○堀川政府
委員 まず第一点のお尋ねでございますが、育種につきましては、岡あるいは地方公共団体、都道府県でございますが、それから民間というようなことで行われておるわけでございます。それの実態を見てまいりますと、国、県等で行っておりますのは、主として民間で行い得ないようなもの、技術のレベルでございますとかあるいは採算性というような面で、民間で行い得ないようなものを主として分担をしておるという
関係に相なっております。民間で行っておりますのは、個人の場合もございますし、法人形態、会社などでやっているものもございます。作目の種類によりまして、花でございますとか、一部の野菜でございますとか、あるいはまた果樹
関係、こういったことにつきまして、民間育種がかなり盛んであるというふうに全体としては把握してございます。
そこで、
農林省といたしましては、これら全体の
関係をできるだけ整合性を保って進める必要があるという観点から、特に国、県の機能分担というものを明らかにすることが大切であるという考えのもとに、かなり時間をかけまして検討いたしまして、
先生も御案内のように、五十年の六月に
作物関係育種基本計画というものをつくりましてやっておるわけでございます。これは国、県の
関係をカバーしておるということになっております。
そこで、お尋ねの民間との
関係につきましては、私どもは主といたしまして、民間に対しましては、育種の基本になります材料、育種素材と申しておりますが、こういうものを
外国から導入をしてきてこれの活用を図る。あるいはまた育種の
方法、理論、やり方、こういったものについて民間に対しまして指導するし、あるいはまた研修等、役に立つような普及の面も担当をしておるというようなことが基本になっておるわけでございます。場合によりましたら、育種の母材を提供するというようなことがございまして、たとえば一例を挙げますと、白菜で「平塚一号」というのが有名な
品種でございますが、こういったものは民間に提供いたしまして、これを親とするF1でございますね、これが二十八
品種できておりますし、あるいはまた、それを育種の素材として使いまして新たな系統をつくる、こういったものが三
品種できております。こういうような形で、民間にわれわれの研究蓄積なり材料の提供ということで御援助を申し上げておるというのが実情でございます。
それから第二の問題でございますが、筑波の施設整備等とも
関連しまして、試験研究機関の体制整備を図りながら、その中で、この育種の問題は非常に重要な問題でございますから、私ども、ただいま申し上げました育種の基本計画に従いまして、それぞれの専門場所、地域
農業試験場、農事試験場、
農業技術研究所、こういうものの研究分担を明定をいたしまして、機能分担を図ってやってまいることにしております。育種につきましては非常に忌の長い話でございまして、年々の変動ということはそうございます話ではありません。したがいまして、予算規模等もかなり力を入れてやってまいっておるわけですが、そう年によって変動するという性格じゃないと思いまして、私どもが必要な予算は、国、県の
関係でぜひとも確保いたしたいというふうに思って進めておるわけでございます。