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1978-05-11 第84回国会 衆議院 物価問題等に関する特別委員会 第9号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十三年五月十一日(木曜日)     午前十時三十分開議  出席委員    委員長 美濃 政市君    理事 加藤 紘一君 理事 堀内 光雄君    理事 武部  文君 理事 中川 嘉美君       愛知 和男君    鹿野 道彦君       関谷 勝嗣君    中西 啓介君       西宮  弘君    長田 武士君       宮地 正介君    藤原ひろ子君       依田  実君  出席政府委員         公正取引委員会         事務局経済部長 妹尾  明君         公正取引委員会         事務局取引部長 長谷川 古君         経済企画庁調整         局審議官    澤野  潤君         経済企画庁国民         生活局長    井川  博君         経済企画庁物価         局長      藤井 直樹君         通商産業大臣官         房審議官    山口 和男君         資源エネルギー         庁公益事業部長 服部 典徳君  委員外出席者         大蔵大臣官房日         本専売公社副監         理官      白鳥 正喜君         大蔵省主税局税         制第一課長   矢澤富太郎君         国税庁間税部酒         税課長     大橋  實君         農林省畜産局牛         乳乳製品課長  中島 圭一君         資源エネルギー         庁公益事業部業         務課長     上杉 一雄君         運輸省航空局監         理部監督課長  松村 善弘君         郵政大臣官房電         気通信参事官  米沢 允克君         物価問題等に関         する特別委員会         調査室長    曽根原幸雄君     ————————————— 本日の会議に付した案件  小委員会における参考人出頭要求に関する件  物価問題等に関する件      ————◇—————
  2. 美濃政市

    美濃委員長 これより会議を開きます。  物価問題等に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。堀内光雄君。
  3. 堀内光雄

    堀内委員 本委員会におきまして四月二十日に円高差益還元問題についての集中審議が行われたわけでありまして、昨年来の円高問題についていろいろと討議がされ、この集中審議で大体大きい問題あるいは質疑というようなものは一巡したというふうな感じが受けられるわけであります。翌四月二十一日には、経済対策閣僚会議が行われまして、各項目にわたっての対策決定をされたというようなことで、これまた当委員会の成果というものが一応あらわれてまいったというふうにも思うわけでございます。しかし審議の中におきまして、各委員がそれぞれ時間的な制約のために、持ち時間のないために、もっと突っ込んで審議をしたい、質疑を行いたいというものを途中でやむを得ず詰めをしないでおしまいになってしまったようなものが大分ございます。この審議が尽くされなかったような部分、こういうような問題について、やはり国民円高差益還元というものを確実に実現をさしていく、実行さしていく、そういう意味合いも含めますと、さらに突っ込んだ点の質疑を行う必要があるというふうに考えているわけでございます。そういう意味で、そういう審議の尽くされなかった面を突っ込んで審議を行ってまいりたいというふうに私は考えております。  まずというよりも、電力料金について特にその感が深いと思いますので、これについて四月二十日の質疑中心質疑を行ってまいりたいと思っております。  四月二十日の審議の中におきまして、橋本エネルギー庁長官もまた平岩電気事業連合会会長も、ともに円高差益国民還元するということはこれはもちろんそういう姿勢でいかなければならないということは認めながらも、円高差益の額としては五十二年度九百二十五億円、五十三年度二千二百億円の円高差益が出てくるが、直接それを還元するというような形ではなくて、間接的というか将来にわたって現行料金を据え置いて、できるだけ長くいまの料金を据え置いていきたいというような姿勢のもとにお考えを述べられておりますし、またその線は結構だというふうに思うわけであります。  その中でも五十三年度については現行料金は据え置くということがはっきりされておりますが、五十四年度については何とかがんばっていきたい、非常に大変だということは理解願いたいということを平岩会長は言われておりますし、橋本長官現行料金でいけるように指導していきたいというふうにお話しになっております。もちろん条件としては為替レートが二百二十円の状態を続けていくということであり、OPEC値上げがないというような、そういう前提条件はございますが、それぞれそういうような努力をしていきたいというような、決定的な考え方がまだ出ているわけではございません。そして閣僚会議決定におきましても、原則として五十四年度末まで現行料金を据え置くよう指導するものとするという結論が出ているわけであります。そういう五十四年度までは何とか料金は値上がりしないんではないかという期待感が片方にはございます。そういう中で通産省は、この料金を五十四年度も据え置いていくというようなものについてどういう方法指導をしていくのか、どういう状態になったら料金値上げを認めなければならなくなるか、どういう方法で据え置かせるような指導をするか、そういうような通産省指導の基本的な姿勢あるいは具体的な方法というようなものをちょっとただしておきたいというふうに私は考えているわけでございます。  そこで五十二年度については、それぞれ説明がされておりますように原価計算年度の中に入っておりますから、決算状態というものを考えてみますと、予定どおり原価計算どおりにいくならば、一割配当が行われて、円高差益の九百二十五億円はそのほとんどがそのまま剰余金あるいは繰越金に計上されることになると私は思うわけでございます。その点はいかがでございますか。
  4. 服部典徳

    服部政府委員 御指摘のございました五十二年度電力会社、現在決算の取りまとめ中でございますので、最終的な数字決算の結果を見ませんとはっきり申しかねるわけでございますが、ほぼ私どもの方で概略つかんでおりますところによりますと、先生いま御指摘がございましたように、為替差益等利益相当分後期繰越金増等という形で出てくるというふうに理解をいたしております。
  5. 堀内光雄

    堀内委員 五十二年度はそういうことになるとしまして、では五十三年度、これは原価計算年度外になるわけでございまして、本来ですと値上げを行うというような準備に入る時期だというふうに考えられるわけでありますけれども、二百二十円レート、これに助けられるというか、この円高差益によっていろいろ賄われていくようなものが出てくると思うわけであります。そこで、五十三年度の九電力収支予想というようなものをひとつお答えをいただきたいと思います。
  6. 服部典徳

    服部政府委員 お話のございましたように原価計算期間が五十二年度で切れておりますので、五十三年度につきまして厳密な見通しを立てるというのは非常にむずかしい問題でございますが、私どもの概算によりますと、五十三年度につきまして総費用関係で申しますと、大規模な設備投資中心といたしまして資本費増高、あるいは人件費修繕費等諸経費が増加いたします。この比率が大体五十二年度に比較いたしまして八・四%ぐらい総費用伸びるのではないか。一方料金収支の方でございますが、これは現在電力量伸びというのを想定をいたしておりますが、五十三年度においては大口に電力を消費します産業伸びというのがそれほど期待ができませんという関係から、大体五・七%ぐらいの料金収入の増というふうに見込まれるわけでございます。  いま申しました八・四%の総費用の増と、それから料金収入の方の五・七%の増、差し引きをいたしますと大体九百億ぐらいの収支の赤ということが予想されるわけでございます。ただ、いま申しました数字は実は為替差益がないという前提計算をいたしておりますので、これに為替差益を五十三年度におきまして大体二千七百億ぐらい——ただ、為替差益と純粋に申しますときは、五十二年に行われましたOPEC値上げ影響額、これが大体五百億ぐらいございますので、その差し引きで純粋には二千二百億というふうに申しておりますけれども差益だけをカウントいたしますと二千七百億あるということでございますので、差し引きでは約千八百億ぐらいの黒ということになるわけでございます。
  7. 堀内光雄

    堀内委員 差し引きで千三百億になるんじゃないでしょうか。違いますか。いまの九百億の赤字で二千二百億の円高差益という結果になりますと、それを引くと千三百億、違いますか。
  8. 服部典徳

    服部政府委員 先ほど私の方で申しました総費用の八・四%伸びるという計算のところに、実はOPEC値上げ分五百億がカウントされておりますので、収支計算いたします場合には二千七百億の方で計算をしないといかぬかと思います。したがいまして、黒字幅がそれだけやや大きくなりますから、そういうことでございます。
  9. 堀内光雄

    堀内委員 それでは千八百億円の大体利益が出るということになるわけですが、もう一つ伺います。  先ほどの総費用の八・四%の増加の中には、公正報酬といいますか、レートベースといいますか、これに対する八%、最終的には、配当一〇%を確保した際に出てくる最終的不足が九百億円になるというようなこと、つまり九百億円の赤字が補てんされた場合には、長期電力安定供給のための設備投資に対する金利だとかあるいは償却だとかいうものが実行されて、さらに一〇%の配当ができる状態、そういうものというふうに考えていいのですか。
  10. 服部典徳

    服部政府委員 御指摘のように総費用の中に支払い利息でございますとかあるいは配当所要額というものも全部計上いたしまして計算いたしておりますので、御指摘のとおりでございます。
  11. 堀内光雄

    堀内委員 そうしますと、差し引き千八百億円の五十三年度益金というものも、税金を支払って剰余金繰越金に回っていくものだというふうに考えていいわけですか。
  12. 服部典徳

    服部政府委員 そのとおりでございます。
  13. 堀内光雄

    堀内委員 同じく、そうしますと、五十四年度収支予想というものがもしございましたら、お話しをいただきたいと思います。
  14. 服部典徳

    服部政府委員 五十四年度につきましても、厳密な計算というのは非常に困難でございますが、私どもの方で試算をしたところによりますと、総費用につきましては五十三年度に比べまして、大体九・九%の伸び、それから収入の方は、五十三年度と同様に五・七%の伸びというふうに試算をいたしております。総費用の方がかなり伸びがふえるということになるわけでございますが、これは主として燃料費関係でございまして、五十二年対五十三年というのは、需要停滞等もございまして、油の輸入というのはそれほどふえなかったわけでございますが、五十四年度には、ある程度の増というのを見込まざるを得ないという、その関係もございまして、総費用は九・九、それから料金収入は五・七、そういたしますと、為替差益が全然ないという前提計算いたしますと、約三千五百億の赤という数字になるわけでございます。同様に、先ほど申しました差益分について考えますと、五十四年度には約二千八百五十億の差益分というのが考えられるわけでございますので、その差し引き六百五十億が純粋に赤ということになります。ただ、くどいようでございますが、これはいずれも五十三年、五十四年の計算、ともに原油値上げは一切ない、それから二百二十円のままレートがずっと推移するという前提での計算でございますので、念のためつけ加えさしていただきます。
  15. 堀内光雄

    堀内委員 円高差益が貢献しても、五十四年度は六百五十億円の赤字になるということがわかったわけでございます。  そこで、大蔵省の方にちょっと承りたいのですが、先日の委員会のときにわが党の加藤委員がいろいろ質問をされました。そのときに加藤委員が、本来国民還元されるものを、こういう益金が出たときには、税金に持っていかれてしまうじゃないかということでありまして、その税金に持っていかれるということについて、平岩電気事業連合会会長がこう言っているのです。円高で出てきた利益というものが、半分は税金に持っていかれてしまうが、支払った法人税というものは欠損金の出たときに還付されて、結局前に払った税金は払われなかったのと同じことになるということを言われております。当日の矢澤第一課長さんも、説明したとおりであるという確認をされているのでありますが、ただいまの通産省の報告によると、五十二年度で九百二十五億円の利益が出て、約半分ぐらい、四百億から四百五十億くらいのものが税金に持っていかれる、これは間違いないことでありますが、この税金というものが五十三年度は一千八百億円の益金になったというときに、還付されますか。  それともう一つ、五十四年度赤字になりますから、五十四年度に六百五十億の赤字が出るという形になっておりますが、五十二年度の四百億からの益金による税金、これが五十四年度決算で、赤字が出たからといって還付されるかどうかということを承りたいと思います。
  16. 矢澤富太郎

    矢澤説明員 税の還付制度は、たとえば今期に赤字が出ました場合に、その一年前にさかのぼりまして、そこで仮に税金を払っておりますれば、その赤字に見合った税金還付するという制度でございます。したがいまして、五十二年度利益が出て税金を払った、五十三年度にも利益があるという場合には当然還付はございません。それかし五十四年度に、現実の問題として赤字になりましたという場合には、赤字に見合った税額が五十三年度に納付した法人税から還付されるという形になるわけでございます。したがいまして、五十二年度は返ってまいりません。
  17. 堀内光雄

    堀内委員 要するに一年前の分しか返ってこないということでありますね。
  18. 矢澤富太郎

    矢澤説明員 御指摘のとおりでございます。
  19. 堀内光雄

    堀内委員 要するに五十二年度円高によって持っていかれた税金は、これはもちろん国に入って、それがまた国民の財布に返るようなものですから、それは全然どこかよそへ行ってしまったということではありませんが、五十二年度に出てきた益金による税金というものは、もう未来永劫に返ってこないということははっきりしたわけで、直接消費者には還元されないものになるということになります。今度は、五十三年度に、配当した上で約千八百億ですかの円高差益による利益が計上される。これまた九百億近いものがそういう意味では税金に取られる——取られると言うと語弊がありますが、持っていかれるということになると思います。  そうしますと、ここで一つ承りたいのは、同じように六百億からの赤字になったときには税金が返ってくるのですが、五十四年度に各事業赤字になるからといって、料金の変更をして赤字を出さないようにしたということになると、この税金はまた全然返ってこないことになるじゃありませんか。
  20. 矢澤富太郎

    矢澤説明員 そのとおりでございます。
  21. 堀内光雄

    堀内委員 要するに五十四年度において、いま料金値上げをするかしないかということがペンディングになっております。その際に、努力をするということと、二百二十円の為替レートがそのまま固定されているという、固定されているというとおかしいのですが、続いたということ、あるいはOPEC値上げがされなかったらば、こういう大きい原則が入っているのですが、この九百億からの税金還付させるということが一つ前提考えられて、いままでの論議がされてきたということを考えますと、五十四年度においては、円レートがもし変わったり、あるいはOPECで多少上がったとしても、この税金還付される範囲内で赤字が保たれているときには料金値上げをしないということになるのではないかというふうに思うのですが、いかがですか。
  22. 服部典徳

    服部政府委員 厳密にいま御指摘のあったような数字になるかどうかという問題はあるわけでございますが、一般論的に、かなり経理に余裕があって、積立金あるいは後期繰越金等がかなり保有されている状態でございますと、その期に仮に赤ということになりましても、必ずしもすぐ料金改定というような問題にはならぬのじゃないか、こういうふうに考えます。
  23. 堀内光雄

    堀内委員 この四月二十日のときの審議の際にも、平岩参考人はこういうぐあいに言われております。税金の問題のときですけれども、「現実には内部留保をいたしてそれを積み立てていった場合に、」要するに利益金を出して剰余金に持っていった場合のことでありますが、「それを取り崩すような場合、たとえば為替差益によりまして超過利益が発生すれば、その約半分は税金に取られるというのはおっしゃるとおりだと思います。」そして「後年度になりまして収支が悪化し欠損金が生じた場合に、それを取り崩して補てんしなければならなくなってくると思います。」ということを言われておりますし、そういう考えからまいりますと、審議の中の御答弁を基準に考えてまいりますと、平岩会長のお考えとしては、五十四年度は少なくとも九電力赤字決算をするのが当然なことである、そしてこの赤字決算をすることによって税金還付を求めることを考えていらっしゃる、そして同時に、配当はしなければならないだろうが、そのときには、いままで為替差益によって出てきて積み立てた任意積立金あるいは次期繰越金剰余金のようなものの中で配当を行っていこうということを考えられているように私は感じられますけれども通産省のお立場として、これに対してどうお考えになりますか。
  24. 服部典徳

    服部政府委員 五十四年度収支見通しにつきましては、先ほどお答えいたしましたように、ある程度の赤が見込まれるということでございまして、見込みどおりの赤ということに現実になりました場合には、当然各社は五十二年あるいは五十三年に積み立てた後期繰越金あるいは積立金といったものを取り崩して所要配当額を出すというような決算を行うことになろうかと存じますので、先生がいま御指摘になったようなことになるというふうに了解いたしております。
  25. 堀内光雄

    堀内委員 そう考えますと、最初の一つ問題点としては、二百二十円レートがそのまま続いてということ、あるいはOPEC値上げが全くなかったとしてという言葉は、これは多少余裕のあるものであって、いわゆる決算上からながめていって、その前年度の九百億からの納税した税金還付される程度のところまでの赤字、この範囲内では料金値上げはしないというふうに考えてよろしゅうございますか。
  26. 服部典徳

    服部政府委員 先ほどもお答えいたしましたけれども還付される額の限度というような厳密な意味では私どもとしてはまだ試算をしていないわけでございますが、繰り返しで恐縮でございますけれども設備投資を今後とも経常的に続けていくためには、ある程度配当というのはやはり電力会社は必要ではないか。そうすると、その配当所要利益を維持する、そのためには、累積で赤字決算ということになりますと、これは電力会社としてもなかなか大変な事態になるということでございますので、やはり五十二年、五十三年で積み立てた資金、これを取り崩して配当等所要利益を出す。これも程度問題とは思いますが、現在見通しております程度で申しますと、各電力会社におきまして五十四年度いっぱいまでは料金据え置きが可能である。ただ一つ例外は北海道電力でございまして、これは為替差益がほとんどないという会社でございますので、この会社につきましては、五十四年度につきまして五十三年の推移を見ながらさらに検討しようということになっているわけでございますが、その他の八電力につきましては、いま申し上げましたように、現在の見通しでございますと、五十四年度いっぱいまで据え置ける、こういう見当をつけているわけでございます。
  27. 堀内光雄

    堀内委員 余り突き詰めても困ることだろうと思いますが、前の審議の際より前進したということは、二百二十円レートがそのまま続いたとしてということ、あるいはOPEC値上げがなかったことを前提としてという大前提が二つありますけれども、これは収支決算の内容を考えてくれば崩れてくるものである、絶対的なものではないということになるのと、もう一つ赤字であるからといって値上げはしない、極端に言えば五十四年度赤字であるのが当然であるというふうなところまでは前進したと考えてよろしゅうございますか。
  28. 服部典徳

    服部政府委員 OPECと申しますか、原油値上げでございますけれども、これが仮に五%程度行われたということを仮定いたしますと、一年間の影響額というのは約七百億でございます。それから為替レート関係でございますが、これは十円変動ということを考えますと、一年間で大体三百四十億程度影響額ということでございますので、仮に油の値段の五%上げ、あるいは十円ぐらいの変動が二年続くということになりますと、収支に対する影響というのはかなり大きいのではなかろうかと思いますが、大体いま申し上げましたような数字をにらんでいただきますと、どこまで厳密に考えるかという点の御判断がいただけるのではないかと存じます。  それから赤字の問題につきましては、赤字に仮になったから直ちに料金改定というふうには、私どもとしては直につながって考えていないわけでございまして、やはり余力があるかどうかという点を十分にらんでその辺は判断したい、かように考えているわけでございます。
  29. 堀内光雄

    堀内委員 いまの考え方は、ガスについても基本的には同じような姿勢でお考えになるというふうにとってよろしゅうございますか。
  30. 服部典徳

    服部政府委員 そのとおりでございます。
  31. 堀内光雄

    堀内委員 次に、これまた当委員会において各委員の方々から盛んに出た問題は、円高差益還元ということの中で、不況産業あるいは生活保護世帯円高差益還元できないだろうかということが盛んに質疑の中で出されたわけでございます。それに対しては、不況産業だとか生活保護世帯だとかいうものだけを特別に取り出して、それを特別な扱いをすることは、料金設定需要家に対する公平の原則に基づいてできないという非常につれない返事であったわけでございます。そういうことから「電気料金制度の現状」というエネルギー庁の発行されている資料、それからまた「電気供給規程」という東電で発行されている資料というようなものをいろいろながめてまいりますと、この中で深夜電力という項目が出てきているわけです。これはどういうものでございますか。
  32. 服部典徳

    服部政府委員 現在の供給規程によります深夜電力制度でございますが、毎日午後の十一時から翌日の午前七時まで、この時間を限りまして使用する蓄熱式の給湯あるいは暖房機等、この需要に対しましてのみ適用されるものでございまして、他の契約種別と申しますか、従量電灯あるいは低圧電力とか、そういった他の契約種別と同じ負荷設備で使用することはできない、こういう制度になっておるわけでございます。
  33. 堀内光雄

    堀内委員 そういう深夜電力というものはどういう理由で設けられたのか、ちょっと教えていただきたい。
  34. 服部典徳

    服部政府委員 やはり昼間に電力需要というものはピークが参ります。ピークが参りますと、年間の一番のピークに合わせて発電所をつくらなければいかぬということになりまして資本費の高騰を招くという結果になりますので、そのピークをなるべくなだらかにする。したがいまして、昼間の需要をできるだけ深夜に移行できるものは移行していきたい、それが長期料金を低廉化させる方策である、かように考えまして深夜料金制度をつくった、こういうふうに了解しております。
  35. 堀内光雄

    堀内委員 そういうことは、深夜に原価の安い電力を使わせる方が政策的であるというふうな考え方を持っていらっしゃるということは言えるのでございますか。
  36. 服部典徳

    服部政府委員 御指摘のように、なるべくピークをなだらかにするということでわれわれとしても今後とも考えていきたいというふうに考えております。
  37. 堀内光雄

    堀内委員 その深夜電力というものの料金というのはどのくらい一般料金と違うものか、その両方についての基本料金電力料金について御説明をいただきたいと思います。
  38. 服部典徳

    服部政府委員 東京電力の場合の例で申し上げますと、低圧電力の場合について申しますと、普通の場合にはキロワットアワー当たりの電力料金、これが九円三十銭ないし十一円十六銭というような範囲でございますが、これが深夜電力になりますと七円九十五銭という料金でございまして、かなり安い料金になっております。同じように高圧について申し上げますと、これも同じくキロワットアワー当たりの料金でございますが、八円九十五銭ないし十円七十四銭というのが一般的な金額でございますが、深夜電力の場合は七円六十五銭ということで同じように割り安になっているということでございます。
  39. 堀内光雄

    堀内委員 低圧の方ですと一キロワットアワーに対して一円三十五銭から三円二十一銭ぐらい安いということになるわけなんでして、これは大変なサービスであるというふうに思いますが、これを使うことは経費の節減あるいは消費面でも非常にプラスになるというふうに思うわけですが、どういう方面でこれは使われているものでございますか。
  40. 服部典徳

    服部政府委員 御指摘のございました深夜電力ということになりますと、先ほど申しましたように蓄熱式の給湯、暖房機という方面で使われているということでございます。
  41. 堀内光雄

    堀内委員 これは東京電力の中ではどの程度の件数が使われているというふうにあれでございますか。——ちょっと調べてみましたら二十三万三千六百軒という数字がございました。非常に幅広く使われているような感じがするのでありますが、この深夜料金について、いまの不況産業の繊維産業だとかあるいは中小企業の工場経営者というような人たちが何とか深夜料金を使う、深夜に仕事をすることになるわけなんですが、昼間の仕事を夜に持っていって、夜少しでも仕事をして経費を安く上げたいというような考え方、特にこれは何か前後二時間ずつの余裕があるというようなことで、先ほどの十一時から午前七時ということよりも、やり方によっては九時から午前五時まで、あるいは十時から六時までというような方法ができるというふうに聞いておるのですが、こういうものを不況産業に使えないものだろうか、円高還元意味からもこういうものは使ってもいいんじゃないかと思いますし、五十二年度利益は全部税金で持っていかれているような状態でありますから、円高還元というものは何か具体的にも多少出てきてもいいのではないかというふうに私は思うのです。それと同時に、電力供給規程に基づいても特に抵触するものでもないというふうに思いますし、夜間の電力消費というような面の政策にも合うのではないかというふうに考えるわけでございます。そういう意味でこれを不況産業に適用するようなことは考えられないかということをちょっと承りたいと思います。
  42. 服部典徳

    服部政府委員 大変ごもっともな御指摘でございます。私どもの方も為替差益というような問題を離れまして、今後の電力料金制度というのはいかにあるべきかという観点から申しましても、そのピークをできるだけならしていくということが将来とも必要なことではないかという認識を持っておるわけでございます。そういう考え方で、実は現在電気事業審議会の料金制度部会というものがございまして、そこで去年の夏からいろいろと今後の料金制度の御検討をいただいておるわけでございますが、そのうちの大きなテーマの一つといたしまして季節別時間帯別料金制度というものを導入することについていかがなものだろうかということで御審議を継続していただいているわけでございまして、つい最近も欧米に調査団も派遣をいたしまして、日本の国情にマッチしたような季節別時間帯別料金制度というものはどんなものがあるだろうかということで現在鋭意検討をいたしているところでございます。そういうことで、料金制度のあり方という点では御指摘の点は非常にわかるわけでございますが、不況業種に限ってとか限定的にやりますと、これは先ほども先生もお触れになりましたように、公平の原則等なかなかやかましい問題がございますので、私どもとしては料金制度全体のあり方の中でひとつ検討をいたしたい、かように考えておるわけでございます。
  43. 堀内光雄

    堀内委員 もちろん不況産業だけでなくて、不況産業だけだと需要家の公平の原則に差しさわるというようなことですと、一般家庭まで広がればなお結構なことなんでして、これは一般家庭でも昼間使わないで夜になって洗たくをすればそれだけ安い電気料で洗たくができるということならば、これまたいまの物価問題から考えていっても非常にプラスになることではないかというふうに思うのです。そういうことで、いま鋭意御検討いただいているということは非常にありがたいのですが、将来という言葉が、いまの非常に忙しいときにちょっとひっかかるのです。不況の産業でみんな苦しんでいるようなところ、家庭ももちろん一緒になればなお結構ですけれども、そういうぐあいにいま百円でも二百円でも三百円でも安くなればということを非常に期待をしているところでありますので、いまこれをするとしますと、何が問題になるのでありますか。
  44. 服部典徳

    服部政府委員 電気料金制度というのは、一般家庭あるいは国民経済全般に及ぼす影響が非常に大きいという観点からいたしますと、どうしても慎重に検討する必要があるのではないかというふうに考えておりまして、先ほど申しました料金制度部会におきましても、各方面の専門家の方、学識経験者の方にお集まりいただきまして、今後の料金制度のあり方ということで御検討をいただいているわけでございます。一時的に制度をいじるというのはなかなかむずかしい問題があるのではないか、考え方としてもそう思いますし、また技術的に申しましても、先生のお話にもございましたように、供給規程で決められていることでございますので、供給規程を変更するという行為が必要になります。その際には原価を全部洗い直さないと、いま申しましたような制度を設置するのは非常にむずかしいことではなかろうかと考えますので、技術的な面から申しましても非常に難点があるというふうに考えるわけでございます。
  45. 堀内光雄

    堀内委員 いま問題点と言われましたけれども、お湯を沸かすために、これは東電だけですけれども、二十三万三千六百軒の世帯が夜間料金というものを、一般の、特別の家ではなくて、どこでも頼めば全部できる料金になっているわけなんでして、それがお湯ならいいけれども、ほかのものはだめだというのはどういうのかよくわからないのですが、どういうことでありますか。
  46. 服部典徳

    服部政府委員 料金の算定でございますが、申し上げるまでもなく、原価主義という制度をとっておりまして、深夜電力につきましては深夜に限って使うということで料金原価計算をいたしております。先生の御指摘のように、昼間から夜通して使用するということになりますと、おのずから原価の配分がまた変わってまいります。そこで料金水準もおのずから違ってくる。現在の料金のままでそういう制度を採用するというのは困難があるのではないか、かように考えております。
  47. 堀内光雄

    堀内委員 どうもちょっとわからないのですが、夜中の料金だけでいいのですよ。昼間まで安くしろということではないのです。いまのお湯の、給湯用の設備をしている人のところは夜中の料金だけ一キロワットアワーで三円何十銭も安くなるような料金でやっているわけです。それも特別の人ではなくて、だれでも申し込めばそういう安い料金でお湯が使える。お湯はいいけれども、ほかのものはだめだというのがちょっとわからないのですが……。
  48. 上杉一雄

    ○上杉説明員 非常に技術的な話になりますが、現在の基本的な料金体系といいますのは、昼夜の別を問わない、全体を平均化しましてコスト計算原則としてやっております。ただ、先ほど部長からもお答えいたしましたように、昼間のピークをできるだけ夜に移すという一つの問題がございまして、そういう意味で限定的に深夜電力というのを設けているわけでございます。その限定と申しますのは、その設備については昼間は使わないという条件になっておりまして、逆に申しますと、夜も使うが昼間も使うということであれば、一般の電気の使い方と何ら変わることがございませんので、それは特別の取り扱いはできない。夜だけ使うという前提で、いまの給水湯とか、そういうものができておるわけでございまして、これを一般に昼間も使えるようにすると、また基本的な制度上の問題が出てこようかと思います。
  49. 堀内光雄

    堀内委員 そこでちょっと申し上げたいのは、この設備は東電なり中部電力なり、そういう電力会社が全部請け負って、どこの地域でも一般ではさせないようにちゃんとなっておりまして、電力会社がそういうぐあいに、夜だけ使えるようにということもあって設備をやるようになっているのです。私もそれは知っているのです。ところが、電力会社が給湯の設備を売り込まんがために、これは夜の電力ですから昼間になったときには切れてしまうのです。だからこれは使えませんよ、しかし、夜だけではなくて昼間も使わなくちゃどうも採算に合わないという家庭の御希望に従いまして、昼間はコンセントを差し込めばこれは使えるのですというので、そこまで電力会社がサービスしてくれているのです。私は、それをやめろと言うのではないのですよ。そんなことを言うと、逆に選挙区から怒られてしまいます。そうではなくて、要するに、そこまでサービスをする精神は東電でも私はりっぱなものだと思うのです。夜、電気を使わせるためにいろいろなサービスまでして、皆さん一生懸命やっている。これは、東電のようなお役所的なところにしてはなかなかりっぱなサービスだと私は思って、大いに感心しているのです。こういうものが片方では深夜料金という形で、実際問題として、貯湯だけは夜の安い料金を使い、昼間は高い料金で一日じゆう使えるような施設が東京電力では二十三万三千軒あるんだということを考えますと、その辺は、できないという方向ではなくて、ひとつできる方向に向かって、いまのをとめられたんじゃ困るのですよ、今度はもっと広げて、その方法考えていただく。そして不況産業の場合だって、将来と言って、二年も三年もたったのでは、これは何にもならないのでして、いま不況のためにみんな百円でも二百円でも安い物を、あるいは一般家庭でも百円でも二百円でも安い電力をというような希望を持っているこういういまの時代です。それに対して、政府というものは前向きに取り組んで、できない理由を考えていただくよりも、できる方向に向かって何か前向きに考えていただいて、長い将来ではなくて、いますぐにかかれるような方法をひとつ前向きにお考えいただきたいと思うのですが、いかがですか。
  50. 服部典徳

    服部政府委員 お話しの点はよくわかりますので、先ほど申しました料金制度部会の審議等もできるだけ促進いたしまして、御希望の点を踏まえて、料金制度のあり方について至急答えを出したい、かように考えるわけでございます。
  51. 堀内光雄

    堀内委員 それ以上お答えはむずかしいかもしれませんが、料金制度部会なんということをやっていますとなかなかいつまでになるかわからないのです。実際問題として給湯設備をしようと思いますと、いますぐにでもできてしまうわけですよ。東電に頼めばすぐにやってきて、どんどんやってくれるわけなんです。給湯は、自分のところの商売、売り込みがあるのです。東電さんにしても、中部電力さんにしても。ですから、一生懸命それを売ることが商売ですからやるのですけれども、中小企業が夜間だけ安い料金をというようなことに対して余り熱心じゃないんですね。これもひとつ、これはやはりお役所の方で指導していただきませんと、東電にやれと言ってもなかなかしないことだと思います。基本的な料金の設定自体については供給規程一つも触れないわけです。ですからこの読み方にもひとつ、いろいろやり方によっても違うはずなんですから、ひとつこの中で、運用の中で何とかお考えをいただきたい。それが福田内閣の評判を上げるものにもなるものですから、ひとつぜひよろしくお願いいたしたいと思います。
  52. 服部典徳

    服部政府委員 御指摘でございますので、十分検討させていただきたいと思います。
  53. 堀内光雄

    堀内委員 非常に前向きに真剣にかつ迅速にやっていただく御検討というふうに受け取ってよろしゅうございますか。
  54. 服部典徳

    服部政府委員 供給規程の解釈の問題もございますので、いろいろと詰めなければいかぬ点が多かろうと思いますが、御指摘の御趣旨、よくわかりますので、至急検討してみたい、かように考えます。
  55. 堀内光雄

    堀内委員 いま前向きの御答弁をいただいて、非常にうれしく思いますが、同時にこれも本当に一般の家庭で考えますと、これは一つ円高差益のささやかでも還元されるというような一つ姿勢のようなものに受け取ってもらえるのではないかと思いますし、不況産業対策電力が非常に貢献するという意味も私は出てくるような気がいたします。そういう意味で、ひとつぜひいまの御答弁を踏まえて、深夜料金を真剣に検討されて、具体化されるということをお願い申し上げまして、私の質問を終わることにいたします。
  56. 美濃政市

    美濃委員長 長田武士君。
  57. 長田武士

    ○長田委員 政府は去る四月二十一日の経済対策閣僚会議におきまして、緊急輸入の促進、経済協力の促進、円高差益還元を三本柱とする国際収支対策及び円高に伴う物価対策決定いたしたわけであります。  そこで、本日は円高に伴う物価対策について、私は消費者の立場から、円高による利益を特定の企業、団体等に独占させないで一般消費者還元すべきであるという観点から質問をしてまいりたいと考えております。  電力料金の問題につきましてはすでに去る四月二十五日の商工委員会で私は具体的に取り上げておりますので、きょうはこの問題を除きまして、外国製たばこの値下げの問題と国際航空運賃並びに国際電信電話料金等の問題について、政府としてもこれらの問題についての改善を検討すると発表しておるわけでありまして、もうすでに半月を経過しておりますので、その後の状況はどうなっておるのか、まずこの点をお尋ねをいたします。
  58. 藤井直樹

    ○藤井(直)政府委員 四月二十一日に決めました物価対策の中で検討すべきもあとして掲げておりますものは、ただいま御指摘になりましたたばこ、国際航空運賃、国際電信電話料金でございます。  この対策におきましては、たばこにつきまして、公社購入原価の動向、すなわち現在米国から輸入するたばこにつきましては相手国との契約単価の交渉をしております。そういう契約の交渉の進行状況を見まして小売定価の引き下げについてのめどをつけるということで、現在大蔵省の方でいろいろ検討されておる段階でございます。  それから国際航空運賃につきましては、実際問題として円高の効果その他についての金額的な問題、これについては国際航空の現在の収支から言いますと、外貨払いと外貨の受け取りとの関係から言いまして余り円高のメリットは出ない。出るとすれば、現在借り入れております借入金の返済に当たって外貨払いに伴う円高メリットが出てくるというようなことになっておりますが、むしろ問題はこういう円高に伴いまして出てまいりました外国からこちらに来るとき、特にアメリカとの関係でございますが、アメリカから日本に来る場合の運賃とそれから日本からアメリカに行くときの運賃との間に差が出てきている、いわゆる方向別格差、これが問題であるということで、その是正についてまず外国発につきましてサーチャージを課す、そして日本から出るものについてはディスカウントの料金を設けるというような方向で検討すべきであろうということで決めたわけでございまして、現在運輸省の方においてそれについての検討をされているところでございます。  それから国際電信電話料金につきましては、これも外国からの着信それから外国への発信との差がいわば円高メリットのもとになるわけでございますけれども、これについてもそれほど大きな円高差益の発生は見られないということでございますが、同様に外国からかける場合と日本からかける場合との間に大きな格差が出ている。そういうことでございますので、国際電信電話公社の経営状況、全般の料金体系等の観点から改定を検討するということでございまして、これは現在郵政省におきまして検討されているところでございまして、検討の状況につきましては各担当の省からの御答弁をお聞きいただきたいと思います。
  59. 長田武士

    ○長田委員 ただいま答弁を伺っていますと、余り進捗していないというような状況だろうと思います。  それでは具体的な問題を一つ一つお尋ねをいたします。  まず、大蔵省にお尋ねをしたいのでありますが、外国製たばこ、この小売価格はどのようにして決定されるのか、この点をお尋ねをいたします。
  60. 白鳥正喜

    ○白鳥説明員 輸入製造たばこの小売定価の決定方法でございますが、これにつきましては、購入原価、販売に伴う諸経費あるいは小売店に対する手数料、さらには財政収入、品質、消費の動向といったようなもの、もろもろのファクターを総合的に勘案して決めるということでございます。  このうち購入原価でございますが、先ほど藤井局長からお話しになりましたように、専売公社は通常、毎年ですが、六月ないし七月に外国のメーカーとの間で、今後一年間に購入する外国たばこの価格を外貨建てで契約をするということになっているわけでございます。それで、輸入製造たばこも国産たばこと同様重要な財政物資でございますので、私どもといたしましては一定の財政収入を確保するということが一番重要なわけでございますけれども、その際に外貨建て契約価格が上がって収益率といったものが落ち込むということになりますと、小売定価を改定することになるわけでございます。ただ、外貨建て契約価格が上がりましても、その間に円高が進行いたしまして、円貨に換算した購入価格ということでいけば双方がキャンセルアウトして購入価格は上がっていないという状態も起こるわけでございまして、そういう場合には定価は据え置く。そして円高メリットの方が外貨建て購入価格の上昇効果を上回るというようなことになれば、これは定価を引き下げるという方向で検討するわけでございます。  そういうことで、もろもろのファクターを勘案して定価改定を行う必要があるということになりますと、経済企画庁にも御協議の上、たばこ専売法の規定に基づきまして大蔵大臣がこれを認可し施行する、こういうことになっております。
  61. 長田武士

    ○長田委員 外国製たばこは五十二年の十一月ですか、改定を行ったわけであります。この改定時における為替レートはどのくらいのレート計算をされたのか、お尋ねをいたします。
  62. 白鳥正喜

    ○白鳥説明員 いま先生指摘のとおり、昨年の十一月に小売定価の見直しを行ったわけでございますが、これは先ほど申しましたように外国メーカーとの間の外貨建て価格の契約が七月に締結されまして、そこでかなり外貨建ての価格が上がったということがございましたが、他方におきまして円高が非常に進行しておったために、双方を勘案しまして小売定価を全面的に見直すということをやったわけでございます。その結果、英国製品を中心に値下げを行ったわけでございますが、その際に適用しました為替レートは、この種の輸入品価格の見直しの場合の一般的な慣行になっております政策決定時直近三カ月の平均ということで、私どもはこれは一ドル二百六十八円というレートでございました。
  63. 長田武士

    ○長田委員 そうしますと、現在の為替レートは二百二十円から二百二十五円の間で推移しておるわけであります。昨年の十一月の改定時、御答弁がありましたとおり二百六十八円、これを比較いたしますと、さらに一段と円高が進行しておる状況であります。したがって、さらに多額の為替差益が生じているのは当然だと思うわけですね。  そこでお伺いしますが、この為替差益は一体どのぐらい金額があるのか、お示しをいただきたいと思います。
  64. 白鳥正喜

    ○白鳥説明員 御指摘のとおり、昨年十一月に見直しをしたときは、二百六十八円ということを想定していたわけですが、その後、円高が一層進行しました結果、五十二年の十一月からことしの三月末までにつきましては、専売公社が当初十一月当時に想定しておった支払い額を下回ったわけでございます。その分が為替差益ということになろうかと存じますが、その額は四億円弱ということでございます。
  65. 長田武士

    ○長田委員 私の調査によりますと、大体十三億円ぐらいあるのじゃないかと思うんです。こういう金額については、消費者還元するのが筋じゃないか、私はそういう考えを持っているわけです。この点についてはどうでしょうか。消費者還元する、すなわち値下げをするというお考えがあるのかどうなのか。金額、違っておりませんか。私の調べたところでは、十三億ぐらい出ておるのですけれどもね。四億じゃないじゃないですか。
  66. 白鳥正喜

    ○白鳥説明員 ただいま御説明いたしました四億円弱という数字は、昨年の十一月からことしの三月までの間の為替差益でございます。これは、現実に発生したものと考えてよろしいかと思います。  いま先生指摘の十三億円でございますが、これは、私どももそういう数字を持っておりまして、どういうことかと申しますと、五十三年度についてどれぐらいの為替差益が生ずるかという計算をしたら、まあ九億円程度生ずるかということで、両方合わせると十三億になるということでございます。五十三年度につきまして、九億円程度為替差益が生ずるというのは、今後一年間を通じてずっと二百二十円というレートで推移するということを想定したわけでございまして、もちろんそれよりも円の水準が安くなっておればこの差益も減るわけでございます。仮に従来のように、直近三カ月の平均ということでやりますと、五十三年度については、九億ではなくて、約五億円ということになろうかと存じます。  次に、御質問は、十三億円程度為替差益が生じているので、あるいは生ずる見込みなので、これを値下げによりて消費者還元すべきではないかということでございましょうが、この点につきましては、先ほどちょっと御説明しましたように現在、外国側のメーカーと交渉中でございます。この結果が六月じゅうには確定すると思いますので、その結果なり、あるいは為替レートの動向といったようなものを見ながら、具体的に検討する必要があるわけでございますが、大蔵省といたしましては、大体七月をめどに十円程度の値下げができないかということで、現在検討中でございます。具体的な銘柄ごとにどうなるかというようなことにつきましては、現在、専売公社の方と協議している段階でございます。
  67. 長田武士

    ○長田委員 五十二年の十一月のときには、イギリス製だけは値下げをしているんですね。いま十円程度の値下げが可能だということでありますけれども、これはアメリカ製の「ラーク」であるとか、あるいは「ケント」、それから「モア」、これは非常に売れておるそうですけれども、この点も考えておるのですか。
  68. 白鳥正喜

    ○白鳥説明員 現在、値下げを検討しておる銘柄は、原則としてすべての銘柄ということでございます。もちろん、輸入外国たばこの約八八%を占めておりますアメリカのシガレットも入っておりますし、シガレットだけではなく、葉巻とかパイプとか、もろもろのたばこも全部検討の対象にしておるわけでございます。
  69. 長田武士

    ○長田委員 ただいまの御答弁に対して、非常に前向きな姿勢を感謝いたします。どうかひとつ実効ある施策をしていただきたいと思うんですね。やはりこのように円が高くなり、ドルが下落をする、円高差益、こういうことは当然消費者還元されなければならないし、政府もそういう措置をとるのはあたりまえであります。これはたなぼた的な利益ですからね。私は、当然国民還元するという姿勢が強く望まれなければならないと思うわけであります。どうかひとつ実効ある施策をお願いしたいと思っております。  次に、国際航空運賃の問題について運輸省にお尋ねをしたいと思っております。  航空運賃については、方向別格差の是正に努めるとしておりますが、その是正に当たって、基本方針はどうなっておるのか、この点お尋ねをいたします。
  70. 松村善弘

    ○松村説明員 方向別の運賃格差につきましては、先生指摘のとおり、円高によってひどい状況でございます。これを許すことは、やはり同じ飛行機の中におって、旅客の間で不公平が生じますので、これは日本政府として是認することは絶対できないと思います。これを一刻も早く解消するというのが政府の方針でございます。
  71. 長田武士

    ○長田委員 現在のIATAにおける発地国通貨建て運賃制度では、円高となりますれば、日本を起点とした航空運賃、これは当然円建てでございますから、外国を起点とした航空運賃に比較いたしまして割高になるわけであります。そうなりますと、同一路線について運賃に差が当然生じてくるわけですね。したがって、こうしたアンバランスの現象は好ましくないのは当然であります。アメリカ発運賃に対して六%のサーチャージをかけるという協定ができておると聞いておりますけれども、その真意はどうなのか。また、これに対するアメリカの対応はどうなのか、お尋ねをいたします。
  72. 松村善弘

    ○松村説明員 現在、われわれの方に、アメリカ発のドル建て運賃につきまして、六%の運賃値上げの申請が来ております。これにつきましては、実はちょっと時間をさかのぼりますが、去年の十二月にわれわれの方から日本航空に指導いたしまして、四%日本発運賃を下げたのです。その際、日本政府の非常に強い意向を受けまして、日本航空は一生懸命やって、外国航空会社を説得して、やっと四%下げさせたわけでございますが、外国航空会社の間で非常に不満が出てまいりました。と申しますのは、外国航空会社は、円高メリットはほとんどないのでございます。そこに日本政府の強い意向を受けて、日本航空が強引にやったものですから、ちょっと日本政府は行き過ぎじゃないかというので、非難が出てきております。それを踏まえまして、ことしの四月の会議で、その減収分を補うために六%ドル建て運賃を上げるということが決定されたわけでございます。それがいまわれわれの手元に出てきているわけでございます。私たちといたしましては、やはりドル建て運賃と円建て運賃が差があるというのは、これは非常におかしなことでございます。それを是正する方向での六%のドル建て運賃値上げというものは、これは歓迎すべきものだと考えております。  次に、アメリカ政府の意向でございますけれども、これは何分外国政府のことでございますので、はっきり動向は私たちにはわかりかねますけれども、恐らく日本政府の円高に伴う方向別運賃格差に協力してもらえるものとわれわれは期待しております。
  73. 長田武士

    ○長田委員 このようなアンバランスな方向別格差の是正について、昨年の十二月二日に公正取引委員会から、円高相場の上昇を運賃に反映させる措置をとるようにと運輸省に対して申し入れを行っておるわけであります。日本航空株式会社指導するよう要請されていますね。これに対して運輸省は、具体的な方策については一任されたい、こういうふうに言っておるのでありますけれども、現在までどのような措置をとられたのか、この点をお尋ねしたいと思います。
  74. 松村善弘

    ○松村説明員 十二月に公正取引委員会から申し入れがございましたけれども、実は円高の問題は、昨年の九月ぐらいからわれわれ運輸省の相当重大な関心を引いたわけでございます。早速日本航空を呼びまして、方向別格差の是正について関係航空会社をよく説得するようにという強い指導をしたわけでございますが、それを受けまして、公取の申し入れもあり、昨年十二月に日本発運賃を四%値下げさせたわけでございます。  今後のわれわれの考えでございますけれども、最初申し上げましたとおり、基本原則として、一刻も早くこの方向別格差を是正する必要があると思っておりますので、とりあえず外国航空会社からいろいろ申請が来ております相手国発の運賃改定をなるべく早期に認めたいと思います。それが終わりましたら、秋口になると思いますけれども、秋口から冬にかけまして世界各地でもって関係航空会社会議が開かれます。その際に、日本航空をしてよく根回しをさせまして、日本発運賃を値下げさせる、と同時に相手国発の運賃を値上げさせるというふうにして、何とか格差を解消してしまいたいと思っております。  また、日本航空一生懸命やるのですけれども、何分最後は相手国政府が運賃認可しませんと運賃発効しないわけでございますので、必要があれば政府間で運賃協議を行って、四月二十一日の政府決定による運賃格差是正を何としてでも実現したいと思っております。
  75. 長田武士

    ○長田委員 運輸省として、日本航空に指導の仕方がちょっと弱いんじゃないかと私は思うのですよ。そういう意味で強力な指導をしてください。そのことを要望しておきます。  次に、国際電信電話料金について郵政省にお尋ねをしたいと思っております。  電信電話料金については、通貨変動による影響とそれに伴う料金改定について検討すると発表されましたが、その後、郵政省は国際電信電話株式会社に対してどのような指導をしたのか、また、その進捗状況についてはどうなっておるのか。まずお尋ねをいたします。
  76. 米沢允克

    ○米沢説明員 お答えいたします。  国際通信料金につきましては、先ほど経済企画庁からのお話もございましたが、発信と着信の取り扱い量の差について対外支払いが生ずるということでございます。したがいまして、円高になった場合にも、発信の取り扱い量と着信の取り扱い量が等しい場合には全体として受け払いが生じないということから、為替差益の問題は生じないことになるわけでございます。現状では発着信の取り扱い量はほぼ均衡しております。したがいまして、料金の改定につながるほどの差益は生じていないというふうな現状でございます。  先ほど先生の御指摘もございましたが、現行の為替レートで換算した場合に、一つ問題点として取り上げられているところでございますが、日本からアメリカへ電話をした場合とアメリカから日本へ電話をかけるときの料金が、日本からアメリカへかけるときの方が高くなっている。あるいは逆に、西ドイツ、スイスの場合でございますが、日本から西ドイツ、スイスへかける料金と西ドイツ、スイスから日本へかける料金とを比べてみました場合には、西ドイツ、スイスから日本へかける料金の方が高いというふうに、その方向によって違うというような状況が出ているところでございます。このように同一区間で電話をいたします場合に、かける方向によって料金格差が出ると申しますのは、為替レートが固定化されてなくて、変動している場合には起こりがちなことでございます。これについてはある程度の差が出ることがいま申し上げたような実態からあるわけでございますが、その差が非常に大きくなってくるということにつきましては、料金のあり方といたしましては検討を要するというふうに私ども考えておる次第でございます。こういった情勢から、国際電信電話株式会社に対しまして、国際電信電話料金につきまして通貨変動による影響とそれに伴う料金改定について検討するように指導を行ったところでございます。現在国際電信電話株式会社におきましては、この通信対地相互間のバランス、たとえば日本からドイツあるいは日本からフランスへかけるときの料金が、向こうからかける料金に従って合わせますといろいろな差が出てくる、こういったような問題も出てきますので、対地間のバランスとかあるいは国際電信電話株式会社の経理状況、そういったことを考慮いたしまして検討を行っているところでございます。
  77. 長田武士

    ○長田委員 きのうの逓信委員会で、国際電信電話株式会社の板野社長が、料金の改定については高収益性からいって料金を改定する方向で検討する、このように答弁しています。この点については郵政省どうお考えですか。
  78. 米沢允克

    ○米沢説明員 いま申し上げましたように、どちらの方からかけるかという格差の問題で一つ経済対策閣僚会議決定があったわけでありますが、それと同時にいま申し上げましたようにKDD国際電信電話株式会社におきましても、経理状況そして今後の設備投資の見込み、そういった状況それから電気通信に対する需要、こういった問題につきましても総合的に勘案いたしまして、考慮いたしまして料金の問題等については検討していくということになっている次第でございます。
  79. 長田武士

    ○長田委員 答弁がどうも何かはっきりしないのですよね。円高差益がありませんということでしょう。そうなんですか。方向的ないわゆるアンバランスはございますという答弁なんですね。そうなりますと、国際電電の社長は改定をすると言っているのですよ。郵政省の方が後向きじゃないですか。おかしいですよ。
  80. 米沢允克

    ○米沢説明員 国際電信電話株式会社の社長のお話でございますが、現在はまだ検討段階でございまして、改定するという結論が出ているところではないというふうに私ども承知しております。と申しますのは、私どもの方へ国際電信電話株式会社の検討結果というものがまだもたらされていないところでございます。したがいまして、この国際電信電話株式会社の検討結果を報告を受けまして、私どもにつきましては、その結論を出してまいりたいというふうに考えている次第でございます。
  81. 長田武士

    ○長田委員 料金を改定する方向で検討しているんですよ、あなた、いいですか。料金のことについては全然検討されてないんじゃなくて、料金の改定について、値下げについて検討するという答弁しているのです。その点は国際電電の方が非常に前向きじゃありませんか。そのことを私は指摘しているのです。どうかひとつこの点については国民が納得いくようなそういう対策を講じていただきたい、よろしいですか。——時間がございませんので前に進めてまいりたいと思います。  次に、一般輸入物資についてお伺いしたいんであります。御承知のように昨年秋から急激な円相場の高騰によりまして、国民円高差益を求める声は一段と大きくなっておるわけであります。政府としてもこうした国民の声にこたえようとしてか、昨年春以来再三にわたって円高差益還元を約束してきたわけでありますが、円高差益消費者還元という面でははなはだ不十分であると言わざるを得ません。確かにこの間、輸入物資の追跡調査や業者に対する還元要請などを行ってきたわけでありますが、それが小売の価格の面にはほとんど効果を上げてないと言っても過言ではないのではないかと思うのです。そこで、円高差益還元について経企庁においてはこれをどのように推進されてきたのか、どうかひとつ具体的に御説明をいただきたいと思います。
  82. 藤井直樹

    ○藤井(直)政府委員 円高に伴う物価対策は昨年からいろいろな形でやっておりますが、一般の輸入消費物資についてはこれを追跡調査して、その結果を見て、仮にその小売価格に十分反映していないものがあれば指導もしていくというような体制をとってきたわけでございます。第一回の調査は昨年夏行いまして、第二回を暮れにやったわけですが、第二回の調査のときには三十三品目の実際に輸入価格が下がったもののうちで十五品目程度のものが小売価格の値下がりが出てきているということで、だんだん反映してきているのではないかと思っています。ただ、その中でも反映していない、輸入価格が下がっても小売価格が下がっていないものが六品目ほどございました。その中で水産物等につきましては個別に担当省で指導されておるところでございますが、同時にまた水産物についての特別販売事業ということをやりまして、その中に輸入の水産物も含めるというようなことで三月以来数回にわたって、東京でございますけれども一種の安売りをやっているところでございます。それからめがねのフレーム等につきましては、だんだん業界の方でも自主的にその流通の研究をしようということでの動きがございますし、また通産省の方でも五十三年度には本格的な流通構造の調査をするということにもなってきているわけでございます。  そこで、これからの問題としては先ほど申し上げました四月二十一日の円高に伴う物価対策、これを進めることにいたしているわけでございますが、その中で第三次の調査をするということで、この結果を六月中には公表するということにしております。  それから、その他の政府関与の物資については、先ほど来お取り上げになりましたような事項につきまして方向を出したわけでございますが、そのほかに電力、ガスの料金の据え置きの問題とか、それから畜産振興事業団の輸入差益の使い方、これを消費者対策にできるだけ結びつくように使うというようなこともやっております。  さらにまた、民間物資の中でも非常に大きなウエートを占めます石油製品について、さらに円高の反映を促進するような指導をするということと同時に、配合飼料についても昨年二回値下げがあったわけですけれども、引き続いてその動きを見守っていく、必要に応じて指導をするというようなことにいたしているわけでございます。  それから、全般の輸入品の流通の問題につきましては、これは昨年から力を入れて公取の方でもやっておられるわけですけれども、並行輸入をさらに一層促進するということもやっておるわけでございまして、こういうような対策を総合的にこれからも進めていきたいと思っております。
  83. 長田武士

    ○長田委員 通産省は去年の十月ですか通達を出しまして、本年一月に輸入関係業者を呼んでヒヤリングをやったということを聞いておるのですけれども、その結果はどうであったのか、またその後、消費者物資で具体的に消費者還元の処置として価格が下がったものがあるかどうか、この点いかがですか。
  84. 山口和男

    ○山口(和)政府委員 先生指摘のとおり昨年の十月十四日の物価担当官会議の申し合わせに基づきまして、十月十八日付で輸入関係団体及び流通関係団体、約五十の団体に対しまして円高効果を国内販売価格に反映させるような要請を行ったところでございます。この要請に基づきまして各団体は傘下の企業に対して文書等によって要請内容の周知を図ったわけでございまして、その結果、当省からの協力要請の趣旨が全国で十一万の傘下関係企業に周知徹底されたという報告を受けております。  さらに、本年一月に、これらの協力要請先の団体から円高効果の国内販売価格への反映状況等につきましてヒヤリングを行ったところでございます。が、個別の物資につきましてはこういった団体の性格上、個々にどういう事情になっておるかという点についてなかなか十分把握されていないというところがございますが、たとえば自動車、書籍、事務用の機器、家具あるいはスコッチウイスキーとか若干の食料品等につきましては、円高効果を販売価格に反映しているという報告も出ております。また一部の百貨店、チェーンストア等におきまして輸入品のバーゲンセール等を実施してきたという報告も受けております。  こういったことで協力要請をしてきておるわけでございますか、私どもといたしましては、さらに本年二月の第二次輸入品の価格動向調査の公表その後さらに先般の経済対策閣僚会議の結果に基づきまして、第三次の輸入品価格動向調査を各省と協力いたしまして実施すべく進めてまいりたい、そういったことによりまして消費者への情報提供をできるだけ十分行っていくということ、また必要に応じて関係業界に対しての適切な対応を図っていくように進めてまいりたいと考えておるところでございます。
  85. 長田武士

    ○長田委員 政府は再三にわたって消費者還元すると言いながら、このヒヤリングも一団体に対して大体二十分ぐらいだったそうですが、私は二十分ぐらいではその実態というものが恐らくわからないのではないか、そういう感じを抱くのです。したがいまして、口では消費者物資の円高差益というのは還元すると言っておりながら、このような還元に対する政府の熱意というのは非常に弱いものである、そういうふうに私は思わざるを得ないわけであります。  そこで、今後一般消費者物資の円高差益をどのように消費者還元していくのか、その具体的な対策、もう調査も何もいろいろやったわけですけれども具体的にどうするのか、この問題を説明してください。
  86. 藤井直樹

    ○藤井(直)政府委員 輸入消費財非常に数多くあるわけですけれども、この輸入消費財への円高の反映については、いまの市場経済のもとでは非常に広範にわたる流通段階を調べていくということになるわけでございますが、やはり政府が輸入価格の動きと小売価格の動きとを十分追跡調査をして、そして実態を把握していくということがまず必要だと思います。それをさらに一般の消費者の方に広く情報として提供するということは、消費者の方のいろいろな消費の選択の際の参考にももちろんなりますでしょうし、またそういうことを明らかにされることが関係業界に対しての一つ円高反映についての関心を深めることにもなるわけでございますので、そういうような調査をこれからもやろうということでございます。そしてやった結果、その中で小売価格への反映が十分でないと思われるものについては必要に応じて要請もしていくというようなことではないかと思います。  そういうことで、現在まで二回やった調査によりますれば、一回目に比べて二回目の方が円高の効果の反映が進んでいる、また同時に、業界の方でもそれに対応してだんだん流通問題も含めてのいわば研究といいますかそういうものについての関心も持ってきているということでございまして、私どもとしては先ほど申し上げました並行輸入の促進というようなこととあわせて、これからもこの問題に対処していきたいと思っております。
  87. 長田武士

    ○長田委員 そういう意味で熱意がまだまだ足らぬという感じを私は持っておるのです。どうかひとつこの問題については強力な行政指導をやっていただきたいと思っておるのです。よろしいでしょうか。  去る三月七日、公取委は「円高差益と独占禁止法上の諸問題」という文書を独占禁止懇話会資料として提出をいたしております。それによりますと、輸入商品の総代理店ルートの商品について、五十一年十二月、五十二年十月、五十三年一月の各時点における価格の動きについて、円高問題が起こる以前と円高問題が起きた後を比較しておりますが、大半の商品は横ばい、または上昇しているといったぐあいで、値下がりしているのはほんの一部しかないという状況であります。しかし、この間において円相場は明らかに三百円前後から二百四十円前後と、大幅に円が上がっておるわけです。ところが、これが価格に反映されていないわけで、公取委はこれらの調査結果についてどのような感想を持っておられるのか。独占禁止法上の問題はないのかあるのか、この点についてお答えをいただきたいと思います。
  88. 妹尾明

    ○妹尾(明)政府委員 まず第一点でございますが、確かに、私どもで把握したところによりますと、円高になりましてから以後、総代理店ルートを通じましての商品の小売価格の動きは、どうも余り円高のあれが反映されていないような状況が認められるわけでございます。ただ、これは非常に複雑といいますか、広範な問題があるんじゃないか、つまり、日本の流通機構の問題であるとか、あるいはその中での競争の状態、それと商品そのものの需給の問題あるいは輸出国での輸出業者の価格の問題、いろいろあると思うのでございます。私どもとしましては、これは先生十分御承知かと思いますけれども、輸入取引におきまして、特に輸入総代理店を経由して流されるような場合につきましては、独禁法六条によりまして、不公正な取引方法等を内容とする国際契約は法律で禁止されておりまして、こういう代理店契約が結ばれますと、原則として私どもの方へ届け出てもらうことになっておりまして、その際に、不当な並行輸入の阻害行為というのは不公正な取引に該当するおそれがあるということで、従来からチェックしてまいったわけでございます。こういう形で自由な競争あるいは能率競争を阻害するような、あるいは競争を制限するような問題がございますと、これはもう独禁法との関係で非常に重大な問題がございまして、規制の対象にいたしておるわけでございます。今回も、こういう問題が起きてから、この代理店契約の届け出の状況につきまして、特に関係の業界に対しまして十分届け出を励行するようにという要請を行いまして、ともに、こういった違反の疑いのある事例に接しましたときは、これを積極的に取り上げていこうということで、これは先生御承知かと思いますけれども、昨年十二月には、あるスコッチウイスキーの業者につきまして、そういう疑いがあるということで調査をいたしまして、本年三月には、違反の事実が確かにあったということで、これをやめるようにという措置もとったわけでございます。今後も、輸入代理店契約の届け出がありましたときには、厳重に審査をしてまいりますとともに、そういう並行輸入を不当に阻害するような事例がありましたら、これを積極的に取り締まりまして、並行輸入が自由に活発に行われるような条件を維持していきたい、こういうふうに考えております。
  89. 長田武士

    ○長田委員 通産省は、去年の十月とことしの一月ですか、二回にわたりまして輸入業者に還元要請のヒヤリングをやったわけですね。いま公取委の御答弁がございましたとおり、調査によりますと、輸入物資の価格は下がっていないし、むしろ値上がりの傾向にある、こういう結果が出ておるわけでございます。  そこで、通産省にお尋ねしたいのですが、行政指導をしておるにもかかわらず、依然として輸入商品が値上がりの傾向にある、これはどういうことなんでしょうか。
  90. 山口和男

    ○山口(和)政府委員 ただいまお話のございました公取の三月の調査につきましては、私ども調査の目的、背景等につきまして具体的に公取からお話をいただいておりませんので、その結果に関連しました評価ができる立場にはないわけでございますが、一応一般的に考えられますことは、基本的に、民間の取扱輸入物資につきましては、やはり最終的には、需給の動向とか当事者間の価格交渉とか、あるいは同業者間の販売競争等の事情を通じまして価格が実現されていくということでございます。その間、輸入物資につきましては、海外の輸出業者の輸出価格の動向あるいは国際商品の市況の動きとか国内での所要の経費の動向、あるいは販売戦略と申しますか、高級品イメージを維持していくというような販売戦略の問題、あるいはめがね等に見られますような在庫負担リスク等、いろいろな要因がございまして、なかなか十分に小売価格にそのまま円高が反映されていないという面があろうかと思います。しかし、この問題は先生指摘のとおり非常に重要な問題でございますので、私どもとしては、できるだけ反映されるように、先ほど来企画庁等からも御説明ございますような価格動向調査をさらに進めまして、消費者への情報提供を通じて円高効果が小売価格に反映されやすい環境をつくってまいりたいというように考えておるところでございます。
  91. 長田武士

    ○長田委員 次いで、公取委の調査に基づいてお尋ねをいたします。  まず、スコッチウイスキーのプレミアム七銘柄ですね、全部が五十一年十二月からことしの一月までの間に値下がりをしていないわけであります。しかし、この間においてスタンダードは約一〇%程度の値下がりをしており、ブランデーは値下がりをしていない、こういうふうになっています。  そこで公取委と大蔵省にお伺いしますが、スコッチウィスキーのスタンダードだけが値下がりしておるのはどういう理由なのか。
  92. 大橋實

    ○大橋説明員 お答えいたします。  輸入ウイスキーの多くのものはポンド建てで輸入されておるわけでございますけれども、四十九年以降毎年のようにFOB価格が値上げされておりまして、その間の円高ポンド安を相殺いたしまして、円換算でのFOBはほぼ横ばいといいますか、同程度という形で推移してきているのが実情でございます。そういうことで、長期的に見ますと円高のメリットがほとんど認められないということが実情でございます。そういう中でスタンダード物がなぜ建て値が変わって下がってきたかということでございますけれども、これは、円高メリットの還元という意味よりも、むしろ輸入量が四十七年以降非常に多くなりましたことで、競争の激化等によりまして流通マージンが圧縮されてきたというような意味合いが強いのではないか。これはことしの二月に経済企画庁の方から発表されました「輸入品品目別価格動向調査」の中でも同じような御認識をいただいておるところでございます。それで、私どもといたしますと、長期的に見ますと円高差益は認められませんけれども、短期的にはFOBの値上げから値上げまでの間の円高による仕入れ価格の低下という事実がございますので、従来からこの点につきましては、できるだけ消費者の方に還元するように指導をしてきておるところでございます。  なお、ブランデーという商品でございますが、これは現在のお酒の消費量の中で〇・〇四%と非常にわずかのことでございまして、ウィスキー類全体の中でもこの輸入ブランデーの割合は〇・九%というように非常に低いわけでございまして、そういうようなことで、なお銘柄も区々にわたっておりまして、ウイスキーの場合のようにスタンダード物、プレミアム物、そういったような形では整理がうまくできてないわけでございます。そういうことで、私ども現在十分の情報を持っておりませんけれども、FOBの価格はこの間何回か値上げが行われているということのようでございます。いずれにいたしましても、私どもといたしましては、最近は、ことにこの円高の問題に加えまして、ウイスキー等につきましては、二月からFOB価格が値上げされておる。それから、三月四日からは、関税の前倒しによりまして関税の引き下げが行われている。それから、五月一日からは、酒税法の改正で増税が行われている。そういうように、最近の期間は、酒類業界にとりまして価格変動の要因が非常に大きい時期でございまして、なかなか見通しが立てにくい。業者といたしましても、どういう形で価格設定をしていくか、この辺が非常にむずかしいことではなかったろうかと思っておりますけれども、ようやく峠を越しましたので、これらの問題を一括しまして、今後とも適正な価格設定ということを指導してまいりたい、かように考えております。
  93. 長田武士

    ○長田委員 また、公取委は、並行輸入品と総代理店ルートの商品の小売価格の比較も、この調査でいたしております。これによりますと、並行輸入商品は大変安くなっております。そこで、並行輸入商品がこのように安いのはいかなる理由なんでしょうか。公取委、おわかりでしょうか。
  94. 妹尾明

    ○妹尾(明)政府委員 輸入ウイスキーの価格形成の実情につきまして全般的に把握したというわけではございませんけれども、私どもがこれまで調査しました過程で得られましたあれに基づいて考えられるところを申し上げますと、一つは、従来、これはウイスキーだけではございませんけれども、輸入品というのは船来品といいますか、有名ブランドというようなことで、値段よりも、どちらかといいますと銘柄あるいは品質のよさというふうなことが買われて売られている場合が多かった。それからもう一つは、売り方としまして、これは日本に対してだけではございませんけれども、輸入総代理店制ということで、日本での販売は特定のある輸入業者だけに販売を任せるというようなことで、ブランド内の競争がなかなか期待しがたい状況にあったというようなことが一つ背景にあったのではないか。それだけであると断定はむずかしいかと思いますけれども、そういうことがあった。特に、最近、スタンダード品につきまして少し安いものが出回ってきて、その価格差がはっきりしてまいったわけでございます。これは先ほどの酒税課長説明と重複するかと思いますけれども、輸入のされ方が、一つはスタンダードものは重量が多い、それから、値段的に国産ウイスキーと競合してきた。それから、輸入の仕方につきましても、輸入総代理店ルートを経由する場合と異なりまして、大量にまとめて買う。そうして、主として、売り方としてバーゲンセールのようなかっこうで売り出されるというような形で安売りされる形が非常に多いというふうなことで出てきておるということがあるのじゃなかろうかと思います。
  95. 長田武士

    ○長田委員 まだまだ質問がたくさん残っておるのですけれども、時間がまいりましたので、次回の質問に譲るといたしまして、私の質問を終わります。
  96. 美濃政市

  97. 藤原ひろ子

    ○藤原委員 今日、牛乳の値上げ問題が新聞などで報道されておりますけれども、まず最初に、牛乳というものは、国民の食生活にとりましてどのような役割りを果たしているというふうにお考えでしょうか。御答弁いただきたいと思います。
  98. 中島圭一

    ○中島説明員 牛乳につきましては、従来から酪農振興あるいは国民の食生活の向上という観点から、その生産あるいは流通の合理化等に努めてまいったところでございますが、食品といたしましては、カルシウム分とかあるいはビタミンB2等を豊富に含んでいる食品でございまして、国民の食生活上非常に重要なものであるというふうに考えております。
  99. 藤原ひろ子

    ○藤原委員 それじゃ、この牛乳の生産量の推移はどのようになっておりますでしょうか。また、今後の見通しはいかがなものでしょうか。
  100. 中島圭一

    ○中島説明員 わが国で生産されております生乳でございますが、これは昭和四十一年度当時三百四十三万トン程度でございましたが、五十二年度におきましては五百八十五万トン程度になっております。また、これは飲用向けに回りますものと乳製品向けに回りますものとがあるわけでございますが、そのうち飲用牛乳として、いわゆる白もの牛乳として生産されております量は、四十一年度当時は二百七十六万キロリットルでございますが、五十二年度におきましては三百五十三万キロリットル程度の生産が行われております。
  101. 藤原ひろ子

    ○藤原委員 ところで、最近、牛乳の値上げが大変問題になってきております。これは牛乳の消費拡大、酪農家の経営安定という面から見ましても大変重要な問題を含んでいるというふうに思います。新聞の報道を見ますと、六月一日から末端で二cc当たり三円の値上げというのが言われておりますが、この中身は、生産者乳価の値上げ分が一円二十銭、これにメーカーの取り分を上乗せしたものを従来の卸売価格に上乗せする、こういうふうに私は理解をいたしますが、この理解でよいものでしょうか。
  102. 中島圭一

    ○中島説明員 今回の飲用乳価交渉につきましては非常に長い経過を持っておりまして、経過を簡単に御説明いたしますと、生産者団体は、昨年の春におきまして乳業メーカーに対しまして、飲用向け生産者価格を一キログラム当たり十五円引き上げるように申し入れを行ったところでございます。しかしながら、この両者間の話し合いはなかなか進展いたしませんで、膠着状態に陥りました。生産者側は、昨年の九月におきまして八日間に及ぶ生乳出荷ストということを実施いたしました。一部におきましては生乳廃棄というような異常な紛争の事態になったわけでございます。  このような事態におきまして、私どもといたしまして、これは当事者間の交渉でございますから、直接的に内容に介入し得る立場にはございませんが、双方から個別に事情聴取を行いまして、ともかく双方で話し合いのテーブルにつくようにということをやったわけでございます。その結果、両者が話し合いのテーブルにつきまして、また交渉を重ねた結果、乳業メーカー側は、生産者に対しまして十月以降四カ月間にわたりまして一キログラム当たり一円九十五銭を支払う、これはメーカーの負担において支払うということになりました。また、この期間が切れた以降の取り扱いにつきましては、再度双方誠意を持って話し合うということに合意を見まして、一応事態は収拾されたわけでございます。その後、本年一月に、このメーカーの支払います。円九十五銭の支払い期限が切れるというようなこともございまして、価格改定交渉が本格化してまいったわけでございますが、生産者団体、乳業メーカー、販売業者、それぞれの間で話し合いが持たれてきたわけでございます。その間におきまして、生産者とメーカーの間におきましては一円九十五銭の支払いを二月以降も継続するということになりました。他方、生産者団体の方は従来の要求をキログラム当たり八円弱、二ccに直しますと一円六十銭程度でもやむを得ないという態度をとったわけでございますが、メーカー側はこれを受けまして販売業者と交渉を行ったわけでございます。この話し合いも非常に難航してまいったわけでございます。ごく最近におきまして、生産者団体は一キログラム当たり五円七十六銭程度、二ccで一円二十銭になりますが、この程度の引き上げでやむを得ないという態度をとるに至っております。メーカー側はこれを受けまして販売業者と話し合いを行っているところでございますが、それぞれの立場はかなり強いものがありまして、現在のところなお最終的な決着を見ていないというふうに聞いております。
  103. 藤原ひろ子

    ○藤原委員 一般に農家の経営は大変苦しくなっておりますが、酪農家も例外ではございません。それで、私は、酪農家の経営と生活を安定させるためにも、一つは牛乳の消費が拡大される、こういうことと結合されなければならない、こういうふうに思います。それと同時に、生産者が経営難によりまして原乳価格を上げてほしいということは、私は理解ができるわけです。一般に値上げというのは経営が困難なときに出てくるものですけれども、牛乳の小売価格を上げようという乳業メーカーの経営は、一体黒字になっているのか、それとも赤字の中でこういうことが出てきているのか、いかがでしょうか。
  104. 中島圭一

    ○中島説明員 乳業メーカーの経営につきましては、これは会社によって違うわけでございますが、一般的に申しますと五十一年度は乳製品価格等も比較的よかったというような関係もございまして、経営内容も五十二年よりはよかったかと思いますが、いま手元のデータで申し上げますと、大手三社の——これは牛乳に限りません。乳製品も含めました売上高の経常利益率で申し上げますと、大手三社の平均で二・一%でございます。これを製造業と比較いたしますと、製造業は二・五%でございますし、それから食品製造業が二・八%でございますから、その数字から比べると低いという状況でございます。
  105. 藤原ひろ子

    ○藤原委員 時間がございませんので、簡単明瞭にお答えいただきたいのですが、結局黒字ということですね。赤字は出ていないというお答えだったと思います。  たとえば乳業大手メーカー三つをとってみますと、五十一年度決算で百七十五億六千二百万円の経常利益で、前期と比べますと二八%増となっております。この傾向は五十二年度上期の決算でも引き続き続けられているという状態です。私は、こうした数字を見ますと、二cc当たり一円二十銭という原料乳値上げ分だけではなくて、メーカーの取り分を上乗せしたような価格を設定するということについては絶対に納得ができないわけです。  さらに、各社の経営の内容をもう少し詳しく検討してみますと、販売促進費もしくは拡売費というふうな名目でもって四百億七千百万円も計上しているわけです。こういうものは一体何に使われているのですか、もし御存じでしたらお答えいただきたいと思います。
  106. 中島圭一

    ○中島説明員 メーカーの販売促進費がどのくらいで、具体的にどのようなものに使われているかという点につきましては、私どもも具体的に把握しかねる状態であります。
  107. 藤原ひろ子

    ○藤原委員 そんなはずはないと思うのですけれども、私どもが調べた中では、ざまざまに使われているわけですが、特に問題なのは、大スーパーへ向けて大型ショーケースの無料提供をやっている。また、十ケース卸すごとに一ケースの無料添付をしている。また、大スーパーが廉売する際のバックペイなどに使われているということです。こういうことを御存じないという方が不思議だと思うのです。行って調べてみればすぐわかることで、これで大変困っておられるという状態があるわけなんです。こうしたことに経常利益の実に二倍以上の費用が使われているという状態です。  このことはすでに昨年の十一月十七日の参議院の商工委員会でわが党の市川議員が指摘をしたところです。それに対して長谷川公正取引委員会取引部長さんがこうおっしゃっております。   ただいま申し上げましたように具体的に調べておりませんので、具体的にはお答えできませんけれども、一般的にそのような場合には差別価格になるおそれがあると思います。   なお、私どもまだ具体的には調べておりませんけれども、この間小売団体からの陳情を受けまして話を聞いたのですけれども、かなりいま牛乳は生産過剰でございます。したがいまして、これが普通の商品であればこれは下がるのがあたりまえなんですけれども、一般の小売業者にはほとんど下がっていない。ところが、上場会社決算書を見ますと、市乳の値下がりは顕著であるというふうに書いてあるわけでございまして、どこかその辺が一つの大きな問題じゃないかというふうに思っております。 こういうふうに答えておられるわけです。いまでもこのことには公取委の方は変わりがないのでしょうね。また、このとき、この後市川議員は調査を要求をいたしておりますけれども、その結果は一体どうなったんでしょうか、お答えをいただきたいと思います。
  108. 長谷川古

    ○長谷川政府委員 お答えいたします。  私ども調査をいたしましたのは、これはメーカー並びに販売業者の団体から安売りを取り締まる特殊指定をしてくれという陳情がございまして、その必要があるかどうかということで調査をいたしたわけでございますが、先生指摘ございましたように、いろいろ見ますと、明らかに生産過剰である。いま申されましたように、経済紙等には市乳は下がっておると書いてありますけれども、系列小売店にはほとんど下がっていないという状況でございます。  さらに、その後先生の御指摘のありました値上げの動きもございますようで、このような情勢では、たとえば指定いたすためには公聴会をしなくちゃなりませんけれども、とても消費者その他の御理解をいただけるような状況じゃないということで、ある程度調査をいたしましたけれども、一応いまちょっとやめまして事態の推移を見守っておるところでございます。
  109. 藤原ひろ子

    ○藤原委員 これまで私が指摘してまいりました点から言いましても、原乳価格が上がるからといって末端価格は上げなくても十分にやっていけるわけです。こういうことは明らかだというふうに思うわけですね。いろいろそういった点での御配慮もお答えの中にはあったんじゃないかというふうに思うわけですけれども、乳価問題には基本的にこうした問題が内在している、こういった問題が内にひそんでいるということを私はどうしても指摘をしておかなければならないというふうに思うわけです。  そこで、現在具体的に動いております乳価の問題に関連をいたしまして、幾つかの点でお聞きをしていきたいと思います。  まず、公正取引委員会にお尋ねをいたしますけれども、一般に独禁法で禁止されている価格カルテルというのはどういう事態を指すのでしょうか。
  110. 長谷川古

    ○長谷川政府委員 二つあるかと思います。一つは、購入価格につきましてお互いに話し合って、ある値段でしか買わないようにしよう、これは大体低く決めるわけでございます。もう一つは、売る値段につきまして、これは大体高くしようというわけでございますけれども、話し合ってその値段以下では売らないようにしようということでございます。
  111. 藤原ひろ子

    ○藤原委員 そういたしますと、別個のメーカーが同一商品について同一の時期に同一の価格を提示したような場合には、違法な価格カルテルの疑いがあるというふうに考えても差し支えないものでしょうか。
  112. 長谷川古

    ○長谷川政府委員 一般的に申し上げますと、疑いを持たれてもやむを得ないんじゃないかというふうに思います。
  113. 藤原ひろ子

    ○藤原委員 では、委員長にお許しを得て、ちょっと公取にこの資料を渡したいと思います。——いまお渡しをいたしましたものは私が牛乳について入手いたしました資料で、雪印と明治と森永の乳業大手三メーカーが示した卸売価格の改定表でございます。これは五月の七日の日付でございますが、一斉に各系列の専売店へ対して各メーカーが示したものでございます。これを見ますと、たとえば二ccの牛乳については各社とも全く同額の二円二十銭の値上げ、加工乳の二ccの雪印ファミリア、それから明治のヘルシー、それから森永のホモ牛乳、すべて二円五十五銭の値上げなど見ますと、これは完全に一致しているわけですね。これはそれぞれの会社の経営内容も当然異なっておりますし、経営状態も異なっておりますのにこういうふうになっているのは、恐らく談合によって価格を決めたというふうにしか考えられないわけです。そういたしますと、当然違法な価格カルテルの疑いで公取は調査をしなければならないというふうに思いますが、調査をしていただけますでしょうかどうでしょうか。
  114. 長谷川古

    ○長谷川政府委員 御案内のように、具体的な事件につきまして私ども意見を述べることを禁じられておりますが、ただ、いただきました資料は、私どもとしましては四十五条に基づきまして報告のあったものとして受け取らせていただきます。  なお過去の例を申し上げますと、四十九年に雪印乳業、明治乳業、森永乳業、協同乳業、グリコ協同乳業五社につきまして、飲用向け原料乳の購入価格を決めた、さらに牛乳及び加工乳の販売価格引き上げを決めたということで、これは独禁法違反であるということで、それを排除するように命じたことがございます。
  115. 藤原ひろ子

    ○藤原委員 それでは、この件につきましては早期に御調査をいただきたいと重ねてお願いを申したいと思います。四十八年の牛乳値上げの際に、公取委がメーカー五社の価格協定があったとして排除命令が出された、こういういきさつもある。こんな前歴を持っている業界だということをきちんと押さえておかなければならないというふうに思うわけですね。  さらに問題なことがあるわけです。それは「週刊乳業」という業界誌の五月三日号でございますけれども、これによりますと「農林省畜産局が今週一日から三日未明にわたって生、処、販三者間話し合いの第二次あっせんに入り」というふうに報道しているわけですね。こういうことを書いておられるわけですけれども、実際農林省はあっせんにお入りになったんでしょうかどうでしょうか。これは間違いが書かれているわけですか。
  116. 中島圭一

    ○中島説明員 飲用乳価交渉につきましては、本来これは関係者間の自主的な交渉によって決定すべきものでございますので、農林省としてはその内容に直接介入し得る立場にございません。したがいまして、あっせんを行ったというような事実はないわけでございます。ただ私どもといたしましては交渉が非常に長期難航しているというようなことから、その推移を慎重に見守ってまいったわけでございますが、その間におきまして関係者間の話し合いが非常にこじれてまいりました。関係当事者間において相互不信とかあるいは感情的な対立も強くなってきておるということもございます。また生産者団体と販売店との間には直接的な話し合いのパイプもないということから、相互の誤解も相当あるというように見受けられたわけでございます。他方、メーカーと生産者との間におきまして、先ほど申し上げましたように一円九十五銭の支払いを継続するというようなことがございまして、中小メーカー等を中心にいたしまして、全国各地から私らに対しましても何とかしてくれないかというような話がしばしば参ったわけでございます。農林省は一体高みの見物をしているのかというような声も非常にありました。私どもとしましては、こういう事態でございますが、価格について指導を行うということはできないわけでございますが、ともかく事情を聞いてみようということで関係者の事情を聴取いたしました。相互の誤解を解いたりあるいは感情的な対立、相互不信というものを解きまして、冷静に話し合いを行うように努めた次第でございます。
  117. 藤原ひろ子

    ○藤原委員 実質的に消費者乳価二cc当たり三円の値上げ前提に生産者乳価一円二十銭の引き上げを行政指導したことは、公取が昭和四十九年の三月八日付政府部内の通達で禁止をした、つまりこう書かれてあります。「行政庁が特別の法律によらず、」「価格を設定することは許されない。」ということを出しておられるのに抵触をしている疑いが強いとも言われているが、公取としては行政官庁が法律に基づかず価格指導する、もしくは価格決定に実質上の影響を与えるというようなやり方について、一体こうしたやり方は好ましいと思っておられるのか。何とかしてくれないか、こう言われて事情を聴取したということですけれども、こうしたやり方は好ましいと思うのかどうか、公取の御意見を聞きたいと思います。
  118. 妹尾明

    ○妹尾(明)政府委員 お答えします。  今回の値上げの問題についていろいろ農林省が間に入っておやりになったということを実はいま初めてお伺いしたわけで、詳しい事実関係を承知していないわけでございます。  それから先生先ほどおっしゃったのは、たしか昭和四十九年の初めでございましたか、そういう行政指導とカルテルの関係がいろいろ国会等で議論になりました際にそういうあれがありまして、公取としてそういう趣旨のことを政府部内の意見調整ということで申し上げたことはございます。ただ、これにはいろいろ御意見もあったわけでございます。  それで、法律的に申し上げますと、私どもが取り締まりの対象といたしておりますのはあくまで事業者の行為でございまして、主務官庁がそれぞれの業界に対して指導なさるそのこと自体については、独禁法違反云々という問題はないわけでございます。ただ、独禁政策、そういう政策的な見地からいろいろと私どもとして私どもの立場から意見を申し上げることはもちろんあるわけでございます。これは政府部内の意見調整というような話になってまいるわけでございます。  それで、一般論で申し上げますと、先ほど先生から御指摘がございましたように、価格の問題についていろいろ指導がございますと業界のいろいろ競争制限的な問題を伴いやすい、そういう懸念があることも事実でございまして、私どもとしてはそういうことは好ましくないというふうな考え方でございます。
  119. 藤原ひろ子

    ○藤原委員 農林省がこのような事情聴取というふうなことでやっておられることに対して、好ましくないという御見解が出たわけでございます。私も全く好ましくないというふうに思います。いろいろと先ほどは何とかしてくれないかというふうなことを言われてしようがなくやったというふうな弁解があったわけですけれども、このことによっていま本当に現場では大変な問題が起こっているという責任をお感じにならなければいけないというふうに思います。それはこの後展開をしていきたいと思うわけですけれども、通達によりますと、「行政庁が行政指導によって価格の引上げを認めた場合、事業者間に話し合い、談合等の事実がまったくないという仮定の論理を用いれば別であるが、通常の場合、実際問題としてはそのようなことはほとんどあり得ず、カルテルの存在を認めざるを得ないであろう。」こう書かれているのですから、これから見ましても「カルテルに対する独禁法の適用除外を規定している法律は不必要となる。」事実上価格引き上げの行政指導そのものさえ厳に戒めているのだから、農林省の先ほどの強弁は通用しないというふうに思うわけです。農林省の先ほどの答弁が通用するのかどうか、私はしないというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。農林省、いかがでしょう。
  120. 中島圭一

    ○中島説明員 先ほど経過を申し上げましたとおり、私どもとして決して好んで事情聴取をやったわけではございません。非常に交渉が長期かつ難航いたしまして、当事者間で非常に相互不信とか感情的対立があった、また中小メーカー等を中心にしまして、生産者に支払う一円九十五銭の継続に伴います負担増から、早期に解決すべきではないかというような声もあります。何とかしてもらえぬかという声が確かにあったわけでございます。ただ、私どもとしましてあくまで価格の指導ということはできないということで事情聴取しまして、当事者間で冷静にこの問題について話し合いができるようにということで事情を聞いたということでございます。
  121. 藤原ひろ子

    ○藤原委員 軽々にそういうことはやるべきでないというふうに思います。なぜなれば、価格の指導はしていないとかいろいろおっしゃいますけれども、それから早期に解決をしなければならないということでやったという立場を合理化されますけれども、そういうお役所の態度はどういうふうに出てくるかといいますと、農林省の仲介、あっせんによって価格が決定された、こういうふうに各地でメーカーが小売店に対して説明をしておる事実があるわけですね。幾ら私たちはそういうことはしておりません、こう言われても、要らぬそういう仲介に入れられますと、事情聴取だなどといっても、いや、そうではないと。そういう事実があったのかどうか知りませんが、国会の答弁ではそういう価格の指導はしていない、こういうことですけれども、事実これがいま大変な問題になって混乱がもたらされているわけです。ですから、好むと好まざるとにかかわらずそんなことはやるべきでないということなんです。この私が申しております事実は東京にあるだけではありません。神戸の灘生協にもそういう話が出ております。全国的にこういうやり方で値上げが押しつけられているわけです。こういう点から、私は農林省としては強く反省もしてもらいたいし、今後一切そういったようなことはしてはならない、こういうふうに思うわけです。農林省がいかに事情聴取と言おうとも、結果としては明らかに末端価格の値上げ指導したことになっているのではないか。もしこう言われるのか不都合であると——いま首を振っておられましたけれども、そんなことは絶対ないんだということであれば、これはいま混乱している問題ですから、農林省は全メーカーを集めてこのことを徹底しなければならない。言っていないということであれば、言っていないということを全メーカーを集めて明らかにするという責任があるというふうに思いますが、その点についていかがでしょうか。やっていただけるでしょうか、どうでしょうか、答弁願います。
  122. 中島圭一

    ○中島説明員 農林省としまして、価格を幾らにすべきであるとかというようなことは、実際問題としてやっておりません。また、現実問題として、農林省が価格を幾らにすべきであると言えば事がおさまるということはございません。あくまでこれは商品の取引の問題でございますので、当事者間の納得がなければ話がつかない問題でございます。農林省のあっせんによって価格が決まったというような話が出ているということであれば、それはそういう誤解を解くようにいたしたいというふうに思っております。
  123. 藤原ひろ子

    ○藤原委員 メーカーはいま申しましたようなことをにしきの御旗にして振りかざしているわけです。これで非常に困っているわけですね。ですから、政府の指導で自分たちはこれをやっているんだ、こういうことですから、いまそういうことが振りまかれているのであればそうでないということを知らせようというふうにおっしゃったと思うのですけれども、全メーカーに徹底するにはそれでは具体的にどうなさるおつもりですか。集めておっしゃるのですか、それともそういう事実はないということを通達でも出されるのか。徹底してやっていただかないとこの混乱は免れないわけなんです。この点、ここのその場逃れのやりますということでなくて、どのようにやるのか。いますぐにお答えができなければ、後ほど私の方へ具体的にいついつまでにこのような方法で徹底をするということをお答えいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
  124. 中島圭一

    ○中島説明員 どのような方法でやるか、集めてやるか、どうするかということにつきましては、いまここで具体的にお答えすることを差し控えたいと思いますが、ともかくメーカー側にただいま申し上げたようなことにつきましては誤解を解くように徹底するようにしたいと思います。
  125. 藤原ひろ子

    ○藤原委員 いまの件、私の方に後ほど具体的な返事がいただけるのですか。やり方についてはもっと上とも相談をされて、いついつまでにどのような方法でやるというお返事がいただきたいということを申したのですが、その点いかがでしょうか。
  126. 中島圭一

    ○中島説明員 後ほど御連絡を申し上げたいと思います。
  127. 藤原ひろ子

    ○藤原委員 私は、ほかにもそういった例を知っているわけです。たとえば、都内のあるホテルに小売業者の代表を集めさせて値上げを認めさせようとした会議のいきさつなどについても聞いているわけです。これは五月八日の話でございます。  いずれにいたしましても、乳価問題というのは農林省がタッチすべきものではないし、またそんな疑いを持たれるような行動は一切してはならない、幾ら頼まれたからといって軽々にそんなことをしてはならないというふうに思うわけです。  問題は、農林省のすべき仕事は、どのようにして酪農家を守り、かつ国民の食生活を守るのか、ここにしっかりと着眼をして検討をすることが農林省の仕事だ、こういうふうに思います。  牛乳消費の半分を支えております小売業者の団体は、もしいまこの乳価値上げが強行されたならば、われわれ牛乳販売店が壊滅の危機に立たされる、こう言ってすでに反対の意見を表明しておられることは百も御存じのとおりだと思うわけです。また、消費者の団体であります全国消団連も、五月九日、「牛乳は国民の健康保持に必要な食品でありますが、深刻な不況による生活圧迫のためもあって、牛乳の消費は減退しています。」として反対の意思を表明しておられるわけです。  消費の確実な増大が、酪農家の経営安定のための基本的な道とするなら、この原乳価格の引き上げを末端価格への引き上げというふうにすぐに短絡させるような考え方はすぐに改めていただいて、私が指摘をいたしましたように、大手メーカーの多過ぎる利益、これを吐き出させることが、いま最も重要なことだ、こういうふうに思います。このことが、酪農民、小売店、消費者の三者の利益を守り、問題を解決するポイントになるというふうに考えます。農林省の行政指導は、まさにこうした観点にこそ立つべきであるというふうに思うわけです。農林省の真剣な検討を強く要望するわけですけれども、いかがでしょうか。
  128. 中島圭一

    ○中島説明員 私どもといたしましても、牛乳が非常に重要な栄養食品でございますから、できる限り廉価で消費者に安定的に供給されるということが一番好ましいことだと思っているわけでございます。そのためにも酪農政策面におきまして、生産性の向上というようなものを通じまして、できる限りコストを引き下げるということが必要であるというふうに考えておりまして、各般の施策を生産対策として講じているところでございます。  なお、生産者乳価の引き上げが末端価格に影響しないようにということにつきましては、できる限り生産、処理、販売の段階の合理化を通じまして吸収し、消費者の負担ができる限りないようにするということが最も好ましい行き方だというふうに考えるわけでございますけれども、ただ生産、処理、販売、各段階におきまして、やはりコストの上昇ということがありまして、それが、合理化の要因がありましてもなお吸収できないという場合にはある程度値上げはやむを得ないのではないかと思うわけでございますが、いずれにいたしましても、どの程度の水準が適当かということにつきまして、私ども指導ということはやっておりません。これは、あくまで当事者間の話し合いで決めるべきものであるということで対処しているわけでございます。
  129. 藤原ひろ子

    ○藤原委員 先ほど私、資料を公取の方に渡しましたが、農林省にも差し上げたいと思います。見てくださっただろうと思いますけれども。  そうすると、先ほど申し上げましたように、決してこの大手というところは赤字になっていない、黒字だとあなたも認められたではありませんか、そういう中でこの多過ぎる利益を吐き出させることが大切だというふうに申しておりますのに、値上げもやむを得ないのではないかなどといまおっしゃるというのは、大変な問題だというふうに思います。私どもは一切値上げをするような指導はいたしておりませんと、しかし現場では農林省が指導したのだということで押しつけが起こっているという事実を私が明らかにしているにもかかわらず、そのことは調査いたしますと、そうして、どういうふうに徹底するか返事をする、こう言われているのに、もうすでにいまここで、廉価で国民に与えるのは大切だけれども、しかしいろいろコストの関係値上げはやむを得ないなどとあなたがおっしゃるのは非常に問題だというふうに思いますが、どうでしょうか。やむを得ないなどとこんなところで言われていいのでしょうか。そんなことは取り消してくださいな。
  130. 中島圭一

    ○中島説明員 ただいま私が申し上げましたのは、一般論として申し上げたわけでございまして、今回の値上げにつきましてどうこうというふうに申したわけではございません。
  131. 藤原ひろ子

    ○藤原委員 いま私は一般論を話しているのではなくて、この牛乳の値上げの重大な問題について話しているわけです。いまの値上げについては、この値上げを認めるということでないということははっきりしているわけですね。一般論を言われたので、きょうの私の質問に対する、いま問題になっている牛乳値上げ、これが当然だというふうにおっしゃったんではないわけですね。それでいいわけですね。
  132. 中島圭一

    ○中島説明員 一般論として申し上げたわけでございまして、今回の値上げを認めないとか認めるとかいう立場にわれわれ農林省はないというふうに考えております。
  133. 藤原ひろ子

    ○藤原委員 これは、にしきの御旗として農林省の行政指導によってこういうことなんですと大手メーカーが小売店に言っているわけですから、その指導の徹底が図られることが急務だというふうに思います。  それでは先ほどのお約束どおり、どのように具体的にやるのか急いでいただきたい、このことを強く要望して、時間がございませんので終わらせていただきます。      ————◇—————
  134. 美濃政市

    美濃委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。  連鎖販売・ネズミ講等調査委員会に参考人の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  135. 美濃政市

    美濃委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。  なお、参考人の人選及び出頭日時等につきましては、委員長に御一任を願いたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  136. 美濃政市

    美濃委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。  次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後零時五十九分散会