○安田
委員 先ほど申し上げましたような供給源の分散の必要といいますか、そういう中で、メジャー系以外にいわゆるGG、
DD原油、いわゆる
政策原油といいますか、こういうものの拡大も必要であるというふうに思うわけで、
先ほども加藤
委員がそのことについて述べられましたけれども、この点での努力もわれわれとしてはどうも非常に足りないのじゃないかというふうに
考えるわけです。
油種の問題なんかで
引き取り手がないとか、いろいろ質の問題を言われておりますけれども、まだまだ努力が足りないのじゃないかというふうにも思うわけです。
私ども、
一つ非常に問題だと思うのは、基本的な問題でございまして、このIEAというのは、どうも産油国との対立
関係といいますか、そういうことの中でアメリカのいわば世界的な
石油戦略といいますか、エネルギー戦略というか、こういうものに従属しておるというふうに
考えざるを得ない点がたくさんあるわけです。たとえば決定するについての投票権についても、
消費加重票などというものがあります。これは
消費量から逆算してきたらそうなるということになるかもしれませんけれども、アメリカ一国にいわば拒否権があると同じような状態、
計算すればわかると思いますが、投票の六〇%以上でなければならぬとなると、アメリカ一国で六〇%にはなりませんけれども、もうあと先進諸国が何カ国か合わさればそれで決定される。逆に今度は、そうじゃない国が幾つか集まって束になってかかっても、これは六〇%に達しない。こういうような票の割合から見ても、最初からアメリカ主導型の仕組みになっておるというふうに思います。
それからあともう
一つは、この間のIEAの対日勧告では、灯油の価格を上げろとか、ガソリン税を道路だけでなくてもっとエネルギー問題に充てろとか、日本の道路行政や税制などにも干渉しているような、こういう勧告が見られるわけです。
先ほどの御答弁ですと、こうしたIEAの協定はちゃんと守る、勧告もまたそういうことで守るとなれば、まさに内政干渉されるということになるわけですが、しかもその仕組みの基本がアメリカ主導型である、そういうことになるのじゃないか。
IEAの協定を見ますと、運営
委員会は「
石油会社と協議する。」と十九条の六項に書いてありまして、この「
石油会社」というのは二十六条に定義があって、「国際
石油産業において重要な役割を果たす国際会社、」これはメジャーのことですね。これと相談をして、協議をしてやる、こういうようなことになるわけで、結局メジャーと相談して事務局が認定して、その認定はアメリカ及び一、二カ国の反対がない限りそのままずっと通ってくる、こういうような仕組みになっておる。このようなIEAに日本が相変わらず加盟しておるという点が、自主資源外交というぜひ必要なことに非常な障害になっておるのじゃないかということが
一つあります。
それから、たとえば国内の資源の
開発、復興、こういうことでも、
石炭対策についても必ずしも
国家が本当に二千万トン体制を本気でやろうとしているのか、きわめて予算の使い方その他を見ても疑問と思わざるを得ないし、沿岸大陸棚のエネルギー資源の
開発についても同じであります。それから新エネルギー技術の
開発についても、御存じのように西ドイツやアメリカの
石油液化などの研究費に比べて日本は非常に少ない予算しか割いてない。こうしますと、一番最初、冒頭に申し上げましたように、エネルギーの安定供給を確保するためにぜひ必要だというふうに思われる自主的資源外交の展開という点でも、IEAというおりの中でアメリカに従属しておるということから、供給源の多元化、分散化に非常な障害を与えるのではないか。
国内及び沿岸大陸棚のエネルギー資源の復興、
開発、利用、これもおろそかになっている。新エネルギー技術
開発も徹底的に推し進めるという姿勢が見られない。しかもエネルギーの浪費抑制の
可能性を追求することもぜひ必要だということを
通産大臣最初に確認されましたけれども、この省エネルギー法を、これも今国会に出すといっても、日数を
計算しますととうていこの国会で成立させる意欲は自民党
政府にはなさそうだ、こういうことがどうも言えるのじゃないか。
一方において、本法案のように巨大な
国家資金を使って——
先ほどの前提
条件ですね、エネルギーの安定供給確保のための前提
条件はおろそかにしながら、こういう巨大な
国家資金を使って
備蓄をやろうという今度の法案を見ますと、どうもそのねらいが、
先ほどから言っているように、
石油備蓄、つまりエネルギーの安定供給ということ以外のところにねらいがあるのではなかろうか。もし本当にエネルギーの安定供給ということに純粋にねらいがあるならば、もっともっとそういう
意味でIEAに加盟しているこの日本の姿勢自体について見直すなり、あるいは省エネルギーの問題についても、もうこの国会の初めころにどんどん出して今国会中に成立させるようなそういう意欲を示すなり、いろいろあると思うのですよ。そういうところがどうもおろそかになっておる。
石炭も二千万トン体制を維持するなんて言うけれども、実際上ほとんどあきらめているに近いような答弁が石特なんかでもあるわけですね、そうは言わないけれども。まあ二千万トン体制が危ないというのは大体みんな実際わかっていると思うのです。そういうような状況の中でこういう法案が提案をされ、巨大な
国家資金が使われる。しかも聞いてみると、なかなか内容が、
先ほど来立地の中身についても国
会議員にはお知らせすることができないというような中身があちこちにある。それで国民的合意を図ろうといってもこれは無理だろう、こういうふうに言わざるを得ないと思うのです。
大変長くしゃべりましたけれども、
通産大臣、最後に、そうした私どもの危惧に対してどういうふうにお
考えなのか、お答えをいただきたいと思います。