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小島委員 いま言いました三五%
値引きの問題とか、いろいろむずかしい問題がたくさんあると思うのです。ただ、やはり積極的な指導、
助成ということによって非常に
普及してくるかどうかということはあるわけでございまして、非常に前向きな御答弁を承りまして大変ありがたく思います。ぜひ御検討いただきまして、できるところから
導入していく。またデメリットになる部分はどうしたら消していくことができるだろうか、こういうことにもつながってくると思いますから、心から御
要望申し上げますので、この機会にぜひ御検討いただきまして、今後の
施策に御期待申し上げていく次第でございます。
なお聞きたい点がございますが、時間が余ったらということにいたしまして、
大臣が大体十一時半くらいになりますとお出になるということでございますので、
学校給食についてはこの程度にしておきます。おられる間にもう
一つの
問題点につきまして、
大臣にお
伺いをいたしたいと思うのでございます。
去年の三月だったと思うのでございますが、文教
委員会におきまして、当時の
文教行政の
問題点について幾つか質問いたしました。その中の
一つで私申し上げたことでございますが、今日の
日本の
英語教育の実情でございます。中学に入りますと英語の授業が受けられる。高等
学校に行きますと、必修科目でございましたでしょうか、高等
学校においても相当の時間数を割いて
英語教育をやります。大学に行きましても、もちろん選択になりますけれ
ども、外国語
教育というのはやるわけであります。中学、高校、大学と、相当の時間をかけて英語の勉強をして、その結果、高卒あるいは大卒でどの程度の英語の実用化が図られているかということを考えてみますと、実は非常に心もとない実情ではなかろうかと思います。私などは英字新聞すら読めないわけでございますが、不勉強であった私のような者は例外といたしましても、
学校でたとえば英語が優だとかAだとか、そういう点を取ったといたしましても、実際には英字新聞を字引を片手に何とか読めるというのがほぼ一般的なレベルではなかろうか。直ちに英会話ができる、先方の言ったことが理解でき、そしてまた自分の言いたいことを表現することができるというレベルには、実はなかなか到達しておらないのが実情ではなかろうかと思うのであります。
やはり、
教育の
目標というもの、外国語をなぜ教えるのだろうか、私はいろいろ考えます。ほかの科目に比べて、数学であるとかあるいは国語であるとか、そういうものとは違った外国語
教育の何か
目標があるように思うのでございます。そのことの中で、
教育は人格を形成しあるいはその人の人間の能力を引っ張り出す、そういう論点があることは言うまでもございませんけれ
ども、もう
一つは、実学主義といいましょうか、実際にどれだけ役に立つかということ、これは
教育の中の非常に大きな理念の
一つだろう。私は、これは
教育全体について言えることではないかと思うのであります。そういう角度から今日の
英語教育の実情を考えましたときに、時間を相当かけて文法やらいろいろなことをやるわけでありますし、また実際の書物にも親しむことができるような
方向はありますけれ
ども、いわゆる実学主義的な
立場からへ実用的な
立場から考えてみますと、実は本当にお粗末なのが今日の
英語教育の
実態ではなかろうか。ですから、中にはいまのような
英語教育だったら全部やめてしまった方がいいのだというふうなことまであえて言う識者もあるわけでございます。そういう
観点の中から、どうしたら
英語教育というものの実用化を図っていくことができるだろうか、このことを私は考えてみる必要があると思うのです。
今日の文教政策の中でもすでにこのことは行われているわけでございまして、アメリカから十何人でありますか、ことしの予算でも十五人くらいの者を連れてくる。ところが、聞いてみますと、案外引き受け手がないんだというような
お話までも聞いておるわけでありますが、これもやはり問題があるから引き受け手がないわけでありまして、そういう面で、
英語教育の実用化というものを積極的に
推進する
施策が望ましいと私は思うのです。特にこれからの
日本の青少年の世界に向かって生きていく生き方というものを考えましたときに、高等
学校を出れば日常英会話程度はできる、このレベルくらいまでにはぜひ持っていきたいと思うのです。もちろん、外国へ行きましてもポルトガル語やスペイン語やあるいはフランス語やということがあるわけでありますが、何といいましても英語ができておれば大体世界じゅうどこへ行っても何とか日常生活には不自由がないということを、しばしば海外に行ってみて私は痛感するわけであります。やはり世界語と言われるのは英語が非常に
普及度が高い。世界の七割は英語を使っているというようなことを言われているわけであります。正確なことは知りませんけれ
ども。そういう意味で、
英語教育をどうしたら実用化させることができるだろうか、このことが私は非常に重要だと思います。
それから、今日、雇用不安あるいは産業構造の不安の中に置かれておるわけでありますが、そのことを考えましたときに、
日本人の海外進出というものをもう一度見直してみる必要があるのではなかろうか。それは、かつての
戦前、
戦中のような侵略的な意図につながるところの海外進出ではなくて、もっと平和的な、たとえば外国のおくれている国に出かけていって、そして
日本の青年が持っている技術を使って職場リーダーになって、率先見本を示してその国の産業の発展のために尽くしていくとか、
日本文化を紹介するとか、いろいろな面があるだろうと思うのでございます。そして年食ったらまた帰ってくる。嫁さんが欲しくなったら
日本へ帰ってきて嫁さんを探して、女房を連れて出かけていく。そういうふうに世界の中に
日本人が平和的に進出していく、そして世界じゅうの人から愛される。
日本人はこういう人間で、非常に文化も高いし、単なるエコノミックアニマルではなかったな、そういうふうな理解を得ることが必要ではないかと思うのでございます。
私は、昨年の八月でございましたか、本院から派遣されまして、EC内外の六カ国の国々を回ってきたのであります。特に、どこへ行っても感じたことでございますが、英国へ行って感じたことでございます。私は聞いてみたのでございますが、あなたは
日本を知っておりますか、こういうふうに聞いてみますと、四十五歳以上ぐらいの英国人は答えるのであります。知っていると言いますから、じゃ一体
日本というのはどういう国であるかと聞きますと、
日本はフジヤマの国である、こういうふうに答えるのであります。三十歳から下ぐらいの若い青少年を特に
中心として聞いてみますと、
日本を知っているかと言いますと、確かに彼らは答えます。
日本を知っているよと、こう言うんです。どういう国だと聞いてみますと、
日本はソニーの国であり、ホンダの国であり、ナショナルの国である、こういう答えがはね返ってくるのでございまして、
日本がフジヤマの国であるということを知らないのでございます。イギリスの
教育制度を調べてみますと、英国には歴史の先生というのがおりません。地理の先生が地理を教えながら歴史を教えているわけであります。そしてまず第一に教えているのが自分の国、英連邦、英国のことであります。二番目に教えているのがECを
中心といたしましたヨーロッパのことであります。三番目に教えているのがアメリカのことであり、四番目に教えているのが近いアフリカのことでございまして、ようやく五番目になって
日本のこと、いやアジアのことを教えるわけでありますが、そのアジアのこととして教えているのは
日本でも何でもなくて、実は英連邦の一成員であるインドをもってこれがアジアであるといって教えておるわけであります。ですからいまの青年に聞いても
日本がこういうふうな国であるということを知らないわけでございます。非常にそのことを痛感をいたしました。
今日、アメリカの
日本に対する感情、あるいはEC諸国の
日本に対する感情等を考えましたときに、慄然たるものが実はあるわけでございまして、今日の
日本が伸びていく
方向というものを考えましたときに、このような壁をそのままほうっておいたのでは
日本の生きていく道は恐らくないだろうというふうに考えるわけでございまして、そういう意味では、
日本全体の国際社会に生きる生き方の姿勢という問題を根底から変えていかなければならぬということを痛感をして私は帰ってまいりました。その中におけるところの
文教行政のあり方、特にその中で具体的に直接的にこういう方途に役に立つ方法として、この外国語
教育の実情を打破することを
一つの
目標としながら、同時に
日本に対する国際的な理解を、真の評価を得さしめる、そういう
方向というものを模索する何らかの政策があるはずだということを痛感をいたしておる次第でございます。
それで、その後実際的なそういう動きがあるということを理解をして帰ってきたわけでありますが、英国の大使館でも言っておりましたけれ
ども、非常に熱心に、百人ないし二百人ぐらいの英国の大学の新卒者を送り込むので、
日本がこれを受けとめてくれないかという話がすでに大使館には来ておる、あるいは外務省でどなたかが熱心にこれをやっているというふうな
お話を聞いてきたわけでございます。さらに最近の動きをずっと調べてみますと、私もこれは参加いたしておりますが、五十二年七月に
提案され、また五十三年の一月でございますか、日英文化混合
委員会でございますか、そこにおいて正式に
提案をされ、論議をされておるわけであります。また、日英議員連盟というのが超党派でできておりますが、これが本年の二月八日に岸会長以下会合を持ちまして、その席でも真剣に議論がされたところであります。当日は
文部省の担当の方もお見えくださって、いろいろな御意見があってそう簡単にいく問題ではないということも承っております。
これは英語
教師の
長期派遣
計画についてということで英国のウォルファース氏が、これは英国の保守党のホワイトロー副党首秘書役ということになっております。実際は銀行家であるというようなことも聞いておりますが、こういうふうな具体の
計画がございます。これを実現したらどんなにいいだろうか。そして一年ないし二年の滞日
期間、そしてそれをどんどん交代をさしていく。彼らが帰ったならば、そして再び英国の教壇に立ったときに、もう、
日本はホンダの国でありソニーの国であるというだけではない
認識を持って帰るはずであります。フジヤマの国であり、すばらしい人情、文化に恵まれた国であると、目を輝かせながら語るであろうというふうに期待される
施策であるわけであります。幾つかの障害はあろうと思うわけでありますが、これをぜひ進めていったらどうだろうか。私は具体の動きに、さらにこの
委員会におきまして積極的に応援をしていきたいような気持ちを持つわけでございます。
少し長く申し上げてしまいましたけれ
ども、基本的な考え方において
大臣はどのような
対応の仕方をしてくださるだろうか、御期待を申し上げながら御質問申し上げるわけでございます。