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1978-04-28 第84回国会 衆議院 内閣委員会 第17号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十三年四月二十八日(金曜日)     午前十時十分開議  出席委員    委員長 始関 伊平君   理事 小宮山重四郎君 理事 高鳥  修君    理事 藤尾 正行君 理事 村田敬次郎君    理事 岩垂寿喜男君 理事 上原 康助君    理事 鈴切 康雄君 理事 受田 新吉君       逢沢 英雄君    小島 静馬君       関谷 勝嗣君    玉生 孝久君       塚原 俊平君    萩原 幸雄君       上田 卓三君    栂野 泰二君       安井 吉典君    山花 貞夫君       新井 彬之君    市川 雄一君       柴田 睦夫君    中川 秀直君  出席国務大臣         国 務 大 臣         (行政管理庁長         官)      荒舩清十郎君  出席政府委員         行政管理庁長官         官房審議官   加地 夏雄君         行政管理庁行政         管理局長    辻  敬一君         行政管理庁行政         監察局長    佐倉  尚君         防衛施設庁長官 亘理  彰君         防衛施設庁総務         部長      奥山 正也君  委員外出席者         内閣官房内閣参         事官      角田 達郎君         外務省アメリカ         局安全保障課長 丹波  実君         大蔵大臣官房地         方課長     宮原  翠君         大蔵省主計局給         与課長     川崎 正道君         内閣委員会調査         室長      長倉 司郎君     ————————————— 委員異動 四月二十八日  辞任         補欠選任   田川 誠一君     中川 秀直君 同日  辞任         補欠選任   中川 秀直君     田川 誠一君     ————————————— 本日の会議に付した案件  行政管理庁設置法の一部を改正する法律案(内  閣提出第二六号)  地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、  北海道管区行政監察局分室設置に関し承認  を求めるの件(内閣提出承認第二号)      ————◇—————
  2. 始関伊平

    始関委員長 これより会議を開きます。  行政管理庁設置法の一部を改正する法律案及び地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、北海道管区行政監察局分室設置に関し承認を求めるの件の両案件を議題といたします。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。上原康助君。
  3. 上原康助

    上原委員 大臣、朝早うから御苦労さんです。  昨日から、提出をされております行政管理庁設置法の一部改正案審議が進められているわけですが、すでに各先生方から、多くの問題点について御質疑あるいは御指摘があったと思いますが、私も、法案と関連することをいま少し取り上げさせていただきたいと思うのです。  そこで、今回提出された設置法の一部改正は、申し上げるまでもなく、北海道行政機構を整理する、あるいは統合するという内容になっているわけですが、その趣旨説明にもありますように、行政機構簡素化合理化を図るため函館行政監察局旭川行政監察局及び釧路行政監察局廃止する必要がある、これが法律提出する理由だと述べておられるわけですね。せんだって、私たちも、直接北海道管区関係者にお会いをして、いろいろ実情どもお聞きをしてきたわけですが、今回この三カ所の行政監察局廃止することによって、地域皆さんは、地域住民へのサービス低下をするのじゃなかろうかということを非常に懸念をいたしているわけであります。もちろん、この局そのもの廃止をしても、行政監察局分室を設けて住民サービス低下は来さないように、いろいろ事後対策といいますか事後措置をやるという御説明でありましたが、果たして行政管理庁がお考えになっておられるように、従来の函館旭川釧路行政監察局廃止したにしても住民サービス低下というものが来さないようにできるのかどうか、その点について、改めて御見解を承っておきたいと思うのです。
  4. 加地夏雄

    加地政府委員 三つ地方局廃止いたしまして、札幌にございます管区の局に吸収するわけでございますが、その内容といたしまして、一つは、行政相談関係業務につきましては、その三地方局の後に分室を設けるということがございます。同時に、管区行政相談部をつくるということがございます。  御承知のように、監察局におきましてやっております仕事の中には、一つ行政監察仕事、もう一つ行政相談仕事その他ございますけれども、その中で行政相談は、各市町村行政相談委員配置いたしておりまして、直接住民からのそういう行政苦情というものを処理しておりますので、きわめて現実的な事務でございますし、住民サービスにつながる問題でございますので、いま申し上げましたような体制を整えまして、住民サービス低下しないように措置を講じておる次第でございます。
  5. 上原康助

    上原委員 いまの御説明は、私ども北海道に行ったときもいろいろ御説明があったわけですが、もちろん、このことについては、関係職員といいますか、地元の方でも、営林局問題のようには強い反対といいますかあるいは懸念というものは、われわれの調査の過程では出ていなかったような気もいたしますが、しかし、昨日の安井先生お尋ねにもありましたように、実際問題として、地域方々はまだまだ不安を持っておるわけですね。皆さんのおつくりになっているこの業務概況説明資料などを見ても、旭川にしましても函館にしても釧路にしても、相当広範囲の行政監察業務をやっている、あるいは行政相談等を行ってきているわけですから、分室を置くにしても、また北海道管区相談部を設けるにしても、機構として、あるいは陣容そのものを含めて、従前より後退することは間違いないわけですね。そこいらの点は十分御配慮いただきたいと思いますし、そのことが、われわれがこの法案ににわかに納得できない要点になっているということも含めて、指摘をしておきたいと思うのです。  そこで、いま行政相談委員問題等もお触れになったわけですが、そのことはいま少し後でお尋ねすることにして、今回の局の廃止に伴って影響を受ける職員の数は何名おりますか。
  6. 加地夏雄

    加地政府委員 この三つ地方局におります職員は全体で四十四名でございますが、そのうち分室という形で残る人員と、それから札幌の方に監察関係配置がえになる職員、これを含めた数の差が実は七名ということになっております。それで余剰人員——余剰といいましょうか、合理化によって七名は効果が上がるという形になるわけでございます。
  7. 上原康助

    上原委員 結局、七名の方々が退職もしくはやめなければいけないということになるわけですか。
  8. 加地夏雄

    加地政府委員 いま申し上げました七名は、計算上の人数として七名が出るということを申し上げたわけでございます。しかし、現実にこういう方々が全部退職するわけでもございませんし、たとえば強制配置転換をするようなこともいたしませんし、これは別途、行政管理庁全体の定員計画の中で、全体としてスムーズに吸収できるような措置を講じていきたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
  9. 上原康助

    上原委員 この業務概況説明資料の五ページに職員の数などいろいろ記されておりますが、要するに函館旭川釧路の方は、現在は函館が十六名、これが分室になって九名に減る、旭川は十四名から九名に、釧路の方は十四名から九名になるわけですね。
  10. 加地夏雄

    加地政府委員 そのとおりでございます。
  11. 上原康助

    上原委員 そこで、いまの七名とおっしゃるのは、北海道管区の方が現在四十八人、そして機構改革後五十八人に増員になるわけで、ふえるのは八名ですか。いま私が申し上げたそれぞれの廃止をされる局の方は、人員としては二十八人の削減になるわけですよね。
  12. 加地夏雄

    加地政府委員 もうちょっと詳しく申し上げますと、現在三局に配置されておるのは、いま先生お話しのように四十四名でございます、十六名、十四名、十四名でございますから。その四十四名の中で、分室という形で残りますのは二十七名でございます。一方、先ほど申し上げましたよううに、監察関係につきましてはこれを管区へ吸収するという形になるわけです。したがって、管区から監察をやるという形になりますので、従来その四十四名の中におりました十名は、これは札幌管区の方に配置がえになるわけでございます。そういたしますと、管区に十名と、それから分室で残る二十七名でございますね、合わせまして三十七名というのが再配置をされるという形になります。したがって、七名というのは、その四十四名から三十七名を引いた残りの数が七名ということでございます。
  13. 上原康助

    上原委員 そうしますと、今度の機構改革に伴って、少なくとも職員意思を無視する、あるいは、御答弁はあったんですが、強制的に配置転換とか、そういうことはない。さらにまた、該当者といいますか、関係職員意思というものは十分尊重して措置をとられるということでよろしいですか。
  14. 加地夏雄

    加地政府委員 いまおっしゃったような形を私どもは十分考えてやっていきたいというふうに考えております。
  15. 上原康助

    上原委員 十分考えてやるということは、ちょっと歯切れが悪いので、こういう行政改革をやることによって、公務員の職員団体ですから、強い要求が出せないとか、いろいろな不満やまた反対などがあっても、なかなか行政管理機構の中では自分たち意思、まあ意思どおりといいますか、そういう個人個人の自由というものは一定限度制約を受けるのはこれは当然ですが、無視されたような処置はとらない、そのことは長官の方、お約束できますね。
  16. 荒舩清十郎

    荒舩国務大臣 お答えをいたします。  そういうことはございません。大丈夫です。
  17. 上原康助

    上原委員 次に、行政相談の問題です。  私はまた大変失礼な言い方になるかもしれませんが、北海道調査に行って感じたことは、行政管理庁仕事というのは、行政組織法なり行政管理庁設置法によると、大変な権限を有するお仕事をやるお役所だと、私は、十分は勉強しておりませんが、思っているのです。しかし実際は、行政相談というのが何か主たる任務のような感を受けたんですね。もちろんそれも、住民サービスといいますか、地域住民との関係で軽々にできない業務であるということは、私なりに理解をいたしておるわけです。後で時間があればちょっと触れたいのですが、行政管理庁設置法の第二条ですかにうたわれている行政管理庁の、要するに所掌事務及び権限というものがどう今日まで生かされてきたかということに、いささか疑念も持たないわけでもないわけですね。そういう基本的な問題もまだあるということの前提でお尋ねもするわけですが、この行政相談委員身分の問題ですね、あるいは待遇というものについて、現況はどうなっているのか、少し御説明を、簡潔にお願いしたいと思います。
  18. 佐倉尚

    佐倉政府委員 行政相談委員のことについてお尋ねでございますけれども行政相談委員身分は、行政管理庁長官委任者でございまして、それを受ける受任者と、委任者受任者というのがその身分上の立場でございます。  行政相談委員に対します処遇の問題でございますけれども、大体報酬という名目のものはないわけでございます。それで実費弁償金としまして、五十三年度は一人当たり一万二千円という額が計上されているわけでございますが、そのほかにいろいろ資料購入費あるいは事務連絡のための旅費、そういったものが計上されております。そういうものを含めますと一人当たり大体四万円ぐらいの金額になりますけれども、いわゆる実費弁償金としましてはそのうちの一万二千円というものが支給されるわけでございます。
  19. 上原康助

    上原委員 これは年間でしょう。
  20. 佐倉尚

    佐倉政府委員 失礼いたしました。年額でございます。
  21. 上原康助

    上原委員 これは受田先生が、これまでいろいろお尋ねをなさったり、また非常にお詳しいお立場でやられているので、私の方から余り申し上げるまでもないかと思うのですが、この点については、待遇改善の問題を含めて、もう少しよくお考えになってはいかがかと思うのですね。  現在、行政相談委員というのは全国どのぐらいいるんですか。
  22. 佐倉尚

    佐倉政府委員 行政相談委員は、定員としまして全国で四千五百七十六名でございます。これは、市町村には小さいところでも一人は必ず置く、それから大きな市等においては、大体人口五万人に一人というのがその設置基準になっております。
  23. 上原康助

    上原委員 四千五百七十六人もおられる。そこで、実費補償といいますか、これは報酬とは言えませんね。手当。本当に御苦労さんという程度のことだと思うのですが、わずかに年額にして一万二千円、その他交通費とかそういった実費を含めて約四万円。そうしますと、月に直すと微々たるものですよね。これではちょっと、りっぱな行政相談ができないんじゃないかという感じもしますので、もちろん、そういった手当とか報酬だけですべてを評価するというのは私もよくないとは思うのですが、いずれにしましても改善する余地はあると私は思うのですね。  そこで、行政管理庁予算をざっとながめてみたのですが、五十三年度の予算総額が庁全体として百七十八億七千八百七十七万六千円。間違いありませんか。
  24. 加地夏雄

    加地政府委員 御指摘のとおり、百七十八億七千八百万円でございます。
  25. 上原康助

    上原委員 そこで、このうちの行政相談委員活動充実強化費というのがありますね、わずかに二億五千八百四万五千円。もちろん、億単位のお金ですから、わずかというわけにはいかないかもしれませんが、四千五百七十六人もおって、全体の額が二億五千万程度ですね。そういう面からして、大物大臣がおられるには余りに少な過ぎる感じもするわけです。もちろん、大臣大物、小物というのは失礼で、予算はそれに左右されてはなりませんが、どうですか、荒舩大臣、こういった面は。これは相当社会に尽くした方々が、各市町村なり地域行政相談委員としていろいろやっておられるわけです。  同時に、時間もありませんので細かいことまでは触れられませんが、この業務報告資料を見ましても、行政相談受付事案というものは、北海道の例をとりますと、昭和五十二年十二月末現在で、一番多いのがやはり厚生省ですね。厚生の次が建設省総理府あるいは法務省というふうになっているわけですね。厚生省というのは、恐らく社会福祉とか年金、そういう問題だと思うのです。あるいは建設省というのは、道路とか水道、そういった地域住民とのいろんな密接な問題があると思うし、また総理府というのは、恩給とかそういう件が含まれていると私は思う。法務省というのは、自分たちの相続とか、主に私的な法律事項だと思います。そういう面からしても、この行政相談委員のやっておられるお仕事とか内容というものは、地域住民日常生活十分密接不可分のことをいろいろ御相談をしている向きがあるわけです。そういう面からしますと、単なる名誉職とか、あるいは仕事しないよりは何か健康づくり体力づくりのためにやっているというような問題じゃないのじゃないかと私は思うのです。したがって、このことについてはかねがね指摘もありますので、十分実態を掌握をしていただいて、今後待遇改善なり予算措置を適正にやっていただく。この件について大臣の御所見を承っておきたいと思うのです。
  26. 荒舩清十郎

    荒舩国務大臣 お答えをいたします。  全くそのとおりでございまして、実費弁償と、こう言いまして、最初に一月と一年を間違えました。私は、一体こんなことがこの世の中であるかなと不思議に思ったぐらいでございます。まことにこれはおっしゃるとおりでございまして、何とも返事のしようがございません。大蔵省折衝をしたのでございますが、ほかにもこういうようななにがありまして、やっと一年間に千円上げただけなんです。一万一千円が一万二千円になっただけです。私は、相談委員人たちに何とも顔向けもできないようなことでございます。しかし、上原さん御指摘のように、この相談委員の方は、各市町村、みんなその土地の相当古い、いろいろな経験をなすった方でございまして、それでも喜んでやっていただいておりまして、本当に頭が上がらないような状況でございます。よくやっていただき、ありがたいことだなという、そういう気持ちでおりますが、さりとて、そういうことだけで済むものでもございません。したがいまして、鋭意ひとつ大蔵省折衝を今後続けて、こういうことを改善していくつもりでございます。
  27. 上原康助

    上原委員 波及する問題等もあってなかなか容易でない向きもあろうかと思うのですが、いま申し上げたような実情でありますし、この点は受田先生が御専門でやっていますし、私は後押ししながら一緒にやりたいと思いますので、身分の問題を含めて、ぜひ十分な御配慮をいただきたいと思います。大臣の、一歩か三歩ぐらい前向き答弁もありましたので、次に進みます。  次に、大蔵省いらしていますね、これは行管の法の改正とは直接ではありませんが、行政改革の一部には間違いないので、小樽財務部廃止の問題、きのう安井先生お尋ねになっておったのですが、これも職員団体なり関係者地域含めて強く反対をしているわけですね。住民サービス低下を来す、あるいは過疎化をますます促進する結果になる。しかし、部ですから、省令改正によって告示できるということで、どうもわれわれの要望のようにはいかないようですが、この職員配置転換などはどうなっているかということと、出張所として一定限度残すということのようですが、出張所は一体いつまで存置させるのか。また、その再配置といいますか、転換をされる職員身分とかそういうものについては、十分関係者意思が尊重されておるのかどうか。改めて、この二点について御答弁をいただいておきたいと思うのです。
  28. 宮原翠

    宮原説明員 お答え申し上げます。  先生指摘のとおり、小樽財務部廃止することにつきましては地元方々からいろいろ反対の御意見なども寄せていただいて、十分に承知はいたしております。  ただ、いろいろな観点から総合的に考えまして、行政簡素化趣旨に沿いましてこの財務部を五十三年度に廃止したいというふうに考えておるわけでございます。しかしながら、その地元問題等ございますので、私ども、全部を引き上げるというわけではございませんで、地元に直接関連の深い国有財産事務等を所掌する部門はそのまま残したいと思っております。この規模を若干縮小した形で現地の事務処理機関として、出張所というような形で残したいというふうに考えております。したがいまして、この出張所廃止するというような計画はもちろん持っておりません。  それから、もう一つお尋ね職員の問題でございますが、現在もここには三十二名の職員が勤務いたしておりますけれども、若干の配置異動ということは避けられないと思います。しかしながら、ここは本局から非常に近うございまして、いまでも半分以上ぐらいの職員札幌から通っておるというような事情もございまして、若干の人数本局の方に配置がえをいたしたいと思いますが、その点では特に大きな支障はないと思っております。また、身分等につきましても、現在の身分から決して不利益になるようなことのないように、十分にその代替のポストの確保等についても考えております。  以上、お答えいたします。
  29. 上原康助

    上原委員 そうしますと、国有財産管理あるいは処分の問題とか金融機関との関係等もあって、出張所として機関機構は残す、これは暫定措置とかそういうことじゃなくして、将来もそういう出張所の形では存置せしめるという方針で、それまですべて、近い将来といいますか、廃止をするということじゃないのですね。
  30. 宮原翠

    宮原説明員 先ほどお答え申し上げましたとおり、余り遠い将来のことまで責任を持ってお答え申し上げかねますけれども、この行政改革において今回縮小して出張所といたしますので、これを廃止する計画はございません。
  31. 上原康助

    上原委員 これは、出張所である場合は省令改正ですぐできるわけですか、告示だけで。やはり承認案件にはならないのですか。
  32. 宮原翠

    宮原説明員 考え方といたしましては、大蔵省組織規程省令の付表を改正する、告示で行いたいというふうに考えております。
  33. 上原康助

    上原委員 ちょっと疑問がありますが、機構改革は、そういうふうにもうどんどん省の立場で、あるいは省庁省令とか政令とかそういう面で変えられたんじゃ困ると思いますので、ここもまた問題点ですから、努めて法案として国会へ出して、みんなの声を聞いて審議をするというルールだけはぜひ守る、そのルールを確立するということを強く行政管理庁要求をしておきたいと思うのです。  次に、これも皆さんの、昨年十二月二十三日のこの「行政改革の推進について」の閣議決定の中で指摘されている点ですが、概要だけお答えいただきたいのですけれども、その十九ページに、庁用乗用自動車運転業務改善についていろいろ述べられているわけです。その中で、「各省庁は、昭和五十三年度以降五カ年間の欠員不補充措置を含む合理化計画を、昭和五十三年四月末日までに策定するものとし、行政管理庁は所要の調整を行うものとする。」とあるわけですね。昭和五十三年の四月末日と言うと、きょうは二十八日で、あしたから休みに入るので、もうできていると思うのですが、この内容はどうなっているのか、お答えいただきたいと思います。
  34. 辻敬一

    辻政府委員 庁用乗用自動車運転業務合理化につきましては、ただいま御指摘のございましたような方向で進めているわけでございまして、四月中に各省からの計画が出てまいりまして、それを取りまとめるつもりでございます。  大体の考え方といたしましては、庁用乗用自動車運転手総数の一〇%を目途に五カ年間欠員補充でやってまいりたいというふうに考えております。ただし、自動車が一台しかなくて、庁用乗用自動車運転手が一人しかいないというようなところはこれを除外するとか、そういうことにつきまして各省庁実情に応じて調整を図って、今後相談してまいりたい、かように考えておるところでございます。
  35. 上原康助

    上原委員 官庁用といいますか、公用車というのは、全体で一体何台ぐらいあるのですか。
  36. 辻敬一

    辻政府委員 中央省庁庁用乗用自動車でございますが、その総数は千百十三台でございます。
  37. 上原康助

    上原委員 これは要望しておきますが、各省庁から出された資料、それから各省庁の保有している公用自動車の台数、それから運転手の数、そういう面の資料について御提出いただきたいと思いますが、よろしいですね。
  38. 辻敬一

    辻政府委員 必要な資料を調製いたしまして、御報告を申し上げます。
  39. 上原康助

    上原委員 そこで次に、先ほど少し触れました行政管理庁設置法によりますと、先ほども言いましたように相当重要な権限を持っておるわけですね。もちろん、この間から議論されてまいりましたように、総論賛成で各論になるとなかなか思うようにいかないという大臣の御答弁もあったのです。私はそれもわからないわけでもありませんし、また非常にむずかしいということも重々承知をしているつもりであります。それにしても、この設置法の「所掌事務及び権限」の第二条で、一号から十四号まで、どういう所掌事務をやり、どういう権限を有しているかというのが列挙されているわけですね。きわめて全般的な機構の問題あるいは人員その他の行政業務内容計画とかをチェックできるお立場にあるわけですから、その点は私はもっと有為に、有効に行使をすべきところはやらなきゃいかぬと思うわけですね。むだを省く、そういう中で住民サービス低下をさせないということを一つの大前提とするといいますか、柱にして、いわゆるコストの低減というものを図る。いたずらに機構をいじるだけが、大変失礼な言い方ですが、能じゃないと私は思うのです。  こういう点については、どうも従来の行政改革というものは、大変力のある方が長官になって、やらないでバランスをとるタイプと、いわゆるやる方の前向きと、二つがあるし、その中間に、音さたなしで一カ年か半カ年くらい長官をやって、全くだれだったかもわからないという人もいる結果、今日までなっていると思うのですね。それじゃいかぬと思いますので、ここに盛られたことについてはぜひ、この閣議決定ではまだまだ不十分な点があると思いますから、行政管理庁という立場でもう一遍十分御検討いただいて、そのものを閣議なりあるいは各省庁に積極的に、こういう方針で私たちは主体的にやっていきたいのだというものをおつくりになるのがいいのじゃないかと私は思うのですが、この点について、改めて長官の御所見を承っておきたいと思います。
  40. 荒舩清十郎

    荒舩国務大臣 お答えをいたします。  全くそのとおりでございます。全く上原さんと同じ気持ちでございます。機構いじりばかりでなく、いかにしたらサービス低下させないで、しかも行政のコストダウンをするかというようなことでございます。  実は、きのうも受田先生から御質問がありまして、一体行政監理委員会で補助金の問題をどうするか。そこできのうは、行政監理委員会の答申を受けた、それを事務次官会議を開いてもらって決定をいたしまして——補助金をもらうために、地方、中央を通じますと大体十二、三万人の人間が懸命な努力をする。それから、沖繩から北海道に至るまで、みんな、補助金をもらうために何回も何回も東京までやってくるようなむだ遣いをしている。そこで、これは私ども、根本からやり直しをしなければならない。きのう御質問がありましたのを、きょうも閣議で、八月末までに各省が全部、こういう補助金について簡素化するという案を出してもらうということに決定をしてきたわけでございます。  機構いじりばかりじゃない。どうしたら行政がコストダウンするかということで、これは党派を別にしてどうぞ御意見を聞かしてもらって、改革すべきことは思い切った改革をしなければならない。機構いじりばかりして、私の言葉が言い過ぎるかどうかわからないが、総理がただアドバルーンを上げて、官庁を統廃合するんだ、やれエネルギー省をつくるんだ、やれ住宅省をつくるんだというだけのアドバルーンじゃ、それを受けて立つ私の方はたまったものじゃないですよ。そういうことじゃないのです。もうやらなければならないのですよ。けれども、そういう機構いじりをして、一体、行政の簡素化になるかならないかということも考えたり、景気の浮揚に邪魔にならないかということも考えたり、いろいろしなくちゃならないのです。私ども足りない点があるかもしれませんが、御注意をいただいて、そして会議だけでなく、ひとつ私のところへも、これをやれ、あれをやれと言って、ともかく皆さんからいい案を出してもらえばそのとおりにしますから、御注意を願いたいと思います。一歩一歩やりますから、どうぞよろしくお願いします。
  41. 上原康助

    上原委員 補助金問題は、この間私もいろいろ指摘をいたしましたが、ぜひ関係者関係団体、地域の意向なども十分尊重した上での行政の民主化、改革というものをやっていただきたい。いまの補助金というのは、これを称して中央集権化というのです。お恵みを与えてコントロールしている。そんなリモートコントロールみたいな行政はだめですよ。  次に進みますが、これもこの閣議決定の四ページにありますが、防衛庁関係についても述べられております。「防衛施設局の防衛施設事務所等について、五年間以内に一割を目途として整理統合を行う。」これは大体どういう計画ですか。
  42. 亘理彰

    ○亘理政府委員 お答えいたします。  お話しの点につきましては、いろいろ私ども閣議決定を受けまして具体的な検討をいたしております。防衛施設事務所等は三十ございまして、一割と申しますと三つでございますが、これをやはり地元住民方々等の利便に比較的影響の少ない方法で整理統合していくということで、五年以内に三つの削減は事務的には可能であると考えております。本年度すでに、三つのうち一つはこの四月から、多賀城の管理事務所ということでございますが、これを整理いたしております。
  43. 上原康助

    上原委員 そこで、防衛施設庁にかかわる問題について少しお尋ねをさしていただきたいのです。いろいろ報道されておりますのを拝見してみますと、五月三日に日米首脳会談が開かれるわけです。私もある程度関心を持っておりますし、また大きな荷物を背負わない日米会談になればと期待というか希望しているのですが、まあその後にいろいろまた議論が出てくると思います。  そこで一つだけ、施設庁と外務省にお尋ねをしておきます。在日米軍維持経費問題についてかなりいろいろな憶測がなされておるのですが、維持経費の日本側肩がわりの拡大問題も日米首脳会談において取り上げられるのか。その準備を外務省と防衛施設庁はやっているというような報道もありますし、また、去る二十四日の自衛隊幹部会同における福田総理あるいは金丸防衛庁長官の御発言などからしても、安保体制の一層の緊密化、強化というものを言っておって、負担問題も前向きに対処をせねばいかないというようなことを述べられたというのですが、この点についてどのように日米首脳会談では取り上げられるのか、お聞かせいただきたいと思います。
  44. 亘理彰

    ○亘理政府委員 日米首脳会談の問題は外務省からお答えするのが適当かと思いますが、いま先生お話しの高級幹部会同でのお話につきましては、これは日米安全保障条約に基づく安保体制の重要性ということはもとよりでありまして、それについて施設、区域を日本側が提供しておりますが、その安定的使用を図らなければならない、これももういつも申しておる当然のことを防衛庁長官が言われたわけでございます。いわゆる経費問題についての御発言は、私もその会議に出席しておったわけでありますが、総理からも防衛庁長官からも、出たという事実はございません。
  45. 上原康助

    上原委員 外務省、どうですか。
  46. 丹波実

    ○丹波説明員 お答えいたします。  先生承知と思うのでございますけれども、今回の日米首脳会談の主要な日米双方の関心の問題は、世界経済の今後の動きをどうやっていくかという問題であるとか、あるいはアジアにおける平和と安定の問題、あるいはASEANの動向、そういったような問題が主たる問題でございまして、少なくとも日本側として、今回の首脳会談に向けて在日米軍の維持経費の問題をどうこうするという考え方は持っておりません。したがって、特定の準備を施設庁との間でしておるとかいうことはございません。  維持経費の問題につきましては、昨年六月、米議会に出されました会計検査院の報告書によりますと、現在アメリカは在日米軍維持のために年間十億ドルの支出をしており、かつ石油ショック以来の日本における諸物価の高騰のために非常に財政状態が緊迫しておるということでございまして、その点のアメリカ側の困難は私たちとしてもよく理解をしておりますけれども、だからといって、地位協定上のたてまえがあるわけでございますから、そういう枠を踏み出してまで何かをするということは、私たちは、日米首脳会談があるなしにかかわらず考えておりません。
  47. 上原康助

    上原委員 いずれ問題になろうかと思いますので、きょうはその方針、考え方だけを聞いておきたいと思います。  そこで、私は三月二日でしたか、本委員会で外務省設置法審議のとき、あるいはその後沖特でもいろいろ取り上げてきたのですが、きょうは四月二十八日です。防衛施設庁長官、四月二十八日は沖繩にとってどういう日か、わかりますか。——恐らくわからぬと思うのです。四・二八というのをもう忘れたですか。復帰前ですと、きょうは沖繩の屈辱の日といって、復帰運動、怒りの日なんです。昭和二十七年サンフランシスコ条約が締結されて、沖繩が日本の施政権下から法的に分断された日なんです。いまもってその傷跡は深いわけですが、まあ一応形式的には七二年五月十五日に復帰になったわけです。その五月十五日に、沖繩の米軍基地をどのように使用していくかということでいろいろ日米間で取り決めをした、あるいは合同委員会なりで合意をしたメモの問題、合意事項、協定事項は国会でも何回か議論されましたし、私もまた具体的に基地名を挙げて、本土の使用基地を含めて早急にその内容について明らかにせよということを資料要求もいたしましたし、また住民生活と密接にかかわっている部分については資料をつくってお出ししますということを約束をいたしました。しかし、残念ながら今日まで、まだそのことが明らかにされていない。一体どうなっているのか。いつ明らかにできるのか。もうこれをいつまでも逡巡するわけにはまいりませんので、この際、資料を提供していただきたいと思います。
  48. 亘理彰

    ○亘理政府委員 ただいま御指摘のいわゆる五・一五メモにつきましては、私も国会においてお答えしたことがございますし、できるだけ早く提出したいということで努力しておるわけでございますが、米側の内部の調整が意外に手間取っておりまして、おくれておりますことは大変申しわけないと思います。この状況については、先生の方には一々担当者から御連絡申し上げておると思うわけでございます。私ども、横田の在日米軍司令部と交渉いたしますが、横田はまた各軍に意見を聞く、各軍はそれぞれの指揮系統に従って調整をするというふうな手続がなかなかめんどうでございまして時間がかかっておるということでございますが、すでに先生にはお話し申し上げておりますとおり、これはもう最終の大詰めのところへ来ておりますので、そう長くはかからない。今週中と思っておったのでございますが、これはちょっとむずかしいのでございますが、来週——来週も連休がはさまりますので、確かなことを申し上げられませんが、来週あるいは連休明け早々ぐらいには何とかしたい、また、できるのじゃないかと思っております。
  49. 上原康助

    上原委員 どうも納得しかねるのですがね。延びている理由は一体何ですか。アメリカ側が合意をしないのですか。日本政府の権限で公表するわけにはいかないわけですか。
  50. 亘理彰

    ○亘理政府委員 御承知のとおり、合同委員会の合意事項は発表されないたてまえになっておるわけでございますが、ただ、外務大臣からもお答えがありましたとおり、その基地の使用条件等、国民生活に関係の深い部分は、その要旨を公表いたしますということを政府としては申し上げておるわけでございまして、その線で調整をいたしておるわけでございますが、これについては合同委員会の合意内容にかかわることでございますので、アメリカ側の同意を得る必要があります。したがって、そのアメリカ側の内部の調整が先ほど申し上げましたような事情で手間取っておる、こういうことでございます。
  51. 上原康助

    上原委員 私の要求指摘も、また県知事なり沖繩県側関係団体の要求というものは、あくまでも、日米間で取り決めた合意事項といいますか、メモじゃなくしてそのものを出しなさい。しかし、それは不可能なんでということで、一応外務省と相談をして提出をするということでしたが、そういうことに対して余りにも時間をかけるということは、納得いきませんね。  私は、いまの政府の姿勢の問題あるいはそういう事柄を秘密にしようとする外務省あるいは防衛庁の態度に、改めて不満といいますか憤りを禁じ得ませんが、そういうことをするから、皆さん御案内のように、最近の沖繩のキャンプ・ハンセンあるいはキャンプ・シュワブの実弾砲撃演習というのは、目に余るものがありますね。総理や防衛庁長官のタカ派的発言あるいは政治全体が右旋回するようなことを受けて、アメリカがますます勝手ほうだいなことをやっている。これじゃ一体沖繩は戦場ですか。今回の四月二十二日の名護市の数久田部落近くに落ちた例の砲弾というのは、一体どういうことですか。これに対してどのようにアメリカ側に政府として申し入れなりをやったのか。これじゃうかうか生活もできない状態じゃありませんか。しかも金武村の伊芸部落では、不発弾処理をめぐって、相変わらず住民地域にその破片が落下している事件等も起きている。この件についてどのように対処なさいましたか。
  52. 亘理彰

    ○亘理政府委員 ただいま御指摘の沖繩におきます米軍の演習に伴う事故につきましては、私どもも大変遺憾であると考えております。去る二十二日に名護市の海岸で地元の方から届け出がありました米軍の百五ミリの砲弾でございますが、これは戦車砲の演習弾でございまして、爆発はしない演習弾であるということでございますが、いずれにしましても、これは幸い被害がなかったとは言いながら、大変危険なことでございますので、その重大性にかんがみまして、直ちに那覇の局長名をもって在沖海兵隊司令官に対しまして申し入れをいたしたわけでございます。  この申し入れをいたしました内容は、ただいまお話のございましたように、去る四月十三日にはキャンプ・ハンセンにおける廃弾処理の事故がございました、これに引き続いてこういう事故が起きたということで、住民方々が不安を持たれるのも当然である、わが方としては大変遺憾に思うということで、早急に原因を究明して、同種事故が絶対に再発することのないように安全対策に万全を期してもらいたいということを強く申し入れまして、米側も、大変遺憾である、申し入れの趣旨承知したということでございまして、現在、米側において鋭意原因の調査中であると聞いておるところでございます。
  53. 上原康助

    上原委員 それはそれではいけないのですよ。これは出先の施設局に任すような問題であってはならないのですよ。それは米軍は、実弾演習からの流れ弾、飛弾として認めているわけでしょう。どうなんですか。
  54. 亘理彰

    ○亘理政府委員 鋭意調査中であるということでございまして、この砲弾が米軍の戦車砲弾の演習弾であるということは認めておるわけでございます。それで、私どもも、現地に任せきりということではございませんので、米軍司令部にも電話等で連絡をしておりますが、私も合同委員会の場で申し入れをいたしたいと思っております。
  55. 上原康助

    上原委員 時間が参りましたので、これはまたいずれやりますが、砲弾は直径百五ミリありますね、長さが四十センチ、重さは十キロの爆弾ですよ。万一破裂した場合、一体どうなるのですか。こういうことが日常茶飯事のように起きている基地の実態ということに対して責任を持ってもらわなければ困る。五・一五メモなんてへんちくりんなものをつくって、勝手にわがままして隠蔽するからそうなる。したがって、きょうは時間も来ましたので、外務省と防衛施設庁で、改めてこの米軍の無謀きわまる野蛮行為に対して厳重に抗議をするとお約束できますね。
  56. 亘理彰

    ○亘理政府委員 外務省と相談いたしまして、合同委員会の場でも申し入れをいたします。
  57. 始関伊平

    始関委員長 関連質問を許します。安井吉典君。
  58. 安井吉典

    安井委員 関連ですから、簡単に一つだけ大蔵省の方に伺いたいのですが、きのう、小樽財務部廃止の問題について私も質問をいたしましたら、きょう上原委員の質問、その中で、一たん廃止した後出張所を置くというのはきのうもお答えがあったのですが、きょうのお答えの中に、公示か何かで出張所設置をやられる、公示、告示ですかでおやりになるということのようであります。いずれにいたしましても、国会には全く無関係で全部が済んでしまうような印象が、きのうからきょうにかけてのお答えで出てくるわけなんですが、しかし、地方自治法の手続というのは、出張所から駐在の果てまで全部対象になるのだという、きのうの自治省行政課長答弁だったということからすれば、出張所ということになると、やはり国会承認の手続が要るのじゃないですか、どうですか。
  59. 宮原翠

    宮原説明員 先生指摘の点でございますが、今回の私ども考え方といたしましては、実質的には、いまございます財務部を縮小的に改組しようというふうな考え方をとっておりますので、その点につきまして必要ではないというふうに考えておりますけれども、この点につきましては、行管庁、関係省と今後もまた相談をしてまいりたいと思っております。
  60. 安井吉典

    安井委員 そのお答えについて私はこう思うのですよ。いまお述べになった行管の方、北海道旭川等も、いままでの地方監察局を一応廃止して分室にするわけですね。その分室設置についても、ここでいま承認案件で、われわれ審議しているわけですよ。農林省だって営林局を支局に変えていく、その支局はもう法律事項じゃないわけですよ、どこに支局を置くかは。それは承認案件ということで、農林水産委員会にいまかけられているわけですよ。農林水産委員会のことを言わなくたって、いまここでわれわれが論議しているのは、地方監察局を一たん廃止して、縮小したかっこうで分室にするということを論議している最中じゃないですか。同じケースじゃないかと私は思うのだが、とにかく、地方にいまあるものをたとえ縮小しようと何しようと、新しい役所が何らかのかっこうでできるという場合には、これはやはり承認が要るのではないか、私はそう思うのですね。どうですか、重ねて。
  61. 宮原翠

    宮原説明員 御指摘の点、持ち帰りまして、十分に相談をいたしたいと思っております。
  62. 始関伊平

    始関委員長 新井彬之君。     〔委員長退席、村田委員長代理着席〕
  63. 新井彬之

    ○新井委員 十二時までということでございますので、非常に時間が短いわけでございますが、若干の質問をさせていただきます。  初めに、法案に関連をいたしましてお伺いをしておきたいわけでございますが、行政管理庁行政監察局の使命と任務というのはどういうことになっておるのか、お伺いしておきたいと思います。
  64. 佐倉尚

    佐倉政府委員 行政監察のことでございますけれども設置法の第二条の十一号にございます「各行政機関業務の実施状況を監察し、必要な勧告を行うこと。」これが行政監察の使命でございます。
  65. 新井彬之

    ○新井委員 行政監察のいろいろな書類を見せていただきますと、非常に細かい面にわたって努力をされておるところが多々あると思います。  ただ、私は思いますことは、国が地方の公共団体に対して委任事務が非常に多いわけでございますから、そういう行政監察をする場合においては、非常に地方の方に厄介というか、協力を得ておることが多かろうと思います。そういうことで、全国知事会等におきましても、余りにも行政監察が多いといいますか、きちっとやってくださっているからその面はいいと思うのですけれども、二重、三重に書類をつくるとかそういうことがございまして、非常に大変であるので、これをもっと簡素化してやっていただきたいということが出ているわけでございますが、そういう面については現実がどうなっているのか。それから、こういう要望に対しては何か聞き入れて、今後こういうことを直していこうということがあるのか。そういう面についてお伺いをしておきたいと思います。
  66. 佐倉尚

    佐倉政府委員 ただいま御指摘のございました、地方公共団体に対する関係でございますけれども、確かに委任事務等につきまして、都道府県等をいろいろと調査し、資料提出させることが非常に多うございます。それで、ただいま全国知事会等においても、行政監察のやり方が非常に煩瑣で、場合によっては都道府県の仕事の邪魔にもなるじゃないかというような点が指摘されているわけでございます。これにつきまして、私ども、そういう御意見があるということは重々承知していますので、行政監察のやり方、それから調査の仕方、そういうものを改善し、また、さらにその結果を取りまとめて、都道府県等の事務に反映できるものはないだろうかというような事後処置の問題等も含めまして十分検討していくつもりでございます。全国知事会等の意見につきましては、私ども十分に尊重して、いま申し上げましたような点で検討を加えていくつもりでございます。
  67. 新井彬之

    ○新井委員 次に、内閣官房の参事官にお伺いしたいと思うのでございますが、いわゆる特殊法人の役員の問題でございます。  これは昭和五十一年の五月の閣議了解ですね、三木内閣のときでございますが、特殊法人の役員の縮減を実施する旨定めているわけです。経費節減の観点から、特殊法人の常勤役員が十人から十五人の法人は一人、十五人以上の法人は二人削減するように、としておるわけでございますが、これが現状はどのようになっておりますか。
  68. 角田達郎

    ○角田説明員 特殊法人の役員の縮減の状況でございますが、これはただいま先生からお話いただきましたように、常勤役員が十人以上十五人までが一人、それから十六人以上のところが二人の削減、こういうことになっておりまして、対象法人はこれでいきますと二十九法人、それから削減の予定数はトータルで三十四入の予定数になっております。これは五十一年五月の閣議了解でございまして、実施は五十一年の七月からということで、現在実施中でございますが、予定数三十四に対しまして、現在までのところ縮減が済みましたものが二十三人、こういう状況になっております。
  69. 新井彬之

    ○新井委員 あとの残りの分については、いつまでに実行する予定ですか。
  70. 角田達郎

    ○角田説明員 大体五十五年度の前半ぐらいに完了する予定になっております。
  71. 新井彬之

    ○新井委員 この役員の数につきましては、いろいろの方からも、多過ぎるとか、あるいはまた具体的に仕事がないではないかとか、そういうようなことがあるわけでございますね。  そこで、私も、ある一部の特殊法人の方の出勤状況とか、あるいは仕事内容等、若干お伺いしている面がございます。それは一々むだがないということはないかもわかりませんけれども、実際問題、特殊法人というのはどう見ても大事な立場でございますから、国民の皆さんから見てそういう状態でいいのだろうかということをわれわれも考えるわけでございます。そういう中で、どうですか、そういう実態というものをよく把握されておりますか。
  72. 角田達郎

    ○角田説明員 特殊法人の役員の人事でございますが、特殊法人の役員は、御承知のとおり非常に大事な仕事をやっているものでございます。それで、この特殊法人の役員の任命の権限、これはある場合にはその特殊法人の長、総裁等にある場合もございますし、それをさらに関係大臣が認可する、こういう手続で任命されておるわけでございますが、その重要性にかんがみまして、適材適所ということで選考しなければならないという考え方から、従来から、これは四十年五月の閣議口頭了解によりまして、いろいろな制約を選考に当たって一応設けまして、そういう方針でりっぱな人材を得るようにということで、選考については内閣官房としても一応関与してきた、こういうことでございますが、さらに、その運用を適正にするために昨年の十二月、行政改革の一環としまして、この従来の特殊法人の役員の選考基準を改めて一層役員人事の適正化に努めてまいりたい、こういうような方針で現在おるわけでございます。
  73. 新井彬之

    ○新井委員 ここで具体的な問題を挙げて、これがいいのか悪いのかということになっても、ちょっと参事官では答弁しかねると思いますので、また各省の大臣が出られたときに具体的なことはお聞きしておきたいと思うのです。  次に、政労協の天下り白書によりますと、調査に対して報告のあった六十五法人の役員三百九十七人のうち、三百十五人がいわゆる天下り役員であった、実に七九・三%、前年に比べて二・八%増加、逆に民間からの登用は九・一%しかない、また内部登用も八・八%である、こういうような数字が出ておりますが、これは間違いございませんか。
  74. 角田達郎

    ○角田説明員 政労協の調査につきましては、私どももその内容をある程度見てまいりましたが、まず政労協の対象法人でございますけれども、この対象法人は、特殊法人以外の一般の公益法人、社団法人、財団法人、こういうものも含まれております。それが第一。  それから第二点でございますが、天下りが多くなったとか少なくなったとかいうことを述べておりますが、昨年の政労協の調査をいたしました対象法人と、ことしの政労協の調査に上っております対象法人とは、必ずしも一致しておりません。したがいまして、時系列的に見て多いとか少ないとかいうことは、厳密に言いますといかがかと思われます。  それで、私ども調査によりますと、五十三年一月一日現在の数字でございますが、特殊法人全体の数が五十三年一月一日現在で百十二法人ございます。その常勤役員の数が七百九十九名、この中の出身別の構成を見てみますと、国家公務員の経歴のある方、これは国家公務員を退職されてすぐ特殊法人の役員になられた方、それ以外に、国家公務員を退職されてから相当の期間民間等へ行かれて、それから特殊法人の役員になられたという方も含みますが、いずれにいたしましても、国家公務員の経歴のある方が七百九十九名のうち四百八十七名でございますので、パーセンテージにいたしますと約六一%。それから民間から来られた方、これが七十八名で約一〇%。それから部内から昇進して役員になられた方、これが百八十七名でございますので二三%。それからその他、これは大学の先生であるとかあるいは地方公務員の出身の方とか、そういう方でございますが、これが四十七名でございまして約六%。私どの調査によりますと大体そういうような数字になっております。
  75. 新井彬之

    ○新井委員 こっちにもそっち側のデータを大体とっておるのですが、計算の仕方をもう一遍あれしてみますが、非常に官僚出身者が多いわけですね。私は何も、多いからそれだけがいけないということでもないわけでございますが、それが非常に多いわけですが、そういうことについてはどのように考えていますか。当然だというぐあいに考えるのか。いや、これはやはり設立の趣旨からしてこういうぐあいに変えなければいけないのだとか、いろいろ考えがあろうかと思いますが、どのようにお考えになっておりますか。
  76. 角田達郎

    ○角田説明員 国家公務員の経歴をお持ちの方で特殊法人の役員になられた方が、先ほどお答え申し上げましたように、数字の上では全体の約六〇%あるいは六一%ぐらいを占めておりますけれども、ただ数の上で多い少ないということではなくて、問題は、やはり適材適所でという観点からその方がそれぞれの特殊法人の役員になられておるということであれば、これは問題がないのでございまして、私どもといたしましては、これは第一次的には、それぞれの省庁なり特殊法人の長なりの任命の権限があるわけでございますが、そういうところでしっかりと適材適所という観点から選考していただくよう、従来からもお願いしておりますし、今後ともそういう観点から役員を選考していただきたいということで運用してまいっておるということでございます。
  77. 新井彬之

    ○新井委員 特殊法人が設立されたときの役員の本来のあり方というのがありますね。それは御存じですか。また、そういうことに対して、とにかく私のいま聞いた感じでは、所属の長とかそういう方が適材適所でやってもらえばいいんだということですが、そうすると、現在では、もう適材適所でどこも間違いないんだ、もう本当に本来の設立の趣旨に沿っているんだ、そういうぐあいにお考えですか。
  78. 角田達郎

    ○角田説明員 現在の姿が必ずしもすべていいという考えではございません。したがいまして、そういういろいろな御批判がございますので、従来もそういうような適材適所でないような選考があったやもしれぬということで、従来の運用基準をさらに厳しくしようという観点から、昨年の暮れの行政改革の一連の閣議決定の中に新しい運用基準、これは各省大臣の任命に関する権限を、閣議決定でございますから、ある程度制約するものでございますが、そういう新しい運用基準を策定して、さらに一層役員の選考の適正化を図ってまいりたい、こういう考えで現在処しているわけでございます。
  79. 新井彬之

    ○新井委員 ちょっとわかりかねるのですが、そうすると、たとえて言うと天下り役員で占められている法人というのは、いま幾らありますか。
  80. 角田達郎

    ○角田説明員 私ども調査によりますと、全部で百十二法人のうち二十七法人でございます。
  81. 新井彬之

    ○新井委員 今回の昭和五十二年十二月二十三日の閣議決定におきましても、特殊法人の役員の選考については、広く各界有識者の中から適任者を人選するとの見地から、今後、民間からの登用を積極的に推進すること、ということになっておりますね。ということは、あなたがいままで答弁書されてきた中では、やはりこういう面で非常に抜けておったということでしょう。どうなんですか。
  82. 角田達郎

    ○角田説明員 国家公務員の経歴者でそれぞれの特殊法人の役員の全部を占めている法人、これはいま御説明しましたように二十七法人あるわけでございますが、これらの特殊法人の中には、常勤役員の数が非常に少数であるとかあるいは法人自体の規模も非常に小さいために、幹部職員の養成とか採用をしていない法人、あるいは設立後非常に間もないために、まだその部内の職員の中から役員に登用するような人材が育っていないようなもの、また、その業務内容が非常に行政上の専門的な知識と経験を必要とする、こういう観点から国家公務員の経歴を有する方が占めている場合が相当程度あると思いますけれども、ただ、それでは二十七法人すべてがそういうことで国家公務員の経歴のある人が占めているのかということで、しさいに検討してみた場合に、やはりこれは部内の方がおってもいいのではないか、あるいは民間の方で適当な方が役員に来られるというのであればその方がおってもおかしくはないという法人が、二十七法人の中にはある程度あるというふうに私ども考えております。  したがいまして、先ほど先生おっしゃいましたように、昨年暮れの特殊法人の役員の新しい選考基準におきましては、こういう事態をできるだけ解消するように広く人材を求めるという観点から、民間からの登用を積極的に進めろ、こういう趣旨規定を入れたわけでございます。今後は、これに沿って特殊法人の役員の選考をするよう私どもも十分注意しますし、各省にもそういうことでお願いをしてまいりたい、こういうふうに考えております。
  83. 新井彬之

    ○新井委員 長官、これはいろいろな問題を解決しないとこういう問題については解決しないのじゃないか、こういうぐあいに私は思います。たとえて言いますと、一つの特殊法人をつくりましていろいろ事業を行う場合に、その中のベテランは一体だれなんだ。これは民間からもたくさん登用しなければいけないとは思いますが、何といいましても各省の局長なりあるいは事務次官、こういう方は非常にベテランである。ところが現在、五十七歳とか五十八歳になると、肩たたきという制度で一応公務員としては職を退かなければならないというようなことになっているわけですね。ところが本人は、何とかもっと自分の知識を生かしてやっていきたい、また国の役にも立ちたい、こういうようなことで、健康な方は、民間を問わずあるいは公務員を問わず、そういう考え方に立つのは当然だと思いますね。したがいまして、これらの方々が本当にそういうことで、りっぱな方だということで特殊法人に行くということ自体はさしておかしくはない。  しかし、現在本当に非難をされておりますのはその中の仕事内容で、何か大した仕事もないのにたばこだけ吸いに来ているではないか、あるいはまた、出勤時間が遅いじゃないか。それからもっとよく言われますのが、退職金が一部の者だけにめちゃめちゃに多いわけですね。私は、これは逆に、そういう方にとっても非常に気の毒だと思いますよ。たとえて言いますと、私がそういう立場で、ある部門の非常に専門家である。そして勉強もしてきた。国の役にも立ってきた。しかし、あなた定年です。これは、次がつかえるし、当然、そういう一つ機構の中でやめなければ仕方がない。そこで一時は民間に行ったり、いろいろするわけですけれども、その中で特殊法人に行った。ところが、ちょっとまずいから、この任期を四年を三年にしろとか、あるいは六年以上やつちやいけないとか、そんな画一的に決めるような問題じゃないだろうとぼくは思いますね。  そうではなしに、その方が本当に力があるならば、それこそ給料を倍渡してでも来ていただきたい、こういうぐあいにお願いするのが当然であり、大して力がなくて、ただ、この方はどこかの省でえらかったからまあ何とか採ってくださいというような人については、厳密にそれはいかぬのだ、こういうようなことにしてあげなければ、なった本人だってまた変なぐあいですね。力があって、本当に請われてなっている人、これはどう言いますか、官僚言葉ではたらい回し的と言うんですかね、世間では渡り鳥と言われているんですけれども、本来ならば全部が渡り鳥ぐらいの力を持たなければいけない、そういうようなことを私は思うわけでございますが、そういう退職制度と、その方々の力を生かしてあげるんだというような問題と、それから仕事内容、あるいはまた給与の問題等について、こういうものを明確にして——いまの内閣参事官答弁をするようなことじゃ、何を言っているのかさっぱりわからないと思いますけれども長官は、いまの答弁、よくおわかりになりましたか。
  84. 荒舩清十郎

    荒舩国務大臣 お答えをいたします。  特殊法人とか審議会というものは、終戦後アメリカの進駐軍が参りましたり、日本の歴史の上で初めて敗れたりしたんで、国の行政のうちで大変変わってまいりました、そういうことで非常に特殊法人、審議会というものがふえたのです。これはもう私が申し上げるまでもなく、御承知のとおりでございます。それに適任者をどういう人を充てるかというと、事務に明るい人が入るというようなことで、お役所を長くお勤めになった方、そういう人が大体そのポストになった、こういうことでございます。  いまおっしゃるとおり、私は、役人の功成り名遂げた人が、必ずしも特殊法人や審議会に入ることはまずいんだという議論じゃございません。やはり人間は効率的に、お丈夫で、相当年をとられても、役人であろうがあるいはまた実業出の人であろうが、適材適所がいいと思っております。しかし、余りにも、横滑りだとかなんとかいって次から次にかわっていく。そうして相当の待遇を受けております。しかも退職金が目に余る。幾つもやると、それはだんだん、これも二年やって、これがまた二年、これがまた二年というようなことで、大変退職金かせぎみたいになってきたという弊がございます。まあ役人の言葉で言うと渡り鳥だとかなんとかといいますが、私も最初わからなかったのです。しかし、そういうことはまずいと思うのです。役人であろうが民間人であろうが、適材適所を求めるということは結構なことでございます。     〔村田委員長代理退席、委員長着席〕 しかし、私は、戦後三十年のうちでかなりいろいろな点で改革をしなくちゃならない、行政においても経済においても教育においても、みんなそういうことがあると思うのです。しかし、もう発想の転換考え方転換をしていかなければ、こういうふうな行き詰まったときには打開ができないんだと思うのです。そういう意味で適材適所。しかも渡り鳥のようなことは排する。  それから、これも新井さんのおっしゃるとおりで、何年間でどうというんじゃない、使える人間なら幾年やってもいいじゃないかという議論、これも正しいと思います。しかし、何年も何年も座りっきりでおられても困るので、総裁とか副総裁というものを、八年のものを六年に切ったわけです。これが正しいと思っておりません。しかし、一応そうすることでなくちゃいけないというんで、去年の十二月二十三日に決めたわけでございます。また退職金が、これも正しいか正しくないか、これはいまの時世ですからわかりませんが、大体多いという非難がありますので二割カットする、こういうことを決めたわけです。それから、さっきから申し上げるように、全体からして特殊法人は多過ぎる、それから審議会も多過ぎるということです。それから、これほど議会で議論があるのですから、やはりいままでのからを捨てて、役人だけを登用させるということもいかないので、民間人からも多く取り入れて、そして発想の転換考え方を変える点が必要じゃないかと思っております。そういうつもりでおります。  それから、さっき、何言っているんだかわからないというようなことですが、これまたひとつ御理解を願わないと、役所の人間がいろんなことを、私のようなことを言ったら役所はおさまりませんから、型にはまった、なるべく書いたものを読むと、こういうこと。こっちの方は自分の思ったことを申し上げるということで、政治をやる人と役人のことを少しお考えをいただいて、これが何を言っているかわからないじゃないかと言われても実はお気の毒ですから、わからないことは私が答弁いたしますから、どうぞひとつお願いをいたします。
  85. 新井彬之

    ○新井委員 参事官、大変失礼をいたしました。それは確かにいま長官もお話しありましたように、参事官にここで言えと言っても、それは本当に無理だ。だけども、さっきの話では、参事官だって言いたいことはたくさんあると思うんですよ、考え方としては。いろいろ検討もしているけれども、一たん公になるとやはり大臣が出て言わなければならないということで、ちょっと失礼な言葉を申し上げましたけれども、それはお許しいただきたいと思います。  本当に力のある官僚あるいは役員の方におきましても、本当にやりやすいようにしてあげなければいけないということをしみじみ感ずるわけですね。とにかく、給料がいいわ、退職金はいいわとその方ばかりたたかれて、本当にその方がりっぱな国家的な仕事をするというようなことは外されて批判されているんじゃ、本人だって何かいづらくて、とにかく三年、三年で六年やったらやめなければいけないんだ。少なくともこれからの国民全体の生活の安定ということから考えますれば、これは当然年金の問題とか、あるいはまた、もっと社会保障の充実をして、一生懸命に若いときに働いてこられた方はそういう面での生活の安定ということは図らなければいけないんじゃないか。しかし、老いてなお元気な方で、そしてそれだけの能力のある方については、これは何もそんな退職金目当てだとか給料がいいから行くのとはおれは違うんだとかいう、エリート意識でやるのではなくて、本当に特殊法人そのものが日本の国をある意味では支えているんだというような方向に持っていくときに、初めて国民の皆様方の信望も信頼も得られるのではないか、こういうぐあいに私は考えるわけでございます。  そこで、退職金の話が出ましたので、具体的にちょっとこっちの感じを申し上げますと、本年の四月以降に、月額報酬が百万五千円、こういう公団の総裁がございますね、これになった場合に、大体一期に四年間勤める。そうしますと在職月数というのが四十八カ月です。その三六%が退職金ということになるわけですから千七百三十六万円。これで仮に、毎年六%ずつの報酬のアップがありますから、そういうことから計算しまして百二十万円にでもなれば、二千七十三万円という退職金がもらえる、こういうことになるわけですね。ところが職員の場合、仮に四十年間勤める。四十年間も公務員で勤められる方というのは非常に少ないと思いますけれども、仮に一番長く勤めた、特殊なぐらい勤めたという方から計算しましても、最終の月給、これはいろいろのクラスがあろうかと思います、三十万の方も四十万の方もあるいは五十万という方もあろうと思いますが、これはあらかた低い面をとりまして現在三十万だと、こういうことでしますと千六百五十万円。そうしますと、一番低い方が四十年勤めたのと、そういう総裁なら総裁がたった四年間勤めた人との退職金の差というのは、それだけでついてしまう。確かに、それだけの苦労をされているのですから、それだけのことは考えなければいけないということは私たちもわかるわけでございます。だけれども、一体それだけの差を開かさなければいけなかった根拠というものは何だろう。極端に言えば、民間会社においてもなかなかそれだけの退職金を四年間でもらう人というのは、どういう会社に匹敵して、どんな人がいるんだろう。これは日本の国におきましても全く特殊の中の特殊ではなかろうかと私は考えるわけですね。例があったら言っていただきたいと思います。それは確かにアメリカに留学して、そして特別な何か発見なり発明をして、この方がいれば、ある会社は、電気関係なら電気関係でこういうことでまた特許をとってやれます、だから来てください、こういう方は、それは特別な方はいらっしゃると思いますよ。しかしながら、普通一般、皆まじめに、どんな方でもいなければ困るわけです。大工さんがいなければ家は建つわけはありませんし、あるいはまた、道路工事をやってくれる方がいなければ本当に車もスムーズに走れないわけです。そういうことから見ますと、立場こそ違え、みんなが日本の国を支えている方なんだ、その方々に対してやはりそれなりの報酬といいますか、そういうものを与えるべきだ。ところが、この特殊法人の場合を見ますと、民間会社でも考えられないような計算がされて、そうして一般の支えてくださった職員の方なんかよりもよほど優遇されるこういう退職金が出ているということについて、一体こういうものが何の根拠があって出てきたのだろうと、私はこういうふうに思うわけでございますけれども、こういう根拠は一体どこにございますか。
  86. 川崎正道

    ○川崎説明員 お答えいたします。  特殊法人の退職金あるいは給与につきましては、民間に準拠するということを基本の方針としております。民間の企業におきましても、役員と従業員につきましてはそれぞれの退職金の規定を異にしておるわけでございまして、その例にならっておるわけでございますが、特殊法人の職員の場合について御説明いたしますと、特殊法人は、先生承知のとおり非常に公共性が高いということ、それからやはり長期勤続ということを前提としておるということで、特殊法人の職員につきましては国家公務員の例に準じまして退職金の規定を設けております。それから一方、役員につきましては任期が限られておりまして、その任期の中で責任を果たしていかなければいけないということを考慮いたしまして、これは民間の役員の例に準じて規定を設けるということにしております。  その結果といたしまして、職員と役員とでは差がついてきておるわけでございますが、冒頭に申し上げましたように、民間の企業におきましても役員と従業員は違う、すべての給与、退職金につきまして民間準拠という原則にのっとっておりますので、そういう考え方に基づきまして現在は退職金を支給しておる、こういうことでございます。
  87. 新井彬之

    ○新井委員 私もそういうところはある程度研究をさせていただきまして、今後も研究をさせていただきたいと思いますが、ちょっとケースが違うわけですね。  たとえて言いますと、これが全部、極端に言えば民間で向こうが欲しがっている人を、どうか来てくれといって呼んできた場合、そういうこともある程度納得できるわけでございますが、普通の会社の役員になるためにはどれだけのことをしてずっと来ているかというような問題がたくさんありますね。それも積み重なって、そう何回も退職金をもらって、一遍あれをやめて次にこの役員になるのだということにはなっていない。だから、私は、やはりここに勤める方のことを思っても、そういう面については批判をされないように当然今後直していかなければならないのじゃないかということが一点あるわけですね。  それと公社、公団の一般職員というのは、公務員に準じて、本俸の五十五カ月で頭打ちにするとかいうような、いろいろ規定があるわけです。だから、高卒では勤続二十年で五百九十万円、それから大卒で勤続二十年で六百九十万円、こういうことになっていますけれども、役員の場合というのは一年で五百万を超える場合が多いわけですよ。こんなことは、普通の民間会社といいますか、そういうことの比較と言いますが、これはきょうは時間がないから、具体的に何時間でもこの問題について一つ一つ例を挙げてやってもいいのですけれども、私はやはりおかしいのじゃないかと思います。そういうことでひとつ、今回の三六%に下げたということは非常に結構なことでございますが、もう少し論理性のある、説得力のあるような形でやっていただきたかったなということを感ずるわけでございます。  そこで私は思うのですけれども、こういう一つの例といたしまして、特殊法人の役員の退職金から公務員の退職金を差し引くといった具体的な処置というものが、これは自民党の山中会長の方からも出ておったり、いろいろ指摘されるようなことがございますけれども、こういうような問題は検討されたことがありますか。
  88. 川崎正道

    ○川崎説明員 特殊法人の役員の退職金の支給の仕方をどのようにすればいいかという点につきましては、先生のいま御指摘のありましたような案も含めましていろいろな案を検討はいたしました。  先生の御指摘のございましたただいまの案でございますが、その案につきましては、公務員としての在職期間と特殊法人の役員としての在職期間というものはそれぞれ別でございますので、特殊法人の役員としていただいた退職金から公務員として在職した期間の退職金を引くということは、なかなかその論理的な説明がむずかしいというようなことがございまして、検討はいたしましたが、なかなか実現はできないということで見送ったわけでございますが、十分にわれわれの方でもいろいろな考え方を各方面からもお聞きしながら検討はいたしまして、今回の行政改革措置の結論に至った次第でございます。
  89. 新井彬之

    ○新井委員 それから、もう一つ聞いておきたいわけでございますが、昭和五十二年十二月二十三日のこの閣議決定の中で、役員の人事というのは六年なり八年ということになっておりますが、その間なら、渡り鳥といいますか、たらい回しといいますか、そういうことはよろしいということになるわけですか。
  90. 角田達郎

    ○角田説明員 六年という制限を一応設けてございますが、先ほど来先生もお話ございましたように、これはやはり適材適所というのが基本でございます。したがいまして、六年という一般原則は設けましたが、その法人の仕事の都合、あるいはその人が本当に適材であって余人をもってかえがたいというような場合には、これは例外として出てくるわけでございます。  それから六年というのはあくまでも特殊法人の役員としての期間でございまして、A特殊法人で三年、あるいはB特殊法人で二年、C特殊法人で一年、これをすべて通算して一応原則として六年に制限する、こういう考え方で決めたわけでございます。
  91. 新井彬之

    ○新井委員 それでは、きょうは十二時までということでございまして、最後に一問だけお伺いをしておきたいと思うのでございますが、この特殊法人の統廃合については、昨年の十二月二十三日の閣議決定において十八法人を整理統合するということが決められたわけでございますが、少なくとも財政投融資から十兆円以上もの資金が流れて運用されておる、いわゆる国民の財産が運用されておるものでございます。したがいまして、これらの見直しにつきましては、ちょうど五十年四月二日に行政監理委員会の提言で、四十四法人を整理、再編成をすべきであるという提言がありますね。その次に五十年十二月十八日には、自民党の行財政改革特別委員会が三十七から八法人を統廃合すべきであるという方針を発表しております。それから昭和五十年十二月二十五日の行政管理庁計画案におきましては二十法人を整理する。それから五十年十二月三十一日の閣議了解では十八法人を整理、五十二年の六月十一日には行政管理庁の改革案で六法人を整理、五十二年の七月二十四日現在までに廃止が決まったものが二法人だ、こういうようなことになっているわけでございますが、やはりこれはもう一度この全体を見ていただいて、国民にとって本当に必要なものかどうか、国にとって必要なものかどうか、これはやはりもう一度洗い直して、そうして整理統合していく必要があるのではないか。今回は一応洗い直してこういうことになったわけでございますが、いままでの提言からいきますとだんだんとやはり少なくなっておる。これにはいろいろな事情があろうかと思いますが、これはやはり国民の側に立ちあるいはまた国の国益の側に立って、当然厳しく見ていかなければならない、こういうぐあいに思うわけでございますが、今後も荒舩長官にひとつよろしくお願いしたいと思いますが、いかがでございますか。
  92. 荒舩清十郎

    荒舩国務大臣 お答えします。  まことにさようでございまして、とにかく終戦後、雨後のタケノコのごとく、思いつきでふやしてしまったのですから、これはなかなか整理をするのは大変ですが、一生懸命努力いたしまして、御期待に沿うように少し思い切ったことをやってみたいと考えておる次第でございます。
  93. 新井彬之

    ○新井委員 きょうは五問質問する予定でございましたが、一問しか進みませんで時間が参りましたので、多くの省庁の方、来ていただきまして、まことに申しわけなく思います。ありがとうございました。
  94. 始関伊平

    始関委員長 これにて両案件に対する質疑は終了いたしました。     —————————————
  95. 始関伊平

    始関委員長 これより行政管理庁設置法の一部を改正する法律案及び地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、北海道管区行政監察局分室設置に関し承認を求めるの件の両案件を一括して討論に付するのでありますが、討論の申し出もありませんので、順次採決いたします。  まず、行政管理庁設置法の一部を改正する法律案について採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  96. 始関伊平

    始関委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。  次に、地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、北海道管区行政監察局分室設置に関し承認を求めるの件について採決いたします。  本件は承認すべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  97. 始関伊平

    始関委員長 起立多数。よって、本件は承認すべきものと決しました。  この際、行政管理庁長官から発言の申し出がありますので、これを許します。荒舩行政管理庁長官
  98. 荒舩清十郎

    荒舩国務大臣 ごあいさつを申し上げます。  ただいま行政管理庁設置法の一部を改正する法律案及び地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、北海道管区行政監察局分室設置に関し承認を求めるの件の両案件をそれぞれ可決、御承認をいただきましたことを心からお礼を申し上げる次第でございます。  御審議の間におきまして承りました貴重な御意見を体しまして、行政管理庁業務運営に一層の努力を重ねてまいる所存でございます。今後ともよろしくお願いいたします。ありがとうございました。(拍手)
  99. 始関伊平

    始関委員長 なお、ただいま議決いたしました両案件に関する委員報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  100. 始関伊平

    始関委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     —————————————     〔報告書は附録に掲載〕     —————————————
  101. 始関伊平

    始関委員長 次回は、来る五月九日火曜日午前十時理事会、十時三十分から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後零時五分散会