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佐藤(敬)
委員 これは
経済企画庁の問題でしょうから、
大臣から一応
お話を聞いただけで、あれします。
自治省が今度
提出しました
地方財政収支試算によりますと、
ケースのI、II、IIIとも
公債費がどんどん多くなってきております。そのことをこの
自治省の
計算で見ますと、
公債費が、五十二年度の一兆七千三百億がことしは二兆二千四百億、来年は二兆五千四百億、五十五年度では三兆七百億、五十六年度は三兆六千三百億、五十七年度は四兆二千三百億と、どんどん増加していっておるわけです。一方で、こういう比較はいいのか悪いのかわかりませんが、
地方債の方を見ますと、五十三年度が四兆百億、五十四年度が三兆九百億、五十五年度が三兆五千九百億、五十六年度が四兆一千二百億、五十七年度になりますと四兆七千二百億という
数字になっておりますが、これを
公債費と
地方債の
比率を比較してみますと、五十三年度のことしは五五・八%ですが、来年になりますと八二・二%になる。五十五年度になりますと八五%、五十六年度になりますと八八%で、
最終年度の五十七年度になりますと八九・六%という
比率になるのです。
公債費は、これはいままで借りた金を返すのですから、このとおりにいくだろうと思いますが一
地方債の方は、これ以上
地方債がどんどんふえて
財政が拡張されることはないだろう、むしろ逆にこれより少ししぼんでいくんじゃないかというような
感じがいたしますので、この
数字を見ますと、借りた金を全部
借金のために返さなければいけない、そういう形がはっきりこの中にあらわれておるのです。場合によっては、
公共事業なんかをある程度縮小していくことになる。
公債費の方は変わりませんので、借りた金で
借金を返してもまだ足りないという、ちょうどいまの
国鉄と同じような
財政の形になってしまうんじゃないかということを、これを見ると非常に
心配されるわけです。とのまま放置しておくわけじゃなくて、
増税したり国から入ってきたりいろいろなことがあるでしょうが、少なくともこれだけ見ると、そういう
心配が非常に強いわけです。膨大な
借金財政です。
国鉄のあれを見ましても、ローカル線も新幹線も全部
借金でやっておる、そしていま結果はどうなっておるかというと、ごらんのような形になるので、結果的にああいうような形になるという
心配が非常に強いと私は考えておるわけです。
さらに、今度
自治省と
大蔵省でとりました二分の一
方式、これを見てみますと、五十年度、五十一年度にもこの
方式を充当するというのですが、五十年からことしの五十三年までみんな合わせますと二兆円か二兆五千億くらいに
地方が
負担する
金額がなるだろうと思います。それから五十四年度から五十七年度
——六十年を
ピークとして見ますと、五十七年度くらいまでが
関係が出てくるわけですが、これをいまの五十三年度の二分の一
方式で七千億にして
計算してみますと、大体二兆八千億、三兆円近いものになってきます。そうしますと、六十年を
ピークにして考えてみますと、六千億か七千億くらいを
交付税特会から返していかなければいけない、それだけ
総額が減ることになりますね。これは膨大な
金額が減ってきて、いまでも足りない
交付税総額の確保という面から非常に難渋を来し、一方では、借りた金は全部
借金で返さなければならない、一方では、よりどころである
交付税の
総額がどんどん減っていく、こういうことになりますと、大変な
事態になるわけです。
十三日に
参考人、
学識経験者並びに市長さんと村長さんを招きまして意見聴取いたしました。そのときもこの問題が非常に強調されたわけであります。だから、二分の一
方式というものは非常に評価されておりますし、ある程度評価されるところもありますが、これを当分の間というのはいつまで続くのかわかりませんが、これをかなり長いこと続けますと、大変な問題になってくる、こういうふうに考えられるわけです。
そこで、簡単に申し上げますと、この
事態というものは
緊急避難の
事態であるとたびたび
政府は申しておりますので、
緊急避難であるならば、この
交付税の
特別会計の問題と
公債費の償還の問題、これに対して何らかの
措置を講じていかなければいけない。たとえばこの前の
予算委員会で私が提案しましたように、
地方債を十年じゃなくてもう少し延ばすとか、あるいは
交付税特会で返していくのを二年
据え置きの八年じゃなくて、もう少し延ばしていくとか、あるいは臨特でこれを後から
政府がカバーしてやるとか、何かしらんこういうような
方法を講じてやりませんと、もっていかない。
増税をするといっても国が十兆円、
地方が四兆円なんという
増税をしたら
国民の方がひっくり返ってしまう、こういう
感じもありますので、何かしらんこれに特別な緩和の
措置を講ずる、そういう意思についてお伺いしたい。