○
藤原委員 京都市のある小
学校で五年生を
対象に十分間で
子供がどれくらいCMを知っているのかという
調査をした資料を私はここに持っておりますが、白い紙を
子供たちに渡しまして、
先生が「用意、ドン」と言って、コマーシャルの文句とその品名を書かせたわけです。そうしますと、何と十分間に最高二十八のCMの文句と品名を書いております。平均しますと十一種類の品物のCMをすらすら書けるほど知っているという
状態です。それで、十分間でもうやめなさいというストップの合図をしましたら、
子供たちから「いや、まだ知っている」という声が出たわけです。このよく知っております品物のうちで四五%は食品です。また、その食品のうちでもおやつが四五%、インスタント食品が三二%、合わせて七〇%以上を占めているわけです。
同じ
調査がこの
京都市内の山間部の僻地の
学校でもやられたわけですけれども、この
傾向は都会も山村僻地も大体同じぐらいです。平均十五種類の品名を知っているというのもおりました。この
子供たちは
テレビを一日平均四時間見ているそうです。
放送関係者の話を聞きますと、
子供は動く広告塔だとあるスポンサーがおっしゃっているそうですけれども、
子供に覚えさせれば母親がその品物を買うという
意味で
子供は動く広告塔だとおっしゃっておるそうです。
アメリカの
一つの例ですけれども、
子供向けの人気
テレビ番組の主人公をCMに使ってその商品を大いに売り込んだところ、ATC、
子供のための
テレビ行動
委員会という母親
たちの
団体が、「このCMは
子供の過度の薬品使用を招くおそれがあり、しかも健康を損ねる危険性がある」と主張いたしまして、連邦取引
委員会、FTCにCMの差しとめを申し出たそうです。その結果、FTCの見解として、「
子供たちに人気のある
番組のキャラクターをCM
内容に使用することは、
番組内容とCM
内容を
子供に混同させ、
子供と
番組の間に生まれた信頼関係を悪用することになる」と言ってそのCMを中止させたそうです。これはあくまでも
一つの例でございまして、私は権力機関がCMを中止させたことを肯定しているわけではないわけです。つまり、私が言わんとしておりますのは、スポンサーなり
放送各社が、
テレビの
機能と
子供の特質との関係を
考えましたときに、CMについても十分過ぎるほど配慮すべきではないのかということであります。
日本でも
視聴者からこういうCMに対する希望が出ているわけです。総評など二十三
団体が加盟してつくっております「マスコミを
国民のものにする連絡
会議」では、CMについての
一つの要望として、お菓子などのCMについて、「食べたら歯をみがきましょう」とか「食べ過ぎると虫歯になりますよ」というような字句をCMスポットの中に入れてほしいというような積極的な提案を出しながら運動しておられるわけです。
さらにCMについて言いますと、現在、
放送基準や
民放連も加盟しておられる全
日本広告連盟のCM倫理綱領にもその精神が書いてあるわけですから、その
基準、精神に沿って制作をされていると思いますけれども、
子供の場合、商品のよしあしは別にして、おまけにつられて買ってしまうという場合もありますし、
子供に人気のある
人たちの登場するCMだということでついつい買うことをねだるというふうな
状態が現実の
日本の問題点としてあると思います。こういう中でCMの
影響によって主体性のない
子供が形成をされていくのだという
側面も大いに事実として持っているのが
テレビのコマーシャルではないかと私は思います。
こういったことを
考えましたならば、
子供の人格形成を
考えて、コマーシャルについても改善をする必要があるというふうに私は思いますが、これは私が間違っていますでしょうか、いかがなものでしょうか、
民放連に
お尋ねをいたします。