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三井政府委員 おっしゃるように
火炎びんを持っておれば
火炎びん処罰法違反になりますし、また投石用の石を満載して車に一緒におるということでありますと、そこにおる連中は
凶器準備集合罪にもなるということで、それが
犯罪を
構成することは明白であると
考えます。ただ、最初にも申し上げましたように、この日は三・二六
闘争ということで極左
集団というのは設定をしたわけでありますから、いわば彼らが三・二六
闘争全体をどのようにデザインしておるかというようなこととのかかわりで全体の事態を収拾するといいますか、制圧する、
規制をするということを
考えるのは警備の基本でございます。これの中心は、公式といいますか、正式に届け出をいたしました公安条例による集会、これは二万人の集会を三里塚第一公園において行う、これは正午からであります。正午からやった後、午後三時から二時間半デモを行う、デモのコースは岩山コースと大清水コースの二コース、こういうことであります。一方、われわれが情報
活動等、彼らの動きをよく知るというような
行動をいたしました結果、一方ではそういう集会をやりながら、あるいはどれかの
セクトが、特にハッスルをしております中核あるいは第四インター、それに革労協、この三つの
セクトが一番元気を出しておるわけでありますが、これは集会とは別に、あるいは集会に参加した後に、あるいは参加する以前に、あるいは参加せずにゲリラ
行動に出る、こういうようなことも想定をいたしたわけであります。そこで、集会は正午からということでありますので、彼らがどこに集まるかということを朝からよく見ておりましたところ、いまおっしゃるように菱田小学校跡に十時半ごろから集まったわけで、これは千五百集まりました。したがって、この
状況から、第四インターは十時半に
行動を起こしておりますから、これから果たして三里塚第一公園の集会に参加するのか、最初から参加せずに別途のゲリラ
行動をとるのかという点については、われわれは部隊運用上注目をいたしておりました。その結果、彼らはこれに参加せずゲリラ
行動を起こすということをわれわれは確信をいたしました。そのゲリラ
行動の手始めとして、三隊に分かれたわけでありますが、第一番に
行動を起こしましたのは、先ほど申しました第五ゲートへ向かうコース、この道路に向かって百名が動き出したわけであります。これは第五ゲートにまず第一にちょっかいをかけるであろうということで、それにそれぞれ備えをするということでありました。そのほかに横堀コースに向かう者、星華学院に向かう者等、それぞれ行きましたけれども、それぞれの措置をされ、横堀に向かった中の一部はまた星華学院コースに合流をいたしまして七百になって星華学院から直ちに出発をする、こういうことでありました。当時といたしましては、そういう彼らの動き全体を全体として
規制し、かつおさめていく、こういうことで、その中でわれわれが必須に守らなければならぬのは彼らが呼号をしておる
空港突入ということでありますから、
空港を守っておる部隊、内周外周で守っておりますけれども、この部隊をもそこから外して、
違法行為であるから
火炎びん処罰法、
凶器準備集合罪ということで、七百名の部隊を包囲せん滅というとおかしいわけですが、包囲して全員検挙するといたしますと、せん滅というのは言葉だけでありまして、実際はちゃんとこれを持っていくわけでありますから、一人に三人
警察官がつかなければならぬ。七百人をきれいに逮捕し護送するには二千百人の
警察官が算術計算としては必要であるということになりますと、全体の中から二千百の
警察官が逮捕した者とともに戦列から脱落をする、こういうことになるわけであります。
一方、デモのコースは二つに分かれるわけでありまして、これもまたデモコースに出発した途中で
火炎びんを投げるという
行為をし、かつ、これも
空港のフェンス沿いに行進をするわけでありますから、何どきでも
空港のフェンスを破って中に入るという
行動にいままでもしばしば出ようとしておるということでありますから、それもまた警戒しなければならぬということであります。彼此勘案いたしますと、
空港を守るということが必須の任務であるというところから言えば、なるほど
火炎びんを持っておる、
凶器準備集合罪がすでに成立しておるといいましても、機械的にこれを
一つ一つその場で処理をするということは果たして得策かということを全体として考慮した結果の措置としてああいうようなことになったわけでありますが、その措置にいろいろそごがあって、結果としてああいう事態になったということは大変遺憾である、こう
考えておるわけでございます。