○依田
委員 いまの実態
調査を見ましても本当に土地は二十坪そこそこ、その上に大体大阪は千五百、東京千九百、いずれ
平均しても千七百万円、このくらいで販売されておる、こういう実態であります。これは五十年ですか、いまから約三年前の統計でこういう数字が出ておるわけであります。そうしますと、この販売価格という方は、これはいまでも大体このくらいの値段じゃないと売れないはずであります。二千万を超してくるとなかなか売りにくくなる。そうなってくると、販売価格が三年前とそう違わないでおるということになるとますます土地は少なくなってくるはずであります。そうしませんと買えるような住宅が建たない、こういうことになるはずであります。実際
問題としてこういうミニ開発をお買いになっていらっしゃる方の支払い
方法というものがどういうふうになっているか、その実態
調査ではお調べにならなかったというお話でございますけれ
ども、本当にもう頭金というのは二百万円か三百万円しか払えないのであります。あと千五百万円以上はローンになる。そしてそのローンもいわゆる銀行ローン、その買われる方が自分で銀行からローンを借りられる、そういう所得の方々じゃないのであります。その方々はせっかく都心のアパートにいて、そのときは銀行へある程度積み立てなどをするのでありますけれ
ども、実際今度はミニ開発の場所を買う、少し郊外へ出る、そうしますと取引銀行が変わる、そうしますともう今度の新しい銀行は同じ系列の支店があっても貸してくれない、そういうような低所得者の
人たちがこういう住宅をお買いになっておるのです。われわれもこの支払い
方法をよく調べましてびっくりいたしましたけれ
ども、もう少し現金をお持ちになっておるのじゃないか、少なくとも七、八百万は現金でお出しになっておるのじゃないか、こういうふうに思いましたところが、本当にもう三百万現金で出せばいい、こういうところであります。ですから、もちろん住宅金融公庫の金なんぞは利用できませんし、ローンもいま申し上げましたことでいわゆる提携ローンという金利の高いローンを借りざるを得ない。こういうことでこの方たちは仕方なくこのミニ開発の住宅をお買いになっているわけであります。確かにこの弊害はあるのであります。先ほど
課長が言われましたように、隣と軒を接するように建っておりますから、もちろん日照権はありませんし、通風もない。あるいはプライバシーの
問題からすれば、これまた最悪の
状態であります。災害時にはこれは大変なことになるだろうし、もちろん町の美観から言えば、これも損なう。ましてや十年後にはスラム化してしまうのじゃないか、こういうような心配があるのがこのミニ開発でございます。しかしながら、実際
問題としてこれだけ数があり、そしてまたそれを要求する人がいるんだという実態はわれわれはよく
考えなければならぬのだろう。ですから、大きい家に住んでいらっしゃる方が、自分の周りにそういう細かい家が出てくれば、それは規制してもらいたい、そういうことを言われるだろうし、いろいろ福田総理が規制する、こういうふうにおっしゃるのも、実態をおわかりにならない方は簡単にそういう言が吐けるのじゃないか、こういうふうに思うのであります。しかし、本当にそういう
問題が現実にある。そうして、ではそれがなぜ増加しておるのかということをわれわれは
考えてみなければならぬ。
一つは、もちろんいま申し上げました買う人の所得と購買力、この
問題ではございます。しかし、そのほかにもいろいろ外的条件があるのであります。
幾つか申し上げますけれ
ども、そちらの方はもうよく御存じであります。
一つは、いまいろいろ広い、大きい開発をする場合には開発許可が必要になっております。地方自治体でいろいろ許可をするのでありますけれ
ども、その場合に、本来ならば地方自治体で整備すべき
公共関連施設をその開発業者にやらせる。われわれの東上線でありますけれ
ども、ここは非常にミニ開発が多いのであります。埼玉県もその中に入るのでありますけれ
ども。こういうところの例を幾つか聞いておりますけれ
ども、三百坪以上開発をするようになると集会所をつくれとかいろいろ無理難題を
地方公共団体が言ってくるわけであります。そして、では土地が提供できないならばその分お金で出せ、こういうわけであります。地方自治体に吸い上げられたそのお金が果たして
公共関連施設に使われているのかどうかということになると、これも
問題がある。そういういわゆる開発に要する負担金が高い、こういうことでそういうものの必要のないミニ開発に業者がいく傾向がある。これが増加の
一つの原因であります。
二つ目は、建築の許可の
行政のあり方、これも絡んでいるのじゃないか。最近は日照権あるいは公害
問題で、マンションをつくりたいということで区役所などへ参りますと、
基準に合っておっても、隣近所から不平が出ておる限りはその
問題を解決しないと許可をおろさない、こういう
状態になっておる。こういうようなこともマンションみたいなものをつくるよりは、ではめんどうくさくない小さい木造住宅を建てようか、こういうことになるわけであります。いろいろ原因があるわけでありますけれ
ども、その中から幾つかの点について御質問をさせていただきたい、こういうふうに思うのであります。
まず、さっき
最初に申し上げました
公共施設。地方でいろいろ整備費を不当に——不当という言葉が当たるのかどうかわかりませんけれ
ども、非常に過重なそういうものを要求しておるケースが多いのであります。そして、それが先ほど申しましたように、
公共施設をつくるときに、そのお金で地方自治体がつくってくれればいいのですが、そうではない、財政難の折ですから、雑収入みたいな形で
一般財源の補てんに使われておるというケースがどうも多いような感じがするわけであります。こういうような点については、どういうふうにお
考えになりますでしょうか。