○河本国務大臣 七%の
経済成長につきましては、これは一月十三日の日米共同声明にはこのような形で記載されておるわけであります。共同声明の冒頭に、
日本側は七%の
経済成長目標についていろいろ
説明をしたが、特にすでに定められた政策、つまり昨年の予算のことだと思いますが、すでに定められた政策のほか、この成長目標を達成するために適切かつ合理的なあらゆる政策手段をとる、こういうことを重ねて
説明をした、こういうことが明記をされております。したがいまして、これは
日本側が国際公約をしたということにはなっておりませんが、共同声明に、
日本側は繰り返し繰り返しこのことについて
説明をしたということを言っておるわけでありますから、それなりにやはり
日本政府としての責任はある、私
どもはこのように
理解をしております。しかし幸いに、現在のところ私はまだ七%成長路線には完全に乗ったとは思いませんが、七%成長路線に近づきつつある、このように
理解をしておりまして、今後必要とあらば、おくれないように、タイミングよく
追加政策をしていくならば、私はこの目標は必ず達成されるであろう、また達成しなければならぬと
考えております。
ただ、この黒字問題につきましては、昨年の貿易がドル表示では二割以上伸びておりますけれ
ども、これを分析してみますと、六%が数量でありまして、一四、五%が価格の上昇になっております。価格の上昇は、円高になりましたために、
日本企業といたしましては、競争力のあるものは何回か値上げをいたしましたし、競争力のないものは、これはある
程度出血輸出になっておると思います。その値上げがある
程度可能であったという背景は、アメリカのインフレにあった、このように
考えておるわけであります。アメリカは昨年も若干のインフレでございましたが、特に最近は相当なインフレ傾向になっております。
そこで、総理大臣がこの点を強調されたのだと思いますが、数量制限をしても、あなたの方のインフレが続く以上は結局ドル表示の輸出価格の上昇につながるのだから、だからこのインフレ問題に対してはよく気をつけてくださいということを言われたのだと思います。しかしながら、この経常収支は大幅に減少するように努力をする、こういうことを重ねて言っておられますので、アメリカ側も
日本のこの努力目標に対して一応の了承をいたしまして、先般の会談では事が荒立たないで一応おさまったのだと
理解をしております。
しかし、この経常収支の目標にいたしましても
経済成長にいたしましても、
世界経済に与える影響も非常に大きいわけでありますから、やはり私
どもはこの目標だけは、
世界経済全体に対する立場というものを
考えまして、これはもうあらゆる努力を集中いたしまして実現しなければならぬ、このように
考えております。