては評価をしたいと思います。  そこで、いま湯山委員からもお話がありましたが、この事業内容についてお伺いをしたいと思います。  前のオリンピック記念青少年総合センター法の第十九条の三には「オリンピック競技大会に関する内外の資料を収集し、整理し、保存し、及び利用に供すること。」こういう項目がございました。前回お伺いした段階では、いままでの事業を継続し、つけ加えることがあるかもわからぬ、こういう御答弁でした。この事業内容、これで一つ構想ということでございますが、この中には第三項が抜けておる、こういうふうに私は拝見したわけでございますが、これについての理由がありましたらひとつ出していただきたい。
  67. 砂田重民

    砂田国務大臣 オリンピック関係資料のことを御指摘だと思いますが、それはもう当然残していくわけでございまして、提出いたしました資料の中の二枚目、「4、その他」のところに「相談資料提供」というところがございます。そこに「資料室」というのがございますが、これが該当していると御理解をいただきたいと思います。
  68. 池田克也

    ○池田(克)委員 このオリンピック記念という言葉なんですが、前回たしか小川委員からの御質問があったかと思うのですが、このオリンピック記念青少年総合センターにはスポーツ研修館というのがございます。これはたしかスポーツ振興財団に対してオリンピックの余ったお金でしょうかが入りまして、その振興財団の基金で建てられた。プラス国の助成があったと伺っております。これが国有財産になるということでスポーツ振興財団の方に問い合わせたか、こういうふうな質問が出たわけですが、問い合わされましたか、またどういう返答であったか、お伺いしたいと思います。
  69. 砂田重民

    砂田国務大臣 社会教育局長がごあいさつに参りました。委員会で指摘をされるまでまことにうかつなことでございましておわびをいたさなければなりませんが、御説明をいたしましたところ、大変前向きに、それはよかったとお喜びをいただきまして、御承諾をいただきました次第でございます。
  70. 池田克也

    ○池田(克)委員 御承諾があったということでございますが、このオリンピック東京大会組織委員会が残余財産スポーツ振興財団に寄付することについて条件があったわけです。つまり「オリンピック東京大会の開催を記念するとともに、オリンピック運動およびアマチュア・スポーツ振興に資するため、」というふうな条件があった。  私、拝見しておりますと、オリンピックということに関する前向きな施設というものではなくて、今回のはいわゆる社会教育の中に含まれる体育あるいはレクリエーションというふうに私は理解するわけで、この分に関しては大幅に後退をした。つまり名前だけオリンピック記念ということが残っているけれども、その実は、展示館はいま大臣のお話で残るようになると思いますが、これをずっと拝見いたしますと、その事業内容その他の中にオリンピックのオの字も出てこないわけですね。そこに確かに選手村があったという記念のため、これではいかぬのではないか。前にも、簡単にオリンピックという名前を使ってはいけないという通達がたしか文部省からも出ているわけですね。明らかに羊頭狗肉というのですか、名前だけ使っている。もう少しアマチュアスポーツ振興というような問題について前向きな姿勢というものが必要じゃなかろうか。この事業内容はそれが欠落をしていると私は指摘申し上げたいんですが、その点はどうでしょうか。
  71. 砂田重民

    砂田国務大臣 東京オリンピックを記念して設立されたものでございます。その趣旨国立になりましてもやはりどこまでも生かしてまいらなければなりません。国立になりましたからといって、スポーツ振興財団から御寄付をいただきましたこのスポーツ施設を所期の目的から外れたようなことに使う気持ちはさらさらありませんし、現在の姿のままでまた十分だとも考えておりませんので、これの充実強化にも努力をしてまいりたい。そして一般的なスポーツなり体育なりのお役に立つことは当然のことでありますけれども、やはりオリンピックのことにも役立てていきたい、この気持ちは国立になりましても絶対に捨てずに持ち続けて努力をいたすことにいたしております。
  72. 池田克也

    ○池田(克)委員 オリンピックにも役立ちたいと大臣おっしゃいますが、いただいたこの資料の中ではそれはどこに入ることになるんでしょうか。
  73. 望月哲太郎

    望月政府委員 お答え申し上げます。  まず、私どもは最初に、この前の委員会でもお答え申し上げましたように、新しい国立機関の名称もオリンピック記念というのを特に取り込みました。そこで、オリンピック精神というものは、世界各国の人たち交流するということに非常に大きな意味合いを持つので、私どもはまず青少年の国内の交流あるいは国際的な交流、これは基本的にはいわゆるオリンピックの精神というものと共通するものがある、このように考えております。  それから同時に、先般来いろいろ御議論もございますが、スポーツ、体育というものか青少年教育の非常に大きな要素を占めるわけでございます。そういう面につきましても、私ども今後十分施設設備を整えてまいり、スポーツをそこで大いに活発にやっていただくと同時に、そのことを通して青少年が心の触れ合いを深めていく。そういう意味におきまして、活動の面あるいはそのことによって来るところの成果の面その他において、いわゆるオリンピックの精神というものは大事にしてもらいたいと思っております。  それからもう一つ、オリンピックの資料室をどうするかという問題もずいぶん立法の段階では議論はございました。たとえばこれは国立競技場の方にお渡しした方がいいんではないか。しかし、私どもはそうではなくて、オリンピックというものは青少年の健全な育成に大変大きな意味合いを持つものだ、そういうこともございまして、従来どおりこのセンターにオリンピックの資料室を置き、今後私ども施設整備計画の中での一連のものでございますけれども、よりこの資料室も活用されるような形で努力をしてもらいたい、このように考えておる次第であります。
  74. 池田克也

    ○池田(克)委員 「オリンピック五輪模様などの乱用防止策について総理府長官の通達」というのが昭和三十九年の四月二日に出ておりますね。オリンピックという名前は明らかに国際オリンピック委員会の独占物である。「その使用は、オリンピック競技大会に関係ある活動に限定され、とくにいかなる種類を問わず、商業目的使用されることは厳禁されているものである。」こういうふうに当時の野田武夫総務長官が通達を出しているんですね。またそれを受けて文部事務次官内藤誉三郎氏も同じような趣旨の通達を出している。要するにオリンピックに限定される。いまおっしゃったように、青少年育成というのは広い意味から見ればオリンピック精神かもしれません。スポーツサイドから、この施設、この間機関というお話が出ましたけれども機関青少年のそうした健全育成に使われることであれば私はまだいいと思うのですが、これを拝見する限りは、スポーツサイドからというよりは、やはり社会教育の一環としてのスポーツは認めながら進んでいくというように私は考えるわけですね。  そこで体育局長にお伺いをしたいのですが、社会教育法の第二条に社会教育の定義として「主として青少年及び成人に対して行われる組織的な教育活動(体育及びレクリエーション活動を含む。)をいう。」こうある。それから一方、スポーツ振興法の第三条では「国民の間において行なわれるスポーツに関する自発的な活動協力しつつ、ひろく国民があらゆる機会とあらゆる場所において自主的にその適性及び健康状態に応じてスポーツをすることができるような諸条件整備に努めなければならない。」こうある。私はこの両方を拝見していますと、社会教育分野での体育ということと、スポーツ振興法におけるスポーツということと、この二つがどうも私は頭の中で整理できないのですね。これから進んでいくこのオリンピック記念総合センターというのは、スポーツ振興法第三条というものもこの機関に運用上きちっと生かされていく、そしてまた社会教育法の第二条の社会教育、この両面とも両立さしていく、こう理解していいのでしょうか。
  75. 柳川覺治

    ○柳川政府委員 先生いま御指摘のとおり、社会教育法社会教育の定義におきましては「主として青少年及び成人に対して行われる組織的な教育活動(体育及びレクリエーション活動を含む。)をいう。」という規定がございます。そこで一般には体育という言葉はどのように解するかということでございますが、体育は、身体的活動を通じて心身の健全な発達を図ること、つまり運動競技、体操その他の身体運動を手段とする教育であるというように考えられております。またスポーツ振興法におきましては、いま先生御指摘のとおり「「スポーツ」とは、運動競技及び身体運動(キャンプ活動その他の野外活動を含む。)であって、心身の健全な発達を図るためにされるものをいう。」というように定められておりますとおり、一般には運動競技の意味に用いられております。その意味では、社会教育法でうたっております体育よりも、スポーツ振興法で言うスポーツは若干範囲を広くとられておる、身体的筋肉運動あるいはレクリエーションすべてを含むというように解される。先生御指摘のとおりだというように私どもも解する次第でございます。  そこで、従来オリンピック記念青少年総合センターにおきましては広く、青少年宿泊研修施設設置し、運営し、またこれを利用して青少年心身の鍛練、その他心身の健全な発達を図るため必要な業務を行うということでございますし、このたびの改正によりましても基本的にこの考え方をとりまして、青少年の健全な育成に資するということを目的としているわけでございまして、この内容を踏襲しておるというように解されるわけでございます。そこで、この総合的な青少年センターにおける活動は健全な青少年育成ということでございますので、その中には、見方によっては社会教育の言う体育あるいはレクリエーション、これが主体でございましょうが、利用の仕方によってはスポーツ振興法で言う分野までが事柄としては入ってくる、従来もそのような実態でございますから、そういうような実態が引き継がれるのではないかというように解されるわけでございます。
  76. 池田克也

    ○池田(克)委員 そうしますと、体育局から社会教育局に移管された、これを体育局としてはどう見ていますか。
  77. 柳川覺治

    ○柳川政府委員 従来のセンターがオリンピックを記念して青少年の総合センターとして設置されまして、今日までそれぞれその実効を上げてまいられました。これにつきまして、いま御指摘のような面でのスポーツの面から見るのか、広い社会教育の面から見るのかという見方かあるわけでございますが、設立当初から、心身ともに健全な青少年育成に寄与するという大きな目的を持って設立されたわけでございます。教育基本法で教育とはということの定義が二条にございますか、その中に、心身ともに健全な国民の育成ということかおよそ家庭、社会、学校を通しての教育目的であるということがうたわれておるわけで、その趣旨をそのままくんで、直轄としてこの青少年総合センターをさらに整備充実していくという大きな姿勢を文部省として立てたわけでございます。いままでの多年のセンターの経験を生かして、全国各地に青少年関係の社会体育施設整備されてございますし、またそれなりに体育施設の方も整備されている、それらの中核的な、中心的な役割りとして、このたび直轄に総合センターを切りかえて、その中核になる。その間に、いままで御苦労された職員の方々の大きな努力の成果をさらに全国的なそういう中核のものにしてくるということも、相ともに文部省と一体になってそういうふうにしていこうという方針でございますので、わが体育局といたしましては、もともと総合青少年センターとしての性格そのものは変わらないわけでございますから、むしろ社会教育局に移管されましてその実効が上がっていくことを期待する。またスポーツの立場から、心身ともに健全な青少年育成の観点での利用の問題につきましてお願いするところは要望してまいりたいという考えでおるわけでございます。その面で、社会体育あるいはスポーツ振興について私どもの方も独自になすべきことか多々山積しているという感がございますので、私どもは総合センターの今後の発展を大いに期待すると同時に、私どもの局としてなすべきことに全力を向けていきたいという気持ちでいまおる次第でございます。
  78. 池田克也

    ○池田(克)委員 オリンピックの選手たちか今日まで強化合宿等にこの総合センターを使ってやってきたのですが、今日、いろいろ聞いてみますと、一つには時間的に、朝六時半起床、夕食が午後五時とか、こういうふうにスケジュールが、日課が大体決まっているわけです。そのスポーツ選手のコンディションづくりとはなかなかかみ合わない、こういうこともあって、オリンピック競技関連の団体では最近自衛隊の施設を強化合宿に使っている、私はこういう話を聞きまして実はびっくりしたわけであります。この実情を、この間資料をお願いしたのですが、お聞かせいただきたいと思います。
  79. 柳川覺治

    ○柳川政府委員 財団法人日本体育協会に加盟しております競技団体がいま四十四ぐらいになろうかと思いますが、そのうち若干の競技団体が、強化合宿あるいは審判講習会を自衛隊内の施設利用して行っている例が御指摘のとおりでございます。なお、防衛庁の調査によりますと、体協加盟団体の強化合宿や審判講習会のほかに、各種のスポーツ団体で体験入隊をしている事例が、昭和五十二年に東京周辺で二十回、約六百七十人の実績になっておると言われております。  そこで、自衛隊内で強化合宿等を行いました競技団体は、全日本水泳連盟が五十二年の十一月に強化練習会を横須賀の自衛隊で行っておりますし、呉の海上自衛隊も使って行っておる。また十二月にジュニアの強化対策の強化合宿を横須賀の海上自衛隊で行っております。それから日本ライフル射撃協会が朝霞の射撃場を、アジア選手権前の強化合宿として五十一年に使っております。それから全日本柔剣道連盟、これは四十二年以降毎年全国七地区のうち三、四地区が自衛隊の施設利用いたしまして、地区の審判指導者の講習会を行っておる。それからまた日本アマチュアボクシング連盟が五十年八月あるいは五十三年四月に自衛隊の体育学校で世界選手権大会のための強化合宿を行っておるというのが実態でございます。
  80. 池田克也

    ○池田(克)委員 これで全部ですか。いまおっしゃったのは体協加盟の連盟としての合宿なんですが、オリンピックに参加する可能性のあるそれぞれの——オリンピックか近づかなければオリンピックの選手としてまとまった組織にならないわけですが、それに可能性のある、たとえば武相高校の体操だとか、こういうようにもっと広くとらえた場合に、モスクワオリンピック等を目指していろいろ強化している、あるいは世界選手権大会を目指してやっている、バレーボールなんかもあるように私伺ったのですが。もうちょっと細かいデータがあるはずですが、出していただけませんか。
  81. 柳川覺治

    ○柳川政府委員 先ほど、各種スポーツ団体で東京周辺で二十回、約六百七十人とお答え申し上げましたが、その内容でございますが、いま御指摘の武相高校の陸上部が七月二十一日から二十五日まで、十四人ほどの選手で合宿訓練を行っております。また福岡大のレスリング部とか立川のスポーツリーグ協会、それからウェイトリフティングの赫心会、大志館道場、あるいは修徳高校の陸上部、専修大学のバスケッ卜部、埼玉栄高校柔道部、鹿児島の商工高校のレスリング部、大東文化大のアイスホッケー部、あるいは大和市の南林間体育振興会の空手部、あるいは鎌倉の武道館の剣友会、こういうようなスポーツ団体あるいは学校が自衛隊の施設で訓練を行っておるということでございます。
  82. 池田克也

    ○池田(克)委員 体育局長としては、こういうふうに青少年が、場所がないあるいはまた安いということで、実際に聞いてみますと自衛隊の体験入隊という名目です。そうしますと宿泊費は取らない、食事代だけですから、合宿を運営するようなコーチやマネージャーにとってはいいところだと判断するかもわかりませんが、選手にとっては、体験入隊は一たん何か制服を着せられるそうですね、かなり抵抗を持っている。しかし、スポーツ選手ですから余りそんなことを気にしないで、いいフィールドがある、いいプールかあるということでやっているようですが、何もここまでこういう事態を放置しないで、いま大臣がおっしゃったようにオリンピックに貢献をしたいということですから、施設についてまだまだやることはある。確かに施設全体をオリンピック選手の強化のために全部使うというふうにいかぬと私は思いますけれども、まだまだオリンピックの名のごとくにこういうような方向は考えられるのじゃないか。自衛隊の中で、体験入隊という形ですが、これは実際は体験入隊じゃないのです。場所を使っているのですね。いい施設があるから、よしそこを使ってしまえということで、本来の体験入隊の趣旨とは私は違うと思うのです。自衛隊の問題についてここで議論するつもりはございませんけれども、しかしながら、スポーツ選手がそういう状態になっているということはいいことでしょうか。大臣、いまの状況をお聞きになっての所感をお伺いしたいと思います。
  83. 砂田重民

    砂田国務大臣 私は自衛隊を否定をいたしませんので、いいか悪いかという議論をここでするつもりはありませんけれども、要するにスポーツ施設が足りない。確かにスポーツ、体育を文部省が所管をいたしておりますけれども、この施設の充実がおくれておりますことはもう事実そのとおりですと率直に認めなければなりません。学校だけで考えてみましても、まさに校舎と屋体とプールはもう一体のものだと考えなければならない時期か来ていると思うのです。追いついてはきておりますけれども、まだそれが完全に一体化されたものには実はなっていない。その他の民間のいろいろなスポーツ団体にいたしましても、私どもお互い自分の選挙区のことを考えてみましても、軟式野球の人たちがグラウンド確保にどんなに苦労をしておりますか、私もスポーツ団体をお預かりしたりしておりますからよくわかるのでありますけれどもスポーツ施設の絶対数が足りない、そこに問題があるわけでございますので、このオリンピック記念青少年総合センターもまたその一つでございますから、当然スポーツ施設の充実をしていく努力をしなければなりません。その一環として、このオリンピック記念青少年総合センターにおきますスポーツ施設の拡充も図っていかなければならないと思うのです。いま各スポーツ団体、それはオリンピックを目指してという高度の団体もありましょうし、スポーツの底辺を広げるという意味の、たとえばママさんバレーに至りますまで、あらゆるスポーツ愛好者、スポーツに志を立てている若い青少年のための施設一般的に全く不足をいたしておりますので、私はこれからの文教行政の重要な課題の一つであると心得ておりますので最善の努力をしてまいりたい、かように考えるものでございます。
  84. 池田克也

    ○池田(克)委員 自衛隊の中でそういうふうなことが行われているということを大臣は前々から御存じでしたか。
  85. 砂田重民

    砂田国務大臣 池田委員からこういう御質問があると伺って、体育局で調べたのを聞いて初めて知りました。
  86. 池田克也

    ○池田(克)委員 これは私、余りいいことじゃないと思っているわけです。自衛隊の体験入隊というのは自衛隊と国民との融和を図る、理解をさせるという趣旨であることは私も承知をしております。いろいろな新入社員の研修などに使われていることも私も承知をしておりますか、スポーツの強化合宿というのはやはりちょっと趣旨が違うのじゃなかろうか。  時間がありませんので、この問題をさらに発展させていきますけれども、オリンピックの終了後、このお金、剰余金等を使って全国に十一の青少年スポーツセンターをつくっているわけです。これが中央で経営がなかなかうまくいきませんで、現実には六つを各府県の体協に移管をしている、五つだけ体協が見ている、こんな状態ですね。これもいろいろな手直しをしなければならない状況が体協の中に出てきていると私は承知をしております。  そして、このオリンピック記念総合センターは、こういうふうな青少年スポーツ側からの研修スポーツ側からのアマチュアオリンピックの精神の浸透、むしろそういう側から利用されていく。そして、明らかにスポーツ振興法にうたわれているように、スポーツというのは強制してはいけない、やりたい人の自発的なことを応援していくというたてまえですから、これはあくまでもいままでのような特殊法人にしておいて、そうしてスポーツ振興にかなりウェートを持ったものであるべきだ。そして全国に三百幾つある青少年教育センターにするということ。スポーツ施設はたくさんあります。その調査研究もしなければなりません。いま大臣がおっしゃったように会場難はいまもう全国津々浦々に至っております。こういう実態の把握という問題もある。  体育局長にお伺いをしたいのですが、どのくらい体育施設が困っているのか、これからどのくらいつくっていくのかという問題、これはデータは結構ですけれども、こういうことの調査をむしろ青少年センターでやらなければならない。私はこういう意味で、十一の青少年スポーツセンターがオリンピックを契機としてできている、こういうことの取りまとめ役が本来の趣旨だったのじゃないか。ちょっと方向がずれた、私はそういうふうにこの場で気持ちを持っているのですが、体育局長、いかがですか、体育局の所管としてこの青少年センターをもし体育局か使っていいということになればやりたいことはいっぱいあったのじゃないですか。
  87. 柳川覺治

    ○柳川政府委員 大変御理解ある御指摘をいただきまして恐縮しておる次第でございますが、御指摘のとおり、オリンピック総合センターをいま体育関係に使っておる比率がたしか一六%くらいの割合でございます。大臣も御答弁されておりますとおり、スポーツには国民の健康増進、あるいは国民の身体的個々人の活動を活発にしていく、またスポーツによって発育期に鍛え上げる、また生涯、そのスポーツを身につけて、生活の伴侶としあるいは糧としてスポーツに親しんでいくというようないろいろな面がございます。  特に最近、御指摘のトレーニングセンターに関する各スポーツ団体の要望も大変高まってきております。これは大臣からの御指示がございまして、ことしに入りまして各スポーツ団体文部省の体育局とひざを詰めて、各スポーツ団体が何に取り組んでおるのか、何に苦労されておるのか、国に対して何をしろというのかということのお話し合いの機会を持たせていただいております。その中で共通に要望されますことは、常時のトレーニングセンターが欲しいということの御要望が大変強うございます。この面をどのようにしていくのか。御指摘のように、現在五カ所のトレーニングセンターを体協自体がおつくりになっております。これの利用度が大変高まってきておりますが、また反面、持ち出しの方の、経営上の問題でいろいろ困難を来しておるということも聞いております。その面は県なり市町村がこれを受けとめまして、その方で大変実績を上げている岡山等の例もあるわけでございまして、このトレーニングセンターを、今後、多様なスポーツの性格に応じてどのような性格の中心的なものにしていくのかということの検討も、いま体協の方でなされております。  それから、スポーツというのはある意味で人間の身体活動でございますし、それはまた人間の持つ全的な可能性の追求の問題でございます。そのスポーツ科学の確立の問題が今日日本において強く叫ばれております。その面からも、スポーツに関する研究機能を持ちました総合研究機関設置調査費というのをいま予算に計上させていただきましたので、この面で全国的な、あるいは国際社会において日本人が栄光を得るという場につながる問題でもございますので、この辺ともつながります国民スポーツ、あるいは選手強化策等の研究を専門的にする、そちらの方の機関設置をぜひ実現いたしたいというふうに考えております。  それから、御指摘の体育施設全般の問題につきましては、いま十八万八千全国にございますが、わが国はかねてから学校体育に大変な力を注ぎまして、六割、十二万四千ほどが学校体育でございます。公共の一般の体育施設整備というのが最近著しく高まってまいりまして、いま補助金の査定で悲鳴を上げているところでございますが、ここ六年くらいの間に倍増いたしまして、公共の体育施設が二万五千からになってきております。この辺を将来、ドイツのゴールデンプラン等々にも対応するということで四十七年に保健体育審から御答申をいただいておりますので、日常生活圏の身近な体育施設、あるいは広域にわたりました体育施設整備という面を強力に進めていく必要があるというふうに考えているところでございまして、先生方の御支援を受けて実現を図ってまいりたいと思います。
  88. 池田克也

    ○池田(克)委員 私は体育局に別にコミットしているわけではないのですけれども、問題の立て方が、先ほど御答弁があったように、スポーツ振興法の方が体育を広くとらえている、こういうことであれば、むしろ体育局側も物の言えるような状態にしなければならぬし、それにはこういう形の直轄というのはなじまない。  いまお話が出ましたけれども、この体育の総合研究所というのを調査費をつけてやっていらっしゃるというのですが、これは大臣、どこへおつくりになるおつもりですか。
  89. 砂田重民

    砂田国務大臣 場所はまだ決めておりません。
  90. 池田克也

    ○池田(克)委員 巷間によれば、幡ヶ谷の教育大跡地、こういうお話が出ておりますが、それは候補として上がっているのでしょうか。体育局長、いかがですか。
  91. 柳川覺治

    ○柳川政府委員 教育大学の体育学部の跡地でございます幡ヶ谷の土地の問題が御指摘されたわけでございますが、この土地は、わが国の初めての体育研究所として望月某なる方が土地をそのために寄付された由緒ある土地でございます。それが現にあの密集した住宅街の中に、体育施設として運動場も持ちまして残っておるわけでございますから、私ども体育局の希望といたしましては、この由緒ある地に、やはりその方の遺志も継ぎまして、ぜひ、青少年がたくましく育ち、あるいはスポーツの高さへの研究、そういうシンクタンクになるような、そういうものをあそこに設けてまいりたい。それで、文部省は学校の体育施設の開放等を各都道府県、市町村立学校に大いに行っていただくようにお願いしてきておるわけでございますし、ことしは国立大学の体育施設、付属の学校の体育施設整備、開放のために四億二千万円の新たな予算も組まれた次第でございまして、そういう要望にこたえて、この施設も渋谷区の区民の方にはどんどん開放していく、そして三十万渋谷区民と国民の共用できるものにしていく知恵がないかということを関係者と詰めてまいりたいというのが、率直ないま体育局長としての考え方でございます。
  92. 池田克也

    ○池田(克)委員 望月某の由緒あるというのですが、私は、東京オリンピックの由緒の方か重大だと思うのです。ですからこれは渋谷も教育大跡地問題はかなりてこずると思いますよ。私はやはりそのオリンピックセンターというものがそういう趣旨スポーツの総合研究の場になるべきだと思う。たしかこれは柳川局長がインタビューに答えられたものだと思いますが、基礎体力づくりとスポーツの普及振興、もう一つは国際競技力の向上、これがスポーツ行政の二本柱だというようなことがうたわれていますけれども、そういう意味からいけば、国際競技力の向上等にはもっともっとそうした施策をしていかなければならない。  もう一つ伺いますが、サイクルセンター、これは静岡ですか、等をこれからそうした国際競技力の向上等のために使うという意見がありますが、これは一体どんなものですか。
  93. 柳川覺治

    ○柳川政府委員 サイクルスポーツセンターは、自転車振興会の関係の方で御設置されておるサイクリングのスポーツセンターでございますし、その中には競輪の選手養成のための競輪学校の所管の施設がございます。その施設利用いたしまして、スキー、バレーボール、漕艇等の関係の強化合宿がここで行われております。これもサイクルスポーツセンターの御協力を得まして、体協加盟のスポーツ団体がこの施設で、宿泊施設がございますから、そこで合宿訓練を行っておるということでございます。
  94. 池田克也

    ○池田(克)委員 競輪のお金でつくられたものですか。
  95. 柳川覺治

    ○柳川政府委員 さようでございます。
  96. 池田克也

    ○池田(克)委員 ギャンブルについてはいろいろ御意見があろうと思いますが、代々木のオリンピックセンターからスポーツというものが、片っ方は幡ケ谷構想、片っ方は静岡県のサイクルセンター構想、次第次第に出ていく。そして残されたものは社会教育、その中に確かに体育があるとうたわれていますが、私は、本来のオリンピック記念という趣旨からいけばずっと後退したものではないかと思うのです。大臣、いかがでしょうか、このオリンピック記念青少年総合センターにおけるスポーツ利用はいま一六%です。私はこれは少ないと思うんですね。いろいろ工夫をされ、そしてもっともっとこれをふやす、そういうふうな施策をおとりになるお考えはありませんか。
  97. 砂田重民

    砂田国務大臣 現在のスポーツ関係の方々の利用が十数%だと体育局長もお答えをいたしましたが、いまのオリンピック記念青少年総合センターの、池田委員御指摘になりましたようないろいろな制約もあるかと思いますが、やはり主として施設が一五%程度の利用にしかたえられない施設であるということが一番大きな原因だろうと思うのです。あの施設だけではいかにも足らない。これの充実をしてまいらなければならぬことは当然でございます。しかし、たとえ国立になりましても、このセンターの中の体育施設が、国立になってその中で充実をしてまいりましても、日本のスポーツ全体のエネルギー、スケールというものを考えますと、また目指さなければなりません国際選手の強化ということを考えますと、そのスケールにこのセンターだけで対応できるものではありません。やはりもっと大きな観点から考えなければいかぬのではないかと思うのです。やはり、スポーツ振興のためにこれからやらなければならない重要課題は何と何があるのか、そういうものを全部数え上げて対応していかなければなりませんけれども、こう私が申し上げます意味は、オリンピック記念青少年総合センターの体育施設を充実してもそれは小さなものだと言っているわけではないので、それはそれで役立っていただく施設というものを充実していきませんと、名前からしてオリンピック記念でございますからその趣旨は未来永劫忘れませんということを明確にいたしているわけでございますから、このオリンピック記念青少年総合センターの中での体育施設を充実して、いま申し上げました日本のスポーツ全体の振興に役立つように、そして国際級の選手の強化合宿等にも十分これが利用していただけるように、そのような心構えで対処をしていきたいと考えております。
  98. 池田克也

    ○池田(克)委員 最後になりますけれども、この「調査研究」という項目の中に、団体現状指導者事業等調査研究というのが挙げられております。つまり、ここを利用する団体が後に調査対象になる、あるいは利用する前に、先ほど湯山委員からのお話がありましたようにその内容によるとなると、この使用を申し込んだときに窓口で一体どういうことになるか、私、かなりもめるのじゃないかと思うんですね。したがって、この調査研究ということ、この団体を調べるというのはかなり問題があるのじゃないかと思うのです。一たん使った、途端に資料を出させられて、どういうものであるかということを調査するというふうなことであればまずい。この団体調査されるということの趣旨はどういう内容であるか、お伺いしたいと思います。
  99. 望月哲太郎

    望月政府委員 お答え申し上げます。  社会教育というのは、それぞれいろいろなグループが自発的、自主的に展開する活動でございます。したがいまして、非常に数多くの団体がございます。お互いに、どういう団体があって、どこでどういうふうな活動をしているのだろうか、やはり青少年団体関係者としては、自分らの仲間を少しでもふやしていく、あるいは活動内容等についても、できるだけ自分らの活動にもそういう他の団体活動を参考にしていきたい、あるいは同じことをやっているグループがあそこにもあったのか、ここにもあったのか、そういうふうなことを知り合うこと等も、この青少年団体活動を続けていく意味におきまして大変役立つ仕事でございます。私どもがここで調査と申し上げておりますのは、そういう趣旨の、いわば青少年団体活動をより進めるためのサービスという観点に立っての調査でございますので、その点は先生御指摘のようなことのないように十分注意をしてやってまいりたい。またそのことは、青少年団体関係者からもそういうサービスをやるところが欲しいという御要望はかねがねあるわけでございまして、そういう考え方でやっていくつもりでございます。
  100. 池田克也

    ○池田(克)委員 終わります。
  101. 菅波茂

    菅波委員長 午後一時三十分に再開することとし、この際、休憩いたします。     午後零時二十六分休憩      ————◇—————     午後一時三十分開議
  102. 菅波茂

    菅波委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  オリンピック記念青少年総合センター解散に関する法律案を議題とし、質疑を続行いたします。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。中野寛成君。
  103. 中野寛成

    ○中野(寛)委員 四点についてお尋ねをしたいと思います。  まず第一点は、先ほどの御質問の中で憲法八十九条との関係が問われました。その際に大臣の御答弁をお聞きいたしておりまして、この施設国立であっても特殊法人であっても、憲法の中のいわゆる公の財産という言葉の適用の範囲の中であることに変わりはないのだという御答弁があったと思うわけであります。言うならば、現在までかなり開かれた形で利用されてきた。今日、その開かれた形、多様な利用方法、そういうものが国立になった場合にも何らの制約、何らのと言ってはおかしいですが、いままでと大差のない状態の中で利用できるかどうか、これは非常に大きな一つの関心になっているわけであります。といたしますと、その考え方からいけば、特殊法人であっても国立であっても公の財産であることに変わりがなく、かつそのことはすなわち、公の支配に属するか属しないかの解釈の適用の中に入るか入らないかということもまた同じであろうというふうに思うわけであります。言うならば、国立になったからということで何らかの制約を受ける部分があるとすれば、すでに今日制約を受けていなければならなかったはずだというふうに思うわけであります。  そういう意味から、私は、この解釈というもの、確かに国立特殊法人との違い、それは財政上、会計上、その他の違いというものは当然出てくるだろうと思いますけれども利用方法や運用方法について、先ほど来の法解釈等からいけば違いがあってはならないし、またあるべきものでもないのではなかろうかというふうに私は考えるわけでございまして、先ほど来の御答弁を確認する形の質問になりますけれども、そのことにつきましての御解釈をお願い申し上げたいと思います。
  104. 砂田重民

    砂田国務大臣 公の財産という意味では、現在の特殊法人としてのセンター国立になってからのセンター、新しく変わりが出るものではございません。いずれも公の財産、そう考えなければならないことでございます。したがって、特殊法人センター国立センターになったからといって、事新たに憲法八十九条の上での新しい制約を受けるかと言えば、新しい制約を改めて受けることはございませんということを先ほどから御答弁をいたしました、そのとおりでございます。中野委員の御指摘のとおりと御理解いただいていいと私は考えるわけでございます。そしてそれは今日やはりだれにでも機会を与える、開かれた活動が行われております。これが八十九条で許された行為だと私どもは理解をしておりますし、青少年のための社会教育というものはそうあるべき本来のものでございますから、国立になったからといって開かれた状態が決して変わるものではない、変わらせてはならない。したがって、御指摘のように、財政上とか会計上とか、そのような措置は変わってまいりますけれども、事運営につきましては何ら変わりのあるものではないと御理解をいただきたいと思います。
  105. 中野寛成

    ○中野(寛)委員 そのように承知をしていきたいと思います。  次に、第二点でありますが、このようにして国立に移管されたとする場合に、私はそこに大きな意味というものがやはりなければならないと思います。特に現在、私はたびたび御指摘を申し上げてきたところでありますが、今日までの日本の社会教育実態を見るときに、必ずしもそれが活発だ、充実しているとは言えない。そのためには財政措置、それからそれに携わる人材、そのようなものの不足というものが大いに指摘されなければいけないだろう、それが実態だろうというふうに思うわけであります。  そういう意味で、それぞれの自主的な団体自主研修をやり、そしてそれぞれにすばらしい人材を養成する、また指導者を養成するということは当然これからも行われるでしょうけれども、しかし、そのことに単に腕をこまねいて頼っておる、またはそれを待っておるということでは、私はやはり文部省のとるべき態度ではないと思うのであります。むしろ、文部省御自身が主催をする事業の中にそれらのことがもっともっと盛り込まれなければいけない。それは、単に文部省が国家体制の維持だとか、また文部省の御用機関としてそういう人材を育てるという意味の、いわゆるコントロールという意味事業ではなく、むしろそのことが日本の社会教育をより一層充実し、発展したものになっていく、そのことのためのサポートする方の活動なんだという意識というものが必要だと私は思うのであります。国のやることはすべて悪だ——すべてとは言いませんか、それは悪だ、もしくは悪につながる、またはそれが独裁体制につながるというふうに見てしまうこと、私はそういうふうに固定観念で見てしまうことは決していいことではないと思いますし、むしろ、国家が国民の信頼の上に立って、社会教育を含めて、より一層サポートする意味から積極的な施策というものを講じていくということは当然の義務だと思うわけであります。  そういう意味から、積極的な教育活動実施、そしてまた指導者の養成というものがこういう機会に取り組まれなければいけない。人材が足りない、人材を養成する。財政が足りない、大いに施設をつくり、財政の補てんをしていく。その姿勢こそが今日日本の教育の中で最も欠けていることではないのか。ですから、今日までの動きを見ておって、社会教育に関する限りは私は非常に及び腰だという感じを受けてならないわけであります。単なる文部省の中だけの発想でやるということではなくて、幅広い国民的なコンセンサスを得る中で、幅広いいろいろな人たちの参加を得る中でそれをつくり上げ、そして国民の皆さんが納得、するものであるならば、どしどし勇気をもって、そしてまた決断をもってそれを実行していくという姿勢はやはり社会教育といえども必要だと思うわけであります。そういう観点からこの施設センターが大いに活用されなければいけないというふうに考えるわけでありますが、そのことにつきましてのお考え構想等ございましたらお示しいただきたいと思うわけであります。
  106. 砂田重民

    砂田国務大臣 基本的なことをお答えいたしまして、あと足らざるところがございましたら局長からお答えをいたしますけれども、私は全く同感でございます。社会教育、特に青少年たちからこういった社会教育に対する行政に要望なさるニードは非常に高まってきておりますけれども施設も、また人材、指導者も、そういう言葉で言って当たるかどうかわかりませんけれども教材も、いずれもがまだ依然として大変不足をしている今日でございますから、やはり自主的な研修をあのセンターでより活発にしていただくためのお手伝いをすることも当然でございますが、同時に、指導者養成等については国立センターでいろいろな企画を立ててお役に立っていくことが必要であろうと思います。ただ、基本的には、やはり統制的支配を及ぼしたり国が干渉をするということは許されることではございませんから、そこのけじめがむずかしかろうと思います。そして、文部省の役人の頭で独善的なものを押しつけることは絶対避けなければなりません。そういう意味合いからも、各方面のいろいろな方々にお入りいただく運営委員会を持ちたいと考えておるわけでございまして、各方面からお入りいただいた運営委員会の御判断、そこで、これは干渉か、そうではない、青少年活動のための大事な材料提供かという御判断が正しくいただけると思うものでございますから、運営委員会に御相談をしながら、いま御指摘になりましたようないろいろな仕事を提供をしていく、このこともひとつ積極的に取り組んでまいりたいと考えるものでございます。
  107. 望月哲太郎

    望月政府委員 ただいま大臣からもお答え申し上げましたように、基本的な問題につきましては運営委員会等で十分御協議をいただいた上で、いろいろな主催事業等のあり方も決めさしていただきたいと思いますが、量的に一挙にそれをふくらますということはなかなか容易なことではないと思います。したかいまして、できるだけ質のいいものをます実施することによりまして、いろいろな各方面の自主的な活動その他にもいい影響を及ぼし、かつ参考にしていただけるような、そういうことも念頭に置きながらいろいろと主催事業についても考えさしていただきたいと思います。
  108. 中野寛成

    ○中野(寛)委員 私は、この問題だけではありませんが、いまのお尋ね、そしてまた大臣のお答えの中で、私はある程度意思の統一はできたかと思うのですが、国家干渉であるか否かの問題、これは教育を語るときにどうしても欠かすことのできない課題であります。そして、いま日本の教育の混乱、そしてまたいろいろな問題点を指摘される、そのときによく使われる言葉がやはり、教育がイデオロギーや、そして党利党略や、そういうものに悪用されていないかということが識者の間から指摘されるわけであります。むしろ、文部省が文教行政を進めていくときに、これは文字どおり国民の総意に基づいてやっていくことなんだという前提というものが持てれば、それはもっとどしどし進んでやれることができることになるわけであります。その区別をきちんと、国家干渉であるか否か、それは正しい国民的総意に基づく行政であるのか否か、そのことを区別する機関または方法というものが私は何といってもいまの日本の場合には求められているのではないかという気がしてならないわけであります。  今日、日教組の大会も開かれておりますけれども、その日教組の大会が開かれるときにも、その日教組に対する感覚というものが、一部の人たちによってはこれこそ日本の国を滅ぼすものだというふうに見て、その大会を開かせないような妨害工作をやるという勢力があったりする。私は、そのようなところに日本の教育の非常に不幸な原因があると思えてならないわけであります。  そういう意味で、何が日本の教育にとっていま欠けているのかと言えば、そのコンセンサスづくりが欠けていると言わざるを得ないだろう。教育、文教の現場で働いている皆さんと大臣とのコミュニケーションをより強めていくということも必要でしょう。そしてまた、各界各層の皆さんから幅広く参加をしていただいてそのような機関をつくり、そしてその中から日本の教育あり方について、まず基本についてしっかりと足固めをしていくということも必要でありましょう。私はここで大学の問題、たとえばこの前の教員大学の問題を論議するときにも、そしてこの社会教育の問題を論議するときにも、ここの文教委員会の論議の中でもそのことに対するひっかかりが底流に流れている。底流というよりも基本になっているという気がしてならないわけであります。それがまさに日本の教育の不幸であります。私は、それらについて大臣として、より一層前向きにお取り組みいただきたいわけでございます。基本的なことでございますから大臣からお答えいただければありがたいと思います。
  109. 砂田重民

    砂田国務大臣 大変基本的な、重要なことでございます。御指摘のとおりに、教育の問題を語りますときに、いま中野委員がお使いになりました言葉、国民的コンセンサスを求めていかなければならない、これが一番大切なことであると思うのです。  もう率直に申し上げますけれども、たとえば文部省と日教組との間に不信感がある、不信感がお互いにあるところには子供たちの中に何の実りもないという気持ちが私は非常に強くいたします。そして、その不信感を払拭しようという話をいたしましても、その不信感のもとになった責任追及がお互いに行われているだけで済んでしまっているのが今日までの状態だと思うのです。私もいろいろなことを考えましたけれども、これはやはり、お互いに背負っております責任感をこう果たすという、みずからの責務を果たすことをまず明確にしていく、このことがその不信感を払拭する一番もとでもあるし、いわゆる国民的コンセンサスを得られるためにはそこからスタートしなければならないんじゃないか、私は最近つくづくそのように考えるものでございます。不信感をお互いに一遍捨てよう、協力できるところは協力しようという話をしても、その不信感が何から生まれたかというお互いの責任追及でまた終わってしまったのでは、これはもう青少年や児童、生徒に何の実りもありません。まことに不幸な状態でございますので、いまお答えいたしましたような姿勢で私はこれからも取り組まさせていただきたい。文部省としては文部省の果たすべき責務をまず明確にする、そのことが不信感を払拭するための大事なことである、それが一番スタートだ、このように考えてやってまいりたいと考えます。
  110. 中野寛成

    ○中野(寛)委員 そのことを何よりもまずいまの教育の最大の課題として、かつ緊急な課題として精力的にお取り組みをぜひいただきたいと私は思うのであります。  それから、現在たとえば学校の教職員の皆さんとPTAの不信感について、昨日も実はある人からこういう話を聞きました。特に農村地区に行くと、そういう地域で残念ながらまだ平均的な所得というものが低い地域がある。そういうところで学校の先生方がたまたま一番給料が高いなんというようなところもある。教職員の給与を引き下げろなんということを言うつもりはありません。むしろその待遇を改善することこそ大切だとは思います。ところが、そういうことでさえ実はその地域と学校の先生方との間の不信感になったりしている。  たとえば校長先生一般先生方、管理者とそうでない方々との不信感。そしてまたこういうケースも聞いたことがあります。その校長先生と現場の先生方との対立関係の中で、校長先生を取り囲んで、そして生徒が見ている前でその校長先生との団体交渉的なものが行われる。一見しますとまさに校長先生が突き上げられている。交渉が激化しますと、幾ら学校の先生といえども言葉が激しくなる。そうすると結局、文字どおり校長先生は突き上げられている。多勢に無勢、校長先生はしゅんとしている。それを生徒が見ておって、先生方や、まして校長先生に対する信頼感がその中から生まれるはずがない。私はそういうことをたびたび耳にする。私は大変不幸なことだと思う。ですから、そのような一つ一つの事例を見るにつけても、子供たちの目の前で、ましてや、やってはならないことが行われたりする。子供たちの目に見えないところだからといっていいものではないけれども、そういうものが行われている。これはどちらが原因だと一概に言えません。しかし、そのようなものをなくすことが、学校教育だけではない、このような社会教育についても大変必要だと私は思う。  今回の問題も、仄聞いたしますと、このオリンピック青少年総合センターにお勤めの皆さんと理事者との話し合いは、冒頭、退職金の話から始まったというようなことであります。結局、われわれは首になるのではないかという不信感がそういうようなことから生まれてくるのは当然だと思います。そのような一つ一つの言動というものに特に注意されなければいけないと私は思うわけでありまして、そのようなことがなかったとすれば、もっと信頼感の中にこのセンターをどうお互いに協力して充実していこうかというところから話が始まっておったとすれば、この話はもっとスムーズに解決をされるというふうに私は思うわけであります。話が長くなりましたが、ぜひそのことに特に御注意をいただきながら対処していただきたいと思うわけであります。  さて三番目に、新しい機構定員の問題であります。  定員については、文部省定員の枠の中で消化するということでございますけれども、それが言うなら行政改革の目玉みたいに言われているわけであります。しかし、あくまでもそれは現在の職員の皆さん方の御協力を得るということの中で消化をされなければいけないと私は思う。あのセンターについて最も詳しく、そして熱意を持っておられるそれはやはり現在の職員の皆さんだろうと思うのです。ですから、その現在の職員の皆様方に今後ともその内容の充実発展のためにできるだけ御協力、また御努力をいただかなければいけない、こう思うわけであります。また、センターで経験をされたいろいろな社会教育に対する熱意だとか技術だとか、そのようなものを広くそのほかの社会教育にも御活用いただかなければいけないだろうと思います。  先日の大臣の御答弁の中で、現在の職員の皆様方にできるだけそのことができる努力をする、少なくとも失業状態なんということには一人たりともしないんだという御答弁がございまして、私はそのことを大臣がお答えになったのでということで御質問いたしませんでした。しかし、あえて、今日の状態の中で職員の皆様方の先ほど来言っております不信感というのは現実に表に出ている、そのことに対して、大臣から確認の意味で改めて御答弁をお願いしたいと思います。
  111. 砂田重民

    砂田国務大臣 御確認いただきますので、あるいは前にお答えしたことと同じことが出てくるかもしれませんが、昭和五十四年度予算の御審議を通じて新機関事業機構定員については決定されることになるわけでございます。しかし、私としては、新機関が現在のセンター施設業務を受け継ぐものでございますから、現センター機構定員を基礎として新センターが出発する、こういう考えでいるわけでございます。そして、いま中野委員が御指摘になりました、いまのセンターで長年お働きをいただいております皆さんは、やはり青年のいわゆる社会教育の場に直接接しておられる大事な経験者でございます。新センターになってもその経験を生かしていただくことが一番効果のあることでございますから、私どもといたしましては、そういう形での職員の引き継ぎを考えているわけでございます。いまのセンターに働いておられる方々の中から失業をなさる方などが一名も出ない、これはもう明確にお約束のできることでございます。
  112. 中野寛成

    ○中野(寛)委員 続きまして、このいただきました「構想」の中で、「施設」につきましての最後の部分に「整備方針を策定するに当たっては転用施設老朽化の進度や工事による施設機能への影響等に十分配慮しつつ、」云々という言葉がございます。国立化することの意味の中に、特殊法人ではいわゆる国立に比べれば間接的な援助、補助ということになる、そういう中では施設整備というものか十分行われない危惧がある、むしろ国立にすることによってそれをもっと思い切ってやっていくということもまた、その国立化の一つ意味の中に入っているというふうに私は受けとめてきたわけであります。ここにそのことを、まだ抽象論ではありますけれども触れておられるのだと思うのですが、いわゆる受け入れ利用ということから新たに主催事業が行われる、そのことのためにもやはり多くの内容の改造というものが必要だろうと思います。そういう意味で、これから予算要求されることになるわけでございましょうけれども文部省としては、総合的な改築の問題、場合によれば新築の問題かありましょう。青少年教育社会教育のメッカとしての役割りが果たせるように大いなる希望を持っておられるのだと思うのでありますけれども、そのことについての構想、または、それが具体的でなければ御熱意についてお聞かせいただきたいと思います。
  113. 砂田重民

    砂田国務大臣 御指摘のように、施設の拡充強化をぜひともやらなければいけない。拡充強化どころか、いまのまま置いておくわけにはいかない老朽施設がたくさんあるわけでございますから、そのことがやはり国立化をいたします一つの重要な要素であることは御指摘のとおりでございます。私どもといたしましては、国立にすることによって思い切って直接いわば財政当局を口説くこともできる、このように考えているわけでございまして、そういう考え方は、行政改革との絡みも前回の委員会で御審議をいただいたわけでありますけれども、行政改革というものは即行政整理だとは私たち考えておりません。やはり、行政に対する国民のニードに関して、どれだけ合理的に、どれだけ幅広く提供していける組織、機構を持つか、施設を持つかということが本当の行政改革の意味であると心得ますので、そういう観点に立ちましてこのセンターのより一層の内容の充実をすべく、いま御指摘のありましたように、ある施設を新設しなければならないものも出てくるかと思います。壊す部分も出てくるかと思います。それはいずれもまさに発展的なことであります。こう申し上げると、あるいは間違ってとられるといけないと思いますが、国立婦人教育会館というものがりっぱにでき上がっております。しかし、青少年のためのセンターは、各地に国立の青年の家、少年自然の家等がございますけれども、そのセンター的なものはまだできていない。私といたしましては、国立婦人教育会館かりっぱにできたと同じように、国立青少年のための社会教育センターもこれに負けないものをひとつつくりたい、こういう熱意を持っておりますことをお答えにしたいと思います。
  114. 中野寛成

    ○中野(寛)委員 これで質問を終わりますが、最後の御答弁、大臣、誤解があってはということであれでしたが、私としては、施設内容についてあのようにりっぱなものをつくりたい、ただ運用については、そういう今日までのほかの青少年施設のものと同じものではなくて、新しい、一番最初に確認をさせていただきましたように、文字どおり開かれた施設としての運用をしていくんだ、そういう意味での誤解なきようというお言葉であったのであろうというふうに受けとめておきたいと思います。  ありがとうございました。終わります。
  115. 菅波茂

  116. 山原健二郎

    ○山原委員 本日、各委員から提出を求めました新しいオリンピック青少年センター国立化の構想が文部大臣の方から出されまして、その説明を受けたわけです。これについて幾つかの点について質問をするわけですが、最初に個々について質問をしまして、最後に全体の問題として私の見解も述べながら御答弁をいただきたいと思います。  一つは、機構定員の問題については現センターを基礎にする、こういうことですね。ここのところで私もわからないのですが、では、現在の特殊法人オリンピック青少年センターに勤めておられる方々が何名この国立化によって国家公務員として吸収をされ、何名がここから出ていかなければならない、あるいは他職につかなければならないなどということについては検討をされておるのでしょうか。包括的に機構定員については現センターを基礎とするということは何を指しておるのか、伺いたいのです。
  117. 望月哲太郎

    望月政府委員 お答え申し上げます。  先般、また先ほど大臣からお答え申し上げましたように、新機関事業機構定員については、昭和五十四年度予算の審議を通じて決定されるわけでございますけれども、新機関が現在のセンター施設業務を受け継ぐものであることから、現センター機構定員を基礎として出発することといたしたいということでございます。私どもといたしましては、できる限り大ぜいの方が新しいセンターにおいでいただくように努力をいたしたい、このように考えておる次第であります。
  118. 山原健二郎

    ○山原委員 現センターを基礎とするということは、現在のセンター定員よりもふえるということなのですか、減るということなのですか、大体この人数だということなのですか、これが第一点です。  それから、その際にできるだけというお話がありましたが、その前に条件として、八月の概算要求の時点、また予算折衝の中でそれか上下をしたり異動したりするということなのですが、ここのところが確定しないのです。私がなぜやかましく言うかといいますと、本来、文部省がこれを国立化していく、そして青少年センターとして社会教育青少年部門の中核的なものにしていくという、そういう考え方があるならば、そこのところをまず文部省としては明確にして、そしてこれを廃止するのだという出し方が正しいのではないですか。そこの一番肝心なところが不明のまま、またここに勤めておられる方々の不安を残しながら私たち審議をしているわけですけれども、そこの辺がどうなのか。いまのところわからぬと言えばそれまでかもしれませんが、その構想がどうなっておるのか、これも重ねてお伺いしたいのです。
  119. 望月哲太郎

    望月政府委員 先ほども申し上げましたように、現センター機構定員を基礎として出発するということを前提に来年度の概算要求等に臨んでまいりたい、このように考えております。
  120. 山原健二郎

    ○山原委員 そうしますと私どもは、この法律が仮に成立をしました場合に、そこのところを国会議員として、いま勤めておられる方の不安を解消し得ないままこの法が成立をするという、こういう状態になるわけでございますが、この点については社会教育局長、どうお考えですか。
  121. 望月哲太郎

    望月政府委員 先ほど来申し上げておりますように、最終的に新機関事業機構定員については五十四年度予算の御審議を通じて決定されるわけでございますけれども、私どもといたしましては現センター機構定員を基礎として出発したい、こういう方針でこの問題に取り組むという方針でございます。
  122. 山原健二郎

    ○山原委員 基礎としてという言葉が、本当にこれはあいまいな言葉なんですね。一方では皆さんの方はずいぶんたくさんの仕事をいまの現センターに、たくさんの仕事と言えるかどうかわかりませんが、これに書いてあるのを見ますとこれにプラスアルファする、仕事がふえるというような書き方でしょう。そうしますと、基礎としてというのはこれは人数を減す場合だってふやす場合だってあるわけですよ。そこは要するに文部省としてはいまのところ皆目わかりません、わかりませんが審議を進めてください、こういうことなんですか。そういうふうに理解してよろしいですか。
  123. 望月哲太郎

    望月政府委員 先ほど来申し上げておりますように、基礎として出発したいという考えであるということを再三申し上げておるわけでございまして、その点はひとつそのことで御理解をいただきたいと思います。
  124. 山原健二郎

    ○山原委員 そうしますと、これ以上聞いてもいかぬわけですが、基礎としてという言葉はあるのですけれども、それではどれだけの構想だ、これだけの人員が要るのだ、その中には現在勤めておられる方は全部吸収するのだということもない。要するに基礎としてという言葉しかない。文部省としてはその辺は文部省自身もまだよくわかりませんというふうに理解してよろしいですか。
  125. 望月哲太郎

    望月政府委員 新機関事業機構定員については昭和五十四年度予算の御審議を通じて決定されるということでございます。
  126. 山原健二郎

    ○山原委員 そんな不誠実なことはないのじゃないですか。少なくとも国会で審議しております場合に人事の問題というのはこれは非常に大切な問題です。場合によっては首切りが出てくるかもしれません。この前参考人に出られました政労協の議長さんのお話によりましても、過去の特殊法人を廃止した場合の人員の問題は、国会の附帯決議にもかかわらずそうはならなかった。六月末までにこれは解決しますと政府も答弁をし、附帯決議もつけたのだけれども実態はそうならなかったのです、と。この人事上の不安というものさえ解明をしないであなた方は私たち審議を要請しておるわけですが、それはもう要するにそれ以上言えないということですね。
  127. 望月哲太郎

    望月政府委員 大臣からも再々お答え申し上げておりますように、この問題に関連いたしましてオリンピックセンター職員の中で職を失うというような方は一人も出さないという方針で取り組んでまいるつもりでございます。
  128. 山原健二郎

    ○山原委員 文部大臣砂田先生もやはりおかわりになる時期も来るわけでございますし、そういう点で、これ以上この問題を詰めても明確なお答えはいただけないようですので、これでおきます。  次に、具体的には従前の実績を尊重すると書かれておりますが、従前の実績とはどのように把握されておりますか。きょういただいた資料の中に、具体的には従前の実績を尊重すると書かれておりますが、これはどういうふうな評価をなさっているのですか。
  129. 望月哲太郎

    望月政府委員 御承知のようこ、ただいま特殊法人であるオリンピック記念青少年総合センタ−におきましても、あの施設利用いたしまして宿泊研修あるいは日帰り研修、いろいろな各種青少年団体等研修なり活動なりが行われておりますことは先生御承知のとおりでございます。私どもといたしましては、これか国立社会教育施設になりました場合も、再三申し上げておりますように、従来のそういう機能は新しい機関に引き継ぎ、かつ各種青少年教育施設あるいは青少年団体との連絡協力、あるいは青少年教育に関する調査研究等事業も付加してまいりたい、このように思っておるわけでございますが、そういうこれまでのいろいろな活動というものを十分尊重しながら、さらに、新しい機関に設けられます。先ほど大臣からもお答え申し上げました各界代表の参加を得ました運営委員会においていろいろと御検討をいただきながら、適切な新しいセンター運営を図っていく、こういう趣旨でございます。
  130. 山原健二郎

    ○山原委員 特殊法人ではだめだ、だから国立化するのでございますと、こう言うならば、特殊法人の実績は尊重する、その実績とは何ぞや。いまお答えになったような漠然としたことではなくて、こういう実績がある、しかしこういう欠陥がある、こんなところがきちんと出されないので国立化ということの必然性か非常にぼけてくるわけです。いわばわからぬです。  ここで次へ進めますけれども、いまおっしゃいました運営委員会、これはいまのお話を聞きますと非常に重要な委員会になってくるわけですね。この運営委員会というのは、これは運営委員会をつくるということだけですよ。一番肝心の、この国立化された青少年センターの中心部分とも言える運営委員会構想が何で出てないのですか。一行、運営委員会をつくるとだけ書いて、何にもないじゃないですか。たとえば国立大学をつくる場合には、その基礎になる教授会がある、あるいは筑波大学のときには評議会であるとか人事委員会であるとかいう基本的な構想については出たんですよ。ところが今度は、国立化される場合に運営委員会というような重要なものか出てくるのですが、それがこれを見ましても、どんな構想になるのか、どういう人か入るのか、どんなことをお考えになっているか、全く基礎の部分さえ明らかにならないというのがいまの御答弁ではないですか。どういうふうにお考えになっているのですか。一番大事な運営部分特殊法人とは違ったもの、その基礎になる運営委員会は何なのか。これは明確にしていただきたい。
  131. 望月哲太郎

    望月政府委員 お手元に差し上げてございます資料にございますように、基本的には各界代表の参加を得て運営委員会設置考えておるわけでございますが、私どもとしては、まず青少年団体の代表あるいは青少年教育指導者、これらは当然入るわけでございまして、他に幅広く各界から学識経験者等をお願いをいたしまして運営委員会を構成いたしたいと思っております。
  132. 山原健二郎

    ○山原委員 筑波大学の法案の審議のときに参与の問題が出ました。これが大問題になったのです。筑波大学の性格の中でこれも非常に大きな問題になりまして、どういう人がそれを構成するんだということで、いま土光敏夫などという財界の代表も入ってくるわけですね。だから、あなたのおっしゃる青少年団体とか、あるいはいろいろおっしゃいましたけれども、いろいろ心配すれば、いままで政府のやってきました委員会の多くの中には財界の代表がいる。私はかつて予算委員会で政府かつくっております各種審議会の中身を全部出したことがあります。その中には政府機関の者かほとんど半分ぐらい入っておるとかいうものもある。要するに、多くの国民あるいは青少年教育あるいは社会教育関係しておる人も入るけれども、それにもっと有力な人たち学識経験者とかいうような名前で入ってきて、そして国立化されたセンター運営をいわば財界本位に進めていく可能性だってないとは言えないのです。そんなことはいたしませんなんとおっしゃるかもしれませんか、この肝心の部分についてそれだけの討議は私たちはさせてもらわなければ困ると思うのです。ともかく漠然と青少年団体あるいは学識経験者、こんなものでつくるのです。と。何でこの肝心の部分についてだけでも出さないのか。これは金の要るものでもないわけですよ。だから八月の概算要求まででなくとも、いま国立化するという構想を出されておるならば、少なくともこの基礎部分になるところの運営委員会についてはかくかくかくかくのものをつくるのですということぐらいは出すべきではないですかね。文部大臣、その点、いかがですか。
  133. 砂田重民

    砂田国務大臣 運営委員会を構成をしていただくその委員の皆様を、どの団体、どの団体からこういうふうにお願いをするという団体名等を明確にするのはまだできないことでございます。ただ、社会教育というものは本来的に、国が統制をしたり干渉をするべきではない、この本質は明確なことでございますから、いま幾つか御指摘になりましたような、何か国家意識を持った干渉がましいような人をもって構成をするというようなことでは絶対にないということだけはお答えができることでございます。
  134. 山原健二郎

    ○山原委員 そういうことも、私どもがいろいろ頭を使ってお聞きしないと、いまのような御答弁を初めて伺うようなことになるわけですね。だから今度のこの法律の出し方といいますか、構想というのは、その辺、非常に大事なものが欠けておるという意味で私は一例として申し上げたわけです。  それでは社会教育局長社会教育団体とはいかなるものを指しておるのですか。
  135. 望月哲太郎

    望月政府委員 お答え申し上げます。  社会教育というのは、先ほど来いろいろお話も出ておりますけれども、やはり多くの方々の自発的、自主的な活動を中心に展開するものでございます。したがいまして、内容的にも非常にいろいろなものがございまして、ごく簡単にこれというふうな形でなく展開されておるのが実態でございまして、社会教育団体の中にもまたいろいろな形でその社会教育に関与しているものがございます。一つは構成員同士でいろいろと学習をしていく団体、それからいま一つは、むしろそこではいろいろな企画をしながら広く一般社会教育をするような事業を、あるいは企画をしながら一般に働きかけていく意味において社会教育を進めていく団体、それから、いま申し上げましたような二つの作用を持っている団体等いろいろございます。私ども青少年教育団体といたしましては、一つはそれぞれの地域にございます地域青年団、これは都道府県レベルでも連合組織がございますし、さらに全国的な連合組織もございます。あるいはボーイスカウトあるいはガールスカウトあるいは地域子供会、これもそれぞれ地域等に基盤を置いた子供のためのいろいろな教育活動を展開しておる団体でございます。いろいろ社会教育には団体がございますけれども、きわめて一般的にいろいろなところで皆様方にお目に触れているという感じでは、いまのようなものが青少年教育のための団体一つの例として申し上げられるかと思います。
  136. 山原健二郎

    ○山原委員 団体として認定をするのはどなたですか。
  137. 望月哲太郎

    望月政府委員 社会教育関係団体と申しますと社会教育を主たる目的とするものでございますけれども、他に社会教育事業をいろいろやっている団体もございます。したがいまして、この認定というのは、ある基準でびしゃっと何かをするというのはむしろ社会教育にはなじみません。できるだけ多くの団体社会教育に参加していただく、そういう気持ちで今日まではいろいろと対応しておるわけでございます。
  138. 山原健二郎

    ○山原委員 「月刊社会教育」一九七一年一二月号所収を見ますと、「社会教育法改正関係資料」というのを文部当局から検討用非公開資料として関係方面に配布をしたということが出ています。それを見ますと、「現行の社会教育法は、戦後の新しい社会教育行政の方向づけに大きな役割を果たして来たが、制定後すでに二十年を経過した今日、実態的にいろいろな問題が指摘されている。」こう書きまして、「必要に応じ社会教育法改正検討をすべきことを提案している。」と、社会教育審議会の中間発表を認めておりまして、そして「次のような問題点を中心に、社会教育法改正が必要であるかどうかを検討すべきである。」この中に「社会教育団体の登録制について」というのが出てくるわけです。その中には、「各種の情報の提供、補助金の支出、社会教育事業の委嘱をより効果的に行ない得るようにするとともに、税制上の優遇措置の拡充をすすめるべき団体の範囲を明らかにするため、社会教育団体の登録制度を設けることはどうか。」これが文部当局が非公開で社会教育関係者やあるいは社会教育主事等に流された文書だと言われておりますが、そういう事実がありますか。
  139. 望月哲太郎

    望月政府委員 当時、私直接その衝におりませんでしたので、もしも若干の私どもの理解違いがあったらお許しいただきたいとは思いますけれども、私どもが承知している範囲では、それは文部省の正式なものではないというふうに聞いております。
  140. 山原健二郎

    ○山原委員 正式なものでなければ、なぜこの「月刊社会教育」を否定しないのですか。文部省の当局が非公開で出したものとして各社会教育団体やあるいは社会教育主事の方に渡されて、まさに今日の憲法、そして教育基本法に基づいてつくられたところの社会教育法を変えるための検討資料、そしてその中には、社会教育団体については登録制にするということがいいかどうかという、十五点にわたる検討課題を提供しているのです。これはもうなかったものと考えてよろしいのですか。そういうことは文部省はやっておりませんとはっきりここで言えるのですか。
  141. 望月哲太郎

    望月政府委員 ただいまのところそういうことは考えておりません。
  142. 山原健二郎

    ○山原委員 こういうことについては明確な態度をとっていただかないと、社会教育の基本的な方針ともいうべきものを変えるなどということになってきますとこれは大問題ですからね。そういうことは考えていないということが一つです。  次に、指導者研修という言葉がきょうの文書の中に出てまいりますが、指導者研修というのは何ですか。
  143. 望月哲太郎

    望月政府委員 指導者と申しますのは、各種の青少年団体でいろいろ指導に当たっていらっしゃる方、あるいは青少年教育施設でいろいろな指導に当たっている方、あるいは特別な技術をお持ちになってボランティアとしていろいろな社会教育活動の面で御協力いただいている方、あるいは最近は学校でも学校外での集団宿泊団体の生活というものが生徒、児童の健全な育成にも大変大きな役割りを果たすというようなことも言われておりますし、そういう意味では学校の先生方もやはりその面でいろいろと指導者という枠に入ってこようかと思います。そのほかに社会環境の浄化あるいは青少年の非行防止等の問題と真剣に取り組んでいらっしゃり、その中でやはり青少年の生活意識であるとか青少年の心理であるとか、いろいろなことを研究しながら社会に広く御活躍をいただいている方々等もございます。そういういろいろな方々を対象にし、それぞれの方々が自分たちで集まっていろいろ研究をし、さらに一層内容のある仕事を進めていきたい、あるいは青少年に対するより適切な指導をしていきたい、そういうふうな願望をお持ちになることは当然でございます。そういう意味におきまして、私ども受け入れ事業におきまして、そういう方々のそういういろいろな活動につきましてもこれを積極的に受け入れてまいり、そのことがまた青少年教育のためにも大きな意義を持つ、このように考えております。
  144. 山原健二郎

    ○山原委員 この指導者研修というのは、国立青年の家における「青年団体指導者研修基準」昭和四十九年三月二十八日文社青第五十二号、これと同じ基準ですか。
  145. 望月哲太郎

    望月政府委員 お答え申し上げます。  まず一般的に申し上げまして、国立青年の家で行います青年団体指導者研修基準というのは、これは国立の青年の家が主催いたします事業についてあるプログラム考え、そしてそれをそれぞれ国立の青年の家で実施する場合にはそれによってやってほしい、それからそのときにあわせて青少年団体等からも何か参考になるものがほしいというような御意見等もございましたので、初級、中級につきましても研修基準を参考として示したわけでございます。したがいまして、私ども、このセンターで自主的におやりになる活動につきましては少なくともこれを適用するというようなことはもちろんあり得ないことでございますし、そういうことは考えておりません。
  146. 山原健二郎

    ○山原委員 国立化に当たって、国立青年の家の指導方針、これはこの間も参考人からも問題にされましたけれども、たとえば上級指導者研修では「人生の意味や現代の青年に期待される役割」について考える。中級指導者研修の場合におきましても「人生の意味や現代の青年に期待される役割」、これは初級指導者研修についてもそのことが一番最初の項目として出てくるわけですね。これはまさに、だれが期待をしておるのか、だれの期待にこたえるのかという問題になってくると、それぞれ見解の違いかあるわけです。ところが文部省のやる指導者研修会というのはこういう項目でやるという。これはまさに社会教育法に対する侵害である、私はそう思っています。  こういう形で、今度の国立オリンピック青少年センターにおきましてもこういうものまでやるということになってくると、大体これはいまも問題なんです。だれが青年に何を期待するのか、青年に期待するところはそれぞれの考え方の違いがありますからそのことを申さないのですが、それを文部省という行政機関が、青年に期待される役割りをしっかりと教え込むのだということになってくると、これはまさに社会教育の原理に反するものである。これを今度の国立オリンピック青少年センターに持ち込んでいく、それが皆さんの言っておられる指導者研修の中身ではないか。そうじゃないのですか。
  147. 望月哲太郎

    望月政府委員 ただいま先生御指摘のありました基準につきましては、先ほど来申し上げましたように、国立青年の家で実施いたします青少年団体の上級指導者研修につきましてはそれぞれこの基準に即して実施しておりますけれども、他はあくまで、青少年団体からそういうふうなものを例示してほしいというような御要望もございまして、いろいろ関係の方々の御意見ども伺いながら参考例としてこれをつくったわけでございまして、広く一般的にこの基準によって青少年団体指導者研修を統制しようなどということは毛頭考えたことはございません。  それからいま一つ、人間の生きがいの問題でございますけれども、これは研修基準におきましてはあくまで討議でやることにいたしております。人さまざま、いろんな考え方がございます。みんなが集まって自分の考え方を述べ合いながら人間の生きがいというものを考えていくことが、社会教育としてはやはり意義のあることでございますので、これも講義方式ではなくて、討議方式という形でこの基準では考えておるところでございます。
  148. 山原健二郎

    ○山原委員 問題は、社会教育法の立場を守るということ、第十二条「国及び地方公共団体は、社会教育関係団体に対し、いかなる方法によっても、不当に統制的支配を及ぼし、又はその事業に干渉を加えてはならない。」という原則があるわけですね。だから、国立化した場合に国の恣意的な考え方が青少年指導者研修会の中に出ていくということになると、これは大変なことですね。そういうことはやらないというお考えですね。
  149. 望月哲太郎

    望月政府委員 私どもとしては、もちろん運営委員会等でいろいろセンターの新しいあり方については御討議をいただくことになっておるわけでございますけれども、もちろん社会教育法の原則を踏み違えるようなことをすることは毛頭考えておりません。
  150. 山原健二郎

    ○山原委員 横からいろいろ出てきたんでちょっと質問の順序が狂ってきましたが、一つは、いまおっしゃることを聞きますと、結局いまの特殊法人から文部省直轄にするということは性格がいまから変わるのか変わらないのか、この点も不明確ですね。その点、どうですか。
  151. 望月哲太郎

    望月政府委員 私どもといたしましては、特殊法人というのは一般的には主として施設管理を中心に考え運営されていくというものでございますが、直轄にするに当たりましては、主催事業についてもいろいろきめ細かい配慮をいたしたいと思いますし、それからまた、いろいろと利用される方々がどういうふうな形で事業を進めたらいいだろうか、どういう事業内容でやったらいいだろうか等々、いろいろ問題をお持ちで御相談にあずかることも多々ございます。そういう方々に対しまして、いわゆるプログラムサービスとしてできるだけ御協力できるような体制も持ってもらいたい。そのことのためにはやはり国公立の青少年教育施設あるいは青少年教育団体との連絡協力、あるいは青少年教育に関する調査研究の仕事をあわせてやる中でそういう機能というものもできるだけ充実してまいりたい、このように考えておる次第でございます。
  152. 山原健二郎

    ○山原委員 ますます運営委員会というものが重要な存在になってきております。  それからもう一つは、きょういただいたこの文書の中に一番欠けておるのは、国立化するという文部省の理念がないのです。何のために国立化するのかという理念が欠如していますね。ただ、あるとすれば、中核的な教育施設にする、日本全体の青少年教育の中核をここでつくるんだということだけは書かれておりますけれども、その中身というのがきわめて漠然としておりまして、団体との連絡とかあるいは協力とか調査研究とかいうようなことは、いかにも国立センターの新しい事業のように見えますけれども実はこんなことはいまの特殊法人だってできるわけです。では理念は何なのか。特殊法人を、十三年前の文部大臣の国会答弁と百八十度転回をして文部省直轄にするという理念は何なのか。ここのところが隠されているのです。ここのところがわからぬのです。中核という言葉だけ出てくるのです。文部省がこれを中核にして日本の青少年教育に対して影響を与えていくという、それだけのお考えならばそれなりの理念がなければならないわけですが、それが全く出てこない。これはどういう意味ですか。
  153. 望月哲太郎

    望月政府委員 青少年教育施設あるいは青少年団体との連絡協力をするには、やはりそれなりの施設としての機能を充実することによって初めて達成し得るわけでございまして、私どもといたしましては、従来のセンターのやっているいろいろな事業を受け継ぎながら、さらにその上に国立としてふさわしい各種の機能を整えることによりまして、青少年教育の中核的な施設としてこの新しいセンターを位置づけてまいりたい、このように考えております。
  154. 山原健二郎

    ○山原委員 最後に、いろいろおっしゃるわけです。中核的センター、そして施設についても充実していきたい。しかしそれは予算要求の段階でございますということだけなんですね。だから、大変りっぱなものができるかのようなことをおっしゃっていますけれども、いやそれはもう予算折衝の中でしぼんでしまうかもしれないし、その辺がかいもくわからない。しかも、大変りっぱなような構想を持っておられる、中核的教育施設にするというお考えにしては、一方では現在の機構定員を基礎とする、その中身も全くわからない。要するに、これから先の予算折衝の腕前を見てくださいということがこの法案の出し方の中身ではなかろうか、そういう点を私は大変危惧しております。きょうはこの提出された文書に対する補足質問でありますからこれ以上いたしませんが、そういう大変な危惧を持っておるということを申し述べまして、私の質問を終わります。
  155. 菅波茂

    菅波委員長 有島重武君。
  156. 有島重武

    ○有島委員 本日、オリンピック記念青少年総合センターについての構想文部省の試案をいただいたわけでありますけれども、これについて二、三質問をさしていただきたい。  この中に、目的事業機構定員施設、こうございますけれども、この中の特に事業の面でいろいろと述べられた。ところが、これは現特殊法人オリンピック記念青少年総合センターにおいてすでにもう行われている、その痕跡が少なくともある、そういうような項目であろうかと思うのです。これはその認識に間違いないでしょうか。私の調べたところでは、大体この項目については現在もすでに始めておられる、そう私は思うのですけれども、いかがですか。
  157. 望月哲太郎

    望月政府委員 現在の施設特殊法人で設けられました主たるねらいは施設管理ということでございまして、その施設管理を通じて青少年のための、あるいはその他の方々のための研修をやっておるというのがまず基本でございます。それに付随いたしまして若干のここに挙がっておりますような事業も行われておることは事実でございますが、ただ、国立にするに当たりましてそこらについてはさらに充実をしてまいりたい、このように考えております。
  158. 有島重武

    ○有島委員 わかりました。現在でもちゃんとやっていることだということです。だから、国立にしなかったならばどうにもしようがない、これだけは絶対にできませんというような項目がこの中に挙がっていたらば教えてください。
  159. 望月哲太郎

    望月政府委員 国立にすることによって、よりふさわしい機能といたしましては、やはりどちらかと言えば、施設管理ということのほかに、主催事業の企画、あるいは先ほど申し上げました利用者に対するいろいろなプログラムサービスの機能、あるいは国公立の青少年教育施設に対する連絡協力、あるいは青少年教育に関する調査研究、こういうものは国立施設実施することがふさわしい事業であろうかと考えております。
  160. 有島重武

    ○有島委員 私が承っておるのは、国立でなければ絶対できないであろうというような項目があったら教えてくださいと申し上げました。けれども、そういった項目はない、そういうことですね。よりいいとか、より悪いとか、それはまた話は別です。それから、国公立のいろいろな施設連絡をとるということについても、このことについてはすでに昭和四十年のときですか、特殊法人の方が国公私立ないしは地方の各機関との連携がよろしい、そういうようなことがあったようですし、現在すでにいろいろな連絡はもう努力していらっしゃるようです。だから、国立にしなかったならばどうでもできないというような項目はありません、そのように認識してもよろしいわけですね。
  161. 望月哲太郎

    望月政府委員 ただいま先生御指摘の部分の中で、地方公共団体との連絡特殊法人にした方がうまくいくのではないかというお話がございましたけれども、これは当時は、この組織というものを直轄の組織にするほかに特殊法人でいくか民間の財団のような形でいくかというようなこと等々含めて議論かございまして、民間のそういう財団にするよりは特殊法人の方がその面ではベターではないかというふうなお話であったと私は理解しておるわけでございますが、これはやはり私ども国立にした方がふさわしく、また国立にすることによってその機能というものが、特殊法人で置いておくよりはより充実しやすい仕事があるということを先ほど来申し上げているわけです。
  162. 有島重武

    ○有島委員 それでは、国立でなければどうしてもだめだという要素は別にありません、国立にした方がよりいいであろうと文部省さんがお考えになる点は多々ございます。そういうふうに私は受け取ります。  ところで文部大臣先ほど国立婦人教育会館のお話が出ました。これに準じてならう、あるいは青少年のことであるからそれ以上にというようなお気持ちがあるようでございますけれども、これは広さから言って大体何万坪というか何平米というか、どのくらいの規模でございますか。
  163. 望月哲太郎

    望月政府委員 お答え申し上げます。  国立婦人教育会館は敷地面積が十四万平米でございます。それから建物の延べ面積が約二万八千平米でございます。それで宿泊定員は三百五十名でございます。
  164. 有島重武

    ○有島委員 それと比べていまの代々木のあのセンターは、敷地はどのくらいの広さでしょうか。
  165. 望月哲太郎

    望月政府委員 九万一千四百二平米でございます。
  166. 有島重武

    ○有島委員 きょう文部大臣から構想試案をいただいて、別にオリンピック記念という言葉を無理に入れないでこれは全部カットしてしまうとすると、国立青少年総合センターについての構想というふうに読むと大変ぼくは楽に読めるわけですよ。それで新しい青少年のための総合センターをつくることは大変結構だ。だけれども、つくるのだったらばもう少し大きな場所に新しくおつくりになったらばいいであろう、それか一つです。  それからもう一つ、どうしてもオリンピック記念の青少年センターにしなければならぬというような必然性があるならば、従来の法律の第一条、目的のところにオリンピック東京大会を記念してこれをつくる、こうあったわけでございますけれども、どうしてそういったことを削ってしまったのか、理由が全然わからないわけです。これは先ほど池田委員の方からたびたび指摘がありました。  それで、本当に青少年の総合施設をつくりたいという一つのお気持ちと、それからたまたま特殊法人オリンピック記念青少年総合センターという現在の特殊法人と、その問題が何か両方とも未消化な状況の中でどうも混乱されているように私はこれを読みました。時間があればそういったことについてもっと突っ込んで一つ一つ例証してもいいわけだけれども、余り時間をとりたくありませんのでこのくらいにしますが、「オリンピック東京大会を記念し」というような文言をこの目的の中に、構想の中にきちんと入れるべきではないか。お抜きになったならばどうしてお抜きになったのか。初めからタイトルがそうなっているからだれが読んでもわかるでしょう、そういうことは通らないと思うのです。その点について最後に承っておきましょう。
  167. 望月哲太郎

    望月政府委員 これは先般私お答え申し上げたのでございますけれども一つは、法形式の問題からいいまして、文部省設置法の中に機関として位置づけるということでございますので、主としてその事業内容にしぼったということがございます。ただ、そのときもいろいろ御議論がございましたけれども、私どもは、施設の名称にはオリンピック記念ということをつけ加えることによって先生いま御指摘のような気持ちというものをあらわす、そういう気持ちで原案をつくらしていただいたわけでございます。
  168. 砂田重民

    砂田国務大臣 オリンピック東京大会を記念し、と書いてありますね。私はこれは目的ではないと思うのです。オリンピック東京大会を記念し、というのは由緒を明確にしていることであって、その後に続いております何々を目的とする、そこが目的なのでございますから、名称に残っていればその由緒は明確である、このように御理解をいただきたいと思います。
  169. 有島重武

    ○有島委員 その辺がわれわれと理解がやや違っていた点でありました。先ほどの池田克也委員からの、オリンピック東京大会を記念する、その由緒に基づくならばそれに応じた運営というものがあるはずだ、そういうようなことがあったわけです。そちらとしてはただここに昔こういうことがあったのだ。それは別にオリンピックでなくても何でもいいみたいなんですね。ただその由緒だけを記念して、人の名前でもいいぐらいだ、そういうように軽く受けていらっしゃるらしいということはいまお二方のお答えからも私は受け取りましたが、違ったら言ってください。
  170. 砂田重民

    砂田国務大臣 それは少し酷におとりでございます。オリンピック記念という名称は残るわけでありますから、軽くなどとは毛頭考えておりません。先ほど中野委員から御質問のありましたように、この名称どおりに私どもは運用をしていくのです。したがって、オリンピックに関係の深いスポーツ等についても十二分に活用を考えてまいりますということをお答えしておるのでありますから、オリンピック東京大会を記念し、という趣旨は永久に残っていく、その趣旨に沿った運用をするというふうに御理解をいただきたいと思います。
  171. 有島重武

    ○有島委員 終わります。
  172. 菅波茂

    菅波委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。     —————————————
  173. 菅波茂

    菅波委員長 この際、本案に対し、公明党・国民会議提案に係る修正案が有島重武君より提出されております。  提出者より趣旨説明を求めます。有島重武君。     —————————————  オリンピック記念青少年総合センター解散に関する法律案に対する修正案     〔本号末尾に掲載〕     —————————————
  174. 有島重武

    ○有島委員 ただいま議題となりました修正案につきまして、公明党・国民会議を代表してその趣旨を御説明申し上げます。  案文につきましては、お手元に配付してございますので朗読を省略させていただきます。  オリンピック記念青少年総合センター昭和四十年に設立されるに際しましての委員会審査等を勘案いたしますれば、青少年の自発的な社会教育の場としての同センターは、特殊法人として弾力的に運営され、広く青少年利用されることが望まれるものであり、同センターの性質から考えれば、昭和五十二年十二月の閣議決定による特殊法人の整理合理化の対象とすることは不適当であると言わなければなりません。  しかし、最近の社会構造の急激な変化に伴う青少年学習要求の多様化、高度化に対応するためには、同センター宿泊施設管理を主体とする目的は実情にそぐわない面もありますので、オリンピック記念青少年総合センター法の一部を改正し、業務運用の機能を一層充実強化するために、政府原案を全面的に修正する本案を提出した次第であります。  何とぞ御賛成をいただきますようお願い申し上げます。  以上です。
  175. 菅波茂

    菅波委員長 これにて趣旨説明は終わりました。     —————————————
  176. 菅波茂

    菅波委員長 これより原案及び修正案を一括して討論に入ります。  討論の申し出がありますので、順次これを許します。小川仁一君。
  177. 小川仁一

    ○小川(仁)委員 私は、日本社会党を代表して、オリンピック記念青少年総合センター解散に関する法律案に反対の討論を行います。  私たちは、オリンピック記念青少年総合センター法を提案した当時の愛知文部大臣趣旨説明並びに各党議員の質問、これに対する答弁を繰り返し読んでみました。それは先輩議員の精神を学びたいと思ったからであります。  当時の記録によりますと、この施設特殊法人にすることによって弾力的な運営がより可能になり、また、文部省の恣意による運営を抑えることができるとしており、このことが、オリンピック記念青少年総合センターが満場一致で成立した根本的な理念でもあります。私たちは先輩議員のこの理念を大事にいたしたいと思います。  いま文部省は、特殊法人から国立、直営化を提案いたしておりますし、その事業業務内容も現センターと同じだと答弁しておりますが、基本的な理念としては、当時、特殊法人として設立した際の全党一致の理念を否定いたしております。このことは同時に、社会教育の本質的なあり方をも否定いたします。  大臣大臣のお考えで答えておられますが、機構が変わるとその機構がひとり歩きを始め、国の機関としての性格をあらわにし、官僚的な運営になり、社会教育への統制化になることはいままでの幾つかの前例によっても明らかであります。したがって、社会教育の本質的な発展のためにも、どうしても賛成することはできません。  また、センター職員の身分につきましても、その定数を基礎にすると言っていますが、国立機関の中で働くためには国家公務員としての身分が保障されなければなりません。しかし、行政改革のねらいや行政管理庁の考え方も、経済的効率を上げるために文部省内の定員の操作はあっても、職員を国家公務員に採用する考えはありません。どのような身分で働かされるのか、どこの団体に移されるのか、一切明らかにされていません。職員は不安な状態に置かれております。  以上のような観点から本法案に反対をいたします。  なお、公明党から提出された修正案については、原則的に異議のないものですが、現に存在する法律を修正する点ではなお幾つか検討すべきものもあり、整備すべきものもあるので賛成しかね、残念ながら反対するものであります。(拍手)
  178. 菅波茂

  179. 山原健二郎

    ○山原委員 私は、日本共産党・革新共同を代表して、オリンピック記念青少年総合センター廃止法案に対し、反対の態度を表明いたします。  反対の理由は質問の中で明らかにしましたが、国立化した場合の構想が依然として不明確であり、特に本センターの中枢機構とも言うべき運営委員会の構成すら明確になっていません。また、現在の特殊法人センターに勤務し、長期にわたり多くの貢献をしてきた職員の処遇も不安定なままであることはきわめて重大であります。  要は、この法案が行政改革の路線の犠牲のしわ寄せの産物であり、同時に、特殊法人に勤務する労働者の基本的権利を剥奪し、さらに、社会教育の理念に反し、社会教育への国家統制への強化にもつなからぬ保証もありません。これらの諸点は当然国民的合意の必要なものであります。  したがって、本法案に断固として反対するものであり、今後もこの法案の廃案に向かって最大の努力をする決意であります。  なお、公明党の修正案につきましては、その真意は了とするものでありますが、修正についてはより多くの検討関係者の合意など行う必要があると考え、この法案廃案を願う立場から、今日の採決に当たっては検討の時間的余裕もなく、現時点では賛成しがたいことを付加しまして反対の討論といたします。(拍手)
  180. 菅波茂

    菅波委員長 これにて討論は終局いたしました。     —————————————
  181. 菅波茂

    菅波委員長 これより採決いたします。  まず、有島重武君提出の修正案について採決いたします。  本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  182. 菅波茂

    菅波委員長 起立少数。よって、有島重武君提出の修正案は否決いたしました。  次に、原案について採決いたします。  原案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  183. 菅波茂

    菅波委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決いたしました。  なお、ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  184. 菅波茂

    菅波委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     —————————————     〔報告書は附録に掲載〕     —————————————
  185. 菅波茂

    菅波委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後三時十分散会      ————◇—————