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小川(新)
委員 私、
警察当局にひとつ激励をしておきたいことは、いまこれから起きるか起きないかわからない
事態について
最高責任者が
責任をとるとかとらないとか、そんなことを言う必要はないのです。真一文字に国民の生命と幸せを守る
立場に立っての
警察当局の努力を積み重ねて、それから先のことはそれから先のこととして議論すればよろしいのであって、まだこれから起きるか起きないかの問題についておれは
責任を次はとるのだなんということは言わぬでもよろしい。また、その
決意は壮とするも、私は
警察だけに
責任を負わせるような無慈悲、残酷なことは言いたくもありませんし、であるから、いまそういう
事態が起きないために、何度も繰り返しますけれども、なすべきこと、それが行き過ぎにならない程度のこととしての慎重さという問題について本
委員会で議論をしておりますので、どうかお帰りになったら
浅沼長官に、後顧の憂いなくしっかりがんばれと、こうひとつお伝えいただきたいと思う。そうしませんと、
国家公安委員長にまでいろいろと波及するようになってしまいますので、この点ひとつよろしくお願いします。
そこで次は、全然平和な話になります。こういう血なまぐさい、いやらしい話から、地名の問題という私にふさわしくない文化的な質問に入りますが、どうかひとつ
小川新一郎の意のあるところを、なごやかな質問になりますけれども、お聞きください。
地名の重要性についてどのように認識しているのか、ただ単なる記号にすぎないものと
考えているのかどうか。地名というものは、歴史的、地理的、言語学的に、方言からいっても重要な価値を持っておるものであります。これは柳田国男氏の「地名の研究」一冊を読めば明らかであります。住居表示に関する
法律が制定された
昭和三十七年当時の内閣法制局長官林修三氏の随筆「文化、伝統の断絶」、これは町名、地番整理の生んだものでありますが、由緒のある歴史的町名が大部分消えるという無残なことになってきたことが
指摘されております。林修三氏の
指摘は、
昭和三十七年に住居表示に関する
法律が施行されて以来、現在までの十数年間にわが国の主な市街地にもたらされた弊害は大きい。それは主として精神的、文化的な弊害であるが、現在大問題となっている物質的公害にも匹敵すると
指摘しております。私ども国民の心を荒廃させた、つまり、めちゃくちゃな町名変更によって文化や伝統の断絶が起こり、若い人々が由緒あるものを大切にする心を失い、かつ昔のことを理解できなくなったということであると理解しております。この町名変更された後で、最近の小説、随筆の文章でも、地名に関する限り現代の人々にはわけのわからないものになってしまう。文化破壊これよりはなはだしいものはないと思います。これ以後わが国は文化国家などと自称できなくなったのではないか。このような
立場に立って、住居表示が文化を破壊するようなひどいことになった主な原因は一体何なのか、こういった問題を踏まえて、これは文化的素養の深い
大臣に、まず、地名の重要性についてどのように認識されておるのか、ただ単なる記号にすぎないものと
考えていらっしゃるのか、いま私がるる申し述べたような背景の中で御
答弁をお願いいたしたいと思います。