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草川委員 ここで私は厚生省の医療
課長、経
済課長にもお願いをしたいわけでございますが、事がここまで来ますと、私は、ざっくばらんに業界の方に一回原点に戻れという指導をしなければいかぬと思うのです。そういう
意味で、薬務
局長名で都道府県の知事あるいは製薬団体連合会長、医薬品卸業連合会長、日本薬剤師会長へそれぞれ通知を出しておみえになりますけれ
ども、これは私は医療機関にも中野
局長は出さなければだめだと思うのです。そして、この文書の中にも「銘柄別収載方式に移行したことに伴い、非価格競争が激化するのではないかとの懸念がもたれたため」という文章があるのです。あなたが一番最初に、銘柄別になったから混乱をしないというのはうそなんですよ。明らかにここの文章では、薬務
局長が各都道府県の知事とそれからいま言うような関係の団体に、この問題をめぐって激化するのではないかといって通知を出しているのですよ。ですから、同じ
局長の担当の下の
課長さんが銘柄別になったから縮まりましたなんという答弁をされているからこそ話は混乱してくるわけですね。国会でうるさいから少しぐらい適当にやっておけということになってしまうわけですよ。そうではなくて、問題は、事は命にかかわる商品なんだから、安けりゃ安いでいいじゃないですか。あるいは、乱売があるなら、もう少し一定のメーカーの原価に対する適正利潤というものはこうだと行政指導したっていいとぼくは思うのですよ。そして本当の
意味でヒヤリングしたっていいじゃないですか。そうして正当な形でお医者さんも薬を使い、われわれも安心して使うときに、いわゆる副作用という問題もなくなっていくわけであります。
経済性からいって真の
意味での薬とは一体何ぞやという原点に取り戻してやっていただきませんと、問題は進まぬと私は思いますね。きょうは時間がございませんけれ
ども、ここにも供試品というのを持ってきております。供試品というのはずいぶんお医者さんのところに来ております。しかしこれなんかも、ばらすと普通の袋と同じような取り扱いになるわけです。錠剤に供試品とは書いてない。ひどい場合だと、単にレッテルだけ張ってそれを取れば
一般のものに使える、これがいわゆる現金問屋に回る場合もあるわけです。私はここに
一つの例としてオロキシンとケフレックスの錠剤を持ってきておりますけれ
ども、これだって分包機に入れて渡していけば、百二十円のものか二百二十円のものか全然わからぬですよ。よほど顕微鏡で見てどこかの小さなマークでや
あというようなことがなければ、これはまず普通じゃわかりませんでしょうね。ですから私はそういう
意味でも、いまの薬の問題というのはどう
考えても抜本的な見直しをしないとだめだと思うのです。
さらに、これも非常に問題がある言葉でございますけれ
ども、ことしの三月十一日の
新聞に、ある精神病院のロボトミー訴訟で、その病院は裁判に備えて、どうせ裁判に負けるから脱税をしようというので、一億一千三百万円の架空操作をしたという記事が出ております。これは検察側が発表しておる手口ですけれ
ども、薬の卸売業者に頼んで、使ってもいない薬を大量に仕入れたことにする。こういうことがあるわけですよ。脱税額の大半は薬の架空仕入れによるものであったということであります。こういう事件というのは非常に残念だと私は思うのです。本当にまじめに薬の効果というものを研究開発しながら、そういう成果がこういう間違った形に利用される。一体こういうでたらめなものについては薬価
調査というのはどういうように反映されるのか。この薬の問題を取り上げればきりがないわけでございますけれ
ども、ひとつ本気になって実勢価格が反映するようにバルクを変更してもらいたい。いま経
済課長から、バルクの変更はある
程度考えるというような御答弁があったわけでございますが、私は、実際はただ九〇%バルクを七〇%に下げてもだめだ、本当の
意味での加重平均をやらなければだめだと思うのです。加重平均というのは統計学の基礎です。もうバルクを採用する時代ではない。しかも、私はきょうは触れておりませんけれ
ども、二倍の法則というものがあります。小さな分包の方を優先的に取り上げて、いわゆるお徳用品の大きい安い単価の方は薬価に収載をされないという
一つのタイプもあるわけです。私は、いずれこの二倍の法則のあり方について厚生省にひとつ基本的に物を申し上げるということをこの際申し上げておきます。
非常にきょうは不満足な御答弁より得ませんので、私は決して納得をいたしておりませんけれ
ども、事が薬の問題できわめて重要な時期であるだけに、厚生省当局あるいはまた
物価局長の方からもひとつ真剣な対策を立てられることを要望いたしまして、私の質問を終わりたいと思います。どうもありがとうございました。