○
澤邊政府委員 全国農業協同組合中央会から、ただいま御指摘ありましたように、一万九千二百七十六円という
米価の要請が十日に出されております。実は
農協と
大臣なりわれわれクラスとのこの問題を
中心にした話し合いをすでに二回やっております。三回目を近く、十七日にやる予定にしておりまして、そのときに詳しい御
説明があるのではないかというように期待しておりますが、これは私
どもはもらっただけで、
説明を実は受けておりません。受けておりませんので、私
どもがざっと見渡して判断をしておるのが現状でございまして、十七日にはあるいは詳しい御
説明があるのかなというふうに期待をいたしておりますが、御承知のように、大きく変わりましたのは、八〇%バルクライン
生産費方式というのを、
政府のこれまでやっておりますような
平均生産費方式といいますか、そういうのに今年度は変えたという点が、
要求ベース、要請ベースとしては一番大きく変わった点だと思います。その結果、
一三・三%という昨年度の
決定米価に対する引き上げ要請になっておるわけでございまして、この点は、従来二十数%というような大幅な前年対比の値上げ要請に比べますと、私
どもから見まして確かに一歩近づいたという点はございますけれ
ども、なお他の
要素の
とり方につきましては従来とほとんど変わっておりませんので、私
どもとはかなり見解の相違がございます。
一々申し上げるのもいかがかと思いますので、主要なものだけ一、二申し上げてみますと、たとえば都市の
製造業労賃に家族労賃を
評価替えするわけでございますが、私
どもは五人から九百九十九人の製造業者の
平均労賃に
評価替えをするわけでございますけれ
ども、農業団体は一貫いたしまして製造業の五人以上青天井と俗に称しておりますように、大規模の大企業まで全部含めろ、それの
平均賃金で換算しろというようなことの御主張があるわけで、この点は変わっておりませんので、この辺は
計算をいたします場合にはかなり食い違ってくるところではないか。
それからもう
一つは、
企画管理労働といいまして、
生産に
関係は直接性は薄いけれ
ども、研修だとか帳簿をつけるとか、あるいは共同作業の打ち合わせをするとかというようないわゆる
企画管理労働といいますか、そういうものを私
どもは
生産費調査の中で
調査しておりませんし、
米価算定の際にも入れておらないわけですが、そういう直接的な
生産労働時間以外のものも入れるべきである、これもかねての主張でございますが、この点についてはことしは私
どもはまだ決めておりませんけれ
ども、これまでの
農林省側の考えとは依然として大幅に食い違う点であるということでございます。
それからもう
一つは、地代の
とり方でございますが、地代の
とり方につきましては、
農林省側は実際の小作地で小作料を払っている場合には実納小作料をとり、自作地について擬制
計算で、実際に払っておらぬわけですけれ
ども、小作料が払われるはずである、その自作地の地代をどう見るかという場合、私
どもは法律に基づきます統制小作料で
計算をしておりますけれ
ども、農業団体は一貫いたしまして自作地についても実納小作料、小作地において実現をしておる実際の小作料をとるべきである、こういう御主張があるわけで、ことしもその点は変わっておりませんのでへこの辺は
計算をいたしますとかなり食い違いが出てくるということが
予想される点でございます。
それから、麦の点でございますが、これは奨励金の問題ですが、昨年から従来のパリティ
方式を変えました。パリティ
方式のほかに、四十九年度から、麦の
生産振興を図りますために一俵一昨年までは二千三百円の奨励金を出しておったわけですが、これは流通するものにほとんど一律に出るものでございますので普遍性がある、価格的
性格がかなり強いということで、これを織り込んだ新しいパリティ
方式といいますか、そういうものに変えました。これは
米価審議会におきまして研究会をつくっていただきまして、
生産者代表の方も入っていただいて、半年ばかり研究した結果報告が出まして、こういう新しい
方式に直すべきである、価格性の強い奨励金を織り込むべきであるということの答申がありまして、それを受けて昨年からその
方式に従って新パリティ
方式といいますか、それで
算定して前年に比べて四四%ですか、引き上げを行ったわけでございます。
その
算定方式は米審で結論が出たものに従ってやっておることでございますので、今年もその
方式に従ってやっていっていいのではないかというように考えております。