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大倉政府委員 私の記憶しておりますのでは、たしか前大臣のころであったと思いますが、
一般論として申し上げると、と申し上げたのか、あるいは
税制の筋論として申し上げると、と申し上げたのか、何かそういう前提をお置きになりまして、やはり
目的税にすると、見合いになる歳出の方が、とにかく税収があるんだからいいじゃないかという
意味で、歳出の方に放漫になる危険がある、あるいは歳出が硬直化していく危険があるので、
一般論としては望ましくないという
趣旨をお答えになっていたように思います。その基本的な
考え方は、やはり
大蔵省の内部ではいまだに変わっていないと申し上げてよろしいんだろうと思います。
しかし同時に、現実的な考慮も払わざるを得ない状態でございまして、先ほど揮発油について申し上げましたように、筋論としてはやはりいずれの日にかこれを
一般財源化する、あるいはそこまで行く前にでも、総合交通対策というふうに
使途を広げるというような
考え方が十分吟味に値するであろう、しかし五十二年度、五十三年度という状態では、これはまあ繰り返しになって恐縮でございますが、
特定財源を全部入れてなおかつ足りなくて
一般財源を入れざるを得ない、あとしばらくはまだそういう状況が続くかもしれないというときには、やはりその筋論だけでもなかなか問題が片づかないというふうに申し上げざるを得ない。
そこで、今回の
石油税がまた新しくそういうものを持ってきたではないかということでございますけれ
ども、これもやはり
石油に対して新しく
課税を起こすという場合には、その背後にある
考え方として、今後における
石油対策に係る財政需要というものが非常に大きいので、それはやはり
石油なり
石油製品を使う方に
負担していただきたいという
考え方で御説明をする。納税していただく方、直接に納税していただく
原油の
引き取り者なり国産
原油の開発者に納得していただき、さらにはそれが
価格に転嫁されるという
性格の税である以上、
石油なり
石油製品を使われる方にも、やはり
石油を備蓄するなり新しく
石油資源を開発するためにはどうしても財政で金を出すという需要が大きいわけでそのためにはひとつこれくらいの率のものはぜひ御
負担願えないでしょうかということで、御納得を得たいという気持ちが基本にございますものですから、やはり実質的に
特定財源になるような形で今回御提案をしておる。しかし、今後あらゆる税をやはり
特定財源的なもので構成する方が
税制としていいかということになりますと、そこはやはりまたもとへ戻ってまいりまして、やはり
税制全体の
考え方としては、できることならば、また、納税者の御納得を得られることであるならば、それはやはり
一般財源として構成する方が財政全体の効率的な資金配分のためには望ましいことであろう、そのように考えます。
しかし、御
質問の中にございました、
一般消費税を考える場合には、それはやはり福祉なりあるいはもう少し広く教育なりというものにどうしても今後財政需要があるから、そのためにひとつ
負担していただけないかというふうに物を考えるべきであって、財政再建のためにとか国債を返すためにということじゃなかなかその
負担増加は受け入れてもらえませんよという御
意見は、
税制調査会の中にもかなり強くあるわけでございまして、それはなお今後、新しい税を考える場合に十分尊重に値する
意見であろう、
検討の課題であろうというふうに私
どもとしては考えております。