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山下(徳)
委員 ただいま
国内炭を圧迫することのないようにという御配慮の御
答弁がございましたが、これは先決問題でございまして、その点十分御配慮いただきまして、両々相まって、
需要の
拡大という見地から、安定した
海外炭の
輸入について今後とも御配慮いただきたい、かように思う次第でございます。
次に、
先ほど答弁でちょっと触れられました
石炭の
利用対策でございますが、
需要の
拡大を図るためには、やはり
利用の
拡大ということが先行しなければならぬ。この方策についてお尋ねしたいのでございますが、この
利用の
拡大を図るためには、やはり
技術の
開発というものがさらに先行してまいらなければならぬ、このように思う次第でございます。
大臣もこのことには
所信表明の中で特に、
石炭の
利用を
拡大させる決め手は
技術の
研究開発であるということを明言しておられるわけでございます。
代替エネルギー資源としての
石炭の
埋蔵量、これも
石炭生産の
先進諸国に比べると非常に低い、少ないということが言えるかもわかりませんけれ
ども、
安全ベースと申しましょうか、あるいはまた
経済ベース、そういう面から計算いたしましても、可採
採炭量というものは、少なくとも二十五年や三十年あるいはもっと今後
技術が進めば可能であるかもしれません。したがって、この
エネルギー資源を
技術開発することによっていわゆる
利用の
拡大を図るということ、これは当然のことであろうと思うのでございます。特に、
石炭を
石油の
代替燃料として活用するためには、まず
石炭の
ガス化あるいは
液化してクリーンな
流体エネルギーに転換してこれを使用するということは、これは当然の
必然性がもうすでに生じてきておるということでございますので、もちろんこのことについても
大臣は、低
カロリーガス化発電等石炭の
技術開発が非常に必要であるということをおっしゃっておられます。このことについてお尋ねしたいのでございますが、そのためには、これに
関連した多岐にわたる
基礎技術の
開発というものが当然必要になってくる。このことについて
政府はどのようにお
考えであるか。
石炭の
利用技術というものは、
石炭にもいろいろ性能が違っておりますから単一的な
技術の
開発ではなかなか割り切れない面がたくさんある。それぞれの
石炭の性質、成分によって、その異なったものに対する
技術の
開発でございますから、ただ簡単に
石炭を
一つの単一化的な
開発ということではなくて、
相当の
技術費用を突っ込んででも、さらにひとつこれを深く掘り下げた
技術開発というものが必要であると思うのであります。
そこで、
石炭鉱業審議会の
技術部会におきましても、「
石炭利用技術の促進について」というタイトルで
報告書がまとめられておりますが、その中でも
排煙脱硝技術であるとか
石炭の
液化技術あるいは
石炭の
ガス化技術、こういう
一つの大事なものをずっと抜きまして、大体これはたしか十か十一ぐらいにまとめてあったと思うのでございます。これらの
技術開発につきまして、決して
日本はおくれているのではない、ある面においてはむしろ
日本の方が進んでいる面も多々ある、私はそう思っております。たとえばここに、
石油代替エネルギーを
開発する
政府の
サンシャイン計画の
一環として通産省の
工業技術院が
開発した
石炭液化の
ソルボリシス法というのですか、これをずっと読んでみますと、これはまさに画期的な
開発と私は見ております。このことについては、すでにオーストラリアから
政府が、
石炭液化の最高の
技術スタッフを
日本に派遣して、今後ひとつ
共同開発をしようじゃないかという申し込みを受けているし、あるいはこのことについては
海外の
先進国でも非常に高く評価して、
アメリカその他でもこれは非常な
関心を持っておるということを聞いておりますから、
日本のそういう
技術の
開発について、私は、これをそれ
相当以上に評価しておるものでございます。しかしながら、ただ、この
予算面とか総合的に見た場合には、西ドイツであるとか
アメリカであるとかそういう
先進国よりまだ劣っている面も
かなりある。したがって、たとえば
予算面においても、
予算の
規模が小さいためにその
試験研究の
一つの
規模というものも必然的にこれらに比べて小さくなっておるという面は、私は、これははっきり申し上げて劣っておると言わざるを得ないと思うのでございます。
そこで、
石炭鉱業審議会の
技術部会で取り上げたこの
重点項目の
研究開発費、これだけでも試算してみると、
昭和六十年までに四千億円近くの金がかかる。しかも、今後これを
開発を進めていくについて、今日予期しておらない幾多の障害であるとかいろいろな難問題が生じてくる。これらを計算に現在は入れられないにしても、今後そういうものをプラスしていくと、
一体四千億円の上に幾ら上積みすればこれらの問題が解決できるかということ、これは大変な問題だろうと実は私も思うのでございますが、しかしながら、
石油という
資源を持たない
日本における脱
石油時代に対処する
一つの
代替エネルギーの
石炭の
位置づけということから見ると、やはり惜しみなくこういう面に対して金を使う必要がある。この点について、
石炭の
位置づけから見た場合の
研究開発について、ひとつ
当局のお
考えを承りたいと思うわけであります。