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馬場(昇)
委員 集中検診でかつて問題を起こしたと言われますけれ
ども、これは患者さんたちをものすごく動物扱いにしたような、名前を言えばいろいろ語弊がありますけれ
ども、一部に反発を起こしたので、集中審査方式をとっても問題が起こらないような
方法があるということを患者
自身も言っております。だからその辺はぜひ御理解いただきたいと思うわけでございます。また熊本県議会は委任事務返上を決議しておるのですから、今度これが余り進まなければ、今度は沢田知事は返上しますよ。そういうことがございますから、ぜひひとつ考えていただきたいと思う。また患者側から言わせますと、認定の
制度が被害者救済になっていないし、極端に言うと、暗黒裁判だというようなこと。たとえば医者だけに任せ切って、本当に法で言う救済という行政救済というのがないとか、いろいろありまして、この問題もありますけれ
ども、これはきょうは時間がありませんので、とにかく患者の意見を聞きながら、あるいは熊本県の意見を聞きながら、私は、認定は県でやるべきだと思うのです。しかし促進が早まるようには全力を挙げてひとつやっていただきたいと思うのです。やろうと思えばできないことはないと思うのです。
そこで、
長官が帰られましたので、
最後の質問をいたしたいと思います。もう時間がありませんから、前の部分は省略しまして、本日ここに提案になっております
環境庁設置法の水俣病センターについて御質問を申し上げます。
今日提案されておる水俣病センターを見てみますと、
政府の約束というものと全然違います。政治家とか
政府はうそを言うということを現地の患者さんたちを中心に現地の住民は言っております。これは事実です。私も、また
政府はうそを言った、政治家はうそを言う、こういうぐあいにこの提案を見て思いました。
具体的に言いますと、昭和四十八年五月、当時の三木
環境庁長官は、私も一緒に隣に並んでおって、約束をされる
場所に立ち会っておるのですが、そのとき三木さんは何と言われたか。あの悲惨な、
状態を見ながら、政治をやる者の
責任を痛感したと。また、いろいろいい言葉を言われた後でこう言われた。水俣病の研究、治療、リハビリ、作業などを行う総合センターをつくります。
公害の原点の水俣に世界に通用するりっぱな
施設をつくります。こういうことを言われた。そうして皆さん方にたくさんきょう来るときおみやげを持ってきたかった、しかしたったこれ
一つですと。質問がございました。いままで来た政治家はみんないいことばかり言って、うそを言う、今度はやるのでしょうね。だから私は大ぶろしきを広げなくて、
一つ持ってきたのです。やりますという
発言を私の横でやられたのです。
それからもう
一つは、あの患者に木下レイ子という患者がおりますが、これは私の教え子なんです。その木下レイ子の娘さんが田中
総理大臣に手紙を書いたのです。新聞にも載りました。そうして、私は金なんか要らないのです。
自分のお母さんの体を治してもらいたいのです。世界じゅうで一番偉いお医者さんを日本に呼んでもらって、そして治すようなことを研究してください、治してくださいという手紙を田中
総理大臣に木下レイ子という患者の娘が出したのです。田中
総理大臣はそれにこたえる返事を出しておられるのです。それも新聞にも載っておりました。
そういうことがあって、またほかにもたくさんあります。私は何回となくこの
場所でこの問題について質問いたしまして、答えも聞いておるのです。それでできたものがいまのような研究だけの、今回はわずかに八人ですか、そういうことです。
そこで、もう時間がありませんから一括して言いますけれ
ども、治療面がないのです。患者は金は要らぬと言うのですよ、体を治してさえもらえば。だから治療してもらいたいのです。治療面が全然ない、入院設備も全然ない、そしていま少しでも安らぐために、はり、きゅうでもしてもらいたい。はり、きゅう部門を置いてくれ、それもない。それから患者を発掘するという体制が全然ここにはない。そういう
意味から検診体制もない、診査体制もない。それで、医者が足らぬ足らぬと言われますけれ
ども、この二十年間医者を養成しようということを
政府はわざとやらなかったですよ。だから、ここをつくるときにここでお医者さんを養成してください、その養成機関も十分でない。三木さんは総合センターをつくる、あなた方患者さんたちが、若い患者が結婚してお産もする、じゃお産の世話もいたしましょう、育児の世話もいたしましょう、そして働きたい者には作業の訓練もいたしましょう、就職のあっせんもいたしましょう、こういうりっぱな総合センターをつくるのですよと言われたのです。
そして次には、石原
長官も、私が言いましたら、水俣病については心配しているから、
環境庁の出先機関としてここに水俣病の相談の窓口をつくってはどうか、それもよかろう、こういういろいろな約束をなさったのです。そして石原さんは私や新聞にもこう言われました。この問題、というのは水俣病の問題ですけれ
ども、この問題の正確な解決をいたずらにおくらそうとか阻もうとする要因が政治にあるならば、それが何であろうとも、私
自身が言ってきた文明批判というものを政治の立場で具現するためにそういう者たちと私は正面から闘う、こういう
決意を言って、石原さんもすべてのことを約束されました。
そこで私が言いたいのは、こういう約束をしたことを今度の
設置法では実現できないでしょう。これを
長官は先ほどどなたかの質問に答えて、充実していきますよ、要望にこたえますよと言われたのですけれ
ども、この約束を守ってください。そしてぜひ二期工事、三期工事、こういう約束をしたことは守られるように
環境庁長官としてやっていただけるかどうか。石原さんは二期工事、三期工事もやって、そういう方向にいきたいという
答弁をなさっております。そこで新
長官の御意見もここで聞いておきたい、こういうぐあいに思います。
それから、ついでと言えば語弊がありますけれ
ども、石原
長官が、この一月に
環境庁から職員が行って、このセンターで若い患者さんがどこで仕事ができるか相談して、たとえば庭の掃除をするとかフラスコを洗うとか、あなた方が働けるところへ雇いますよ、一月に
環境庁から行ってその相談をしますよと言われました。そしてそのほかに、今度はこれと別ですけれ
ども、とにかく若い患者の就職を世話するために財団法人というものをつくって、きちんと国で就職の世話をいたしますよ、こういう約束をなさったのです。ところが、今度はあなたになったら財団法人をつくらぬというようなことを言われておる。こういう問題についての
長官の御見解を聞きたい。