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芳賀委員 これがつまり前
年度の平均賃金ということになるわけでしょう、前
年度は本来から言うと
昭和五十二
年産米の
生産に投下された
自家労賃の評価、これによって当然やるべきですから。ですが、今年の場合は、まだ新しい
年度一年間の実績賃金はわからぬとしても、傾向としては大体今年は五%ということはわかっているでしょう。たとえば、国の公共企業体にしても、先般の仲裁裁定等を受諾したということになれば大体五・四%、四月からこれは賃金が改定される。皆さんの国家公務員の場合には、七月に人事院勧告が出されれば、これを
国会も
政府も尊重するということになっておるわけだから、四月一日にさかのぼって実施、人事院総裁の言をかりれば大体五%そこそことおおよそめどがついておるわけですから、従来
方式も一つのやり方ではありますが、米の
生産活動の期間と、その期間内の労働賃金の評価を行うということになれば、同一時期にこれは合致させるのが理論的にも当然だと思うのですよ。
だから、私の言うのは、いま
小野部長が言った前
年度の平均労賃というものは、もうしっかり実績がわかっておる、現時点においては今年の労賃の上昇率もおよそ九〇%以上確実にわかっておるということになれば、やはり
米価を決める場合にも前
年度の実績賃金に対して今
年度の上昇係数を乗じる、そういう
方式をとった方が最も適合性があるのじゃないか。これはわれわれ社会党としての従来の主張ですが、こういう点も的確に計算する必要があるのじゃないですか。とにかく
生産費所得補償
方式ですからね。所得補償というのは、つまり他産業の労賃に農家の
自家労賃を評価替えするというところに基本があるわけだから、これを米の
生産抑制のために上げたり下げたりするのは邪道だと思うのです。そういう点を十分に踏まえてやるべきだと思うのですよ。
それからもう一つの地代というのは非常に重要ですよ。毎年毎年の思いつきでどうするというものではないのですよ。農地に対する地代というのは、昔から
一定の学説あるいは地代論というものが厳然としてあるわけですからね。単にそれを、小作地が全体の農地の六%しかない、自作地が九四%だとか、あるいは自作について
米価算定土地代を付与するのは当を得ないとか、そういう暴論というか——地代の何物をも知らないようなやからが言う場合は別ですよ。しかし、
農林省の役人が軽々しく地代論というものを取り扱うのは非常に問題があると思うのです。しかもこの自作地に適用する統制小作料というのは、
昭和四十五年の農地法改正の際に、今度は標準小作料
方式に改める。しかし、その時点において現に統制小作料で契約が締結されている小作地については、今後相当長期にわたるとしても、十年間の存続期間を認めて後はこれは消滅させるということになっておるわけでしょう。だから、従来の統制小作料なるものは現在は標準小作料にほとんど移行しておるわけですね。しかも、統制小作料を幾ら
農林省が
米価算定上唱えても、これは
昭和五十五年の十月で終わりということになるでしょう。実在しなくなった安い統制小作料でそれ以降やるなんというわけにはいかぬわけですからね。実態はすでに標準小作料に移行しておるということになれば、少なくとも、実納小作料までにいかなくても、標準小作料をもって
生産費の計算上はこれを地代に採用するというぐらいの決断は必要だと思いますが、この点はどう考えておるのですか。
生産費調査の場合には、小作地、自作地を含め、自作地については類似地の小作料をもって
生産費の場合の地代に当てはめておることはもう言うまでもないわけですからね。この地代を
生産費計算上は、過去三年間の統計
調査の地代を原
生産費ととらえて、それを修正して三分の一くらいの七千円台の地代にしておるわけでしょう。ああいう修正のやり方なんというのは私はないと思うのです。
生産費調査の地代というものを原
生産費にして、それと全く性格の違った九四%の自作地の低い統制小作料を加味したような形で修正するというようなやり方は、世界のどこを探してもないですよ。
〔
山崎(平)
委員長代理退席、
委員長着席〕
全く三百代言的な、そういう地代の低い計算をしている。それだけに頭を使ってきゅうきゅうとしているわけでしょう。だからこういう点についても、統制小作料をとるのであれば、地代のほかに、経営利潤の四%というものはこれに付随しているわけですからね。じゃ、その四%の利潤というものを統制小作料一本やりでやる場合、自作農地に対してどういう数でこれを付与をするんだということにもなるわけですよ。こんなことは常識的にやらなければならぬでしょう。
もう一つは、地代をうんと低く抑えておるということと関連して、これは租税公課の場合に一体どう考えているのですか。農地の固定資産税は、租税公課の場合の固定資産税からは排除されておるわけでしょう。これは当然の
理由があるでしょうね。一方において適正な地代を認めて、一方において土地の固定資産税を認めるということは二重計算のようなことにもなるので、これはいいと思うが、しかし、土地の固定資産税を見ないという場合においては、排除されておる四%の経営利潤、こういうものは当然生かして地代に合算するということにしなければ、何でもかんでも切り捨てればいいというものではないでしょう。そういう点についても十分な
検討が必要だと思いますよ。われわれをばかにして、
国会議員なんというのは何にも知らぬじゃないか、われわれが言えばそれをへこへこそのとおり聞いている、そういう思い上がった考えではこれからの農政は絶対にできないですよ。高くても安くても、ちゃんと正式なまじめな計算の結果というものは表面に出すべきですよ。そうじゃないですか。そういう点についてもことしは十分な
検討、計算が必要だと思うわけです。
〔
委員長退席、
山崎(平)
委員長代理着席〕
それから企画管理労働にしても、
農業の経営は共同化、集団化の方向へだんだん進んでいるでしょう。ですから、米の
生産にしても麦の
生産にしても、
生産活動に付随するいろいろ
会議であるとかあるいは研究であるとか、それに要する時間の消耗というものは当然付随するわけだから、そういうものを絶対認めないなんというのは問題があると思うのですね。
農林省だってそれに類したような
会議とか
調査はやっておるわけでしょう。これは本務に反するから賃金カットするなんというばかなことはやってもいないし、できもしないわけですからね。自分が
生産者になったつもりでやってもらわなければ困るですよ。何でもかんでも安くすればいいとか据え置きになればいいというものではないですからね。そんなことをやってもらうためにわれわれは
農林省の皆さんに
仕事を依頼しておるわけじゃないですからね。
ちょっと説教じみたことになったが、こういう大事な点についてどう考えているのですか。