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荒木委員 いま答弁がありましたように、公的な試験を経たものではない、大学卒で実務経験二年というのですが、私聞いてみますと、普通の
企業に勤めて、たとえば経理課にいてコンピューターをはじくとかそろばんをはじけば、これで二年の経験だというのです。ほかに
中小企業の
経営診断士というのがありますし、あるいは業界組織には傘下の
組合員の
経営指導を長年系統的に研究してきた人もいるわけです。そういうような実際の
経営指導に当たる人の資質その他の点からも、私は、
窓口の一本化という点については御
検討いただく
余地があるのじゃないかと思います。
なべて申しますと、
商工会議所はいわば地域の各
業種を横の面で横断的にカバーしていると思うのです。業界組織は縦の面でずっと組織しているわけですから、
経営指導、
経営診断で横の面をカバーするとともに、縦の面でもその
指導の深度を深めていく必要もあるのではないか。そのそれぞれについていわゆる
マル経資金的
金融補完の
措置をカバーしていくことも考えられるのではないかということでもあります。
そういったことから、ほとんどそれらしい素養といいますか、いろいろな方がおられますから一概に言えませんが、十分
制度的に保障されていない、したがって情実が入るという話も間々耳にいたします。
商工会議所の
経営指導員からさらに振興
委員という方に仲介を依頼されておるという例が少なからずあります。そこに情実が入り込む、そういったうわさも流れますし、推薦がありますと、
国民金融公庫の
窓口では、普通
貸し出しですと現地臨場して臨店
調査もする、あるいは直接来店いただいて面接をして
金融審査をする。ところが
会議所、商工会の推薦のある分は、書類だけでほとんど審査を終わってしまうものですから、
金融審査が浅くなるといいますか、そういった話もございまして、現に
大臣ごらんいただいていますこの第四表では、管理口比率といいまして、二カ月以上返済が滞れば管理口扱いになりますが、全体の管理口比率が、金額にいたしまして五十一年十一月は一・八九ですが、
マル経の方は二・〇二になっています。昨年の十一月は、全体が二・二八になりますが、
マル経の方は二・六二、全体が三九%の
伸びに対して
マル経の方は六〇%の
伸びです。比率も二・二八に対して二・六二。普通なら
経営指導、
経営改善を受けておって
経営状態がよくなって返済の率がよくならなければならないはずなのに、逆に悪化している。こういう面にもあらわれておりますので、政府系
金融機関として、特に無
担保、無
保証融資の場合は、担当職員がそのことに責任を持つという意味合いからも、
金融審査の比重もひとつこの際
検討の中に入れられてしかるべきではないかと思いますので、これはひとつ御要望の一つとして申し上げるということにとどめておきたいと思うのです。
時間もなんでございますので、もう一、二つけ加えて伺っておきますが、いま実務のしでは六カ月この
指導を受けて、それから
マル経の
融資を受ける、こういうことになっておるようですが、私は、診断能力があれば、過去六カ月、過去一年の業績をいろんな財務書類で見れば大体診断がつくのではなかろうか。いろいろ本人から直接事情も聞いて資料を付加すれば、今後の
経営方針も立つのではなかろうか。そしてそのときに
窓口は、
会議所を通そうとあるいはそれ以外であろうと、いろいろ今後の御
検討の課題としてありましょうが、その診断の時点で
金融的な
補完措置が必要だという判断も間々あり得ると思うのです。それから六カ月たって初めて
金融の応援をする、何といいますか、薬を飲ます。注射をする。しかし、診断をしてすぐ注射しなければならぬ、薬を飲まさなければならぬということだってあり得るわけですから、六カ月というものはもっと弾力的に考えてもらってもいいのではないか。つまり、診断をして事後の
指導六カ月ということでも差し支えないわけですので、その点の運用について、これは
銀行局長から伺いたいと思います。