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芳賀委員 これは最初に据え置きのつもりでやったところが、少し下がり過ぎたんでしょう。それであわてて据え置きに直したというのが実態だろうと思うのです。
それからもう
一つは、いまの
大臣の答弁の中に大きな間違いがありますから、この点だけは
大臣の立場もあるので訂正しておいた方がいいと思いますけれ
ども、あなたは三・二%換算があたりまえであって、実乳量のたとえば三・五八%で取引をするのは擬制だということを言ったが、これは間違いなんですよ。三・二%換算が擬制
計算で換算して出すわけだから、しぼったままの乳が実乳量なんですよね。
佐野君、間違えないように
大臣に教えておけよ。日本の
農林大臣があべこべのことを言ったなんといったら笑い物になりますからね。
そこで、取引状態というものはあなたの方が私より詳しいでしょう、十勝の日本の
畜産基地で生まれているんだから。これは工場へ運ぶときは水増ししてないでしょう。しぼったままの乳で工場に搬入しておる。そこで脂肪検定をして、いや中川さんのはなかなか
えさがいいから三・五八%ある。ところが、取引基準は乳脂率三・二%だから、そうすると基準よりも〇・三八%脂肪が多い。この分については工場と
生産者の合意と言われておりますけれ
ども、〇・一%を超えるごとに一円脂肪加算をするということになっておるんですよ。これは双方で相談して決めたというのだから、われわれが見ると〇・一で三円ぐらいは当然だと思うのですが、そういう取引をしているわけです。だから、この取引については、何も三・二%の擬制
計算をした乳量で取引するわけじゃないんです。だから、三・二%換算と実体取引は全然関係がないんですよ。ただ、
価格を
算定する場合に、以前から
統計の方では三・二%に換算をして、そして一頭当たりの第二次
生産費を分子にして割っておるから、そういうことをやっておる。たまたま
畜産局としてみて、これはいい方法だ、こうやればキロ七円とか十円安くなるからこれを使え。中川
大臣が指示したのじゃなくて、これは十年も前からやっているわけだから、そういう間違いは何もあなた踏襲する必要はないんじゃないですか。
だから、こういう点がありますからね。
大臣、こっちを向いてなきゃだめよ。役人なんかとは晩に相談すればいいのです。どこに問題があるか、これは
国会のわれわれ
委員だけが気がついたのではないのですよ。北海道と言わず、全国の酪農民、
畜産農民の皆さん方がこういう矛盾にだんだん気がついておるわけですから、それをばかにして、なにいままで
どおりやれば何もわかるものではないというようなことではだめですよ。あなたは
大臣ですけれ
ども、三年も五年もやるわけではないが、
政府の官僚機構の中にそういう弊害というか、弊風というものがだんだん充満しておるのですよ。そういう点はやはり国務
大臣として、官僚の誤りを正すぐらいの度胸がなければだめでしょう。
中尾委員長は青嵐会の座長、中川
農林大臣は
代表だ。そういうそうそうたる実力者がいるわけだから。
これは余談になりましたけれ
ども、
農林大臣がすべて
決定して告示をするわけでありますから、ぜひいまの日本の
畜産関係の実情、とにかく生産が上がって、にもかかわらず、外国からの乳製品の輸入というのは減らないでしょう。これを生乳に換算すると年間二百二十四万トン。先般
畜産局長は、いやそれほどはない、二百四万トンはありますということを言っておりましたね。だから、近代化計画に農民が協力してどんどん国内の生産が伸びるということになれば、消費がそれに伴わない場合には、どうしても国産優先ということになれば、過剰傾向になった場合には外国から入る乳製品をまずそれだけ削減するということをやらなければ、これはまた黒字減らしでECとか豪州、ニュージーランドもやかましいわけだから、
大臣が抵抗しているということはわかるよ。しかしまた、しようがないから乳製品もふやせということになると、やはりこれが外圧になって、日本の米作農民にしても、
畜産農民にしても、結局は全部
農業の部面にしわ寄せを受けるということになるわけですから、この際、国内の食糧の自給度を上げて、安定的な確保を図る、その路線というものを、
農林大臣として先頭に立って、その馬力でやってもらいたいということです。あとはどういう答えをあなたが出すかは、これはあしたかあさってですから、十分にがんばってもらいたい。