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秋草説明員 電気通信工事の現在の契約の仕組みというものは御
説明を積み重ねないとなかなか御理解できないと思っております。と申しますのは、予算
委員会でも時間もありませんでしたけれ
ども申し上げましたが、
公社の認定業者というのはただいま
全国で六十八社ございます。そのほか下請、孫請も時にはあって、たくさんの下請も使っておりますけれ
ども、その入札に参加させるのが六十八社でございますから、宮崎県とか熊本県とかそれぞれ地域的に分けますと、そこに六十八社の本支店が全部何らかの形であるわけではございません。関東に
ウエートの多い会社もありますれば、九州だけしか働かない会社もございます。そうしますと、一県に限りますと、支店と、それからそこに本店を置く小さい業者も含めてどうしても数社しかございません。
そこで、
先生から見れば非常に不明朗な競争入札ではなかろうかとおっしゃると思うのでありますけれ
ども、東京の単契に九州の業者が参加しても一向構いませんけれ
ども、これは参加するはずはございません。なぜならば、地域的な事情から言って遠いところから足代をかけて参加しても敗れるのに決まっておりますから、どうしても自然数社に落ちつくということはもう原理でございます。ただ、年々歳々決まったら永久にそこに決まるかと言えば、これはもう競争入札の形をとりますから、多少その都度その都度お互いに単契を争って商売を多くするために競争をして、ことに隣県の業者などはかなり殺到してまいります。それにしましても、一般の自由競争契約のように完全な公開入札のようなものではございませんから、集まっても八社とか九社ぐらいがせいぜいでございます。その中で
電話局単位で決めておりますとどうしても数社に限って、しかもそれが三年とか二年半とかに一遍交代するのがせいぜいになってまいるのであります。
うちの
事業の建設業界というものはほかの産業に一切手を出さない、一〇〇%とは申しませんが、九八%か九七%ぐらいは
電電公社だけで飯を食わなければならないという会社でございます。どうしてそういうことになるのか、もっとたくさんふやしたらいいじゃないかということは、電通省時代は
全国タケノコのごとく一斉に百八十社ぐらいできたことがございましたけれ
ども、うるさいことも言うし、また
技術基準もむずかしいし、それじゃほかの商売がなかなかできないということでだんだん減ってまいりまして、今日六十八社になったのであります。
こうした
事業をやっています。番いい例は東京電力、関西電力あるいは九州電力で、電力の電気工事も、関東電気工事とか九州電気工事とか、一社で下請を使って九州管内をほとんどやっておる。これが建築でございますと、
電電公社の建築量は年間概算千五百億ぐらいあろうと思います。にもかかわらず、指定業者は三千五、六百うちでは認定しております。建設省は
全国を扱っておりますから四千五百社ぐらい登録しているそうでございますが、私
どもの建築量は非常に大きいといいましても、
日本全国の建築量に比べますと建築だけでは一%にも満たないのでございます。それでも
電電公社は
日本全国で業者を九七、八%養うぐらいの量でございまして、そこに特殊性がある。それから商売もほかにはお座敷はないということで、非常にむずかしい業者の扱いをしなければならない。この問題につきましては、
公社発足以来といわず、電気通信省時代から先輩の諸君がいろいろな認定
制度をつくっておりまして、また、その契約の方法も学識経験者等も入れていろいろ改善を見たこともございますが、何としましても、突き詰めてみると、いまの状態が
考えられる最高のものではなかろうか、もうこれ以上非の打ちどころがないとは申しませんが、まだ改善の余地はあると思いますが、まあ最高のものではなかろうか、こういうことであります。
ただ、いつも御
質問の出る下請の問題につきましては隔靴掻痒の感がございまして、親会社を統制しておりますけれ
ども、後を絶たないのでございます。先般も予算
委員会で非常におしかりを受けましたし、
大臣にもいろいろと御迷惑をかけましたけれ
ども、いまの契約
制度、業者
制度の問題はまあまあこれくらいのことしかないのではなかろうかと思います。ですから、こういうことをなぜできないのかということを積極的におしかりなり御
質問をしていただければ、その場合はこうだということでまた御
説明を申し上げて、少しでもいい
方向に改善したいと思っております。