○阿部(未)
委員 ちょっと恐縮ですが、森官房副長官にお見えになっていただきましたので、途中ですけれども
質問を切りかえますので、お許しいただきたいと思います。
実は、
NHKの経営
委員の任命の問題ですけれども、
NHKにとっては最高の
機関でございますし、また
放送法によっても、その任命については各界の代表がそれぞれ指定されておりますけれども、公平に配置をされるようにというふうな規定もあるわけでございます。しかし、今日までこの
委員会でもずいぶん
議論をされてきたのですけれども、どうもこれはそういう趣旨にのっとっていない。人間ですから、その経歴から
考えればいろいろ理屈はつきます。ある場合には私が農民代事であっても構わないかもわかりませんし、ある場合には私が労働組合の代表であっても構わないかもわからぬ。経験から言えばそういうことになるかもわかりません。しかし、そういうことではなくて、現実にいま専門的にと言いますか、そういうことを
考えてみますと、ただいまの
委員を参考までに申し上げておきますが、
委員の中で、毎日
新聞の社友、伊藤組の社長、経団連の副
会長、富士重工の相談役、朝日
新聞の社友、日東工業
会長、日新林業
会長というように、少なくともこれは経済界を代表するとも言える方々になるわけです。もちろん朝日、毎日については言論界だという意見もあろうと思いますけれども、別の
意味から言えばこれは経済側の代表ということも言える。
そういうことを
考えていきますと、これだけの経営
委員の中で、これが本当に各界を代表する公平な経営
委員の選出になっておるだろうか。これは三木総理のときだったと思いますけれども、前にそういう問題が出まして、当時あなたと同じ立場の海部さんとも話をしたことがありますが、私はメモも持っておりますが、この趣旨に沿うように公平にやりたいというお話を伺っておるのです。たまたま今度は任期の来る方がかなり多いようでございますが、この経営
委員の選任に当たっては、官房の方でもそういう趣旨に従って十分御
努力をいただきたいのですけれども、そういう趣旨を生かすことと同時に、私は最低の条件があるのです。
それは、かつて電電公社が小佐野賢治さんを経営
委員ですかに任命をするというときに、各党の反対があったのです。にもかかわらず政府は任命をしました。任命をしましたが、結果として
国民一般から見て果たしてこれが妥当であったのかどうか、疑問の残る点だと思います。この
NHKの経営
委員についても、私は名前は言いませんが、全部の賛成を得られない経営
委員がおいでになります。
NHKの経営
委員の任命に当たっては、国会の全体の賛同を得られるというくらいのことはせめて最低の線として守ってもらわなければならないと私は思います。反対があっても数が多いのだからということで、
NHKの経営
委員として無理に任命しなければならないという理由はないだろうと思います。それならばもっとみんなの同意を得られるような人を最低の線として任命すべきであるし、そして法的に規定をされている各界の代表が本当に公平に入っていくような任命の仕方であってもらいたいという希望を私は持っております。
そのことはきのうから申し上げてありますから、恐らく官房長官とも御相談をしてきていただいたと思うのでございますが、ひとつお
考えを承りたいのです。