○二瓶
政府委員 まず、総量規制でございますので、一応東京湾なら東京湾のCODの流入総量がどうなっておるか、あるいは目標をたとえば五年後なら五年後というふうに見た場合に、その時点において目標とする一日当たりのCODの総量をどう見るかということがあるわけでございます。
そういうことで、現状は五百トン、ほうっておけば将来は六百トンになる、それをさらに減らして三百五十トンにするとかいうような一応の数字を出して、それに向かって削減努力をしていくということでございます。ただいま
先生からお話がございましたように、上流県と内陸部の河川を通じて流入するものがあるわけでございます。したがいまして、上流でどのぐらい発生して、それが河川の浄化作用等によって東京湾にたどり着くときにはどのぐらい減るか一流達率と言いますが、こういう流達率をどう見るかという問題は、確かに御指摘のようにあるわけでございます。これらの面につきましては、この総量規制
制度が法制化されて、さらに具体的に
行政として実施をしていく過程におきまして、中公審等の
先生方にも十分御相談をしながら適正なものにして、そういうCODの負荷量というものを出す際にも適正妥当な数字をはじきたい、こう思っておるわけでございます。
第二点は、現在有機汚濁の指標といたしまして、海域と湖沼につきましてはCOD、河川につきましてはBOD、こういうものを採用いたしておるわけでございます。そこで、今回総量規制を実施いたします際は、ただいま申し上げましたように、東京湾に流入するCODが一日当たり幾らということでございますから、河川から流れ込むものもCODではからなければならぬわけでございます。したがいまして、現在河川に排水をしております工場につきましては濃度基準が適用されておりますし、環境基準もBODで当てはめられておりますから、当然BODでまずはかるということがございます。それにさらに加えましてCODもはかっていただく、オンするわけでございます。臨海の方はもうCOD一つでいい、そういうことになろうかと思っております。そういう
方向で検討いたしております。その際に、ただいま
先生から、いや、COD、BODというのがあるが、そのほかに有機汚濁なりの指標として、最近はTOCとかTODとかというようなものが非常にその後の化学的知見なりその他で進んできておる、こういうものを一体どうする気かということがあるのでございますが、私たちの方としては、いま有機汚濁の指標として河川がBOD、海域、湖沼がCODとやっておりますので、さらに、これにTOCとTODを加えて有機汚濁の指標を四つにするのは複雑怪奇になりますので、四つまでつくる必要はない。相変わらずいまのBODとCODでよろしいのではないか。
ただ問題は、今度CODでもってはかっていただくわけでございますが、CODというのは自動連続で測定できないのでございます。ところが、
先生がただいま御指摘のTOC、TODは、これは自動連続の測定が可能でございます。しかも、同じ有機汚濁の指標でございますから、それは多少の差はございますが、CODとの相関
関係が非常に高うございます。したがいまして、ある工場でCODを直にはかるよりは、むしろこのTOC、TODをはかって、それで換算してCODを出すということができないかということについては、そういう代替
措置といいますか、CODを直にはからずに、自動連続測定のできるTOC、TOD、これを使うということも認めたらよろしいのではないかということで、目下そういう
方向で一応検討いたしております。きわめて専門的な話でもございますので、この辺はさらに中公審の
先生方の御
意見も伺って最後的に決めたいと思いますが、そういう
方向で検討いたしております。
それから第三点は、生物指標の
関係でございます。水質の汚濁という角度でCODだとかSSだとかいう項目ではかっておるわけでございますけれども、現実の水質というのは、いろいろな複合汚濁といいますか、そういう姿に現になっておる。その際に、そういう理化学的といいますか、そういう指標だけでなしに、むしろ生物的指標、ただいま
先生のお話で、同志社大学の小林
先生が、ウニの卵というようなもので判断するというようなこともどうかということなんで、これは非常に注目すべき問題でございますので、環境庁の方もいろいろな
調査費等もとりまして、瀬戸内海においてやはりウニを使ってやったり、フジツボを使ってやったり、いろいろなことをやっております。
ただ問題は、これをいろいろな水質汚濁の指標ということで
行政的に採用をするということにつきましては、まだまだこれは詰めなければならぬ問題もあろうかと思っております。したがいまして、やはりCODとかSSとかいう理化学的な面でやっておりますが、他面ただいま
先生おっしゃるように、この生物的指標は、確かにそういう面もございますから、これは
研究といいますか、
調査はしていきたい、こう思っております。
最後に、第四点といたしましてN、Pの問題でございます。先ほどもお話ございましたように、瀬戸内海がきれいになったということで、この前、去年の八月二十二日に船上
会議をやったわけでございますが、それから一週間後の八月の二十八日未明に引田沖で大規模赤潮が発生いたしまして、ハマチが白い腹を浮かして斃死をしたという現実が確かにございます。したがいまして、CODの面できれいになった、だから海はきれいになったと簡単に言えるかと言えば、それほど簡単なものではない。したがいまして、CODも総量規制等を投入しましてよくしたいと思っておりますが、さらに燐、窒素の問題、これには取り組んでいく必要があるという認識に立っております。
そこで、一つは、この燐と窒素が、それだったらどうやって削減できるかということですが、技術的な問題といたしまして、窒素の方は大気固定とかいろんな問題がございまして、率直に申しまして、まだ実用化のめどが立っておりません。ただ、燐の方につきましては、削減技術の面につきましては相当実用化のめどが立っております。したがいまして、五十三年度の予算におきましては、特に燐の方に焦点を置きまして、環境ガイドラインなりあるいは排水処理技術のガイドライン、こういうものの策定の
調査に五十三年度から取り組んでいきたいということで、現在御
審議いただいております予算案にも所要予算を一応計上してございます。
それからもう一つは、瀬戸内海で赤潮が出た、跡継ぎ法をこれから出すのだと言っていて、一体跡継ぎ法では、富栄養化対策といいますか、これは何も考えないのかということになろうかと思いますが、いままだ検討中でございますから断定的なことは何も申し上げかねますけれども、ただ、いまいろいろ検討している環境庁の担当局といたしましては、富栄養化の防止対策ということで、燐の削減につきまして、現実的には
行政指導でやらざるを得ないと思いますが、何かその足がかりの
規定を後継法に盛り込みたいということで、そういう
方向で現在鋭意検討を進めているということでございます。