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1978-04-12 第84回国会 衆議院 商工委員会 第18号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十三年四月十二日(水曜日)     午前十時三十四分開議  出席委員    委員長 野呂 恭一君    理事 中島源太郎君 理事 武藤 嘉文君    理事 山崎  拓君 理事 山下 徳夫君    理事 岡田 哲児君 理事 渡辺 三郎君    理事 松本 忠助君       鹿野 道彦君    粕谷  茂君       藏内 修治君    島村 宜伸君       田中 正巳君    田中 六助君       辻  英雄君    橋口  隆君       松永  光君    渡辺 秀央君       板川 正吾君    加藤 清二君       後藤  茂君    清水  勇君       武部  文君    中村 重光君       長田 武士君    玉城 栄一君       工藤  晃君    大成 正雄君  出席国務大臣         通商産業大臣  河本 敏夫君  出席政府委員         通商産業政務次         官       野中 英二君         通商産業大臣官         房審議官    島田 春樹君         通商産業大臣官         房審議官    松村 克之君         通商産業省立地         公害局長    左近友三郎君         資源エネルギー         庁長官     橋本 利一君         資源エネルギー         庁石油部長   古田 徳昌君         資源エネルギー         庁公益事業部長 服部 典徳君  委員外出席者         大蔵省銀行局保         険部保険第二課         長       森田  一君         文部省初等中等         教育局職業教育         課長      河野 石根君         消防庁危険物規         制課長     小池 次雄君         商工委員会調査         室長      藤沼 六郎君     ————————————— 委員の異動 四月十二日  辞任         補欠選任   安田 純治君     松本 善明君 同日  辞任         補欠選任   松本 善明君     安田 純治君     ————————————— 四月十一日  石油開発公団法及び石炭及び石油対策特別会計  法の一部を改正する法律案内閣提出第三九  号) は本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  液化石油ガス保安確保及び取引適正化に  関する法律の一部を改正する法律案内閣提出  第六九号)      ————◇—————
  2. 武藤嘉文

    武藤(嘉)委員長代理 これより会議を開きます。  本日は、委員長が所用のため出席がおくれますので、委員長指定により、私が委員長の職務を行います。  内閣提出液化石油ガス保安確保及び取引適正化に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。  提案理由説明を聴取いたします。河本通商産業大臣。     —————————————  液化石油ガス保安確保及び取引適正化に関する法律の一部を改正する法律案     〔本号末尾に掲載〕     —————————————
  3. 河本敏夫

    河本国務大臣 液化石油ガス保安確保及び取引適正化に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。  液化石油ガスは、全国約千八百万世帯消費家庭で使用される国民生活にとって重要かつ不可欠なエネルギーでありますが、最近における消費量増加供給の態様の変化供給または消費のための設備器具等多様化大型化等液化石油ガス消費をめぐる諸情勢変化には著しいものがあります。  こうした諸情勢変化に加えて、一たん漏洩、着火すると大きな爆発事故をも惹起する液化石油ガス特性などから、消費家庭における液化石油ガスによる災害事故は一向に減少の兆しを見せないなど、液化石油ガスによる事故発生防止は、今日において大きな社会的課題となっております。  このため、政府におきましても、このような情勢に対処すべく、通商産業大臣諮問機関である高圧ガス及び火薬類保安審議会の昨年八月の答申「液化石油ガス消費者保安体制のあり方」に基づき、法的措置を含め検討を進めてまいりましたが、その結果、今般、液化石油ガス保安確保及び取引適正化に関する法律について所要改正を行うこととしたものであります。  次に、本法案要旨につきまして御説明申し上げます。第一は、液化石油ガス販売事業者に係る保安規制改正でございます。  従来ともすれば不明確であった液化石油ガス販売事業者消費者との責任関係明確化を図るため、液化石油ガス供給のための設備について保安上の基準維持義務液化石油ガス販売事業者に課すことといたしました。また、消費家庭における液化石油ガスによる事故のかなりの部分は、一般消費者等液化石油ガス特性使用方法等を十分知っていれば防ぎ得た事故であることにかんがみ、液化石油ガス販売事業者液化石油ガスによる災害発生防止に関する必要な事項を一般消費者等に周知させる義務を課すことといたしました。さらに、液化石油ガス販売事業者が行うこととされている消費設備調査業務については、都道府県知事の認定に係る調査機関に委託できることとし、適確調査確保する体制を確立することといたしました。  第二は、液化石油ガス設備工事規制強化を図ることであります。  液化石油ガス設備工事に起因する災害防止するため、液化石油ガス設備工事のうち重要な作業については、都道府県知事から液化石油ガス設備士免状交付を受けている者でなければ行ってはならないこととするとともに、液化石油ガス設備工事事業者事業開始届け出工事後の表示、配管図面保存等義務づけることといたしました。  第三は、液化石油ガス器具等規制範囲の拡大であります。  近年における液化石油ガス器具等大型化多様化状況にかんがみ、規制対象とする液化石油ガス器具等範囲を拡大し、そのうち構造使用条件等から特に液化石油ガスによる災害発生のおそれが多いと認められるものを「第一種液化石油ガス器具等」として従来どおりの国家検定または登録型式承認制度による規制を行うほか、それ以外の液化石油ガス器具等を「第二種液化石油ガス器具等」として、新たにその製造事業者及び輸入事業者に対して、事業開始届け出技術基準への適合義務等所要義務を課すことといたしました。  以上がこの法律案提案理由及びその要旨であります。  何とぞ、慎重御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。
  4. 武藤嘉文

    武藤(嘉)委員長代理 以上で提案理由説明は終わりました。     —————————————
  5. 武藤嘉文

    武藤(嘉)委員長代理 これより質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。岡田哲児君。
  6. 岡田哲児

    岡田(哲)委員 いま大臣から御提案がなされたわけでありますが、法案の細部に入る前に、いろいろと全般的にお伺いをしておきたいというふうに思うわけであります。  いまお話がありましたように、このLPガス昭和二十八、九年ごろから家庭用燃料として使われるようになりました。資料で見ますと、昭和四十年度以降非常に急速に消費世帯数がふえてきております。四十年で一千百七十八万世帯、それ以降次第に伸びまして、いまお話がありましたように、最近では千八百万世帯というまでに伸びてきております。また、家庭業務用LP需要量を見ますと、この世帯数の伸びよりもさらに急速に増大をしているということが数字の上で見られるわけであります。     〔武藤(嘉)委員長代理退席山崎(拓)委員長代理着席〕  このような急速な普及率といいますか、普及をしてきた原因は、一体どこにあるのだろうかという点でございます。価格の点あるいは安全性の点、それからさらに消費者利便度の点、いろいろあると思うのでありますが、その最大原因といいますか、この急速な普及率の背景になっているものをどのように認識をされておられるか。さらに、この普及率度合いからいきますと、今後どのようになっていくと想定をされておるか、その辺についでまずお伺いをしておきたいのであります。
  7. 左近友三郎

    左近政府委員 御指摘のとおり、このLPガス普及率というのは非常に迅速であり、かつ大きかったわけでございます。その原因につきましては、いまお話がありましたようにいろいろあると思いますけれども、一番普及度が高まった原因というのは、やはりボンベで供給いたしますので、一戸一戸の家庭に対しても容易に取りつけることができる、しかもその家庭においては、単に器具の栓をひねったら使用できるという、いわゆる都市ガスと同じような便利さがあるというところがやはり急速に普及した点ではなかろうかと思います。  しかしながら、問題点は、急速に普及するという利便さはあるものの、LPガス自体ガス特性等についての十分な理解が足らなかった。これはまた、普及の進度が非常に速かったせいもあると思いますが、一般都市ガスと違いまして、たとえば空気より重いとか、あるいはカロリーが高いわけでございますので燃焼空気を多量に必要とする、したがって、換気を十分に考えないといわゆる不完全燃焼が起こるというような問題、あるいは爆発限界都市ガスよりもやや低いということで爆発可能性が高いというような、LPガスの便利さとうらはらの問題点について十分な認識が足らないという問題が生じてきたというふうに考えております。したがいまして、そういう点については十分考えていかなければいけないというふうに考えるわけでございます。
  8. 岡田哲児

    岡田(哲)委員 いま質問の中に申し上げたように、この普及度合いから見まして、今後一体どういうふうに想定をされているかということをお尋ねしたのですけれども……。
  9. 左近友三郎

    左近政府委員 失礼いたしました。  今後の普及見込みでございますが、実は消費家庭増加はもう余り期待できないのではないかというように考えております。と申しますのは、LPガスがいまお話しのように千八百万世帯、それから都市ガスが千四百万世帯ということでございますので、大体日本の世帯数から見て、もう世帯数増加は余り期待できない。しかしながら、LPガス消費量につきましては、つまり世帯当たり消費量につきましては、先ほど御指摘もございましたが、実は消費家庭増加よりも消費量増加の方が大きいという現象がすでに出ておりますし、今後も湯沸かし器とかその他大量消費器具普及が目立っておりますので、消費量については、現在の約五百万トン程度からさらに増加するのではなかろうかというふうに考えております。しかしながら、世帯数増加が余りございませんので、従来のようなテンポで増加するということはなかろうというふうに見ております。
  10. 岡田哲児

    岡田(哲)委員 いままでのような急速な普及度増加というものは世帯数ではないだろう、しかし、使用量についてはまだふえる可能性が相当あるというふうに受け取るわけでありますが、政府方針というか立場から見まして、都市ガスLPGとの関係、あるいは調整という言葉が適当かもしれませんが、一体どのようにお考えなのか、いま考えられておる方針、そういう点について伺っておきたいわけであります。
  11. 左近友三郎

    左近政府委員 都市ガスLPガスとの、将来どういう分野を占めるかという問題につきましては、都市ガスは御案内のとおり導管供給でございますので、やはり一定の消費者の集中ということが必要でございます。したがいまして、都市部においては都市ガスが今後も供給区域をふやしていくということがございますが、それ以外の地域需要者が相当分散している地域については、やはりLPガスが将来とも使われるというふうに考えておりますが、問題は、LPガスを従来使っておった地域が、都市ガス供給区域増大につれまして転換していくという問題がございます。それについては、実は通産省におきまして立地公害局資源エネルギー庁が共同してその解決に当たっておりますが、それの解決方針については、資源エネルギー庁から説明をしていただきたいと思っております。
  12. 橋本利一

    橋本(利)政府委員 一般需要者LPGを使うかあるいは都市ガスを使うかということにつきましては、本来やはり消費者自由選択によるべきものだと思います。先ほど立地公害局長が申し上げておりますようなそれぞれの特色を生かしながら、供給者としても健全な発達を遂げ、一般需要者の要請にこたえていく、こういうことになろうかと思います。  ただ問題は、燃料転換に際してのトラブルの問題がございます。こういった問題につきましても、従来からいろいろと調整に努めてきたわけでございますが、本来的には消費者選択という立場に立って調整を進めるべきだと思いますが、二、三具体的に申し上げますと、ガス事業法八条におきまして、都市ガス事業者供給区域の拡張の許可申請を出してきた場合に、同じくガス事業法の十七条に基づきまして、公聴会を開くことになっております。この公聴会の場で、一般事業者とあわせましてLPG供給事業者からの意見を聴取するということが一つございます。  それから、個別案件につきましてトラブル発生いたした場合には、私たちといたしましても必要に応じて話し合いの場をあっせんするということも必要かと思います。  さらには、両業界間で特に保安等につきまして友好的な協定締結ということも必要な場合もあるわけでございますので、そういった場合に両業界間における友好保安協定締結を促進してまいりたい。現在時点で、文書によるもの、口頭によるものを合わせまして六十二件ほどかような協定が結ばれておる。そういう形で両業界間の平和的、円満的な処理を図っていきたい、今後もそのように努力したい、かように考えております。
  13. 岡田哲児

    岡田(哲)委員 私の聞くところでは、五十五年度で百万トンの輸入基地が必要だというふうに承知しているのですけれども、いまもお話がありましたように、世帯数ではそう急激な増加はないだろうが、使用量では増加する、そういうようなことを考えましたときに、五十五年度の輸入基地の必要だというこの量、こういうものを考えてみますと、それに見合う安全供給体制あるいはこれを受け入れる備蓄基地、それから今後価格が一体どうなっていくのだろうか、こういうものが一つ総合的に安定供給の道だというふうに考えるわけですが、その辺をどのように考えられ、あるいはどのような対策をとられようとしているのか、お伺いしたいわけであります。
  14. 橋本利一

    橋本(利)政府委員 LPガスにつきましては、需要量増加するに従って輸入量がふえている、あるいは輸入比率が高まってきている。現に四十六年度当時は四六%程度輸入比率であったわけでございますが、五十二年度におきましてはすでに六二%になっております。今後の見通しといたしまして、せんだって五十三年度の石油供給計画を策定いたしましたが、その中で、五十七年度ではLPG輸入比率は六七%、量といたしまして約一千万トンを超える輸入を期待いたしておるわけでございます。  かような状況でございますので、液化石油ガス輸入基地を建設する必要性が出てまいったわけでございますが、現在の液化石油ガス輸入基地は、全体としまして二百三十三万トンぐらいの能力を持っておるわけでございますが、この中で、ただいま問題になっております一般需要家向け、直接消費者に渡りますところの一般需要家向け輸入基地といたしましては、二十基地で約百五十万トンでございます。消費ベースにいたしまして大体七十日分になるのじゃなかろうかと見ておるわけでございますが、これでは不足する、安定供給に支障を来すということからいたしまして、五十五年度までに御指摘のように百万トンほど増設いたしたい。これがかれこれ三十日分ぐらいになろうかと思いますので、これが完成いたしますと、五十五年度末で約百日分の備蓄能力と申しますか、輸入基地能力を維持することになる、こういうことでございまして、こういった点につきましても、政府といたしましては立地交付金制度をことしから創設するわけでございますが、その対象にこういったLPGのタンクも対象に加える。具体的には、新設の場合トン当たり三百六十四円といったような予算も計上いたしておりまして、約九億程度見込みでございます。それから、建設費につきましては、日本開発銀行から融資をするという制度もことしから始めたい、かように考えておるわけでございます。  それから次に、価格について御指摘がございましたが、現在、元売り価格はどちらかといいますと軟調ぎみに推移しております。日銀の卸売物価指数等からいたしましても、かなり軟調で推移しておるということでございます。それから、小売価格につきましても、当省のモニター調査によりますと、過去一年間、十キロ換算で千六百七十円から千六百八十円、大体同じ水準で推移しておる、こういうことでございます。  今後の価格動向といたしましては、産油国で値上げの動き等もございますので、その限りにおいてはなかなか予断は困難でございますが、需給関係からいたしますと、当面は価格は安定的に推移していく、かように見ておるわけでございます。特に家庭用燃料として非常に重要なウエートを持ってきておりますので、従来から不当な値上がりを生じないように監視してきておるわけでございますが、今後ともさような監視を続けると同時に、必要に応じて適切に対処していきたい、かように考えております。
  15. 岡田哲児

    岡田(哲)委員 次は、資源エネルギー庁の「液化石油ガス流通実態調査報告書」、この企業別関係を見てみますと、組織構成ですね、企業組織別構成比で、個人が五四・二%、会社が三三・八%、組合が一二%というふうに出ているわけであります。こう見ますと、半分以上が個人経営だ。それから、従業員規模別で見てみますと、一人から三人までが五〇・六%、四人から五人までが二〇・四%、六人から十人までが一四・六%、十一人以上が一四・四%という、この数字を見てみますと、企業別でも、半数以上は個人、それから従業員の数で見ますと、とにかく五人以下が七〇%以上、七一%になりますか。こういう結果を見ますと、想像するところでは、この業界というのは規模は非常に零細だ、しかも恐らく兼業的にやられているのが多いのじゃないか、そういう販売事業者実態が推察されるのでありますが、こういう現状から見まして、都市ガスの方は地域独占企業で進めていく、一方LPの方は、いま申し上げたように非常に零細個人経営がやっている、こういうような大きな違いの中で一体今後どういうふうにこれを持っていくべきか、育成ということになりますか、将来、一体これをどういうふうに組織することがいいのかどいうようなことを考えるのでありますけれども、その辺をどのように考えておられるのか、お伺いしたいわけです。
  16. 橋本利一

    橋本(利)政府委員 ただいまお話がございましたように、液化石油ガスを販売する事業者一般的に申し上げて中小零細企業が多い、あるいは経営基盤が脆弱である、こういったところから必然的に担保力だとか資金調達力が弱いということになるわけでございます。そういった意味合いから、昭和四十六年度に中小企業近代化促進法に基づく指定業種といたしまして、いろいろと企業体質向上のための策を講じてきたわけでございまして、この結果、五十一年度までの実績を見ますと、回転式充てん装置普及、あるいは容器の大型化、従来十キロ程度のものを二十キロあるいは五十キロ程度まで大型化いたしましたし、あるいは供給センター配送センター、こういった設置面におきまして非常な効果が出てきておるわけでございます。ただ、一つ残念なことには、一事業所当たり月間取り扱い量が、必ずしも四十六年度に設定いたしました目標に至っていないという点があるわけでございます。  今後の問題といたしましては、さらに五十三年度から近促法に言うところの構造改善事業指定して一段と体質を改善していきたいというふうに考えまして、現在指定のための準備を進めておる、こういったことからいたしまして、LPG業者体質改善を図ると同時に、一般需要者に対して安定供給確保できるように体質強化、いわゆる育成策を進めてまいりたい、かように考えております。
  17. 岡田哲児

    岡田(哲)委員 消防庁にちょっとお伺いをいたします。  新聞などでもよく出るわけでありますが、事故発生状況、これの原因別場所別件数、それから被害状況、これは人的被害物的被害、特にこういうものの中から、おたくの方でこの事故原因の分析の結果どこが欠陥なのかという点を出されておられると思うのでありますので、そういう点、それからもう一つ、事故発生する場合、都市ガスLPとの違いといいますか比較、やはりLPの方が多いと私ども思うのでありますが、そこら辺、おわかりになったら教えていただきたいと思うのです。
  18. 左近友三郎

    左近政府委員 LPガス事故につきましては、実は火災につながらない場合等ございますので、立地公害局の方で事故全容調査をとらえておりますので、私の方から答えさせていただきたいと思います。  事故件数は、最近の四十九年から五十一年の三年間平均をとってみますと、年間約五百四十件でございまして、その中の事故による死傷者平均は、死亡が年間約六十人、負傷者年間約六百人ということになっております。  そこで、その事故原因でございますが、これはやはり消費者十分注意をすれば防ぎ得たであろうというふうに思われます事故が大体七〇%程度ございまして、これが一番大きいわけでございます。ほかには、販売者保安サービスが徹底しておれば防ぎ得たであろうという販売業者保安サービスの不足と思われるものが約七%、それから販売店の処置にミスがあったと思われる事故が約四%、それから器具欠陥原因となったものが約三%、大体一六%残りがございますが、これは原因不明ということになっております。  それから、この被害の特徴と申しますか、やはり建物被害が生ずるというふうなものが多うございまして、これは私の方ではとっておりませんが、ほかの資料を調べてみますと、建物の損害というものが年平均で約二百十棟ぐらい全焼もしくは全壊したというものがございます。それから、一部の損壊が三百六十棟というふうな数字が出ておりまして、被害場所といたしましては、やはり一般家庭事故が五割程度ということで一番多いわけでございますが、アパートというような集団住宅によるものが大体四分の一ございます。  それから、都市ガスとの対比でございますが、都市ガス事故については資源エネルギー庁で統計をとっておるわけでございますが、その中で消費機器、つまり家庭内に起こった事故というものは年間平均で大体百五十件ということでございますので、プロパンガス平均の五百四十件よりは非常に数が少ないというのが現状でございます。
  19. 岡田哲児

    岡田(哲)委員 いまお話がありましたように、その数字を見ましても、大体一般家庭アパート、こういう居住しているところが大半を占めておる。それから、現象別で見ますと火災大半、また、原因別で見ますと消費者機械器具の誤った操作がその大半を占めている、こういうふうに見られるわけであります。しかもそれが四十二年の法制定当時と比べてみますと約三倍ぐらいまでふえてきて、これは先ほどからも話がありますように、需要が急速に伸びてきて普及率増大したために三倍にもふえてしまったということになるのだろうと思いますが、結局、この原因を解明しない以上この忌まわしい事故というものはなくならない、こういうふうにも思えてなりません。しかも、それじゃこの法律ができればこの事故はなくなるのだろうかといいますと、私は、この法律で今後そういう忌まわしい事故が撲滅できるという事故撲滅対策ではない、こういうふうに感じられて仕方がないのでありますが、その辺はどうでしょう。
  20. 左近友三郎

    左近政府委員 御指摘のとおり、昭和四十二年の法制定当時に比べますと、当時事故件数が百六十七件という数字が出ておりますので、大体三倍になっております。これについては、この消費量が非常にふえたということもございますが、さらにLPガスが便利なためにいろいろな器具が出てきた、そういう器具の中にはやはり事故につながるものが出てきたという問題がございますし、あるいは家屋が密閉化されてきた、つまり風通しが非常に悪くなったというような場合、あるいは集合住宅等がふえまして密集化してきたということが事故を起こしやすくし、また事故被害程度を拡大しておるという点があるわけでございます。  したがいまして、私どもも、四十二年からの十年間この法律をやってまいりました反省に基づきまして、何とかしなければいけないということで、実は昭和五十一年の八月に高圧ガス及び火薬類保安審議会という本件に関します通産省の審議会にお諮りをいたしまして、これについてどういうふうに解決したらいいかということを約一年間にわたって検討していただいたわけでございます。そしてその主体はやはり消費者の段階における保安をどうやって確保したらいいかということでございますので、答申としては、「液化石油ガス消費者保安体制のあり方について」ということで御答申をいただいたわけでございます。その御答申を昨年の八月にいただきましたので、その答申に基づきまして、法律改正しなくても行政措置、予算措置でやれるものは即座に実行する、それから法律改正するものは法律改正にのせるということで実は検討してまいりまして、今回の法案を提出して御審議をお願いすることにしたわけでございます。  したがいまして、事故を撲滅するという方針については、やはり消費者の段階における保安を厳密にするということでございますが、消費者にこの器具の取り扱いその他を周知徹底するということを、国、それから地方公共団体、事業者等もやっておりますけれども、それだけではいけないので、販売業者のいろいろな規制を通じてそれを実現するとか、あるいは器具の安全化を通じて実現するとか、あるいは工事適正化を通じて実現するとかというふうな面でこの法案はいろいろ配慮しております。したがいまして、われわれといたしましては、この法案を制定させていただきますれば、従来に対して事故は相当減るのではないかというふうに期待しております。  しかしながら、御指摘のとおり、消費者に対して保安の周知徹底をするという義務を持っております販売業者自身も零細でございますし、消費者も非常に多様化しておりますので、この法律ができまして直ちに急激に事故が減少するということはなかなか期待しにくいのではないかとは思います。しかしながら、この法律でそういう制度を決めましたならば、今後LPガスについての認識消費者においてだんだん深まることによりまして事故は逐次減少していくというふうにわれわれは考えております。  それからもう一つ、これは法律ではございませんで、現在の法律の運用ということで現在考えておりますが、LPガス普及に伴いまして、もう十年以上、場合によっては二十年以上たっておる設備がございます。そういうものにつきましては、ことしの七月以降二年間——これは現行法律でございます調査義務、つまり販売業者が個々の消費者家庭に行きまして、そこにある器具を調べて、そして必要があれば改善の勧告をするという制度がございますが、これを二年間で徹底的にやりまして、従来あります器具欠陥あるいは配管の問題点というものを十分予防的に調査して、そして今後の事故発生を抑えたいということも考えております。したがいまして、そういうものをやりますれば、われわれとしてはこのLPガス事故を逐次減らしていけるのではないかというふうに期待しております。
  21. 岡田哲児

    岡田(哲)委員 周知徹底をさせるというのが、事故を撲滅までいかないが、少しでもより少なくするということで、この法律ができたから事故がなくなってしまう、こういうことではないようでございます。その点については、この後、法案の中でいろいろお伺いをしたいと思います。  次に、大蔵省、お願いをしたいわけであります。高圧ガス及び火薬類保安審議会の答申、この中で第三者の被害の救済に触れているわけであります。液化石油ガス販売業者については、事業許可の基準である事業遂行の経理的基礎として一定額以上の損害賠償保険に加入することが強制されているわけでありますが、この保険制度というものはどういう経緯あるいはねらい、それから仕組み、現在の加入の状況、それからこの保険がいままで実際に使われてきた事例、こういうようなものが私まだよくわからぬものですから、この保険の実態についてどのようになっているのかという点について教えてもらいたいと思うのであります。
  22. 左近友三郎

    左近政府委員 この保険制度の運用につきましては私の方でいろいろタッチしておりますので、まず、私の方から概要を御説明させていただきたいと思います。  LPガス販売業者のミスによる事故に対する対策といたしまして、いま御指摘のように、LPガス業者賠償責任保険というものを利用するようにやらせておるわけでございますが、これは先ほどございましたように許可条件としてやっておりますので、販売業者のミスによる事故については、すべてこの保険でカバーをしておるというふうに考えております。  この内容につきましては、最低でも、人的被害については一人一千万円という付保をやっておりますし、実際の保険の加入の姿を見ますと、大体三千万円ぐらいの付保をしておるものが三割近くございまして、これについては相当この保険で効果を上げておるというふうに考えられます。  ただ、問題になりますのは、第三者の被害の問題、それから消費者ミスによる問題というふうな問題については、現行制度がまだできておりません。したがいまして、この点については保険制度の活用とかあるいは共済制度の活用、あるいは第三者については、たとえば事故を起こした人が死亡したというようなことで、第三者がだれに向かって損害賠償を要求していいかわからないという場合もございますので、そういうものについては、何か基金を積み立ててそれに対して処置をすることを考えるとか、現在の制度ではまだカバーし切れない点について審議会ではいろんな案を提案をしております。現在、そういう点で、保険の問題、共済制度の問題あるいは見舞い金の活用等々について、われわれの方でどういうふうに実態に合わした解決ができるか検討中でございますが、われわれとしてはなるべく早くこれに対する一つの制度を見出したいというふうに考えております。
  23. 岡田哲児

    岡田(哲)委員 いまお話がありましたように、業者が原因者である場合には、ある程度の救済ができる。しかし、原因不明あるいはまた消費者の責任という場合に、大変救済について不満足である。あるいは全然そういう救済の方法がとられていない。こういう点で、先ほど申し上げたように、答申の中にもその点が触れられていると思うのであります。  私が考えますのに、たとえば爆発して消費者が死んでしまった、そこで第三者が、あるいはうちを壊され、あるいは死亡なり負傷なりをする、通行している途中に爆発に遭って大けがをする、そういう場合、消費者の責任か原因不明か、その辺は別といたしましても、第三者が生命保険なりあるいは火災保険なりに加入している場合には、加入の保険で何らかの措置をとれるわけでありますが、それがない場合にはもうゼロに等しくなってしまうわけであります。これは当然、現在の保険の制度で考えますと、できるだけ加入していくということもあるわけでありますが、特に原因不明の事故で第三者に犠牲が起こったという場合、これはやはり国として捨てておけない問題ではないか、こういうふうに思えてならないわけであります。  この点は、いまのお話だとまだ答えが出ていないようでございますが、今後近い将来、これはどういうふうにどこで検討をしようとしているのですか、その辺を明らかにしてもらいたいと思います。
  24. 左近友三郎

    左近政府委員 いまお話のございました原因不明による事故によりまして第三者が被害を受けるというケースでございます。そういう場合については、現在、先ほど申しました販売業者が加入しておりますLPガス業者賠償責任保険の特約がございまして、見舞い金というような形で若干のお金を出すというのが現在の制度でございます。しかしながら、実はこの見舞い金の額が、一事故当たり五万円ということで非常に少ない額になっておりまして、これではやはり第三者被害の救済というにはほど遠いというようにわれわれも考えております。したがいまして、現在考えておりますのは、見舞い金の額の引き上げを図っていこうということでございまして、どの程度引き上げられるかは、現在検討しておるわけでございます。  なお、もう一つ問題が起こりますのは、原因不明でなくても、消費者ミスによって事故が起こりまして、そして第三者が、たとえば隣の部屋の方というような者あるいは通行中の方というような人が事故によって死傷するという場合があるわけでございます。これについての救済が、現在では、消費者が存在しておればその消費者に賠償を要求することができるわけでございますが、消費者自身が死亡してしまうとかあるいは資力がないというときには、何らの救済も受けられないということになっております、  そこで、その問題については、LPガス消費者が保険制度に一律的に加入して、そしてそういうときについての事故に対応するというようなことも考えられますし、あるいはLPガス販売業者が共済制度を設けまして、そういう場合に販売業者から見舞い金を出すとか、あるいは第三者被害に対しては救済資金というようなものをプールをして、そういうものに対して第三者被害に対する救済資金から適当な見舞い金を出すとか、こういういろいろなケースが考えられているわけでございますが、われわれといたしましては、ある程度救済資金のプール制度を検討いたしまして、これについてはわれわれの方からも援助をいたしましてやってみたらどうかということで現在検討しております。したがいまして、共済制度の運用とか救済資金のプールというような問題でこの問題を解決したいということを考えております。なお、もし消費者の加入する保険制度がうまくいきますようであれば、それもあわせて考えてみたいというように考えておりますが、現在のところは、共済制度とかあるいは資金プールというような形を実現化すべく、いろいろ検討しておるということでございます。
  25. 岡田哲児

    岡田(哲)委員 大臣、いまお話があったように、第三者に被害が及んだ場合、原因不明あるいは消費者原因者という場合、第三者が本当に救われないわけですね。いまお話があったように、見舞い金を出すというのですけれども、五万円。いまの時代で五万円というような見舞い。大体、先ほども話がありましたように、保険でいきましても一千万円以上という人命の現在言われている段階の中で、見舞い金で五万円。そして消費者原因者であった場合には、これがたとえば死んでしまった、あるいは負担能力がないという場合には、これもまた第三者は救われない。特に原因不明のような場合、いまのような状態で第三者が泣き寝入りをしなければならぬというようなことであってはならぬ、これは当然政府自身が考えなければならぬ点ではないか、こういうふうに私は思います。  同時に、先ほども話がありましたように、一体どこでどのように検討するのかという質問をいま申し上げたわけでございますが、いまのお話だけでは、プールにするとか消費者の加入による保険をつくりたいとか言っているのですけれども、こういうのは一体どこでどのように検討しながら早急に立てようとされているのか、非常に誠意が——せっかくこの法案を出しているにもかかわらずまだそんな段階、しかも答申では出ている、こういうことの中で、大臣、一体どのようにこういう現状認識されるか、あるいは今後どのように対処されるか、その辺をお伺いしたいわけであります。
  26. 河本敏夫

    河本国務大臣 この点につきましては、もう一回よくわかるように局長から答弁させます。
  27. 左近友三郎

    左近政府委員 この第三者被害に対する対策については、先ほど申しましたように審議会において問題が提起され、検討するようにという答申がございましたので、これはやはり立地公害局において、関係者、これは主として販売業者が中心でございますが、関係者といま鋭意検討しておるところでございまして、この検討の結果、必要な措置をやってまいりたいと思います。現在LPガスの業者賠償責任保険の一手代行をしております全国エルピーガス保安共済事業団というのがございますが、そこともよく相談いたしまして、資金プール等の問題について成案を得べく、現在検討を続けておるというのが現状でございます。
  28. 岡田哲児

    岡田(哲)委員 大臣にお伺いしたいのですけれども、私がお伺いしたいのは、そういう検討をされているのだが、恐らく業者の間で資金プールだとかそんなような形だけでは、いま生命保険でも一千万円以上と言われている時代に、見舞い金でも五万円というような現状ですね。やはり救済という形、しかもこれが原因不明でだれの責任かわからないという場合、これは国で政府みずからどういうふうにしなければならぬかということなどは考えるべきではないか。私は、この点を大臣にお伺いしているのです。
  29. 河本敏夫

    河本国務大臣 御趣旨はわかりましたから、早く結論が出るようにいたします。
  30. 岡田哲児

    岡田(哲)委員 大蔵省、結局現在の保険制度、いろいろな保険があると思うのでありますが、いままで言われているようなそういう点について、新たにその可能性があるのかどうか、ちょっとその点だけお伺いしておきます。
  31. 森田一

    ○森田説明員 ただいま先生から御指摘があった問題につきましては、通産省の方から御答弁がありましたように、現在通産省及び損害保険業界の方で委員会等を設けまして検討をいたしておるところでございます。その経過につきましては、私どももよく承知いたしておりますけれども、今後本格的に前向きに対処をしてまいりたいと思っておるところでございます。
  32. 岡田哲児

    岡田(哲)委員 そうしますと、新たな保険制度というようなものをつくらない以上、どうもいかぬのではないかと私は思うのでありますが、その可能性もいま含めて検討している、こういうふうに受け取っていいですか。
  33. 森田一

    ○森田説明員 具体的な内容につきましては、通産省における検討及び業界でいろんな方策についてその可能性を現在追求いたしておるところでございますので、それらを十分にお伺いした上で、大蔵省としても態度を考えていかなければならないと思っておるところでございます。
  34. 岡田哲児

    岡田(哲)委員 それでは、ぜひ大臣、早急に答えが出るように御努力を願うといたしまして、法案の中に入っていきたいと思います。  先ほど申し上げた審議会の答申に基づきましてこの法案がつくられているわけでありますが、その答申の内容というものすべてをこの法案の中に盛り込むことができたのでしょうか。除かれた部分というものがもしあるとすれば、それは必要ないというふうに考えたのかどうか、その辺明らかにしていただきたいと思います。
  35. 左近友三郎

    左近政府委員 審議会の答申の中で、現行法で実施できるものあるいは予算措置で実施できるもの等がございます。そういうものについては、現在のこの法律改正という必要はございませんので、法律の中には除かれておりますが、それ以外の対策については、大体この法律において手を打っておるということが言えると思います。
  36. 岡田哲児

    岡田(哲)委員 この答申の中に、給排気対策の観点から固定式の大型燃焼式機器の設置についても資格者制度に基づいた規制の必要を提言しているわけでありますが、今回これが入っていないというふうに思うのであります。これはどういうことでしょうか。
  37. 左近友三郎

    左近政府委員 大型の固定式燃焼器具、大型のガス湯沸かし器ということになるわけでございますが、これが、給排気設備が不完全でございますと不完全燃焼を起こして中毒等々の問題が起こるということでございます。これについて答申はいまお話しのようなことをやっておりまして、検討しておるわけでございますが、この場合、この固定式燃焼器具の設置の問題については、必ずしも現在の供給方式によるLPガスの問題のみならず、都市ガス関係の問題も含まれております。したがいまして、この点については都市ガス関係器具の取り扱いとあわせて検討するということになっておりますので、ややこの実現がおくれておるということでございます。ただ、既存のこの大型の燃焼器につきましては、先ほどちょっと申しましたことしの七月から二年間にわたってやります既存の設備の総点検という中で、給排気施設が十分やられているかどうかということの点検を実施いたしまして、問題の解決に努めたいというように考えております。
  38. 岡田哲児

    岡田(哲)委員 そうすると、大体この答申の内容については、従来の法律あるいはいま触れましたように都市ガスとの関係、そういうもので、大体出された内容の必要部分というものはすべてこれででき上がったのだ、こういうふうに見ていいわけですね。
  39. 左近友三郎

    左近政府委員 そのように考えております。
  40. 岡田哲児

    岡田(哲)委員 次に、供給設備消費設備の点なんですけれども、これは考えてみますと、供給設備というのは屋外の設備である、それから消費設備というのは自分の居住内の設備である、こういうことですか、どういうことですか。
  41. 左近友三郎

    左近政府委員 従来の考え方は、このボンベは屋外に設置しておりますが、ボンベからずっと末端のガス器具まであわせて販売業者が売り込むという場合が非常に多かったわけでございますので、その点が不明確でございましたが、実は都市ガスにつきましてはずっと配管でつながっておりますので、屋外の部分は供給設備ということで都市ガス業者が責任を持つ、それから室内の元栓以降は消費者で責任を持つという体制が確立されておったわけでございますが、LPガスについても、いろいろ供給ケース自体が複雑になってまいりますし、それから大量消費というのがございますので、この際責任を明確化しようということで、いまお話しのようにボンベそれから調整器、メーターというようなところ、主として屋外にあるものについては維持管理についても販売業者が責任を持つ供給設備とする。それから、室内にございますガス器具等については、第一義的には消費者が責任を持つということでございます。  ただ、消費者については専門的な知識がございませんので、これにつきましては、販売業者が二年に一遍室内の設備についても点検をいたしまして、それについて改善その他の必要な指示をするという調査、これは従来から現行法にございます制度がございますが、そういうもので補完をしながら消費者に管理してもらう、こういうことに相なっております。この点については、実は審議会の委員の方々も海外にも調査に行ってもらったわけでございますけれども、大体ヨーロッパ等については、やはり屋外は供給設備として販売業者が責任を持つ、屋内は消費者が責任を持つというのが一般化しているということでございます。
  42. 岡田哲児

    岡田(哲)委員 そうしますと、供給設備、これは結局販売事業者が責任を持つ部面、それから内部は消費者が持つ部面というふうになるわけでございますが、そういうふうに分けた理由というのもわかります。しかし、いままでより以上この点を明確にしたということは、事業者の方のいままでより以上な負担といいますか、強力な義務づけとそれから負担、負担の中でも、考えてみますと保険費だとか委託費だとかというものが後で出てくるわけでありますが、そういうものが従来よりも大変覆いかぶさってくるというふうに思うのであります。一体この辺はどのぐらいの従来よりも重い負担が事業者にかかるのでしょうか。
  43. 左近友三郎

    左近政府委員 実際問題といたしましては、この屋外にある供給設備に一定の通産省令で定める基準に沿った維持義務が課せられるわけでございますけれども、大体販売業者は、ボンベの取りかえということで、消費者消費が進むにつれて何回かその供給設備のところに行くわけでございます。したがいまして、このボンベの交換の際に、大体技術上の基準に適合するかをチェックするということをやりますれば、特にそれ以外のときに行く必要というのも、通常の消費形態では必要がないというようなこともございまして、これについて特に新たな大きな負担が課せられるものではないということを、この審議会の議論の中でも確認をされております。  それから、基本的には、審議会の答申にも言っておりますが、このLPガスの販売というのは、単にLPガスという物を売るだけじゃなくて、その物を安全に使ってもらうという、いわば保安サービスまで売るんだということになっておりますので、そういう観点から言いますと、やはり屋外の設備についてのチェックというものについては、われわれとしては当然やるべきことだと考えておりますし、現在の程度であれば大した負担増も招かないということを結論として考えておるわけでございます。
  44. 岡田哲児

    岡田(哲)委員 この委託費の問題等は後ほどお伺いをいたしますので、この点はそれといたしまして、次に、特定供給設備、これは省令の内容になるわけでございますが、この特定供給設備とは一体具体的にどういうものなのかという点、これをお伺いします。
  45. 左近友三郎

    左近政府委員 法律に言います特定供給設備というのは、法律では、「供給設備あつて通商産業省令で定めるもの」ということになっておりますけれども、具体的には相当大量な供給施設ということでございまして、集団供給施設というようなことで、何本かのボンベをまとめて、たとえば小屋というようなところに貯蔵して、これは屋外でございますが、そこから室内に引くというふうなものでございまして、ボンベとか気化装置とか、それからそれを集める集合装置とか、そういう機器と、それからそういういろいろな機器を納めておきます障壁、つまり壁とか屋根とかいうふうな付属的なものを考えておりまして、これはやはり、一本、二本のボンベじゃなくて、ボンベが相当大量に集合いたしますと、保安距離をとらなければいけないとかいろいろな問題がありますので、これは特別な施設設備にいたしまして必要なチェックをするということにしたわけでございます。  それで、これと答申との関係でございますが、答申には、バルク供給施設について今後検討すべきだということがございます。このバルク供給施設、これは容器を、むしろ消費者のいままでボンベで置いておった位置にそういう一つの大きなタンクを置きまして、それで供給するという方式でございますが、これもやはりこの特定供給設備というものになるというふうにわれわれは考えておりますので、答申とのつながりは、そのバルク供給というものをこういう特定供給設備ということで十分なチェックをしようということになっておるというふうに考えております。
  46. 岡田哲児

    岡田(哲)委員 いまお話の出ましたそのバルク供給方式、ボンベをたくさん集めてかためていくのでなしに、一つの大きなタンクをつくるというふうに受け取るわけでありますが、ボンベをたくさん置くよりも、そういうタンクにしてしまった方が私もいいように思うのであります。ボンベの結集を図るよりも、この方式の方が今後一層促進されるのではないかというふうに思うのでありますが、この見通しはどうですか。
  47. 左近友三郎

    左近政府委員 バルク供給方式につきましては、従来のボンベを相当多数集めて大量消費者に供給するという方式よりも安全であるということは、過去の例あるいは欧米の例を見ても明らかであろうというように考えておりまして、ことに先ほど申しました審議会の委員の方々が欧米を見て回って、やはりバルク供給方式というものをもっと普及させなければいけないというふうな御意見があったわけでございます。  ただ、何分新しい方式でございますし、また、その消費者の家に近接していわば一種のタンクを設置するということでございます。したがいまして、そのタンクの安全性確保、それから一定の保安距離を置く必要があるというような問題、それからそれを充てんして回る移動式のタンクローリーが必要でございますが、そのタンクローリーをどういうふうに見るかというようないろいろな、現在まだ普及が未発達でございますので、解決すべき問題点がございますので、その問題点解決しながら逐次段階的に認めていって、将来は大口供給についてはこういう方式が相当普及するようにわれわれは考えております。しかしながら、その普及の過程においては、やはり十分保安の観点からのチェックをしながら段階的に進めていきたいというふうに考えております。
  48. 岡田哲児

    岡田(哲)委員 そこで想定されますのは、いままでこういう業界は、非常に小さい零細企業ですから、お互いにお得意を取り合うわけでございまして、そういう点からいきますと、従来のように小さくあれをかためて置くという方法も出てきたと思うのですね。ボンベをかためて置くということも考えられるのでありますが、一つのタンクになりますと、これは大きな企業でないとできないのではないか。そこら辺についてはやはり一つのネックになるような気もするのですが、どうでしょう。
  49. 左近友三郎

    左近政府委員 確かに、この供給方式が変わりまして大口化いたしますと、実は供給者の方である販売業者の問題についても、やはり体制が変わってくる必要も出てくるかと思われます。ただ、この点に関しましては、先ほど資源エネルギー庁長官がお答えしましたように、いわば中小企業対策として構造改善という問題を検討しておりますし、その中では、やはり一店当たりの取扱量というものを相当大口化していくというふうなことで話を進めております。したがいまして、そういう企業対策と相まちまして、この問題の普及というものも考えてまいりたいというふうに考えております。
  50. 岡田哲児

    岡田(哲)委員 私もこういうやり方の方がいい、賛成だという立場でございますが、やはりタンクローリーでの輸送、それからそのタンクに充てんするというのですか、ガスを入れる場合の安全性の問題、それからタンクそれ自体の安全性の問題、いろいろこれは安全性という立場で検討を進めていただきながら、先ほどエネルギー庁長官が言われましたように、この零細業界についての今後の育成強化といいますか、そういう立場も含めて、ぜひそういうものを総合的に判断をしながら進めていただくようにお願いを申し上げておきたいと思います。  それから次は、これが私は先ほどからも一番疑問に思うのでありますが、この法律の一番ねらっている点は、事故が起こるその原因は、どうも消費者が余り機械器具の取り扱いをよく知らない、あるいはそういうミスから事故が起こってきているという点が指摘されておる。少なくとも業界に対する規制と同時に、消費者にもっとPRといいますか、事故が起こらないような対策というものをとるという点が重点になっているように思うのであります。それで、その中身を見てみますと、こんなことで本当にいけるのだろうかという心配が非常にあるものですから、そういう立場でお伺いをいたします。どういう方法でこの周知徹底をさせようとお考えになっているのですか。
  51. 左近友三郎

    左近政府委員 消費者LPガス特性、取り扱い方というものを周知徹底させることが事故の減少に一番有効な手であろうということで考えておりますが、大きく分けて二つのルートを考えておるわけでございます。  一つは、従来ともやってまいりましたルートでございますが、国とかあるいは都道府県とかあるいは業界団体というところから消費者に対していろいろなPRをする。これは毎月十日を消費者保安デーということにいたしておりまして、高圧ガス保安協会等からポスターを出すとか、あるいはラジオ、テレビにPRを出すとか、その他のPRをやってまいりました。あるいは長期的に見ますと、やはり学童の時代からプロパンガスというものはこういうものだということを徹底してもらった方が一般消費者にしみ通るのではないかということで、学校の先生にいろいろ研修をお願いして、それで伝えていただくというようなこととか、五十三年度で認めていただきました予算では、学校に副読本を配りまして社会科等で徹底していただくとか、あるいは消費者団体の方を集めて講習会を開くとか、いろいろなものを国、地方公共団体、それから業界団体等と緊密に連絡をとりながらPRを進めてまいったわけでございます。  しかしながら、やはり消費者に一番接触をしておるのは販売業者でございまして、先ほど申しましたように、プロパンについてはその供給特性からときどきボンベの取りかえにも行くということで、消費者に接触する回数が非常に多いわけでございます。したがいまして、そういう販売業者から消費者にプロパンガスの取り扱いについて十分必要な事項を周知徹底するということが必要であり、かつ、従来もそういう点を進めておったわけでございますが、これを今回法律で成文化いたしまして、周知義務ということ、これは結局、供給するガスはプロパンガスというもので、都市ガスと違って空気より重いから注意しなさいとか、あるいは消費機器をどういうふうに取り扱うかとか、点検するかとか、置き場所、換気を考えなければいけないとか、いろいろな点があると思いますが、そういうものをパンフレットにいたしまして、少なくとも年一回以上消費者の宅を訪れてそういう点でのPRをするということを、今回やってもらうということにしたわけでございます。したがいまして、この法律にあらわれております販売業者の周知だけでなくて、これを法律に出ておりませんで、予算措置その他でやっておるわけでございますが、国以下の一般的なPRというものと相まちましてこの徹底を図りたいということを考えておるわけでございます。
  52. 岡田哲児

    岡田(哲)委員 だれが考えてもそういうことだと思うのでありますけれども、最近、私も各家庭をずっと回ってみて思うのでありますが、昼間とにかく夫婦とも皆仕事に出てしまって、いない、留守のうちが団地の場合には相当多いことを感じているわけです。そういうことを見ますと、いま申されたパンフレットをつくった、テレビ、ラジオでやった、チラシを入れたといたしましても、個人の手にどのように渡るのだろうか。大体新聞折り込みの広告も大変多くなってきているときに、恐らくおらない場合には郵便受けに入れていくというようなことになると、広告と一緒に丸められてしまうというようなことを非常に感ずるわけでありまして、いま言われたようなことだと、業者それ自体がいろいろ面接して話をしようと思っても、面接できる機会が最近なかなかない、そういうような心配をするわけです。一年に一回講習会のように集めようとしても、そんなところに集まってこない。ですから、周知徹底ということが非常にむずかしいと考えておるわけでありますが、もっと徹底する知恵がないのか。幾ら業界義務づけられても、なかなかそんなふうにいかぬのではないかという心配を私はするのですが、どのようにお考えでしょう。
  53. 左近友三郎

    左近政府委員 確かに御指摘のとおり、本当に消費者の個々にそういう知識を徹底させるということは、現在の事情でははなはだむずかしい点がございます。したがいまして、われわれといたしましては、現在のやり方に満足せずに、いろいろな、俗に言いますとあの手この手を考えてやらなければいけないと思っておりますが、数年前からいろいろな方の御意見で始めました学校を通じて普及させるという点は、相当効果があろうかと思います。つまり、従来の都市ガスに対する観念は、長年都市ガスを使っておりますので一般の方にあるわけでございますが、若干都市ガスと性格が違うLPガスについては、都市ガスと同じような誤解があるような点もございます。     〔山崎(拓)委員長代理退席、中島(源)委員長代理着席〕 したがいまして、こういう点は学校教育にいわばねらいをつけてやっていくというのが一つの道かと思っております。  それから、先ほど御説明をいたしませんでしたけれども、アパート、マンションというような集合住宅につきましては、実はそういうところが一番事故が多いわけでございますので、これも予算措置で、注意書きを廊下その他に掲示ができるような、いわばステッカーみたいなものもことしは配ろうかというような予算も考えております。しかしながら、一つの案で非常に決め手になるというのははなはだむずかしゅうございますし、先生の御指摘のとおり、これは絶えず努力をしなければいけないし、また絶えず新しいことも考えなければいけないということで、これについてもやはり消費者の方々といわば対策会議というようなことでいろいろ知恵を出していただいて、つまり消費者サイドからこういうことをやってもらえばわれわれにもわかるというような、われわれの気のつかない点の御意見の指摘もいただいて、この周知については万全を期したいというふうに考えております。
  54. 岡田哲児

    岡田(哲)委員 私自身も決定的にこれがいいのだというふうなものを持ち合わせていないのですが、とにかくせっかくこの法案の趣旨であります徹底という意味から、その立場に立ちますと、なかなか困難である。学校で生徒にいろいろと教えるというのは徹底するでしょう。そういう方法についてもあるのでしょうけれども、問題は、これを周知徹底させることを義務づけているのですね。いまあなたの言われているのは、あなたの方、たとえば通産省なり県なりそういうところがやることでありまして、私の心配するのは、業界義務づけながら、業界に周知徹底をどういうふうにしろということを義務づけているのですか。
  55. 左近友三郎

    左近政府委員 法律では、周知の方法については省令で定めるということになっておりまして、実は現在もこの省令をどういうふうにつくろうかということで検討中でございますが、内容といたしましては、先ほど申しましたように、注意をしていただくのに必要なポイントを書きましたパンフレットをある時期ごとに消費者に配付するということを主体的なものと考えております。この点については、都道府県とか販売業者等現実にいろいろな体験もしておられるわけでございますので、そういう方の御意見を聞きながら、しかも販売業者に周知の義務を全部負わしてしまうというのも事実上酷でございますので、販売業者としてもやり得る形というものを考えていきたいというふうに考えております。
  56. 岡田哲児

    岡田(哲)委員 私の聞き違いかもしれませんが、義務づけているのではないのですか。
  57. 左近友三郎

    左近政府委員 法律上は義務づけておりますが、その義務の履行の態様、つまりこういう形でやりなさいということは省令で決めますので、実際といたしましては、省令で定める事項を守っておれば義務は果たせたことになるということでございますので、無定量に義務があるということではございません。
  58. 岡田哲児

    岡田(哲)委員 そこのところなのですけれども、義務づけている、当然具体的にこうしなさいということは省令で決める、そこまではわかるわけでありますが、いまお話がありましたように、余り義務づけてしまっても業者に酷だという話があったわけでありまして、その辺が、必ず省令で決まって、しかもそれが義務づけられているとすれば、それをきちっとしない以上おかしなことになるのではないか、そういう心配をするのですけれども、その辺をはっきりさせておいてください。
  59. 左近友三郎

    左近政府委員 条文は、十五条というのがございまして、この内容は、一般消費者に対しまして「液化石油ガスによる災害発生防止に関し必要な事項であって通商産業省令で定めるものを周知させなければならない。」という構成になっております。したがいまして、一般的な周知義務という言葉で申し上げましたが、実は通産省令で定めるものを知らせなさいということでございますので、そこの義務範囲は明確になっておるわけでございます。
  60. 岡田哲児

    岡田(哲)委員 まだ通産省令はできないのだろうと思うのですけれども、省令に基づいてやらなければ義務違反になるわけですね。そうすると、省令で義務づける内容というものは非常に困難だ、なかなか周知徹底させるのには、義務だけ受けて業界は大変だな、私はこういう気持ちがするものですからお尋ねしているのです。
  61. 左近友三郎

    左近政府委員 省令で定める内容と申しますと、結局こういうことをこういう方法で周知徹底しなさいということを省令で決めることになろうかと思います。それで、周知の内容については、供給するガスの性質とか、消費機器の管理及び点検に関する注意事項とか、消費機器を使用する場所の環境及び換気に関する事項とか、あるいはガスが漏れた場合の緊急の措置とか、そういう点の周知についての義務ということを考えておるわけでございます。  問題は、周知の方法でございますけれども、これについては、先ほど申しましたように、一年に一回とか、あるいは供給開始した時期とか、時期を指定しまして文書で配りなさいというような形にいたしますれば、義務の履行も比較的はっきりするし、かつ業者に多大の負担をかけないと考えておりますが、いずれにいたしましても、本件については、確かに業者が過当な負担を負うということになりますとこれは問題でございますので、省令の実施に当たりましては、十分消費者業界の方々の意見を徴して、必要な範囲で、しかも過当、過重な義務を課さない範囲で決めていきたいと考えております。
  62. 岡田哲児

    岡田(哲)委員 そこでおかしくなるのですけれども、この法律というのは、どうも消費者事故が多い、これに十分な周知徹底を図って承知をしてもらわないと事故が減らないのだ、こういうことで出発しているわけでしょう。そこで、文書とかパンフレットとか、周知まではいま言われたのでよくわかりますね。しかし、徹底をさせるということになりますと、私、さっき言っているように、幾ら訪ねていって周知させようとしても徹底しにくいのではないか。パンフレットを郵便受けに入れていってもほかの広告と一緒になって読んでもらえないので、これも徹底しにくい点も出てくるのじゃないか。いろいろ徹底が行いにくい、こういうことになるわけですね。周知はいいにしても徹底がなかなかむずかしい。それが義務づけられているわけですね。そうすると、いまは省令でそういうふうにやられるといってもなかなかむずかしい。あなたは余り過大な負担をかけてはということで言われているわけですけれども、この法律の一番重点が消費者に周知徹底させるということにある以上、もう少しその辺を明確にしてもらわないと私は困るのじゃないかと思うのです。
  63. 左近友三郎

    左近政府委員 お話にありますように、周知をするために文書を持っていっても不在であった場合等、いろいろむずかしい問題があろうかと思います。したがいまして、この点については、通産省令及びその実施に当たって十分そういう特殊な事態を配慮して、この程度やれば販売業者がやる周知の方法としては十分であるというふうな点をはっきりさせたいと思います。  それからもう一つ、消費者における器具の取り扱い等を安全にする方策といたしまして、これは従来から法律にございます調査義務というのがございまして、大体二年に一遍消費者家庭に参りまして、家庭の中のガス器具を点検をして、たとえばホースを取りかえなさいとかその他必要な指示をするという制度がございます。したがいまして、周知義務のほかにそういう調査義務もあわせまして徹底を図っていくということにいたしたいと思っておりますし、なお、先ほど申しましたように、販売業者を通ずるもの以外の国その他の行為によって周知するということもやっておりますので、この辺は、通産省令あるいはそれの解釈というところで、具体的にこの程度のことをやれば周知義務が果たせたということのはっきりするような形をとりたいと考えております。
  64. 岡田哲児

    岡田(哲)委員 勧告あるいは公表という罰則があるわけですね。周知徹底させろといって義務づけておいて、それを守らない場合には勧告をし、さらに公表をする、これは明らかに義務づけた場合にはこういうのが出てくるわけでありますけれども、先ほどから言われているように、言うならばどういうときにどんなことが起こった場合に勧告あるいは公表するのか、これはどういうことを考えておられるのですか。
  65. 左近友三郎

    左近政府委員 先ほど御説明しました十五条の第二項に、「前項の規定により周知させることを怠り、又はその周知の方法が適当でないときは」勧告をするということが言われておりますが、問題は、何が周知をさせることを怠ったことになるのか、あるいは何がその周知の方法が適当でないかということがまさに問題になろうかと思います。したがいまして、この点については、まさに勧告を受けるかどうかという非常に重大な問題でありますので、これについてのいわば基準といいますか、こういう点をはっきりさせたいというふうに考えております。  なお、この義務違反に対する勧告、公表という制度がここにございますが、実はこの法律のほかの立て方は、保安という問題が重要だということでございますので、いろいろ技術上の基準等に従いませんと改善命令を出し、改善命令に従わないと罰金とかその他、いわゆる罰則を付して履行させるというのがほかの大体の条項のたてまえになっておりますが、本件については、いま先生がおっしゃったような問題もございますので、むしろ勧告、公表という程度にとどめたという経緯もございます。しかしながら、勧告、公表自身も、やはり業者にとっては不本意な形でやられるというのは問題でございますので、いま申しましたように、勧告をする場合の基準というものは、先ほどの周知の方法を決めるとともに明らかにさせておきたいというふうに考えております。
  66. 岡田哲児

    岡田(哲)委員 当然、省令ですから後になると思うのでありますが、私は、先ほどから言っておりますように、少なくともこの法案の一つの大きな柱が消費者に対するPR、周知徹底というところになっていると思うのです。そうしますと、先ほどからもお話をいろいろ聞いておりますように、周知はいいにしてみても、徹底することがどう考えてみてもなかなかむずかしいという立場を私はとっているのです。しかもそれを義務づけている。それに違反した場合には罰則として勧告、公表するということまで言っている。その基準といいますか、あるいはどういうことを徹底させるのかという点がもう少しこの法律、後で省令で決めるにいたしましても、明確にしておいていただかないと、これは法自体の精神が抜けてしまうのじゃないですか。
  67. 左近友三郎

    左近政府委員 販売業者にわれわれが期待するところは、十分にこういういろいろな注意事項を周知してもらいたい、そしてまた、でき得べくんば十分に消費者にそれを徹底してもらいたいということでございますけれども、いま御指摘のありますように、法律で周知する義務を課しておるわけでございますので、どの程度の周知をすればそれで少なくとも法律上は責任を果たしたことになるかという点が明確になりませんと、周知はしたけれども消費者に徹底しなかった、そして、その徹底しないがゆえに周知義務が果たせなかったということになりますと、やはり一つのむずかしい問題が出てまいります。したがいまして、やはり販売業者が周知するというのはこの範囲であるという点は、繰り返しますが、明確に省令でやり、また省令の解釈も明確にいたしたいと思っております。  そして今度は、事故防止という立場から言えば、消費者に十分周知させるだけじゃなくて、お話のように徹底までさせなければいけないわけでございますけれども、これについてはすべてを販売業者の責任にせずに、国とか先ほど申しました地方公共団体とか、高圧ガス保安協会というような団体の周知徹底というものとも相まちまして、徹底を図る。したがいまして、徹底を図るポイントというものと販売業者に過重な負担を課さないという問題は、一種の相矛盾するといいますか、一種のトレードオフのような関係にも相なる場面も出てくるかと思いますけれども、しかしながら、やはり販売業者義務というものは一定の範囲であるということは明確にして、残りの徹底の方は、それ以外の方策もあわせて講ずることによって徹底を図るということにいたしたいというふうに考えます。
  68. 岡田哲児

    岡田(哲)委員 これは何回やっても進まぬわけですけれども、国や県や、そういうところがPRする、それはそれでいいでしょうけれども、この法律の中で、業者に対する罰則まで設けて義務事項だというふうにしているわけでしょう。しかもこれがこの法案をつくる一つの大きな柱だとするならば、いまはまだ省令が決まらぬにしても、省令を決める以前に、これが骨なんだから、それである以上、いまのような答弁では私はまことに不明確だと言っているわけです。その辺をもう少し、一体どんな検討をされているのか、再度伺っておきたい。
  69. 左近友三郎

    左近政府委員 この基本的な考え方は、先ほど申しました必要な注意事項を記載した文書を消費者に配付するということで、義務の履行を果たすという形にいたしたいと思っております。実はガス事業法にもこういう規定がございまして、ガス事業法でやはり省令で決めておりますのは、いま申しましたように、必要事項を記載した書面を配付するということでこの義務を果たすという形になっておりますので、われわれとしてはそれが先例になるかと思いますが、ガス事業とプロパンガス供給というものについてはまた違った面もございますので、もう少し工夫はこらしたいと思いますけれども、基本のラインはそういうラインとして考えております。
  70. 岡田哲児

    岡田(哲)委員 ようやくわかったような気がするんですけれども、いまのような従来のあり方でいきますと、周知だけはできるが徹底はできないと私が言っているのは、そこなんです。周知だけすればいい、大体いまのお話で聞きますと。単なる周知事項で、形式的に伝達すればもうそれでよろしい、こういうふうにいま承ったわけです、間違いないと思うのでありますが。消費者保安意識を高揚するまでこの法案は期待していると私は思うのでありますが、伝達だけで本当に保安意識高揚まで伝わるか、これは徹底していかなければなかなかそこまでいかぬと思うのでありますが、その辺だけ聞いておきたいと思います。
  71. 左近友三郎

    左近政府委員 正直に申しまして、事故を撲滅する、あるいは事故を減少するという意味では、先生のお話のように、単に周知だけじゃなくて、十分に保安に対する意識を徹底させなければいかぬということは事実でございますし、この法案もそれを目的としておるわけでございますけれども、現実の制度といたしまして、販売業者が周知させるということについては、やはり一定の形、様式というものを想定いたしまして、その様式を果たせば義務を果たせたということにしなければ、過度の負担をかけるという傾向にも相なるということがございます。したがいまして、先ほど申しましたとおり、周知義務については、一定の省令で定める文書の配付等によって周知したということで義務が果たせたということにするわけでございますが、それを補う意味において、先ほど申しましたいろんな側面からそれと相呼応して徹底を図りたいということでございますので、現在の法律上の立て方から言えば、こういう形がやむを得ないのではないかというのが現在のわれわれの考え方でございます。
  72. 岡田哲児

    岡田(哲)委員 そこまでにしておきます。  次に、調査業務関係保安センターということで都道府県に調査機関をつくることになっているわけでありますが、これは時間もだんだん迫ってきましたので、非常に簡略に答えていただきたいと思うのでありますが、保安センターの現在の数、各県の設置状況、それから活動状況、それから委託率、加入率、組織形態、こういうものについて概略ずっと言っていただけませんか。
  73. 左近友三郎

    左近政府委員 昨年三月末現在の調査がございますが、これで全国で約五百の保安センターがございます。それで保安センターの加入率でございますが、これは事業者の方から調べたので、五十一年六月の調査になっておりますが、これでは大体全国平均で五〇%ということでございます。それから、保安センターの調査によりますれば、組織形態は大体会社組織が二〇%、協同組合が二九%、任意団体が三三%、公益法人が一一%というような形になっております。
  74. 岡田哲児

    岡田(哲)委員 認定基準なり判断は、各県の事情によって相当ばらつきがある、またそういうのが当然だろうと思うのでありますが、今後こういうふうにする以上、全国的に統一をしなければならぬ、そういう点も出てくると思うのでありますが、この調査義務の重要性から見まして、都道府県知事の認定というものは非常に重要だと思うのであります。これは非常に厳格に取り扱わなければならぬというふうに思うのでありますが、この点の全国に対する指導方針といいますか、どういうような具体的な指導を行うことにしておりますか。
  75. 左近友三郎

    左近政府委員 認定基準につきましては、各都道府県に対する通達ということで具体的な内容を明らかにしまして、統一のある運用を図りたいと思っておりますが、現在考えておりますどういう点を基準にするかという一応の案でございますが、これは調査を受託する件数に応じて、一定数以上の調査員とか調査用の機器等を持っておることというのが一番必須な問題になります。それから第二点といたしまして、調査業務にかかわる事故が生じた場合の賠償能力を十分持っておること、いわゆる経理的基礎が必要だという点でございます。それから第三点は、役員等の構成調査業務の公正な遂行に支障を及ぼすおそれがないものであるということ、それから第四点は、これはセンターにほかの事業と兼業をしておるものがございますが、兼業をしておるものについては、兼業によって調査業務適確な遂行に支障を及ぼすおそれがないことというような点がこの基準の考え方になろうと思います。これをもう少し具体化した形で検討いたしまして、通達を出して統一的な運用を図りたいと考えております。
  76. 岡田哲児

    岡田(哲)委員 既存の保安センターはすべて認定されるというふうに考えていいのですか。認定されない保安センターに対してはどういうふうになるのですか。
  77. 左近友三郎

    左近政府委員 既存の保安センターにつきましても、実態調査をいたしますと、十分な調査能力を備えておるところもございますが、場合によっては、現在の実績によりますと、調査件数に比して人員とか機器の充足状態がまだ不十分であるというようなものもございます。したがいまして、今回この認定制度を設けて都道府県の認定にかかわらしめるということにいたしますと、当面この基準を満たすものだけであるとは言えないということでございまして、場合によっては、基準を満たさないのですぐに認定することは困難であるというものも出てくるかと考えております。  そういう場合に、既存の保安センターがどういうふうになるかということでございますが、法律で定めておりますのは、この認定を受けた保安センターに業務を委託いたしますと、法律で、本来個々の販売業者に課せられておる調査業務というものをやらなくていい、つまり免責になるという効果があるということでございます。したがいまして、販売業者法律上の義務は自分が負いながら、いわば代行といいますか、手足として保安センターを使うという分には問題がないということでございますので、当面、この保安センターというものが全く認定を受けないからすぐに仕事がやれなくなるということではございません。しかしながら、そういう認定基準に満たないものが長い間存在することは決していいことではございませんので、これについてはやはり府県の指導によって認定基準に達するように改善して、そして認定を受けられるようにしていくという指導をもってこの問題を解決していきたいというふうに考えております。
  78. 岡田哲児

    岡田(哲)委員 いま局長言われましたように、認定機関に調査義務を委託した場合、販売業者調査義務を免責される、事業者が免責されるということになりますと、業者それ自体はもう責任がないわけですから、保安意識といいますか、それに対する気が抜けて低下するのではないかというふうに思うのですが、その辺はどんなふうに見られておりますか。
  79. 左近友三郎

    左近政府委員 確かに、この調査義務をセンターに委託をいたしますと、何か自分はもう調査をやらなくて済むということで、保安意識が低下するのではないかということは、この審議会でも議論のときにいろいろ指摘がありました。したがいまして、この保安センターの位置づけに当たっては、そういう点について十分配慮をして販売業者保安意識の低下を来さないようにせよという提案がございます。この場合については、LPガス販売業者は、本来先ほど申しましたように保安サービスの提供者でございますし、先ほど言いました周知義務というものもございますし、それからいろいろ供給設備についての保安の基準の維持義務というのもございます。したがいまして、そういう法律全体の規制によりまして保安意識の低下を来さないように持ってまいりたいというように考えておりますので、この点については、われわれも今後の実際上の指導に当たって十分注意をしてまいりたいというように考えております。
  80. 岡田哲児

    岡田(哲)委員 ぜひこれは、いま言われたように、この点関心を持たれて取り扱っていただきたいと思うのであります。  それから、この認定機関以外の保安センターに委託できるのですか。もしできるとすると、その責任は一体どういうことになるのか。
  81. 左近友三郎

    左近政府委員 この調査の委託は可能でございます。しかしながら、その調査の結果、調査をして、いいと言ったのが何か後で事故が起こってその責任を問われるというふうな問題が起こってまいりましたときは、この場合は調査を委託した販売業者まで責任が及ぶということで、そこの法的効果が違うというだけでございます。
  82. 岡田哲児

    岡田(哲)委員 それから、消費設備以外の設備の点検も、これは委託できるのですか。たとえば業界自体が見なければならないところ、そこを委託できるのですか。
  83. 左近友三郎

    左近政府委員 先ほどから申し上げましたように、販売業者としては、保安を重視する観点から、そういうものはみずからやってもらいたいというのがわれわれの考え方でございまして、その法律で決めましたもの以外の委託については、好ましいことだとは申せませんけれども、人手が不足とかそういう意味で、いわば通常のいろいろな仕事の代理とか委託というような契約的なことでやることは、われわれも禁止はいたしておりません。しかしながら、そういうことでやられましても、やはり責任はこの委託をした販売業者に残るということは、われわれとしてはそういうふうに考えておって、そういうふうに運用していきたいというように考えております。
  84. 岡田哲児

    岡田(哲)委員 ちょっと最後が聞きにくかったのですけれども、原則的には委託せずに業者自体がやりなさい、しかし、いろいろな事情でできない場合には委託してもやむを得ない、しかし、もし事故が起こった場合にその責任はどちらにあるのですか、いま最後がちょっとよくわからなかった。
  85. 左近友三郎

    左近政府委員 責任は委託をした販売業者に残るということでございます。
  86. 岡田哲児

    岡田(哲)委員 委託した業者に残る……。
  87. 左近友三郎

    左近政府委員 そういうことでございます。つまり免責にならないということでございます。
  88. 岡田哲児

    岡田(哲)委員 そこで、これは非常に具体的に言っていただきたいのですが、これは従来と比べてどのような点が強化されたのか。どの点どの点がどういうふうに強化されたのか。
  89. 左近友三郎

    左近政府委員 保安センターがどう強化されたかということだろうと思いますが、保安センターにつきましては、従来自然発生的にできておりましたので、調査スタッフとか機器というような面とか経理的基礎とか、先ほど基準に挙げましたいろいろな点について不安定なものがあったわけでございます。これが都道府県の認定を経ました上は、いわばそういう信頼性が増加をするということでございますので、現実よりは相当強化をされるというように考えております。
  90. 岡田哲児

    岡田(哲)委員 この信頼性というのは感じの問題で、余り具体性がないと思うのでありますが、調査強化に伴って保安センターの作業量が相当ふえる、こういうふうに想定するわけですが、それは大体どの程度かと判断されていますか。
  91. 左近友三郎

    左近政府委員 現在保安センターの調査をしております件数というのは、これはやはり非常に少ないものから相当多いものまでいろいろ分かれておりますので、この点、新しく認定を受けた後どういうふうな件数になるかというのは、ちょっと推測しにくいのでございますけれども、いまのところ、保安センターを利用して、つまり委託をしようという業者と、やはり販売業者というのはみずからそういう調査をやるべきであるという考えを持ってやっておられる販売業者と、いろいろございますので、この制度ができたからといって、急速にこの保安センターの委託件数がふえるかどうかということは、われわれもまだ確信が持てないといいますか、急速にふえるともわれわれは考えておらないということでございます。
  92. 岡田哲児

    岡田(哲)委員 結局よくわからぬのかもしれませんが、従来を基礎にして判断をして、一体具体的にこの調査業務というものはどのようになっていくのだろうか、そしてこの調査員一人といいますか、調査数といいますか、従来どのぐらいの仕事をこなしてきているのか。それは過去の実績と、それから今後さらに強化をするという上でどんなふうになっていくと判断をされていますか。
  93. 左近友三郎

    左近政府委員 私の方の調査の結果では、一日当たりの調査実施戸数というのが出ております。これは二人一組になりまして消費者を回るわけでございますが、それによりますと、大体一日一組当たり十二月から十五戸というのが四〇%と一番多いわけでございまして、その次は十六戸から二十戸というのが二八%ということでございます。極端なのは一日に三十一戸以上回ったというのが一%ぐらいございますが、これはやや多過ぎるのじゃないかと思いますので、やはり大体十戸から二十戸ぐらいの平均で回れるのが現在の状態だと思います。それで、センターが認定制度になりましてもこの調査能力自身は変わらないわけでございますので、必要があれば調査員をふやしてやっていくということになろうかと思います。
  94. 岡田哲児

    岡田(哲)委員 いま言われましたように、二人一組で十一戸から十五戸、あるいは十六戸から二十戸というような、大体この辺だということでありますが、二人使ってこれだけの戸数調査をするわけですが、この受託料というのは一体どんなぐあいになるのですか。
  95. 左近友三郎

    左近政府委員 これも当方の調査によりますと、販売店からの調査手数料の額でございますが、五百円以下というのが二四%、それから五百一円から八百円というのが三八%、それから八百一円から千円というのが二〇%、それから千一円から千二百円というのが一五%、それ以上というのが三%ということで、大体五百円から千円の間にかたまっておるということでございます。
  96. 岡田哲児

    岡田(哲)委員 この手数料は一戸に対してですか。
  97. 左近友三郎

    左近政府委員 これは一消費家庭一軒当たりでございます。
  98. 岡田哲児

    岡田(哲)委員 私がいまずっとお尋ねをしてまいりましたのは、こういう気持ちからなんです。委託をすると相当委託料がかかってきて、それが先ほど言った負担として業者にかかってくる。そうすると、ともすると価格関係の方に影響を及ぼすのではないかということでございます。また同時に、受託調査、いわゆる安全センターの方の立場で見ますと、二人組でこういうふうに回していく、あるいはある程度調査員を抱え、器械を置き、それから負担能力を持つ、そういう形態で、言うならば商売として成り立つために果たしてこれが採算が合っていくものかどうか、業者の関係と受ける方の関係、両方が果たしてこういう形のものができて商売として成り立つのだろうかという点が実はあったものですから、いまお伺いしているのですが、その辺はどうでしょう。
  99. 左近友三郎

    左近政府委員 販売店側、つまり委託する側から見ますと、自分の店にこういう調査する要員を雇っておかなくても済むということもございますし、それから消費者状況によって、これは二年に一遍の調査でございますから、自分の得意ということであればそうしょっちゅう回る必要はないということで、つまり調査員の稼働率も悪くなるという点もございますので、そういう人件費が節約できるという点のメリットがあろうかと思います。  それから、調査機関の方は、これが調査料収入でうまくいくかどうかということでございますが、これも調査の結果が出ております。これは成り立つかどうかというのではないのでございますが、収入源を見てみますと、販売店からの調査料というのが収入源の大体七割近くになっておりまして、あとは会員制になっておって、その会費というものをある程度もらっておるというようなものがございます。この点につきましては、組合とかそういうもの、つまり販売業者の共同組織でございますと、手数料のほかにそういう維持費みたいなものを取って運営しておるというところもございます。     〔中島(源)委員長代理退席委員長着席〕そういうところは、また逆に言いますと手数料は割り安であるということがあろうかと思います。したがいまして、総じて申しますと、センターというような調査機関が成り立つためにはある程度規模がないとむずかしいと思いますが、ある程度規模がございますと自立できるというものではなかろうかというふうに考えております。
  100. 岡田哲児

    岡田(哲)委員 私も、ある程度規模を持たないとなかなかだというふうに考えます。  今度はちょっと理屈っぽくなるわけであります。それは保安業務の性格上、営利を目的としない公益法人というようなものが望ましい、特にこういう安全性の問題でございますから。そういうふうに思いますと、安全センターでそういう業界にやるというよりも、せっかくここで法律をつくる以上、公益法人的なものにしながら、営利を目的とせずに、本当にLP安全性を双方も実施をしていく、こういう立場で本来考えるべきものではないかというふうに私は意見として考えるわけで、その辺についてどういうふうにお考えでしょう。
  101. 左近友三郎

    左近政府委員 答申にも、この保安センターの形態というのは、性格上営利を目的としない公益法人あるいは販売業者組織する協同組合あるいはLPガス販売会社の参加を得た何らかの法人というようなものが望ましいという指摘がございますし、われわれもこの答申に同感でございます。ただ、現在の自然発生的なセンターがございますので、一律に株式会社というのは悪いというわけにはいかないと考えますので、先ほど申し上げました基準で役員構成などを見まして、公正に行われるような役員構成等があるものはやはり認めていかざるを得ないと思います。ただし、将来にわたっては極力そういう営利を目的としない法人が出てくるような指導をやってまいりたいというふうに考えております。
  102. 岡田哲児

    岡田(哲)委員 次は、設備制度についてお尋ねしたいわけでありますが、従来の監督者制度と今回の設備士との資格要件の相違というものについてお伺いをしたいわけであります。  従来は監督者が一人ついておればできたというふうに私は理解するのですが、今回の場合にはそうでなしに、直接その人が設備士の資格を持っておらなければできない、こういうふうに考えているのですが、その辺どうでしょう。
  103. 左近友三郎

    左近政府委員 御指摘のとおりでございまして、従来の制度は、一定の規模以上の工事をやる場合に、監督者が、一定の資格のある人がその工事を監督しておればいいといいますか、そういう監督者を置かなければいけない、こういう制度でございましたが、今度の改正法で考えておりますのは、個々の工事、これは一定の工事に限定はいたしますが、個々の工事についてこの工事士の免状を持っている人が実際に工事をやらなければいけないということでございまして、たとえて言えば、電気工事制度における電気工事士のようなものでございます。
  104. 岡田哲児

    岡田(哲)委員 これは簡単に答えていただけば結構ですが、設備士の試験なんです。この試験の内容、それからレベルというのはどの程度のものか。これは協会で実施をするのかあるいは都道府県で実施をするのか、一体どういうような体制で進めていこうとされているのか、その内容をはっきりしていただきたいと思うのであります。
  105. 左近友三郎

    左近政府委員 まず、この試験のレベルでございますが、これについては、先ほど申しましたLPガスの配管その他必要な設備に関する工事をいたすのに必要な知識、それから技能を備えておればいいということでございまして、いたずらにむずかしい試験で、いわば選抜するという形ではございません。そして実際のこの試験のやり方といたしましては、筆記試験と技能試験に分かれてやるということでございまして、筆記試験については、LPガスに対する知識とか法令に対する知識というようなものを考えておりますし、それから、技能試験については、実際に設備材料を置きまして、そこでいわば実地の工事をやってもらうということで、それをチェックするということに考えております。  試験の実施主体としては都道府県が原則でございますが、いま申しました実地試験、つまり技能試験につきましては、設備等が必ずしもないというような都道府県もございますので、それについては、この高圧ガス保安協会にその試験を委託することができるという制度になっております。
  106. 岡田哲児

    岡田(哲)委員 この法案が通ってこの制度が動き出すまでに、いま言った非常に重大な設備士というものが誕生しなければ回っていかないわけでありますが、全国で大体どのくらいの数が必要と考えておられるのですか。
  107. 左近友三郎

    左近政府委員 この設備士については、設備士でなければ工事を行ってはいけないというような規制は少し施行の時期を先にすることにいたしまして、大体三年三カ月ぐらい公布の日から後に施行するということになっております。その間にこの設備士を試験あるいは講習ということで養成していかなければいけないのですが、現在われわれが考えておりますのは、十万人ぐらいは要るのじゃないか、もうちょっと要るかもしれないということで考えておりまして、それについては、試験と講習という制度もありますし、また認定という制度もございますので、そういう各種の制度を使いまして充足させていきたいというふうに考えております。
  108. 岡田哲児

    岡田(哲)委員 そうすると、従来の配管工事をやってこられた経験者、これは大体講習ぐらいで免状を受けられるのですか、それとも試験を再びやらなければならぬというふうに考えているのですか、その辺はどんなふうですか。
  109. 左近友三郎

    左近政府委員 従来こういう配管工事に携っていた方で、先ほど申しました現行法の配管工事の監督者というのもございますし、それから、建設業法で管工事施工管理技士というのもございます。あるいは職業訓練法で配管技能士等々という制度もございますが、こういう方につきましては、そういう技能があるわけでございますので、先ほど申しました講習制度を生かしてやりたいと思っております。しかもその点につきましても、講習制度の受講科目を省略することを認めまして、短期の講習で資格が得られるということにいたしたいというふうに考えております。
  110. 岡田哲児

    岡田(哲)委員 先ほどお伺いしたときにお答えがあったわけですが、この法案が通ると同時に、すでに製造され販売された器具等を全部総点検する、こういうことを先ほど私は聞いたわけでありますが、当然これはやっていただきたいと思うのであります。  ここでちょっとお聞きしたいと思いますのは、いままでガス漏れなどの器具の不良というような点も出てきておったのでありますが、ガス漏れ警報器というようなものについても、これは大体第二種の基準に適合してやられているようだと思うのでありますが、こういうものまで含めて総点検をやられる、こういうことですか。
  111. 左近友三郎

    左近政府委員 御指摘ガス漏れ警報器につきましては、現在の法律では検定の対象になっておりませんので、いわば野放しになっておったわけでございます。しかしながら、今回法律改正になりますと、第二種液化石油ガス器具ということで、届け出とか技術基準に適合する必要があるというふうな対象になるわけでございます。それから、総点検は各家庭に現在備えつけてある施設の点検をやるということが現在の計画でございますので、各家庭に備えてありますガス漏れ警報器については、その総点検の際にチェックをいたしたいというふうに考えております。
  112. 岡田哲児

    岡田(哲)委員 第一種、第二種と分かれているのでありますが、一体、第二種の基準の包括的なものについてはどのような内容を考えておられるのですか。
  113. 左近友三郎

    左近政府委員 LPガス機器の中で常時使用されており、また事故の危険が非常に多いものというのが大体十一品目ぐらい、これが現在の検定制度に乗せられております。したがいまして、これについてはこの検定で厳重なチェックをしておるわけでございますが、それ以外は現在は法規制がなかったわけでございます。したがいまして、今回改正案で考えておりますのは、いまの十一品目以外のガス器具というものはすべて第二種ということにいたしまして、これについては製造業者、あるいは輸入品でございますと輸入業者でございますが、これが届け出をする。それから、これは通産省令で定めます一定の技術基準に従って製造をするという義務を課するわけでございますので、個々の品目をチェックするというようなことは二種では考えておりません。
  114. 岡田哲児

    岡田(哲)委員 それから、非常に製造業者が零細であるという場合を私は想定するのでありますが、災害防止命令が発動されても、実際は修理や交換や回収というような措置がみずからできない、こういう場合の心配を実はするわけであります。みずから力があれば当然その業者がやるわけでありますが、それができない場合でも、現に危険な器具が出ているという場合に、この回収の責任といいますか、回収をどういうふうにするのか、またそれに従わなかった場合にその業者に罰則が適用されるのかどうか、その辺について……。
  115. 左近友三郎

    左近政府委員 この改正案では災害防止命令というものを出すことができるということになっておりまして、いま御指摘のとおり、消費者欠陥のあるガス器具等が渡りまして災害発生のおそれがある場合には、そういう器具を製造した人に対しまして欠陥品の回収というようなことを命ずることができるわけでございます。ただ、零細なメーカーの場合には確かにそういう点が非常に困難だということがございますけれども、やはり法のたてまえといたしましては回収するということにいたしまして、実際問題といたしまして、販売業者その他の関係業界とも協力をしてそれがスムーズにいくようにやってまいりたいというように考えておりますし、従来実はこういう事例が出まして、これは法律がございませんでしたので行政指導でやったわけでございますが、その場合に零細業者で非常に困難な例もございましたが、いま申しましたような関係業界の協力を得て何とかやり得たものでございますので、今後もそういう関係業界と協力をしながら問題を解決していきたいということで、零細業者がこれによって営業不能になるというような事態は回避いたしたいというふうに考えております。
  116. 岡田哲児

    岡田(哲)委員 いまのお話を聞いておれば罰則というようなことでなしに、関係業界と十分協力して回収をする、こういうふうに承ったわけであります。  次に、指定された検定機関、日本ガス機器検査協会あるいは日本エルピーガス機器検査協会、また高圧ガス保安協会、こういう協会で実際問題検査をされてきたわけでありますが、この法律をつくるに当たって、従来のこういう協会の検査体制というのは十分だというふうに考えられておるのか、さらにこれを強化しなければならぬと考えられておるのか、その辺お尋ねをいたします。
  117. 左近友三郎

    左近政府委員 この液化石油ガス器具の検定につきましては、いま御指摘のような機関が検定をやっておりますし、現在の政令で指定しております十一品目についての検査体制としては十分であろうかと考えておりますが、われわれの考えておりますのは、現在の十一品目に限定せずに、将来はいろいろ新しく今度届け出られます第二種の器具の中から、大量に使われるとか、それからまた非常に十分な安全性を確認する必要があるとかというようなものについては、逐次検定品目に引き上げていきたいと思っております。そういう際に現在の体制でいいかという問題が出てまいりますので、この点については、そういう検定の追加をすることに伴って、こういう機関のいわば機構拡充というものも十分考えてまいりたいというふうに考えております。
  118. 岡田哲児

    岡田(哲)委員 次は、手数料のことなんでありますけれども、新旧比較をいたしてみますと大変大幅な違いが出ています。違いというよりは引き上げになっているわけであります。たとえば一件四万円が十七万円に、三万円が十四万円に、五万円が二十八万円に、五千円が一万一千円に、こういうふうに、いままでは上げ幅という点から見ますと余りなかったのが、非常に大幅なんでございますが、その理由は一体どういうところにあるのでしょうか。
  119. 左近友三郎

    左近政府委員 手数料の法律の上限はいま御指摘のように相当引き上げたわけでございますが、実はこれは昭和四十二年のこの法律制定のとき以来変更をしてなかったわけでございまして、この問十年たちまして、人件費とか物件費とかそういうものが非常に上昇いたしましたので、やむなく引き上げたわけでございます。実は、ほかの法令に基づきます手数料についても、手数料だけ一括して引き上げ措置が別途講じられているものもございます。ただ、この法律については今度の改正を契機にやりましたものですから、そういう点でいわば目立っておるわけでございますけれども、全体の引き上げの傾向に即して上げたということでございます。
  120. 岡田哲児

    岡田(哲)委員 確かに長い間改正しなかったという点はございますが、最近の事情から見ましても、設備士の試験の手数料が一件について一万二千円というふうに今度出されております。しかし、ほかの計理士やその他の関係を見ますとこれは四千円ぐらいのように見るわけですが、それらより見ると現状でもちょっと大幅なように思うのでありますが、その辺はどうでしょう。
  121. 左近友三郎

    左近政府委員 設備士の試験につきましては、先ほど申しましたように筆記試験と実技試験というのをあわせ行うことになっておりますが、ほかの場合にはわりあい筆記試験だけというケースが多いわけでございます。ところが、実技試験というのはいろいろ材料を使いまして実際に工事をやってみてテストするわけでございますので、設備費とか材料費というのが相当かさむわけでございます。したがいまして、この法律の上限額が一万二千円というふうに高くなったわけでございます。ただ、この法律の示しておりますのは上限でございますので、われわれの実施に当たっては政令で決めることになっておりますので、これについては十分にチェックをいたしまして、必ずしも上限そのままじゃなくて、もう少し現在の時点でやれる限り低い額に抑えていきたいというふうに考えておりますが、現在はその点は検討中でございます。
  122. 岡田哲児

    岡田(哲)委員 もうぼつぼつ時間でございますので締めたいと思いますが、いままでずっと質疑を続けてきましたように、私は、どうもこの法律改正をしたからといって、事故撲滅とまでいかないにしても相当数減るであろうという期待になかなかいかぬというふうに考えます。それからいま一つ、先ほどからずいぶんやりとりいたしました消費者に対するPRというのが骨組みでありながら、非常に義務づけながら、これの実際の効果というものもまたなかなか期待することができないのではないか。それから、大体事業者が非常に零細でございますが、これが工事者その他への委託費、あるいは先ほどからも出ておりますように第三者に対する保険、補償の問題、そういうものを今後どうするとか、いろいろ負担増がこの零細業者にかかってきて、もう負担に耐え切れないような状況の心配がある。それから、そういうふうにかかってくると、勢いそのはけ口とすればLPガス価格に転嫁をして、結局LPガスそのものの価格が今後さらに上がってくるのではないか、こういうような心配が実は消えないわけであります。  今後ぜひこういう私の心配を払拭していただくようにお願いをするわけでありますが、いま申し上げた点、再度お答えをいただいて、最後に政務次官に締めのごあいさつをいただいて、これで終わりたいと思います。
  123. 左近友三郎

    左近政府委員 今回の法改正は、頻発しておりますLPガス事故を極力減らすという目的で立案をしておるわけでございますが、御指摘のとおり、LPガス事故というのが主として消費者の段階で起こっておる、そしてその消費者というのは非常に数多くの方々であるということ、そこにいろいろ注意事項の周知徹底が非常にむずかしいということもございますし、それから一方、販売業者自身も御指摘のとおり非常に零細業者が多いということから、そういう点での保安確保についてもなかなかむずかしい、それからいろいろな対策を実行するに当たっても資金的にも苦しい、いろいろな問題がございます。  先ほど申しましたように一昨年の八月から昨年の八月まで一年かかって審議会で議論した過程でも、これは販売業者消費者、学識経験者、いろいろな方の御参加を願ったのでございますが、そこでもいろいろそういう議論がございまして、理想的に言うといろいろなことが考えられるけれども、とにかくそういう現実の中でやり得る対策をどうしたらいいかということを議論の末、答申が出たわけでございます。したがいまして、その答申の線に沿ったこの法案改正といいますのは、確かになかなか理想的にはいきませんが、現実の状態を考えると、現在としてはこれが最善の案ではないかというふうに考えておるわけでございます。そしてその過程では、実は販売業者に対する負担の問題、それからその負担によるLPガス価格の問題も議論をされましたが、いま申し上げましたような現在のような改正案の条項であるならば、この負担というのがLPガス価格に大きな影響を与えるようなことにはなるまいということで、答申の結論を得たわけでございます。  しかしながら、先生御指摘のような問題点はいろいろございますので、今後この法の施行に当たってわれわれも十分注意してまいりたいし、国としてもできる限りこれに対する指導、助成という面も忘れないでやっていきたいというふうに考えております。
  124. 野中英二

    ○野中政府委員 LPガス事故の撲滅、そして安全性というものをわれわれは祈念いたしましてこの法案を提出したわけでございますが、いま先生から、今回の法改正によって周知させる義務の導入、あるいは認定調査機関の整備、あるいは供給設備の維持義務の導入、LPガス販売業者に対する規制強化、あるいはLPガス設備士の制度の創設、LPガス器具等規制範囲の拡大等六点につきまして非常に細かく御質問があったわけでございます。われわれは、今後この安全性の問題を含めて、この法律案が通りましたならば、さらに万全を期して事故防止のために努力することはもちろんでありますが、民生安定のためにも、これが価格にはね返らないようにさらに努力をしてまいりたいというふうに考えておるわけであります。
  125. 岡田哲児

    岡田(哲)委員 終わります。
  126. 野呂恭一

    ○野呂委員長 午後三時から委員会を再開することとし、この際、暫時休憩いたします。     午後一時十一分休憩      ————◇—————     午後三時六分開議
  127. 山崎拓

    山崎(拓)委員長代理 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。松本忠助君。
  128. 松本忠助

    松本(忠)委員 私は、午前中の同僚議員の質問に続いて、液化石油ガス保安確保及び取引適正化に関する法律の一部を改正する法律案について、若干の質問をいたしたいと思います。いろいろお伺いしたいことがございますので、御答弁は簡潔で結構でございますが、要点をお答えをいただきたいと思うわけでございます。  まず、政務次官にお尋ねをするわけでございますが、現行のいわゆる液化石油ガス法というものは、LPガス消費者にかかわる保安確保取引適正化、これを図るために昭和四十二年に制定されたものでございますが、御承知のように、当初約千三百万世帯、これが現在は千八百万世帯、わが国の全世帯の約六〇%を占めるほどの消費者がいるわけでございます。消費量もまた約二百万トンであったものが現在は約五百万トンと二倍半、このようになっておりますし、法律制定以来十年を経過しておりますが、この間に、これらの数字変化から推しましても、消費世帯数消費量、著しい増加が見られるわけでございます。しかしながら、現行法における規制範囲及び規制の内容につきましては、御承知のようなLPガスをめぐるところの悲惨な事故が非常に相次いで起こっております。これに対応する方法、非常にむずかしい状態でございます。そうした点を踏まえまして、今回の改正案もこの認識の上に成り立って提案がされたことと私も理解するわけでございます。  そこで、お尋ねいたしたい点は、世界的にエネルギー問題、今後の重要課題でございますけれども、特に通産省といたしまして、このLPGのみについて今後の需給、この見通し、こういうものについて明らかにしていただきたいと思うわけであります。
  129. 古田徳昌

    ○古田政府委員 液化石油ガスにつきましては、有力な石油代替エネルギーとしまして、今後における需要増大が見込まれているわけでございますが、昨年の六月に決められましたエネルギー問題調査会での長期的なエネルギーの需給暫定見通しによりますと、昭和六十年度におきまして需要量二千六百万トン、そのうち二千万トンが対策促進ケースの場合には輸入されるというような姿になっております。なお、別途四月の初めに私どもの方で石油業法に基づきましてつくりました石油供給計画では、昭和五十三年度から五十七年度までの間の液化石油ガス需要の伸び率は、年率で言いますと五・九%と想定をしております。
  130. 松本忠助

    松本(忠)委員 いずれにしましても、このLPガス一般家庭において使用されることについては、いろいろな危険はございますが、その取り扱いが十分であるならばその危険の排除もできると思うわけでございます。しかしながら、ここで都市ガスLPガスの問題があるわけでございますが、いわゆるLPガスの販売事業というものと都市ガスの事業、こういうものが競合する面が多々あるわけでございます。特に最近は都市ガス普及も非常に伸展を見ております。しかしながら、この都市ガスの方は御承知のように大企業です。一方、LPガス販売業者の方は中小零細企業でございます。こうしたところにもいわゆる大企業とそれから中小零細企業という大きなギャップがあるわけでございますが、そこからいろいろの問題が起きてくるわけでございます。強力な大企業と中小零細企業の分野の競合、こういう問題がありますが、この調整をどこまでおやりになっていくつもりなのか。LPガス販売事業等は、いまお話のありましたように、わが国のエネルギー政策の中でも大きな位置を占めているわけでございます。そうした点から、今後都市ガスLPガス、この競合という面、この調整、こういう点について通産当局としてはどのようになさっておいでになるおつもりなのか、この点をお伺いをいたします。
  131. 服部典徳

    ○服部政府委員 都市ガスLPガス調整の問題でございますが、基本的には消費者の選択にまつものだというふうに考えておりますが、都市ガスLPガス、それぞれがそれぞれの事業の特性を生かしまして相互に発展することが望ましいというふうに考えているわけでございます。  トラブルが生じました場合には、できるだけそれを円満に解決することが必要だというふうに考えまして、去年の五月に私どもとしては都市ガスLPガス調整問題につきまして通達を出しているわけでございます。     〔山崎(拓)委員長代理退席、中島(源)委員長代理着席〕  具体的に内容を二、三申し上げますと、一つは、ガス事業法に基づきまして供給区域を拡大いたします場合に、その処分の前に公聴会を開く。その公聴会で、LPガス事業者を含めまして一般の意見を広く聞いて、処分の参考にするということをいたしたわけでございます。また、両事業者の話し合いを指導するということで、必要がある場合にはあっせんの場を通産局長が設けまして、そこで両事業者の話し合いを十分にさせるという指導もいたしておるわけでございます。また、保安問題、LPガスから都市ガスに移りかわります場合に、保安上問題が生じてはこれはいかぬわけでございますので、保安上の配慮からその保安引き継ぎと申しますか、そのための必要な協定都市ガス事業者LPガス事業者の間に結ばせるというような指導もいたしたわけでございます。
  132. 松本忠助

    松本(忠)委員 これは巷間伝えられるところでございますけれども、いわゆるLPガスをいままで供給したところに都市ガスが進出してくるといいますか、そうなった場合に、いままでのやはり便利さからいって都市ガスに切りかえる人が多いわけでございます。そうした場合に、都市ガスの会社の方では、いままでの販売業者に対しまして、一軒当たり六千円程度のいわゆる補償といいますか、そうしたものを払って、そしてLPガスの業者の販売数量が減るわけでございますから、それを補てんするといいますか、そういうことをしているようでございますけれども、この点については、通産当局として指導をしているわけでございますか。
  133. 服部典徳

    ○服部政府委員 ただいま御指摘がございましたいわば補償的な意味の金銭の授受という点については、通産省としては指導はいたしてないわけでございますが、先ほども申しましたように、LPガスから都市ガスに切りかわります場合に円滑に行われますようにということで、両者間のいわば保安引き継ぎ等を内容といたします協定、これはできるだけ結ぶようにという指導をしているわけでございます。
  134. 松本忠助

    松本(忠)委員 言うならば、これは都市ガス業者とLPガス販売業者の間で個々に折衝の結果、そのようなことが行われていることだろうと思うわけでございますけれども、いずれにしましても、今後LPガスというものがふえるけれども、また都市ガスの進出も非常に多くなってくるという見地から、こういうものの分野の調整と申しますか、こういう面についての通産当局の適切な指導をぜひ継続をしていただきたいと思うわけでございます。  次の問題でございますが、LPガスにおけるところの事故、この点については、もうすでに新聞、テレビ等でしばしば報道されておりますし、その件数も報告がありましたので、承知をしております。重大な事故が頻繁として起こっていることも事実でございますが、特に第三者に被害を与える場合、これは大変な問題でございます。要するに団地、アパートといった集合住宅になっている場合、事故を起こした方はいろいろ事情もあるでしょうが、中には一家自殺というような、その巻き添えを食って両隣あるいは上、こういった住宅にお住まいの方々が非常に迷惑を食う。特に人命に被害を及ぼすというような報道もあります。  こうした被害者に対して、原因不明の場合は、現状としては五万円程度の見舞い金、こういうものが出るということが述べられておりますけれども、しかし、果たしてそれでいいのかどうか、この点については私も疑問とするところでございます。これは商工委員会調査室の問題点列記した中にも、三十八ページにその点が出ておるわけでございますが、「第三者に対して見舞金を支払うことになっているが、金額も五万円であり、第三者の被害を救済するものとしては、極めて不十分なものである。」こういうふうな指摘もございます。  そこで、昨年の八月三十日の答申でもこの点に触れまして、LPガス事故によって被害を受けた第三者等を緊急に救済する必要がある。ほかに有効な救済措置がない場合等においては、さしあたって、LPガス販売業者が救済を行うことができるよう、現行のLPガス業者賠償責任保険の見舞い金の内容の強化拡充を行うとともに、必要な救済資金をプールするなどの方策を講ずることが必要であるというふうな答申があるわけでございます。  保安強化ということ、当然のことでございますけれども、いかに保安強化を図ったといっても、事故が皆無になるということは不可能だと私は思うわけでございます。とするならば、第三者被害を救済する手段というものは当然考慮されなければならないと思うわけです。こうした被害に遭った場合、その事故を起こした人が死亡してしまった、あるいは無資力であったり、そして民事裁判によりましても救済されないわけでございます。この辺は大変な問題であると思うわけでございますが、この点について答申の意見を今度の法改正の中で反映をしなかったのはいかなる理由によるのか、お答えをいただきたいと思うわけでございます。
  135. 左近友三郎

    左近政府委員 このLPガス事故における第三者被害救済の必要性は御指摘のとおりであると私も考えておりますが、これについて審議会の答申も指摘をしております。お尋ねの法改正になぜ取り入れなかったかという点でございますが、これは法律上強制というふうな形ではなくて、現実に保険制度なりあるいは見舞い金制度なり共済制度なり、いろいろな制度を創設して実行をしようということで、法律規制と並行してこれについての具体策を考えようということでございまして、法律上の事項でないという理由でこの法律改正には入れてないわけでございますので、決してこれを軽視しておるというわけではございません。
  136. 松本忠助

    松本(忠)委員 私は、この第三者の被害を救済する方法というのは一番問題点であろうと思うわけでございますので、しかるべく速やかにこの問題解決のための制度を起こすなり、あるいはまたいまのお話にあったような見舞い金の拡充を図る、五万円という金では、本当に貴重な人命を損なった場合など五万円というのはどうにも計算が成り立たない。五万円という根拠は一体どこにあるのかと言いたいぐらいです。そこで、制度創設をお考えになっているというお話でございますけれども、やはりこれはしかるべく早くやらなければいかぬと思うわけでございますが、いつごろまでにおやりになる御予定でございますか。
  137. 左近友三郎

    左近政府委員 現在、審議会の答申をいただきまして、当方におきまして業界あるいは保険業界その他と鋭意議論を詰めておる段階でございますが、御指摘のとおりなるべく早くやらなければいけないということでございますし、場合によっては、段階的にとりあえず救済の見舞い金制度を拡充し、次いでもう少し確実な保険制度をやるとかいうふうなことも考えざるを得ないかと思いますけれども、なるべくは一貫した施策が打ち出されることが望ましいので、われわれといたしましては大体この秋ぐらいに結論が出るような形で現在話を進めております。
  138. 松本忠助

    松本(忠)委員 私は、かつて交通安全対策特別委員会におりましたときに、自動車の損害賠償保険の問題で、私が記憶いたしましても昭和四十二年ごろ国会へ出てまいりました当時五十万円でしたか、それが逐次額の上積みをやってまいりまして、そしていま千五百万円。千五百万円でも私は少ないのじゃないかと思うくらいです。そういう点からお考えになって、最初のこの方策をおつくりになるときは、秋までに立案なさるというならば、最初のスタートが五十万とか百万とかでなくて、少なくも一千五百万、いまの自動車損害賠償保険が一千五百万ですから、その辺からまずスタートして、逐次上積みするという方向でやっていただけるように考慮していただきたい、私はこう思います。  それでは次に、保安センターの問題について伺います。これも調査資料に出ておりますが、保安センターの設立内容といいますか、五十一年八月末で五百四十五設立されている。会社組織が二〇、協同組合組織二九、社団法人一一、任意団体三三その他七%と多種多様になっていることがわかりますけれども、今回の改正で認定調査機関制度というものを導入することになったために、これらの既存の保安センター、これも当然知事の認定を受けることが必要になるわけでございますが、こうした保安センターの組織が多種多様にわたっていることは今後問題を残すのではなかろうかと思うわけでございます。昨年の八月三十日の答申もこの点については保安確保のための調査機関としての性格上、公益法人ないし協同組合であることが望ましいと指摘しております。その認定は知事にあるのでございますけれども、こうした点について、通産当局としては、消費者保安の面から考えてどのようにするのが一番いいか。私は、ただ単なる行政指導ぐらいでは済まないのじゃなかろうかというような気もするわけでございますけれども、この点についていかがお考えでございましょうか。
  139. 左近友三郎

    左近政府委員 保安センターは、御指摘のとおり自然発生的にできてまいったものでございますので、現在はこの組織が、株式会社というような営利法人から公益法人あるいは組合というふうな、多種多様にわたっております。しかしながら、審議会の答申にもあるように、余りこの種の団体は営利を目的としないものを中心として考えるべきであるという審議会の答申については私どもも同感でございます。したがって、現在、自然発生的に生まれたものを、今後認定制度を運用するに当たって、逐次答申の趣旨を踏まえて公益法人とか協同組合というような傾向に改めていくということを考えたいと思っております。ただ、これは都道府県が認定をし、指導をするというたてまえでございますので、都道府県の具体的な実情に見合った措置をしなければいけないと思いますので、今後通産省と都道府県がよく相談をして、その指導方針を打ち出してまいりたいというふうに考えております。
  140. 松本忠助

    松本(忠)委員 局長、この保安センターなるものにもぐりの業者があることを御存じですか。
  141. 左近友三郎

    左近政府委員 現在は保安センターというのは法規制がございませんので、そういう仕事をしておれば保安センターということでございますが、恐らく御質問の趣旨は、保安センターというふうな看板を掲げずにそういうことをやっておるということだろうと思いますが、これはわれわれとしては実態は余りわかっていないというのが正直なところでございます。しかし、これは認定制度によって解消するというふうにわれわれは考えております。
  142. 松本忠助

    松本(忠)委員 御承知のように、先ほど五百四十五の業者があるというようなこと、これはまあまあ一応表面に浮かんでいるものなんですね。実際は会社の組織、組合の組織なんかもちろんのこと、任意団体でもない全くのもぐりで、看板だけがいわゆる保安センターに紛らわしい看板を掲げてやっている業者があるわけです。そういうものがあるからこそ、今回この面についての規制もなされるわけでございますけれども、このいわゆるアウトサイダーといいますか、表面に、五百四十五に含まれてないものが、かなり手抜きあるいは検査料の引き下げ、こういうものをしまして営利主義に走っている傾向さえあるわけでございます。  今回認定されて営業を行うものはこの傾向がないものを選んでいただかなければならぬわけでございますが、しかし、そうなったとしてみても、やはりこうしたいわゆる営利主義に堕して検査料の引き下げをするとか、あるいはまた手抜き検査をするとか、こういうものはいつになっても絶えないだろうと思うわけでございます。そうした場合に、直接的に取り締まりをするのは県であろうと思うわけでございますが、地方通産局と県、この間にどのような方向を持ってこの取り締まりをしていくのか、この点は何か成案がございましたらお聞かせおき願いたいと思います。
  143. 左近友三郎

    左近政府委員 改正案におきます調査機関、いわゆる保安センターにつきましては、都道府県の知事の認定ということでございますので、第一次的には都道府県が取り締まるわけでございまして、これについては法律的に立入検査その他の検査権限が認められております。ただ、これにつきましては、やはり全国的な統一的な取り締まりという点も考えなければいけませんし、時宜に適した措置が必要でございますので、通産省本省、通産局、それから知事というものを通じまして今後の取り締まりの方針を確立いたしまして、いわば通達というような形で都道府県知事にも出しまして、それによって取り締まりについて逐次協議をしながら進めてまいりたいというように考えております。
  144. 松本忠助

    松本(忠)委員 いままでもいわゆる保安センターなるものにいろいろと行政指導してきたことと思うわけでございますけれども、御承知のように、LPガスを使用しているところも、大都市周辺と山の中と大いに差があるわけでございまして、非常に各都道府県の実施状況についてアンバランスがあるわけでございますが、今回の法改正によりまして検査の公平というものが図れるかどうか、この点についての確信がございますか。
  145. 左近友三郎

    左近政府委員 いままでの保安センターは、いわば任意設立というような形でございましたものでございますので、われわれとしても行政指導に限度がございました。今後は認定制度というはっきりした枠ができますので、そこは十分に実態がとらえられるということでわれわれ考えておりますので、都道府県と通産省、これは地方出先機関も含めてでございますが、協力をいたしますれば、今後は実態が確実な信頼の置けるものになるというふうにわれわれ考えておりますし、早急にそういう方向に進みたいというふうに考えております。
  146. 松本忠助

    松本(忠)委員 確かに検査の不公平によって手抜きを見逃したというようなことがあって、それが事故につながるというようなことになりますと大変な問題でございますので、この点については、認定して新規に免許をおろす認定した業者については十分指導、監督をやっていただいて、全国的に公平な検査ができるようにお願いをいたしたいと思うわけでございます。  それから、販売業者の方でございますが、販売業者の方々が、LPガス消費設備が基準に適合しているかどうかということを調査して、一定の措置をとるということが義務づけられていることでございますけれども、現実にはこうした調査保安センターに委託している場合、これも五〇%程度というふうに聞いておるわけでございます。そうした点から、この認定された保安センターの育成強化という面が強く打ち出されていると思うわけでございますけれども、要するに、販売業者は本来LPガスを売る、同時に、安全に使用できるLPガス保安を販売する、こういう一面もあるわけでございます。したがいまして、LPガス販売業者の中では、調査の業務というものは他人に任せないで消費者との対応の中でみずから行っていくことが本来の姿だ、一たん事故が起これば自分の店ののれんにもきずがつく、売り上げにも影響する、いろいろ影響を受けるわけでございますから、保安センターの育成強化というものは結構な話ではございますけれども、LPガス販売事業者保安意識の低下を招く恐れがあるのではないか、こういうふうに思うわけでございます。  本来、このLPガス販売業者というものは、ボンベを運び、取りつけし、そして安全なガスの使用ができるように、そこまで責任を持っている、これがいままでの姿でございます。したがいまして、それをいままでも保安センターなるものに委託している者は五〇%程度で、あと残りは自分自身がやっていたわけでございます。一番いいのは、売る本人が安全も一緒に売るというようなことが一番いいと私は思っているわけでございますが、そうした点から販売事業者保安意識というものの低下を招くおそれがある、こういうことが私の質問の趣旨でございます。これに対して通産当局としてはどのようにお考えでございましょうか。
  147. 左近友三郎

    左近政府委員 確かに、保安センター制度が確立いたしまして、そこに調査義務を委託すれば実行されるということになりますと、御心配のとおり保安に対する意識が低下をするおそれがあるということは考えられるところでございます。しかし、お話のとおり、LPガス販売業者というのは、やはりLPガスというものを売るだけじゃなくて、いわば保安サービスを売るということが中心だということは答申にも指摘しておりますし、答申の考え方も、やはり消費設備調査というふうなことは販売業者みずからがやることが好ましいという指摘をしております。ただし、販売業者の企業形態が御承知のとおり非常に零細企業の部分も相当あるものでございますので、そういう場合に、零細企業でやりづらいところを補完するという形で保安センターを考えていくようにというのが答申の趣旨でございます。     〔中島(源)委員長代理退席山崎(拓)委員長代理着席〕 したがいまして、われわれもその答申の趣旨に従  いまして、保安センターも育成強化いたしますが、それで万能であるというふうな考えではなくて、やはり基本的には販売業者保安意識の低下を防ぐ、あるいはさらに高揚させることを考えて  いきたいと思っております。  なお、今回の法改正供給設備についての基準維持義務というようなものも明確になりましたので、この調査以外の点では、販売業者としては、ボンベだとかメーターとか調整器というものの基準維持義務がはっきり書かれておるわけでございますので、そういう点での保安の意識の確立というのは当然必要になってくるということでございます。したがいまして、この法体系のその他の部分の販売業者義務というものを忠実にやっていただくという形で、保安意識の低下というものは極力防いでいきたいというふうに考えております。
  148. 松本忠助

    松本(忠)委員 確かに保安センターの業者が、これから拡充強化していけば非常に多くなるわけでございます。少なくとも一千八百万世帯を、その半分としても九百万世帯を、器具の点検あるいは設備、配管、そういったものまでも点検し、安全を確認していくということはなかなか大変なことだと思うし、先ほどの質問を通じましても、これがどれぐらいになるかということはわからないというようなお話でございましたので、私どもも、これをいわゆる保安センターだけに任せるということは非常にむずかしいと思う。手が回らないだろうと私は思うのです。恐らく、山の中で使っているLPガス消費者のところまで保安センターの人が行くか、これは採算上必ず行かないと私は見ているのですね。そうなってみると、やはりボンベを、ガスそのものを売る販売業者がみずからその責任においてやることの方が安全である、完全にできる、こういうふうに思うわけでございます。特に最近磁気式の圧力計、こういうものを購入いたしましてガス漏れ検査などを自主的にやろう、こういう機運があるようでございますが、この点について通産当局としては好ましいとお考えでございましょうか、それともやはり保安センターの方の拡充に力を注がれるわけでございましょうか、どちらでございましょう。
  149. 左近友三郎

    左近政府委員 いまお話のありましたように、みずから必要な機器を備えてみずから調査をやろうという機運については、私は非常に好ましいことだと思っております。したがいまして、そういう機運はわれわれもあらゆる機会を通じて助長をするということが必要だと思います。したがいまして、保安センターについては、われわれの考え方としては、むしろ中立的な意味で、それを利用する方についてはきっちりしたものを利用していただくという意味で認定制度を設けたわけでございますが、調査というものをすべて保安センターに移すという意味でこの法律改正をしたわけではないということを申し上げたいと思います。
  150. 松本忠助

    松本(忠)委員 確認をいたしますが、本来の姿は、販売業者がみずからの責任において、いま言ったような磁気式の圧力計などを購入してやるということが好ましいということになりますと、本来の姿というものをあくまでも先へ出していって、いわゆる保安センターというものが補完的な立場においてやるという方向でよろしいというわけですね。
  151. 左近友三郎

    左近政府委員 御指摘のとおりでございますし、答申の精神も、そういうふうに保安センターも補完的に使っていけということになっております。
  152. 松本忠助

    松本(忠)委員 少し技術的な問題でございます。もちろん私自身が技術の問題に対して専門家ではございませんけれども、一応いろいろ業界の方々などの接触を通じましていろいろな問題を聞いてみますと、問題がいろいろあるようでございますので、この機会にお伺いをするわけでございます。  少量消費家庭の場合、調整器と給管コックの間にはLPガス用のゴム管で接合してもよろしいことになっております。この点につきましては法で規定されているようでございますが、ボンベと調整器の間は、省令の二十条の十四号というところで、二十六キロの圧力に対して耐えられるものでなければならない高圧ゴムホースとかビッグテールと言われるような銅管、こういうふうになっているわけでございます。  そこでまず、調整器とボンベの間でございますが、いわゆる二十六キロの圧力に対して耐えられるものであるならば、高圧ゴムホースとかビッグテールと言われるような銅管であればいいんだけれども、振動があった場合、特に本年一月十四日にございました伊豆大島近海地震、私はこの貴重な体験を静岡県から聞いたわけでございますが、このボンベと調整器の間あるいは調整器と中間コックの間——調整器と中間コックの間の方が八キロに対して耐えられるLPガス用の継ぎ手金具つき低圧ホースあるいはゴム管こういう規定があるようでございますけれども、こうしたいろいろな調整器を境にしまして両端が決まっているようでございます。しかし、ああした地震があった場合、何が一番安全かということについて、いままでも当局としても技術的に相当検討されていると思うわけでございますが、一月十四日の大地震の際にいろいろの体験が出ているわけですが、これをお調べになっておりますか。
  153. 左近友三郎

    左近政府委員 地震の際の保安確保は重大な課題でございまして、従来から高圧ガス保安協会においていろいろ研究しております。また、それの付属研究所においても実験等をやっておりますが、今回の地震の結果もわれわれは情報としていろいろ入れまして、今後の対策として検討中でございます。
  154. 松本忠助

    松本(忠)委員 体験はまだ伺っていないわけでございますか。一月十四日の地震には貴重な体験が幾つもあるのですけれども、通産当局として、千八百万世帯も日本全国で使っているLPガス消費者、特にああした大地震があった場合に調整器を中心とした両端が一体どうなったのだろう、またさらに言えば、あのボンベそのものが鎖で緊縛してあるわけでございますが、あの鎖が全く役に立たなかった。みんな転倒してしまった。転倒すれば一体どういうことになるかというその辺からお考えになれば、当然あの大地震を契機としてこれに対して法改正をされてもいいのではないだろうかと私は思うわけです。いかがでございましょうか。
  155. 左近友三郎

    左近政府委員 今回の地震の結果につきましても、県の方からいろいろ情報をいただいております。いま御指摘になりました鎖でとめる点についても、実はこれは従来からも高圧ガス保安協会の付属の研究所で人工的に地震をやってみまして検討しておりまして、単純な鎖だけでは非常にむずかしい、何かそれに対して安全な方策がないかといまいろいろ実験を繰り返しておりますので、これは今回の地震の経験も踏まえまして必要な措置を考えたいと思っております。  本件につきましては、法律に基づく省令で措置ができますので、研究の成果はなるべく早く出しまして、省令の改正という点で手当てをしてまいりたいと考えております。
  156. 松本忠助

    松本(忠)委員 この点は可及的速やかに省令の改正を行っていただくようにしたいと思います。その際、ボンベの転倒を防ぐ方法あるいは固定的な倒れないような台をつくるとか、いろいろあると思いますが、特に調整器から中間コックへ行くまでのホース、これはもう低圧ホースでもゴム管でもいいわけですが、これの長さをある程度研究なさった方がいいのじゃないかと私は思う。現地では、九十センチぐらいあった方がいい、短いのはだめだったと言っております。これらの点は静岡県当局からも報告が来ていると思いますから、それらを踏まえまして、この調整器とコックの間はゴム管でつないでもいいわけですから、その場合とめ金が飛んでしまったり、あるいは転倒したためにそこから切れてしまったなどいろいろありますから、そうした点を十分考えて、長さもぜひひとつ検討の対象にしていただきたい、私はこういうふうに思うわけでございます。  それから、配管設備工事の問題についてお尋ねをいたしたいわけでございます。これも先般の地震の体験によりますと、振動のために鉄管はネジ山が切れたというような問題がありまして、ガス漏れが非常にあった。八ミリの銅パイプですと相当の揺れがあっても弾力性があってガス漏れが少なかったという報告があります。こういう報告はそちらにもあるだろうと思うのでありますけれども、この配管設備によりましてより高い安全性を求めるためにも、配管を鉄管よりも銅パイプに改めるべきではないかと思います。これらの点については、別に法律指定しなくても省令でできることだと思いますので、十分研究をしていただきたいと思っておるわけでございますが、いかがでございますか。
  157. 左近友三郎

    左近政府委員 地震の貴重な経験をわれわれも生かしたいと思います。ただ、鋼管とか銅管につきましては、現在ではそれぞれの強度その他問題のないものはいずれも使えることになっておりますし、また、鋼管と銅管それぞれ一長一短がございまして、たとえば銅管は非常にフレキシブルであるので確かに振動には強いという点がございますが、一方、短所といたしましては、経年変化で硬化するという問題もございます。逆に、鋼管については耐久性があるがフレキシブルではないという問題もございます。したがいまして、この点は地震の経験もいろいろ話を伺っておりますので、十分考慮に入れた上でどういうふうにこれを使っていくか検討いたします。また、必要な検討を経た上で結論が出ますれば、これも省令で措置ができることでございますので、迅速に措置をしていきたいと思います。
  158. 松本忠助

    松本(忠)委員 それから、ガスの配管工事をする場合に、新築の家屋の場合は壁の中へ配管をして表から非常にかっこうがよくなる、ところが、できてしまった家の場合は外側にサドルバンドでとめていくというようなやり方ですね。これも今回の地震でいろいろな経験があるようでございます。塗り込めてしまえばガス漏れの場所が発見できないこともあろうと思うし、また、中で腐食その他の問題、いまお話があったようなことがいろいろあると思いますので、建物の壁の中に入れてしまうか、あるいは露出させた方がいいか、こういう面についても十分に御調査の上、基準を示していただく方がよろしいかと思うわけでございます。  それから次に、三十八条の十二で記録の保存が規定されているわけでございます。趣旨は私もよくわかるわけでございますが、保管するのに、設備工事事業者がこれを保管することになっておりますが、これは一通だけつくって、一通だけ保管すればよろしいことになっているわけでございますか。
  159. 左近友三郎

    左近政府委員 法律的な義務は、一通だけみずからのところに保管しておけばいいことになっております。
  160. 松本忠助

    松本(忠)委員 確かに一通でもいいと思うのですけれども、最近はコピーも非常に簡単にできるのですから、二通つくって、一通を設備工事事業者保安台帳につづり込む、もう一通を消費者に渡しておく、こうしてはどうかと私は思うのです。  というのは、最近、販売業者の方も非常に中小企業の方々でございますし、自分自身が事業が失敗し夜逃げしてしまう、こういうことも間々あるわけでございます。そうした場合にいわゆる保安台帳なるものを持っていってしまいますと、その供給している地域のものがさっぱりわからなくなってしまうおそれがあるのではなかろうかということです。あるいはまた、A店から購入してきた消費者が今度は何かのトラブルがあってB店から購入するというようになった場合も、消費者が手元にあるところのA店作成の当該記録と図面というものをB店に見せれば、新たにB店が作成しなくても、B店はそれをコピーして自分のところの保安台帳につづり込むだけで済むわけです。こうしたことを考えると、二通作成して一通は消費者に手交しておく。もちろんそれは要望に従っていつでも見せなければならないというふうになっておりますけれども、あらかじめ消費者に手交しておいた方がよろしいのではなかろうかという考えがいたしますので、この点についてお尋ねをいたしたいと思います。
  161. 左近友三郎

    左近政府委員 確かに、消費者に手交いたします方が、いろいろその後の工事その他について便利かと思います。ただ、法律上考えますと、配管設備工事を行う事業者が図面を保存しておくわけでございますが、たとえば建て売り住宅だとかマンションなんかの場合は、入る人が決まらない前に工事をやってしまうということもございますので、そこで法律上はそこまで義務づけるのはちょっとむずかしいので、先ほど申しましたように、一通みずから保管するということにいたしたわけでございますが、消費者がはっきりしている場合には、やはり渡した方がいいと思います。したがいまして、これにつきましてはわれわれの方のいわば行政指導という形でそういうことにさせていきたいということで、指導の面で実質上そういうことが確保されるようにやらせていただきたいというふうに思います。
  162. 松本忠助

    松本(忠)委員 もう一つ、都道府県には図面の保管センターなどをつくるお考えはないわけでしょうね。
  163. 左近友三郎

    左近政府委員 現在は、そのようなことは考えておりません。
  164. 松本忠助

    松本(忠)委員 いまもお話がありましたように、いわゆる町のプロパンガス販売業者というものは全く中小零細企業でありまして、おやじさんと店員が一人とか二人とか、こういう状態でやっておるわけでございます。そこで、こうした店舗でも、今回の設備士の制度の創設によりまして、第三十八条の四によって設備士の免状の交付を知事から受けなければならない、受けなければ仕事ができないということになるわけでございますが、二項の三によって、「前二号に掲げる者と同等以上の知識及び技能を有していると都道府県知事が認定した者」は免状が受けられる、こういうふうになっておりますが、具体的には、こうした町のプロパンの販売業者というものはこの設備士の免状というものを簡単に受けられるものかどうか、この点の確認をいたしておくわけでございます。
  165. 左近友三郎

    左近政府委員 この設備士の試験につきましては、非常に程度の高いことを要求するというのではなしに、確実にLPガスの配管の業務がやれる、これは知識あるいは技能という点であればいいということでございますので、現在まで工事をやっている方にとってはさほどむずかしくない試験だというふうにわれわれは考えておりますが、さらに、そういう方のためにも、実は高圧ガス保安協会その他が行います講習に出席をして、それを終了すれば免許を与えるという制度も設けております。また、従来からございます在来法の配管工事の監督者だとか、あるいは建設業法の関係で決められております管工事施工管理技士とか、あるいは職業訓練法で決められております配管技能士、あるいは配管科の職業訓練終了者というものの資格を持っておられる方は、そういう点での知識はあるわけでございますので、講習を受けるときにも講習の科目免除をいたしまして、ごく短期間の講習を経るという形で免許が取得できるような配慮をいたしたいと考えておりますし、さらに、そういう点ではっきり他の資格を持っておりまして大丈夫だという方については、御指摘の三号を発動して免許を渡すということも考えたいというふうに考えております。
  166. 松本忠助

    松本(忠)委員 そこで、それは具体的に言うと、何年何月何日ごろまでに、現在その営業を営んでおる者、そうしてそういった認定の講習を受けるるいは実地試験をやっているというようなものができることにするお考えでありますか、永久にそれをやっていくという意味じゃないだろうと思いますので……。
  167. 左近友三郎

    左近政府委員 この設備士の制度につきましては、つまり設備士でなければ工事を行ってはいけないという規定については、この法律が成立いたしまして公布した後三年三カ月後に施行するという猶予期間を置いております。したがいまして、その猶予期間の間にその設備士に該当する人を試験なり講習なりで設備士にしておきまして、大体その期間が過ぎましたならば全国で必要な設備士が充足されておるという形にいたしたいというように考えております。
  168. 松本忠助

    松本(忠)委員 要するに、プロパンガスでない町の水道屋さんなんかでも、ネジ山を切り、そうしてエルボーをつなぐ配管工事などはできるわけでございますが、こうしたプロパンガスの取り扱いに未知な、たとえて言うと水道屋さんのような者、こうした者もこの適用が受けられることになりますか。
  169. 左近友三郎

    左近政府委員 そういう配管工事についての御経験があるがプロパンについての経験は少ないという方につきましては、先ほど申しました講習を活用していただきまして、プロパンガス特性とかいろいろなことを勉強していただければ、実技の方は相当ございますから、比較的容易に免許は取得できるのではないかというように考えております。
  170. 松本忠助

    松本(忠)委員 それから、改正案の第十五条におきまして、周知させる義務、これを課すことになっております。午前中の質問でもこの問題が出たわけでございますけれども、一般消費者災害発生防止に関して必要な事項、これは通産省令で定められたものを周知することになっておるわけでございますが、午前中も、周知が徹底できるかどうかということでいろいろとやりとりがあったわけでございますが、どのような方法で有効適切な周知の完璧が期せるか、具体的にお考えでございましたならばお知らせを願いたい。午前中の答弁、若干ダブるかと思いますが、改めてお答えを願いたい。
  171. 左近友三郎

    左近政府委員 周知の方法でございますが、これは省令で決めることになっておりますが、やはりなるべく確実に相手にわかることということを第一に置きます。そしてまた、ある意味では販売業者が通常の状態では十分やれること、非常にむずかしいことを期待してもむずかしいということでございますので、大体供給開始のときとかあるいは毎年一回というふうな期間を定めまして、そして消費者に必要な注意事項を記載した文書、パンフレットみたいなものでございますが、これを渡すということがこの方法になろうかと考えております。そしてまた、こういうことに考えております根拠は、実はガス事業法にやはり都市ガス業者にこういう周知義務がございまして、それについてもやはり同じような文書の交付という形で遂行の方法ということが定められておりますので、それを参考にいたしまして今後考えていきたいというふうに考えております。
  172. 松本忠助

    松本(忠)委員 そこで、文部省、来ていらっしゃいますか。——午前中も副読本の活用というような問題が出たわけでございますが、今回のこの答申の中でも、この問題についてはかなり御意見が述べられております。LPガス消費者保安啓蒙活動のあり方として「学校教育の場の活用」、こういう項目が挙がっておることは御承知のとおりだと思いますが、     〔山崎(拓)委員長代理退席、中島(源)委員長代理着席〕 「LPガスが重要な家庭燃料であることにかんがみ、学童の段階からLPガス特性や安全な使用方法についての知識を普及させていくことが重要である。このため、小、中、高校の各段階における学校教育の場を一層活用することが必要である。」というふうな答申があったようでございます。この問題で、午前中、副読本を活用してはというようなことが通産当局からあったわけでございますが、文部省といたしましてはこれをどのようにお考えでございますか。  特にまた、LPガスばかりでなく、都市ガスの方も、やはり扱い方のいかんによっては危険性がないとは言えません。したがいまして、ガスという問題は、目に見えないだけに非常に危険があるわけでございます。先ほどもお話があったようなパンフレットを活用するというような方向について、プロパンガス屋さんに聞いてみると、自分たちがプロパンガスの協会に加盟していて会費を払っている、そのほかにパンフレットを実費で買って配るのだけれども、ちっとも読んでくれない、こういう悩みがあるわけでございます。この周知徹底を図るということは非常に問題点だろうと思っております。単なるパンフレット、あるいはまたアパートの中に張り紙をする、あるいはまた駅などに張り出しをする、いろいろ方法はあると思いますけれども、もう少し何か適切な方法がないかという方法を私どもも考えているわけでございます。  それで、まず文部省の方がお出になっておりますので伺いますが、これは正規の家庭科の中に繰り入れる、こういうこと、あるいはまた高校の中でももっと科学的にこれを説明し、使用の仕方、あり方というものについて徹底を図っていく、小中学校時代から、その年齢に応じ、学年に応じてやっていくというような教科を、カリキュラムを組む必要がないかと私は思いますが、この点について文部当局としてはどのようにお考えでございますか。
  173. 河野石根

    ○河野説明員 プロパンガスあるいは都市ガス保安につきましては、義務教育では主として小学校の家庭科ないしは中学校の技術家庭科の調理用の熱源あるいは調理器具との関連で取り扱うことになっておりまして、そのことにつきましては学習指導要領に記載されておるところでございます。したがいまして、現在使用されております教科書におきましても、小学校の家庭科の教科書あるいは中学校の技術家庭科の教科書におきまして、調理に関する学習の個所に熱源としてのLPガスあるいは都市ガスの記述がございますし、その使用上の留意点につきましても必要な記述がなされております。私どもといたしましては、LPガスないしは都市ガス保安に関しましては、今後とも学校現場におきまして十分な指導が行われますように配慮いたしてまいりたい、このように考えております。
  174. 松本忠助

    松本(忠)委員 ぜひこれはそういう方向をとるなりしてやっていただきたいと私、思うわけでございます。  それから、これは一つの提案でございますが、パンフレットあるいはポスター、こういったものを配付してみましても、あるいはまた講習会を開いてみてもなかなか集まってこないし、実際上に取り扱いにふなれなだんなさんが問題なんだ。そこで、テレビを活用して、NHKの放送あるいは民間放送、こういったものに国の費用でやれば、テレビというのは一番普及しているだけに各家庭でも目からそれを訴える。御承知のように、各電力会社で、冬になりますとたこが電線に絡んで事故が起こるということで、漫画で、たこ揚げを電線の付近でやってはいかぬとか、あるいは絡んだたこを取るのにはどうしたらいいか、こういったテレビの放送があるわけでございます。あれを見ても感じるわけでございますが、国の費用でこういうことをやる方が徹底するだろう、そしてまた、これはNHKばかりじゃなく、民放の方にも金を出して国の予算でこれをやる、こういう方法を一つ考えるべきではないかと私は思うわけでございますが、この点について政務次官にひとつお答えを願いたいと思います。
  175. 野中英二

    ○野中政府委員 ただいまの質問にお答え申し上げますが、ただいま広報活動につきましては、やはり相当の威力がありますし、われわれとしても重視いたしておるところでございます。したがいまして、協会の方に通産省から補助金を出しましてPRに努めておる次第でございます。
  176. 松本忠助

    松本(忠)委員 せっかくひとつ御努力をいただきたいと思うわけでございます。  それから、これは技術的な問題でございますが、LPガスが現在ボンベでは七キロの圧力がかかっておりますので、それを減圧調整器にかけて二百七十から三百ミリに減圧して、一般家庭消費に供している。これを通産当局が五百から千ミリに高めて供給するように指導しているというふうに聞いております。ということは、あるところの、場所はわかっていますけれども申し上げませんが、従業員の講習会というのがあったわけです。従業員の講習会でこの話が出てきた、それでびっくりしているわけです。一体どうしてこういう話が出てきたのか、この点、私は確認しておきたいわけでございます。
  177. 左近友三郎

    左近政府委員 当方では、ガス供給圧力を上げるという考えは現在持っておりません。ただ、気密試験、ガス漏れがないかという試験をやるときの圧力を、安全を見てもう少し高い圧力で試験をやってみたらどうかということを現在考えております。そのことが何か本体のガス圧力を上げるのではないかというふうにあるいはとられたのじゃないかと思います。ガスの圧力自身の問題については、当方は考えておりません。
  178. 松本忠助

    松本(忠)委員 誤り伝えられたのならやむを得ないと思うわけでありますけれども、そういう事実がございまして、この点を問いただしてほしいというような要望もございましたので、つけ加えたわけでございます。  それからもう一つ、五百から千ミリにガス圧を上げました場合に、現在約九〇%が使用しておると言われておるところの八ミリの銅管を使用することができなくなる、こういう事態がございます。鋼管と取りかえる必要が生じてくる。ただでさえも零細であるところの業者にとって、大変な負担になるということを言われております。伊豆沖の地震の際の経験から言うと、八ミリの銅管の耐震性という面を考えましたときに、やはり二百七十から三百ミリというものを高める必要はないのではなかろうか、五百から千ミリに高めなければならないということはどうも私どもは納得ができないわけでございますので、こういう点についてどういう行政指導をなさっていらっしゃるかを伺いたいわけであります。
  179. 左近友三郎

    左近政府委員 ガスの圧力を変更するということは、いまの御指摘のように、ガス器具その他に影響が非常に大きいものでございますし、場合によっては、いま御指摘のように、相当部分が使用不能になるというような大きな影響もございますので、われわれとしては現在のところ考えておらないということでございますが、気密試験をやるというようなときには、やはり安全を見て、少し高い圧力で実施してみるということは必要かと思われます。そのことが何か本来の本体のガス供給圧力を変更するというふうに誤解を与えるということも、非常に注意をしなければいけないことでございますので、従来から関係業界と十分連絡をとりながらこういうことをやってまいったわけでございますが、今後もより一層、その点よく御理解がいただけるような形でやってまいりまして、そういう点で誤解を招いたり無用の御心配をかけるというようなことはしないように、十分注意いたしたいと思います。
  180. 松本忠助

    松本(忠)委員 先ほどもちょっと触れましたけれども、ボンベと調整器の間、それから調整器と中間コックの問、これはそれぞれ省令で、いわゆるボンベ、調整器の間は高圧ゴムホースとかピッグテールと言われるような銅管、あるいは調整器と中間コックの間はLPガス用の継ぎ手金具つき低圧ホースあるいはまたゴム管、こういう規定があるわけでございます。大体調整器を中心としまして両端のいわゆるホース、高圧ゴムホース、一方は低圧のホースでありますけれども、こういうものがどれくらいの費用がかかっているというふうに通産当局では試算をしていますか。仮に五十キロなら五十キロのボンベ一個当たり……。
  181. 左近友三郎

    左近政府委員 当方の試算によりますと、高圧ホース部分が大体二千円、それから低圧ホースの部分が千五百円というふうな試算をいたしております。
  182. 松本忠助

    松本(忠)委員 そうすると、合計二千五百円ということですね。(左近政府委員「三千五百円」と呼ぶ)ボンベと調整器の方が二千円ですか、それから調整器と中間コックの問が千五百円、合計三千五百円ですね。とにかくボンベと調整器の間、それから調整器と中間コックの問、これはだれが負担するのが本当なんですか。
  183. 左近友三郎

    左近政府委員 供給設備の経費負担につきましては、従来は契約上決めるということになっておりますので、契約の形によってさまざまでございますが、総じて言いますと、大体消費者負担になっているケースが多いというように見ております。
  184. 松本忠助

    松本(忠)委員 ちょっといまの局長の答弁、消費者負担……。
  185. 左近友三郎

    左近政府委員 消費者の負担でございます。
  186. 松本忠助

    松本(忠)委員 ボンベと調整器の間も消費者の負担ですか。
  187. 左近友三郎

    左近政府委員 さようでございます。消費者が負担をしておるケースが多いわけでございます。
  188. 松本忠助

    松本(忠)委員 それは多いということであって、実際上は、私は、ボンベと調整器の問は販売業者の方が負担している方が多いのじゃなかろうかと思いますが、どうでしょうかね。調整器と中間コックの問はむしろ消費者が負担しているというふうに理解しますが、これは間違いでしょうか。
  189. 左近友三郎

    左近政府委員 これは先ほど申し上げましたように、契約によって決まっておりますが、われわれが見ておるケースでは、やはり消費者が負担しておる。これは最初にボンベを備えつけるときに、いわばその他の諸雑費というような形で消費者が負担しているケースが多いようでございます。
  190. 松本忠助

    松本(忠)委員 要するに最初の契約のいかんにもよるわけでございましょうから、これは一概に言えないと思うわけでございますけれども、仮にボンベと調整器間が一カ所当たり二千円としましても、千八百万世帯ということになると三百六十億という膨大な金額になるわけでございますし、その辺、実際上は消費者が負担するのではなくて、やはり販売業者がサービスの意味でやっておるのが多いように思っております。そういう点がございますのでこれを確認したわけでございますが、いわゆる契約のいかんによるけれども、本来は消費者が負担すべきものであるという見解でよろしいわけですね。
  191. 左近友三郎

    左近政府委員 当方といたしましては、どちらが望ましいというのは、ちょっといまのところ態度は決めかねておるわけでございまして、現在は契約によってやっていただくということで決めておるわけでございます。したがいまして、一義的にこれは消費者負担だというふうにきめつけるわけにもいくまいということでございます。
  192. 松本忠助

    松本(忠)委員 なかなかおみごとな答弁でございます。やはりここに一番問題があるのでして、最近は消費者の方々もなかなか細かいことを言いますので、その間にトラブルが起きている事実もありますので、私お尋ねしたわけでございます。  消防庁が来ていらっしゃると思いますが、いまのいわゆる調整器、これをはさんでの問題でございますが、低圧ホースでこれを連結している場合、いわゆる耐振、耐水害、こういうものを考慮した、こういうように思うわけでございますが、火災の場合ホースの切断が困難である、ですから、低圧ホースを使用するについては消防庁としてはそれでいいのかどうか、この辺は消防庁と通産省の間で話し合いがあったのかなかったのか、この点をひとつ確認をいたしたいわけでございます。
  193. 小池次雄

    ○小池説明員 ただいまの御質問でございますが、やはり火災の場合はまずボンベに水をかけるということが大事でございまして、ナットでもって緊着しておるものを離脱するということは、端的には現場において即刻はきわめて不可能な面がございますが、この面につきましては、まずボンベの安全性を担保しながらやっていく、したがってまた、切断というものも、二次の低圧ホースの方もすぽんと切れるというようなことはありませんけれども、ともかく安全を十分に補完しながらやっていく。つきましては、通産省とも十分連携をとりながら万全を期していきたい、こう思っております。
  194. 松本忠助

    松本(忠)委員 いまの問題に関して、通産省ではどのようにお考えでございますか。
  195. 左近友三郎

    左近政府委員 火災の場合にいずれがいいかという問題でございますが、われわれといたしましては、火災の場合にはなるべく早くボンベを閉める、バルブを閉めるということが第一だと思います。しかしながら、このホースについては、考え方によっては低圧の方が処置をしやすいという考え方もございますが、この点については実はわれわれの方ももう少し研究をさせていただきたいと思いますし、それについて消防庁ともよく連絡をとって決めていきたいというふうに考えております。
  196. 松本忠助

    松本(忠)委員 一応用意いたしました質問も終わりましたので、これで終わりにいたしますが、とにかく今回のこのLPガス法の一部改正案、非常に一般家庭関係の深い法案でございます。したがいまして、この法案についてはわれわれも十分対応しなければならぬと思っておるわけでございます。  そこで、話が先ほどのいわゆるLPガス業者の賠償責任保険の問題に移るわけでございます。——大臣、恐縮でございますが、大臣の御理解ある答弁をいただいて終わりにいたしたいと思っておりますので……。  先ほど事務当局からお話がございましたが、いわゆるこのLPガス事故によりまして第三者が思ってもいなかった事故を受ける。たとえば集団住宅アパート、そういったところで爆発事故がある。そうすると、事故を起こした人が、言うならば自殺というようなことを言ったら失礼ですけれども、そうしたためにガス爆発を故意に起こしたというような場合も、周辺の人は何も知らないで災害に遭う、しかも命にまでもかかわる、こういう問題が起きるわけでございます。そこで、今回の法案の中でも、この問題については、いわゆるLPガス業者の賠償責任保険の見舞い金というものがありますけれども、見舞い金の額が御承知のように五万円でございます。余りにも低過ぎる。こういう問題を改正する必要があるというふうに思っているわけでございます。  その見舞い金の拡充という問題と、もう一つは、LPガス業者の賠償責任保険というものを至急につくるべきである、こういうふうなことを私申し上げました。いろいろと立地公害局長との間のやりとりの中で、いつごろまでにこのいわゆる賠償制度というものをつくるかというような質問に対じまして、段階的に見舞い金制度というものも拡充をしていきたい、それから、賠償責任制度というようなものもこの秋ごろまでにはめどをつけたい、こういう局長の御答弁がありました。私は、秋まで待つのもやぶさかではございませんけれども、とにかく見舞い金の額を上げることが第一番。  それからまた、この制度をつくるとしてみても、過去に私、自動車の損害賠償責任保険をやったことがありますけれども、実際、五十万から現在千五百万まで来たわけでございます。そうしたところで、この秋ごろ施行されると考えるならば、やはりスタートから相当高い金額で始まった方がいいだろう、こういうところから、少なくとも千五百万程度の損害賠償責任保険というものをつくるべきであるというふうに御提案申し上げたわけでございますが、担当の大臣といたしましてどのようにお考えでございましょうか。その点をお伺いいたしまして、質問を終わることにいたします。
  197. 河本敏夫

    河本国務大臣 原因不明の事故につきましては、LPガス業者賠償責任保険の特約によりまして、慣習上の見舞い金が支払われることになっております。ところが、この見舞金が、いまお話しのように一事故五万円ということでございまして、現在の経済社会情勢のもとでは、これはお話にならぬ低い金額でございます。この慣習上の見舞い金額の大幅な引き上げを現在検討しておるところでございまして、できるだけ早く結論を出したいと思っております。
  198. 松本忠助

    松本(忠)委員 賠償責任保険の方はいかがでございますか。
  199. 河本敏夫

    河本国務大臣 その方もあわせて検討しておるところでございます。
  200. 松本忠助

    松本(忠)委員 再度申し上げますが、私は、その金額は少なくとも千五百万程度から始まるようにぜひしていただきたいということを申し上げまして、終わりにいたします。
  201. 中島源太郎

    ○中島(源)委員長代理 工藤晃君。
  202. 工藤晃

    ○工藤(晃)委員(共) 私は、共産党・革新共同を代表しまして、最初にLPガスによる事故の問題について伺いたいと思います。  通産省提出資料によりますと、事故件数が四十九年五百四十、五十年四百九十七、五十一年五百八十一、三年間平均五百四十件となっておりますが、この通産省の調査というのは一体どこからどういう報告を受けてやられたものですか、最初に伺います。     〔中島(源)委員長代理退席、山下(徳)委員長代理着席
  203. 左近友三郎

    左近政府委員 事故の情報でございますが、これは高圧ガス取締法に基づきまして、LPガス販売事業者関係者は、災害発生いたしますと都道府県知事かあるいは警察官に届け出るという義務になっております。そして警察官が得たものは都道府県知事に通報することになっておりますので、結局都道府県に情報が集まります。それが直ちに私の方の立地公害局に回ってまいりまして、そこでわれわれの方で集計をしておるというのが現状でございます。
  204. 工藤晃

    ○工藤(晃)委員(共) ところで、消防白書の五十二年版によりますと、ガス火災件数、これはいわゆるLPガス事故というだけでなしに、LPガスによって火災事件になったというのが四十九年千二百六十五件、五十年が千百八十四件、五十一年が千九十三件でありまして、三年間平均すると千百八十一件となります。つまり、消防庁の方に届けられたものは、火災に至った、これはLPガス事故の一部分だと考えられますが、火災を起こしたものだけでも通産省の発表された五百四十件の倍以上ありますが、これはどうしてこういう食い違いがあるのでしょう。
  205. 左近友三郎

    左近政府委員 われわれの集めております情報は、先ほど申しましたように都道府県からの情報でございますが、実はこれは事故ということの性格づけの関係もございますが、いわゆる自殺等、故意にと申しますか、覚悟の上でやったというものは除外されております。しかしながら、それだけでいまの差が御説明がつくというほどではないと思います。まことに申しわけございませんが、少し実情を調査させていただきたいと思います。
  206. 工藤晃

    ○工藤(晃)委員(共) ともかく火災事故になったという場合は、やはり事故としても相当大きい部類だと思います。私も家庭LPガスを使ったことがありますが、また近所でも使っているときはどかんとやるのは年じゅうであります。やけどしたという事故もずいぶんありますが、もちろん火災まで至っておりません。しかし、これはやはり事故事故だと思うのです。そうしてみますと、通産省の方のいま言ったような法律に基づいて集められている情報というのは、なるほど集められているけれども、消防庁との間に余りにも食い違いがあるというのは問題があるわけなんで、その理由、あるいは今後のこういう事故調査のあり方についても何か反省が要るということも示唆しているのではないかと思います。  続いて、高圧ガス及び火薬類保安審議会の昨年八月三十日の答申の中の九ページに、これから啓蒙活動をやらなければいけないけれども、その前提というのは、事故発生場所原因等の適確な分析をもとに実施しなければいけないんだ。実際にどういう事故が起きているのだ、その事故の性質や原因は何か、これが適確に詳細にとらえられていなければいけないということになりますが、今度の法改正でそのことがどのように担保されているのか、その点について伺いたいと思います。
  207. 左近友三郎

    左近政府委員 事故情報の収集は、先ほど申し上げましたように、LPガスのみならず高圧ガス全般、これは例のコンビナート災害等も含めまして高圧ガス取締法の方の体系で決められておりますので、現在の法律改正にはのせておりません。しかしながら、これについて実質的な措置といたしまして、やはり情報を十分分析することがその後の事故対策に一番役立つという判断に立ちまして、実は五十三年度から、この法改正と呼応いたしまして予算措置を講じました。これは特殊法人の高圧ガス保安協会に事故分析のための専門家を網羅いたしました委員会を設置しまして、そこで事故分析を系統的、網羅的に詳細にやるということで、その分析の結果を今後の設備だとか器具の、いろいろな省令で基準を出しておりますが、これの改正に役立てるとともに、業界への指導に役立てたいということで、この法改正と相呼応して予算措置を講じております。
  208. 工藤晃

    ○工藤(晃)委員(共) その予算措置をとっているということは、確かにこの問題の解決の一つ手だてになるだろうと思いますが、しかし、先ほど見たように、どうもこれまでの法に基づく情報の収集、その解析というのは不十分ではないかということになってきますと、こういう予算措置だけで済まされない問題があるのではないだろうかと考えます。たとえば器具別の事故件数あるいはまた器具別ないしメーカー別、そういう資料として公表されたものはあるでしょうか。
  209. 左近友三郎

    左近政府委員 現在のところは、事故原因が取り扱いのミスによるものかあるいは器具によるものか、その他事情によるものかというふうな原因別調査はございますが、じゃ、どういう器具であるかあるいは御指摘のどういうメーカーのものであるかというふうな調査は、現在まだできておりません。
  210. 工藤晃

    ○工藤(晃)委員(共) 今度法改正の目的にいろいろ状況変化を挙げておりますが、その中に、設備器具多様化、いろいろ設備器具多様化してきている、次々と新しいものも出てきているということを挙げておられながら、こういう調査がいまだにやられてないということは、やはり不十分な点だと言わざるを得ないと思います。  要するに事故が、たとえば操作ミスというのはかなり多く挙げられるわけでありますが、それが本当に操作ミスなのかあるいは器具設備欠陥によるものか、これは非常に判断がむずかしいところだと思います。それからまた、器具の特徴、特性に応じて啓蒙するということも必要になってくるわけですが、よくあることですが、いろいろ器具の中には、たとえばおふろの中に入っていてこうやると、そうすると点火したということになるけれども、中で点火した部分には実際に点火したかどうか見られない、たとえばこういう器具がありますね。それからまた、私の身近でも体験したことがありますが、ふろがまに対して元栓がこうなっているときがあいているときなのか閉まっているときかはっきりしないので、先にパイロットランプをつけたところがどかんといく、こういう例もあるんです。実際こういうふうにして、ただ器具が漏れるか漏れないかということだけでなしに、実際言ってマニュアルが非常に単純である、しかもぱっと見て錯覚を与えないで、そしてその栓をあける順がちゃんと確実にやれるふうになっておるかどうか、こういうこともあるんですが、たとえばそういうことで非常にマニュアルを明確にし、一目でこの栓の順番や何かわかる、そういうことで通産省としては規格とかいうような指導はやっておられるでしょうか。
  211. 左近友三郎

    左近政府委員 ただいま御指摘の点は非常に重要なことだと思います。確かに器具を操作するときにいろいろ考えて操作をしなければうまくいかないというのでは、一般家庭一般消費者に使っていただく器具としては、まだまだ不十分だと思います。いわば何も知らない人がいじっても大丈夫なようにするということが、やはりガス器具の理想だと思います。ただ、ガス器具につきましてはいろいろな問題点がございまして、そういう点で、もうだれがさわっても絶対安全だという器具がなかなか出てこないというのがまことに残念でございますが、この点については絶えずガス器具業界と連絡しながら、そういう器具安全性といいますか、それからおっしゃるように取り扱いが全く簡単確実にやれるというような点については、十分今後もその実現に努力をしてまいりたいと思います。
  212. 工藤晃

    ○工藤(晃)委員(共) 以上の点は、ぜひというよりも、早急にやっていただかなければいけないと思います。  ところで、欠陥器具を早期に発見しなければいけないということで、これは答申の方の七ページから八ページのところで、「LPガス事故及びLPガス機器に対する情報収集及び分析フィードバック体制を確立する必要がある。」ということが言われておりますが、こういうことが言われるのは、先ほどの調査の結果から見ても大体うかがわれるところでありますけれども、そういう体制というのはいままで不十分なのでこれから確立しようというのか、そしてその場合どういう体制でやっていこうとしているのか、その点について伺いたいと思います。
  213. 左近友三郎

    左近政府委員 答申の御指摘に基づきまして、従来からあるものよりもより一層発展させようということで、先ほど申し上げました高圧ガス保安協会にそういう情報の分析というものをやらすという形にしたわけでございますので、そういうことを通じて答申の趣旨を実現していきたいというふうに考えております。
  214. 工藤晃

    ○工藤(晃)委員(共) ところで、都市ガスの方の事故LPガスと比べてどのくらいですか。それから、都市ガス事故の場合に、それが操作ミスによってやられたというのはどのくらいの件数になるでしょうか、伺いたいと思います。
  215. 服部典徳

    ○服部政府委員 都市ガス事故関係でございますが、ガス事業法によりましてガス事業者から報告を徴収しているわけでございますが、それによりますと、五十一年度は百六十七件という事故件数の報告がございました。そのうち消費者の不注意によるものというふうに考えられますものが七十四件、四四%という比率になっております。
  216. 工藤晃

    ○工藤(晃)委員(共) いまの都市ガスによる事故件数消防庁の方と少し違う、少ないことになっておりますね。五十一年度消防庁で、都市ガスによる火災事故は二百八十五件です。火災に至ったものだけでも二百八十五件。少ないというこのことは、やはり先ほどと共通した問題であります。  ところで、通産省が四月に出しました主要な改正点ですか、その中で、先ほどの五百四十件のうち、消費機器の誤操作等というのが三百八十一件になっております。もしこれが本当だとすると、いま起きている事故の七〇・六%は消費者の操作ミスによるものだということになっているのです。しかし、これに対する対策としては、たとえば一が消費者の責任の明確化、二は安全知識を周知する、三番目は器具規制ということになっております。この器具規制という中には、さっきみたいに非常に錯覚を起こしやすいような器具が使われて、そうして錯覚の末そういうことになったということも起こるかもしれませんが、この三百八十一件のうち、もっと器具の面でつくり方その他が注意されていれば起きなかったであろうというのは大体何%だと考えておりますか。
  217. 左近友三郎

    左近政府委員 この消費機器の誤操作ということで分類されております中に、対策にもあらわれておりますように、そしてまた先生が先ほど御指摘になりましたように、器具自身に誤操作のおそれのある器具があって、そのために操作がうまくいかなかったものがあることは確かに事実だと思います。そういう点で、不注意に扱ってみても誤操作にならないような器具の改善も必要だと申し上げたわけでございますが、残念ながら、この件数の中でどの程度がそういう原因で、純粋の消費者の操作ミスがどの程度であるかということについては数字が出ておりませんので、その点についてはわかりかねますが、器具の改善をやればこの問題は相当防げるのではないかと考えております。
  218. 工藤晃

    ○工藤(晃)委員(共) ところで、委員会調査室の方の要点と問題点を見ますと、二十八ページにこう書いてありますね。「消費者十分注意すれば防ぎ得た事故増大している。」というので、消費者十分注意すれば防ぎ得た事故の比率が昭和四十二年度は五〇%程度であったのに対して、五十一年度では七五%が消費設備の誤操作等、消費者十分注意すれば防ぎ得た事故となっている。これは通産省のさっき言った七〇%余りよりも一層高い数字なんですが、通産省としても同じ判断なのか、これは一体どういうことなのか、伺いたいと思います。
  219. 左近友三郎

    左近政府委員 通産省の先ほどの数字は五十一年までの三年間平均でございますので七〇%ということになっておりますが、五十一年度の数字を見ますと、ここにありますように単年度では七五%と、五十一年はこういう形で特に数字が多かったということでございます。
  220. 工藤晃

    ○工藤(晃)委員(共) いずれにせよ、いままで伺ったところから、これまでの事故に対する調査そのものに不十分な点が多いのではないか。件数からして消防庁の方が多いということだけでなしに、原因が安易に消費者の操作ミスということにされているのではないだろうか、それがばかに大きく取り出されているのではないだろうか。もしそういうことだけが今度の法改正の出発点だとすると、法改正そのもの、あるいはその法に基づく今後の行政指導の上で不十分な点が出てくると思いますので、こういうことを聞いたのです。  ただ、いま聞いただけでも、都市ガスの方で消費者の不注意だとみなされるのが七十四件ぐらいですか、それからLPGの方でいくと三百八十一件ということで余りにも違いがある。これはもちろんLPGの性質の違いはあるかもしれないけれども、さっき言ったように、都市ガスを使っている人の方が注意深いということはないと思うのですね。同じぐらいの注意深さで安心して使える器具という方に早くいくということに努力しなければならないのではないか。LPGを使うか都市ガスを使うかというのは、先ほどの答弁では消費者の選択だと言いましたけれども、実際はそうでないことが多いのです。都市ガスを引くのにどれだけ費用がかかるか、そばまで来ているとか来ていないとか、そういうことでLPGを導入している例がきわめて多いわけなんです。それだけに、都市ガスを使うのと比べて非常な注意深さがなければ安心して使えないという状態が放置されること自体一つ問題だと思いますが、その辺につきまして河本通産大臣のお考えを伺いたいと思います。
  221. 左近友三郎

    左近政府委員 いまの問題は、LPガス特性に関する問題が大きく影響を与えているようにわれわれは解釈いたしております。すなわち、都市ガス空気よりも軽いおけでございますが、LPガス空気より重いということで滞留をする。そして誤操作の一つの典型的な例は、二またに分かれたガスコックで、片方は末端にこんろその他がついておる、片方は何もついていないというときに、ついていない方を誤ってあけるというようなケースがあるわけでございますが、都市ガスですと、空気よりも軽いものですから、においその他ですぐ気がつく、ところが、LPガスでございますと、空気より重いものでございますから、ガス自体にはにおいがつけてあるのでございますが、それが下にたまってしまうものですから、たとえば立ち上がっておるとそれに気がつかないということで、手おくれになって爆発するというようなケースがしばしば見られるわけでございます。したがいまして、そういう特性によって問題が起きやすいということはございます。  そこで、われわれといたしましては一そういうガス器具自身に、都市ガス用以上にそういう問題の起こらないような措置を必要とするということで、いろいろ研究をしておるわけでございますが、残念ながら、まだそれが十分にいっていないというのが現状でございますので、その辺がいまの都市ガスとの差の起こる原因の相当大きな部分であろうとわれわれは考えております。
  222. 工藤晃

    ○工藤(晃)委員(共) 答申の十九ページに調査点検——調査義務を負うわけですが、その中で、従来の毎年一回の調査をこれからは二年に一回の調査に統一することが妥当であるという考えが述べられているのですが、通産省もそういう考え方なのか。回数を減らすということは少し問題があるのじゃないかと思いますが、どうでしょう。
  223. 左近友三郎

    左近政府委員 調査、つまり販売業者消費者消費設備を点検するということにつきましては、現在の規則では、一月一遍やるものと、一年に一遍やるものと、二年に一遍やるものという三種類がございます。それで、今回法改正に当たっていろいろ議論をいたしました。その過程でもちろん審議会の答申も参照させていただきましていろいろ検討したわけでございますが、その一つは、月一回というのは、ボンベ交換等に行きましていわば簡易なポイント、たとえばゴム管が緩んでいるかどうか、そういうふうな簡単なポイントについての調査でございますので、これは存置しておこう。しかしながら、年一回と二年に一回、二回ありますのは、今回は、先ほどからもいろいろ御説明しておりました周知義務ということで、消費者家庭に臨んで安全について周知するということもございますので、それは少なくとも年一回はやるということになっておりますので、中間的にその周知をはさんで二年ごとに本格的な調査をやったらどうだろうかということを考えているわけでございまして、現在ガス事業でも大体二年に一遍という調査になっておるように承知しております。
  224. 工藤晃

    ○工藤(晃)委員(共) いまの答弁で、先ほどの都市ガスに比べてLPGの方が一口で言うと大変危険なものだということに照らしてみると、都市ガスの基準に合わせて二年に一遍にするというのは、いささか矛盾したことになるのではないだろうかということを私の意見として申し上げておいて、時間もありませんので、次の質問に移っていきます。  今度の法改正で、保安センターが認定調査機関として位置づけられるということですが、これも私、答申の中で読みますと、これの位置づけというのがやはり大変問題で、先ほど来の質疑の中でもいろいろ御答弁があったわけですが、どうなんですか。この答申の中では、あくまで補完的位置づけなんだということなんです。しかし、先ほど来の御答弁では、零細業者はとてもやれないから、零細業者は保安センターに頼んでやってもらうことになるだろうということになります。そうすると、もう少し中堅から大きいところ、これも余りないのですけれども、そういうところはそういうことを余り奨励しないのかどうか。そうでないと、大体どこも零細だということになって、ほとんど代行されてしまうのではないだろうか。そうすると、補完的役割りというのは一体どういう意味を持つだろうか、いろいろ疑問があるのですが、その辺について伺いたいと思います。
  225. 左近友三郎

    左近政府委員 保安センターの問題につきましては、答申の基本的な考え方は、LPガス販売業者というのは保安について十分消費者にサービスをすべきだ、したがって、LPガス販売業者みずからが調査をすることがむしろ妥当だという判断をとっております。ただ、現実に保安センターというものが自然発生的にできまして、現在相当やられておる。ところが、その保安センターの中には、もちろんしっかりやっているところもございますが、うまく運営されていないで、いろいろ弊害も出ておる。したがって、これについては、自然発生的にあるものでございますので否定をするわけにはいかないが、この保安センターがきっちりしたものになる、つまり信頼の置けるものにするためにはやはり行政的な手段を尽くす。それで今度法律で都道府県の認定ということにしたわけでございますが、そういうことにして、保安センターを頼むとすれば信頼の置ける保安センターにしたらよかろう、こういうのが答申の考え方でございまして、われわれもその趣旨を受けておるわけでございます。  そして結果として考えますと、現在までの自然発生的な流れも見ますと、零細業者の利用しているところが多いし、それによって確かに零細業者対策になっている面もあるという認識を持っておりますが、ただ、業者の中には、比較的小さい業者でも、みずからやろうということを系列でお互いに確認をしてやっておるというような系列もございますので、われわれといたしましては、先ほどのようなこの答申の趣旨でやってまいりたいと思っておりますが、現在自然発生的にあるものを自然発生的に野放しにしておくというのは一番問題であるので、とにかくあるものについては信頼の置けるものにするという意味で法的措置を講じたということでございます。
  226. 工藤晃

    ○工藤(晃)委員(共) 同じく保安センターについてでありますが、この答申の中にも書いてありますが、これは営利事業的にやられるとどうも困るというので、望ましいのは公益法人であるし、また業者の協同組合が望ましいという方向が出されておりますが、どうなんですか。今後知事が認定するときの要件としてそういうものが入るのかどうか、その点について伺いたいと思います。
  227. 左近友三郎

    左近政府委員 保安センターは、先ほども申し上げましたように、自然発生的にできたものでございますので、現在は株式会社組織のものも相当ございます。したがいまして、この認定の際に、一律に認定基準で公益法人でなければいけないということにするのは、現在の事態では不適切かというふうに考えております。しかし、先ほど申しました営利的な法人でない方が望ましいというふうな答申の趣旨も生かしまして、現実の認定の基準といたしましては、法人の構成員が調査業務の公正な遂行に支障を及ぼすおそれがないものであることということを挙げまして、販売業者がみずからやるというような趣旨を体した、つまり販売業者等々の方が中心になった運営になるものということを期待をしておるわけでございまして、販売業者以外の人が、はっきり言いまして、単にもうけ仕事でやるというようなものについては極力抑えていきたいというふうに考えております。  なお、長期的な問題といたしましては、答申の趣旨に沿うように、一たん認定したものについても、公益法人とかあるいは組合とかの方に進むような指導は、今後都道府県を通じてやっていきたいというふうに考えております。
  228. 工藤晃

    ○工藤(晃)委員(共) 少なくとも長期的ということでそういう方向に進めることは必要であるし、また、そうでなければならないと思います。  ところで、事故発生したときの問題なんです。損害賠償その他のことなんですが、今度の法改正がやられますと、いわゆる消費設備といいますか、メーターから屋内の方ですね。そこの維持とか保安については消費者が一義的な責任を負うということになるし、また、その消費者は、業者が周知させる義務を履行している限り、周知させられたということにみなされると思います。ということになりますと、先ほど言いましたように、事故の場合、少なくとも通産省のこれまでの調査の分析によると、七〇%以上が操作ミスである。もちろん今後いろいろ注意するとかいうことでこれが減るとしても、今後起きたものについて、法としていわゆる消費機器の方の保安義務を一義的に負うということが明記されるに従って、従来民事的な損害賠償となったときもいろいろ問題があったと思うのですが、これはわりあい簡単に消費者に賠償責任を負わせるのだということになりやしないか、無過失損害賠償に近いようなことになりやしないかということを私非常に心配しているのですが、その辺どうか、伺いたいと思います。
  229. 左近友三郎

    左近政府委員 プロパンガス設備につきまして、販売業者が責任を負う供給設備の部分と、それから消費者が責任を負うその消費設備の部分とを分けましたことは、これは実は都市ガス等でも、従来とも屋内のものはやはり消費者が責任を持つ、屋外の配管から先はガス事業者が責任を持つというふうなルールであったものを踏襲したわけでございますし、今回、審議会の委員が海外を調査いたしましても、欧米においてもやはり屋内は消費者、屋外は販売業者というふうなルールが確立しておるというのを見て決めたわけでございますし、従来の設備については、むしろ屋外についても、ボンベやその他については消費者に責任があるのではないかというふうな解釈も行われておりましたので、実は消費者にとっては、従来よりは範囲が限定したということになっておるのが現状でございます。  それから、事故が起こりましても、器具欠陥があるという場合にはもちろん器具のメーカーに責任がございますし、それから、配管にミスがあったということであれば、配管業者にその責任が帰するということになりますので、この結果によって、一義的にあるいは一方的に消費者がこの責任を加重されるということはないと考えております。  それから、消費者については、こういう設備を維持するといいましても、これは専門家じゃございませんから、なかなかやりにくいということはございますので、先ほど申しました周知義務とかあるいは販売業者調査ということをいたしまして、販売事業者が必ずチェックをしてあげて、こういう点はこう直しなさいというふうなことを通知するという制度を置いておるわけでございます。
  230. 工藤晃

    ○工藤(晃)委員(共) その問題の続きになりますが、先ほどの御答弁、あるいはまた答申の四十四ページにも、「さしあたって、LPガス販売業者等が救済を行うことができるよう、」例の見舞い金を多くするというふうになっていますね。さしあたって責任としては屋内は消費者だとしながら、しかし、起きた事故について、第三者などの事故についてはさしあたっては業者が見舞い金を出せる、こういう形をとる、このこと自体決して私は悪いとかそういうことではなしに、望ましいかもしれませんけれども、法体系からいって、「さしあたって」という意味は、おいおいは消費者義務負担という方向に向けるという、それまでの過渡的なものとしてということなのか、その辺の考え方についてやはりはっきりさせておく必要があると思うので伺います。
  231. 左近友三郎

    左近政府委員 第三者責任については、実はむしろ逆のことを考えておりまして、むしろ保険制度その他を充実することによって解決する、しかし、いますぐにはなかなかいきませんので、見舞い金制度をもって充てるということでございまして、消費者の方に話を持っていこうという方向ではございません。
  232. 工藤晃

    ○工藤(晃)委員(共) その保険制度の検討の問題について、私、いろいろそういうことは必要だと思うと同時に、いろいろ検討しなければいけない点があることを感じるわけなんです。先ほど言いましたように、出発点はどうも通産省の事故原因分析が大分ラフであって、しかもきちっとつかまえてないんではないか。こういう調子で何もかも消費者の責任にされてはならないぞということももちろんありますが、同時に、先ほどの統計から見ても、同じ注意度をもって見てもLPGの方が都市ガスの数倍も事故を起こしてしまうという事態の中で、今後消費者の責任が明確化されていくというときに、そしてまたもちろん損害が起きたときの賠償額が大きいということは望ましいことなんですが、実際これは単独で保険するとすれば相当の保険料がLPG消費者に掛けられてくるおそれということを感じるわけなんです。  現に、いま都市ガスLPガス価格で見ると、これはカロリーの計算がやかましいですから、単純な比較はできないとしても、通産省から聞いた資料ではLPガスが一万カロリー当たりでは少し安いということになっておりますけれども、先ほど来私が言いましたように、LPガスを使うか都市ガスを使うかというのは、単なる自由な選択でやれてないという例が多い。都市ガスのなかなか引けないところで利用せざるを得ない、しかも同じ注意度でやっても数倍の危険を伴うという燃料をやる、そういう特殊性を考えたときに、あとは保険だ、それで消費者の責任で起きたときには保険を払えばいいだろうということだけではいかないのではないかということで、さっき言った原因別調査というのをもっと詰めてやる、そのことを前提としながら、保険などのあり方も相当慎重に検討する必要があると思いますが、どうでしょうか。
  233. 左近友三郎

    左近政府委員 確かに、保険の実施に当たっても、いろいろ考慮すべき点があると思います。あと販売業者の共済制度の運用ということも課題になっておりますので、そういう点もいろいろ考えまして、過重な負担にならないような範囲で実施できる案を考えたいというふうに考えています。
  234. 工藤晃

    ○工藤(晃)委員(共) 時間が参りましたので、いまの問題について通産大臣から最後に答弁を伺いたいと思います。
  235. 河本敏夫

    河本国務大臣 この第三者の事故の問題、これは見舞い金と保険制度をどうするか、これは課題として残っておるわけでございまして、いま通産省でも関係者の間で至急に詰めておるところでございます。
  236. 工藤晃

    ○工藤(晃)委員(共) 先ほど私が質疑で出したような趣旨を十分生かして検討していただきたいということを申しまして、質問を終わります。
  237. 山下徳夫

    ○山下(徳)委員長代理 大成正雄君。
  238. 大成正雄

    ○大成委員 どうぞ大臣、お疲れですから、お引き取りいただいて結構です。  本法案につきまして若干質問させていただきたいと存じます。  最初に、特定供給設備の許可の問題について承りたいと存じます。  省令で定める特定供給設備というものの規模は、どの程度規模を予定しておられるのでしょうか。
  239. 左近友三郎

    左近政府委員 現在どの程度の貯蔵能力にしようかということで検討中でございます。一トンから三トン程度というような問で決められないかということで検討中というのが現状でございます。
  240. 大成正雄

    ○大成委員 一トンというと、五十キロボンベで二十本ということでしょうか。これは一トンだとすると、現行法では対象外ということになります。また、高圧法からいいますと三トン、こういうことになるわけでありますが、このような特定供給設備にはベーパライザー、強制気化装置ですが、これが取りつけられるのが通例でございます。そうすると、業者が許可を得るためには、いずれ省令で定める規模に応じて変わってくるとは思うのでございますけれども、許可を得なければならぬ。現行法では一トン程度のものでは対象外、こういうことになりますが、現在の規模程度でも許可が要るということになりますと、その手続上相当の時間もかかるし、なかなか業界としてはこれに対応するのに大変だと思うのでございますが、これに対する考え方、並びにベーパライザーの取りつけの許可を得るためには、高圧法の方の許可と新たに本法による許可、こういう同じ設備、同じ使用目的に対して二つの許可を得るというふうなことになるのでしょうか、その点を承りたいと思います。
  241. 左近友三郎

    左近政府委員 この問題は、ベーパライザーで気化した場合の、気化した後の状態が高圧ガスに該当するかどうかというような問題で適用が異なってくるようでございますが、もしそういう気化した状態でも高圧ガスであるとすると、高圧ガス取締法との二重適用というような問題もかかってくるわけでございます。したがいまして、一般的に見ますと、消費者供給する場合には気化した状態で高圧ガスにならないようにわれわれ解しておりますが、これはもう少し詰めなければいけませんし、いずれにしても、こういう点で何か二重規制のようなことで煩瑣になってはやはり問題でございますので、この点も含めて、つまりどの程度を特定施設にするかということの検討の中で、こういう点もあわせて検討させていただきたいと思います。
  242. 大成正雄

    ○大成委員 次に、十五条の周知させる義務でございますが、現在この義務はありませんけれども、周知の方法ですが、現在とどのように変わってくるかということと、公表という問題がありますが、この公表の効果というものは何を期待しておられるのか、その点を承りたいと思います。
  243. 左近友三郎

    左近政府委員 確かに、現在でも、販売業者消費者に行きまして、取り扱いについていろいろ注意を与えるとい、うことは事実上行っております。ただ、ここに法定いたしました趣旨は、要するにLPガスの取り扱いについて消費者に当然心得ていただかなければいけない事項を十分徹底させるという意味において、これは省令で決めるわけでございますが、一年に一遍以上消費者の宅に行きまして必要な事項を書いたいわば文書、パンフレットのようなものでございますが、これを渡していろいろ説明をするということを必要な義務ということにいたしたということでございまして、これによって、従来任意に行われておったものを、最低限これだけは必要であるということをはっきりさせるという意味があると思います。  それから、公表につきましては、実はこういう周知義務というような趣旨のものでございますので、これをほかの法律のほかの規定のように命令を出して、しかも命令に違反すれば罰則を科するというような趣旨のものではないということで、勧告をし、勧告が効かなければ公表ということといたしたわけでございますが、事実上そういう趣旨が、法律を守らなかったというふうなことを公表することは相当効果があるのではないかというように考えております。といいますのは、現在やはり販売業者ということでいろいろ売り込みについての競争もあることでございますので、そういう点で、こういうことが公表されるということは、やはり販売業者としては営業上も大変支障になるということがございますので、公表というものは、そういう意味での実質的な強制力というものはあるのではないかというふうに考えております。
  244. 大成正雄

    ○大成委員 ただいまの説明、非常に大事なことを含んでおるのですが、現在はパンフレットを配るという程度で、しかも配っても配らなくてもということで、強制はされておらないわけでありますが、年一同程度パンフレットを配ると同時にそれを説明する、すなわち対話によって周知徹底するというところの違いを意図しておられるようにいま承ったが、それでよろしいかどうか。  それから、公表というのですが、公表の手段、方法、媒体、こういうものはどういうことでしょうか。
  245. 左近友三郎

    左近政府委員 周知の方法ということにつきましては、現在検討中でございますが、文書を交付するというふうに決めてみたらどうかということを考えております。というのは、先ほども御説明いたしましたように、ガス事業法の方でもそのようになっておるように承知しておりますので、そういう形にするということでございます。したがいまして、必ず対話をしなければならないというところまで省令で決めるかどうかについては、現在まだそういう点を確定しておるわけではございません。  それから、公表についての方法、媒体につきましては、通例ほかのこういう事項にありますように、都道府県なり通産大臣が新聞その他を通じて発表するということが行われておるようでございますので、そういう形でやってまいりたいというふうに考えております。
  246. 大成正雄

    ○大成委員 次に、十六条の二の供給設備の基準適合義務について承りたいと思うのですが、この供給設備はボンベからメーターの出口までと解釈してよろしいかどうか。
  247. 左近友三郎

    左近政府委員 御指摘のとおり、ボンベからメーターの出口まででございます。
  248. 大成正雄

    ○大成委員 そうすると、この技術上の基準に適合していない場合に、いろいろ修理、改造あるいは移転といったことが規定されておるわけであります。これには罰則もありまして、罰金二十万以下ということにもなっておるわけでありますが、この調整器からヘッジコックまでの間の供給導管についてですが、既存設備と新たに設備する場合の基準は何か違った指導をされるということでありましょうか。要するにこの水柱八百四十ミリとかあるいは五百五十ミリとかいった基準値を変えた気密試験をもってこれを適合するや否やを判断する、こういうことでしょうか。
  249. 左近友三郎

    左近政府委員 現在は現行法とこの基準について変える意思は持っておりません。
  250. 大成正雄

    ○大成委員 次に、保安センターの育成強化について承りたいと思うのでありますが、この保安センターの技術的能力と経理的基礎というか、技術的能力ということが認定基準としてうたわれておるわけでありますけれども、この技術的能力とか経理的基礎というものは、その判断が非常にむずかしいと思うのですが、特に時間をかけて御説明いただく必要もありませんけれども、大まかな考え方についてひとつ承りたいと思います。
  251. 左近友三郎

    左近政府委員 技術的能力の主体になりますのは、調査員の数ということでございます。それから、あとはその調査をする機器が備わっているかというような点が主体になろうかと思います。  それから、経理的基礎につきましては、主として考えておりますのは、調査をした結果がうまくいかなくて事故が起きた、そういう場合に賠償その他の能力があるかというような問題でございますが、これもやはりこういう保安センター等が利用できる賠償保険というものを現在の販売業者の保険を拡充してつくることになっておりますので、そこに加入するということが一つの要件になろうというように考えております。
  252. 大成正雄

    ○大成委員 この三十七条の三の認定基準の問題でございますが、「構成員の構成調査業務の公正な遂行に支障を及ぼすおそれがないもの」、そういったことですが、逆に「支障を及ぼすおそれ」というのは、先ほど局長の答弁では、業者がこのセンターを運営するとかいろいろそういうことを言っておられましたが、どういうことでありましようか。
  253. 左近友三郎

    左近政府委員 この構成員の問題でございますが、役員が特定の利益代表であってはいけない。たとえば設備工事事業者の利益代表というようなものが役員で加わっているということになりますと問題でございますので、そういう点のどういう代表かというようなものもよく調査をしたいということでございまして、望ましい形といたしましては、先ほどから申し上げておりますように、販売業者がみずからやることが望ましいわけでございますので、むしろその延長として、役員その他は販売業者が中心になることが望ましいのではないかというように考えております。  それから、申しわけございませんが、先ほどの私の御答弁の中で若干御訂正願いたいのですが、供給設備技術基準につきましては、圧力等については若干の改善を行いたいというように考えておりますので、そのままということではございません。訂正をさせていただきたいと思います。
  254. 大成正雄

    ○大成委員 この認定基準の中で、「調査業務以外の業務を行っている」、こういうことでありますが、たとえば「調査業務以外の業務」とはどのようなことを想定しておられましょうか。
  255. 左近友三郎

    左近政府委員 現在の保安センターの状態を見てみますと、いろいろなものの訪問販売をするとか、この保安業務に関係のないようなこともやっておりますので、そういう点についてのことでございます。
  256. 大成正雄

    ○大成委員 次に、三十七条の五に該当しますか、このようなセンターに対して都道府県知事の権限というものは非常に重要な役割りを果たすわけであります。また、罰則も適用されることになっておるわけでありますが、現在のたとえば都道府県の工業課、そういった所管行政を担当しておる課のいまの事務能力あるいはその人的な能力、こういったものからして、この法に期待するようなそういう行政能力があるかどうか、また、これを補強するためにはどのような考え方を持っておられるのかを承りたいと思います。
  257. 左近友三郎

    左近政府委員 現在都道府県におきましてこのLPガス保安行政に携わっております職員は、県の出先の地方事務所の係員も含めますと、大体六百六十名余りということでございます。ただ、このLPガス保安行政は、年々取り締まりあるいは指導というものの必要性が高まってまいりますので、極力担当官の増員をお願いしたいと思いまして、機会あるごとに自治省初め関係部局に要請しておりますが、現在のところ、この新法を施行いたしましても十分実施能力はあるというふうに考えております。
  258. 大成正雄

    ○大成委員 ひとつさらに充実をして、本法の期待する能力を具備するようにぜひ御指導願いたいと思います。  次に、全国保安センターの現状については、私どもいただいている資料で明らかでございますが、その実態というものは、この資料にありますようにまちまちでございまして、これが本法の期待するような保安センターとしての機能を果たすところまで持っていくためには、相当の期間と努力が必要だと思います。したがいまして、そういった期待するところまでこれを育成していくための指導助成とか、あるいはこの達成までのタイムスケジュールとか、そういったことについて何かわかっていることがありましたら、お聞きしたいと思います。
  259. 左近友三郎

    左近政府委員 現在までの保安センターは、何分自然発生的なものでございましたので、確かにいろいろな問題点を含むセンターがあることは事実でございます。しかしながら、このセンターを信頼のおけるものにしていかなければいけないということはるる申し上げたとおりでございますので、実際に認定をいたします府県とも相談をいたしまして、それぞれの地域の実情に応じてりっぱなセンターになるように育成強化策を検討してまいりたいと思っております。その技術能力の向上も図りたいと思っておりますので、これは今後府県と相談をしながら、いろいろな懸案ございますので、長期的な見通しのもとに指導を実施してまいりたいというように考えております。
  260. 大成正雄

    ○大成委員 第三十八条の三の届け出の問題でございますけれども、この届け出は、貯蔵量の規模等が消防法では三百キロということになっておるわけでありますが、本法ではこの届け出の貯蔵量というのはどの程度を基準にしておられるのでしょう。
  261. 左近友三郎

    左近政府委員 現在通産省令で定める内容について検討中でございますので、確定的なことは申し上げられないのでございますけれども、いまのところ、この貯蔵能力の限度は三百キログラムということで、従来どおりの線にしてはどうかというふうな考え方で検討中でございます。  それから、消防法との関係については、消防法で、LPガスを三百キログラム以上貯蔵し、取り扱う者は、その旨を所轄の消防長または消防署長に届け出なければならないという規定がございますけれども、同法の施行令で、この法律によるLPガス届け出があったことが所轄の消防署長に通報された場合には、消防法に基づく届け出義務は免除されておりまして、二重になるようなことにはならないような配慮がなされております。
  262. 大成正雄

    ○大成委員 次に、三十八条の四の設備士の免状等について承りたいと思うのですが、現在、高圧ガス保安協会が配管設備工事監督者といったものの資格を与えておるわけでありますが、恐らくこういった有資格者が法的に位置づけられる、こういうことになっていくだろうと思うのですが、過渡的には、この法に定めるように、新たに試験に合格したとか、講習修了だとか、あるいは都道府県知事が認定するとかということがあろうかと思うのですが、現行体制といっても現在こういう制度はないのですけれども、要するに先ほど申し上げたような配管工事監督者、こういった従来の監督者が今度は実務者になるわけですから、そういう過程で円滑にこの設備制度を定着させるためにはどのような手段、方法をもっていこうとしておるのか、初めてのことでありますからある程度弾力的に運用していくということなのか、そういう考え方の基本だけを聞きたいと思うのです。
  263. 左近友三郎

    左近政府委員 液化石油ガス設備士の免状の交付につきましては、やはり従来からこういう事業に携わっておりまして十分な知識、経験のある方が、こういう制度になってそういうことがやれなくなるということでは困りますので、この各号に交付の要件が掲げてありますが、この要件を十分弾力的な運用をいたしまして、円滑に移行できるように考えたいと考えております。
  264. 大成正雄

    ○大成委員 このことについては、交通違反と同じようなことになるかと思うのですけれども、特に現場の立入検査まで規定されておりますし、特に三十八条の七では罰金三十万円以下または懲役三カ月以下ということできつい規定になっておりまして、この資格者以外に作業に従事してはならないことになっておりますから、これは非常に大事なことだと思います。過渡的にはそういったいろいろな問題も出てくるかと思うのですけれども、この制度になれるまで、十分既存の実務経験者がそういった罰則の適用を悪意なくして受けることのないようにぜひ配慮していただきたい、これは要望として申し上げておきます。  それから、同様なことで、この免状を携帯しなければならない、こういうことになっております。高圧ガス法では十数種類の免状があると思うのですけれども、正確に言っていただければなお結構ですが、自動車の免許証等では該当する項目を非常に簡単に表示してあるわけですが、実際に設備士が十数種類の免状を常に体にしておるということは大変なことだと思うのですが、そういう便法については何か考え方があるのかどうか、承りたいと思います。
  265. 左近友三郎

    左近政府委員 高圧ガス取締法によります免状というのは大体九種類ぐらいあるようでございますが、これについては大体資格を決めておりまして、製造事業者などがその者を保安組織の要員ということで任命するというようなことの資格を決めるというものが多いようでございます。したがいまして、そういう場合には保安組織の要員に任命するときに免許があるかどうかをチェックするということができますので、免許の携帯が要らないということになるわけでございます。  本件の設備士ににつきましては、現場で工事をやるという立場でございますので、これはやはり現場で工事をやっておるときにその資格があるかどうかということがはっきりしなければいけないということから、携帯の義務を課しておるわけでございます。
  266. 大成正雄

    ○大成委員 次に、三十八条の十二、簡単なことでございますが、記録の保存期間はどのくらいに想定しておるでしょうか。
  267. 左近友三郎

    左近政府委員 これについても省令案を検討中でございますが、建築士だとか電気工事業者というような類似の制度を検討しておりますと、法律上の義務が大体五年程度というのが多いようでございますので、やはりそういう類似のものを参考にして決めていきたいというように考えております。
  268. 大成正雄

    ○大成委員 次に、立入検査について承りたいと思うのでございますが、この立ち入り者の資格要件あるいは立ち入り者の権限、それから指導か検査か、摘発が目的なのか。この立入検査の解釈、方針等について、時間がありませんので簡潔に承ります。要するに罰金十万円以下、特に立ち入りの際に拒んだり、妨げたり、あるいは忌避したり、虚偽の答弁をしたりといったときに、そういう罰則の適用、そういう権限も持って立ち入るわけですから、非常に大事なことだと思います。運用いかんによっては非常に問題を起こす可能性もあります。そこで、改めて確認しておきたいわけですが、そういったいま私が御質問申し上げたような点についての考え方を承りたいと思います。
  269. 左近友三郎

    左近政府委員 立入検査につきましては、現行法自身においても相当詳細に決めておりますが、この運用といたしましては、われわれといたしまして、やはりこの法律の円滑な運用を図るというのを趣旨といたしまして、いたずらに違反を摘発するというふうな姿勢はとるべきでないというふうに考えております。したがいまして、運用といたしましては、これについて何と申しますかいろいろな行政指導というものが行いやすいような、また行政指導をやりながら指導していく、調査していくという立場をとりたいと思っております。したがいまして、この立入検査の規定はこういうことでございますけれども、何と申しますか、運用については取り締まり中心という形にならないように注意してまいりたいということであります。
  270. 大成正雄

    ○大成委員 きわめて重大な問題でありますから、重ねて御質問を申し上げますが、この立ち入り者の身分を明らかにするために何らかの証明なり、あるいはその権限を明らかにするための何らかの証明書なり、そういったものは携帯するということが義務づけられるのでしょうか。
  271. 左近友三郎

    左近政府委員 この立ち入りをする場合は、おっしゃるように重大な問題でございますので、身分を示す証票を携帯するということになっておりますし、法律上も、通産省には液化石油ガス検査官、それから都道府県には液化石油ガス検査員を置くということではっきり明示しております。そしてその検査官及び検査員については、所定の身分を示す証票を携帯して立ち入るということになっております。
  272. 大成正雄

    ○大成委員 石油部長、大変遅くまで申しわけありませんでしたが、関連いたしましてこの際承っておきたいのですが、円高差益の還元の問題について、LPG等もこの論外ではないと思うのでございますが、LPGに関しまして円高差益の消費者還元というものの実態はどうなっておるのでしょうか、その点承りたいと思います。  ある資料によりますと、これは天然ガスも含まれますが、石油ガスの値下がり分が二月時の前年同月比マイナス八・五、これに対して、消費者ガス代として前年同月比これはプラス一・五というふうなことになっております。原油で言いますと、マイナス一一・九、それから灯油がマイナス三・五といったその数値が出ておるわけでありますが、このLPガスに関して、最近たとえば営業用の自動車用のLPガスなんかは一五、六%値下げに応じているといった事例もあるようでありますけれども、石油部長さんが把握しておられるわが国の現状、またどの程度の円高差益が見込まれておるのか、またその還元についてどのような指導をしておられるのか、それらについて承りたいと存じます。  なお、時間でございますので、ついでに質問させていただきますが、都市ガスや簡易ガス事業者がこの配管供給をすることによって、零細ガス販売業者がその商権を奪われるといった事例が多いわけであります。これに対する補償というものは、根拠というものは何もないのでございまして、この零細な各地域のプロパン業者がそういったことによってその糊口を断たれるということもなきにしもあらずであります。今後こういった傾向が高まっていくと思うのです。また、これを助長する傾向にもあるわけでありますが、こういった零細なプロパン販売業者の商権を補償するということについて、国が何らかの基準を設けて、そしてこれに対して補償していくということはできないものかどうか、それについてあわせて承って、私の質問を終わりたいと思います。
  273. 古田徳昌

    ○古田政府委員 LPガス価格につきましては、元売り仕切り価格を見ますと、他の石油製品と同様、前年同月に比べまして、一月、二月は二千円以上の値下がりというふうな姿になっております。また、小売価格につきましては、通産省の消費者モニター調査を見ますと、五十二年二月が十キログラム当たり千六百七十八円でございましたが、本年二月は千六百八十一円ということで、これもほぼ横ばいに推移しているというわけでございます。家庭用のLPG小売価格に占めます輸入LPG価格の割合は、平均しますと二割程度になっておりますので、円高によります小売価格に与える影響は、総体的には非常に少ないということが言えるかと思います。しかしながら、各流通段階におきまして人件費等のコストアップ要因が非常にあるわけでございますけれども、にもかかわりませず小売価格につきましては横ばいに推移しているというふうなことから見ますと、為替相場の円高傾向は価格に反映されてきているというふうに見られるのではないかと思います。  いずれにしましても、LPガス家庭用燃料としまして国民生活に密着しているということで、その重要性は非常に高いわけでございますが、その価格動向につきましては、今後とも、従来からやっておりますモニターによります監視体制等を活用しながら、その動向につきまして十分注意を払ってまいりたいと考えております。
  274. 服部典徳

    ○服部政府委員 ただいま御指摘のございましたLPガス都市ガス調整の問題でございますが、私ども、両業界の円満な話し合いによる解決というのを望んでいるわけでございますが、トラブルが生じた場合に、必要があれば通産局長も必要なあっせんの場を設けるというようなことで、円満な解決を図っていきたいということで指導をしているところでございます。  御指摘のございました商権に対する補償というものの基準をつくったらどうかということでございますが、私どもといたしましては、両当事者の営業の問題でございますので、やはり両当事者の話し合いにゆだねるべき性格のものではないかというふうに考えておりますが、ただ、現実には両業界におきまして協定というようなものを結んでおりまして、現在六十二件ほどそういう協定というのがございますが、主として保安のための引き継ぎということを内容とするものでございますが、その協定によりまして、その引き継ぎのための必要な費用は都市ガス業界が負担するというような協定も現在あるわけでございます。そういった協定締結するという方向で私どもとしては今後も指導していきたい、こう考えるわけでございます。
  275. 大成正雄

    ○大成委員 終わります。
  276. 山下徳夫

    ○山下(徳)委員長代理 次回は、来る十四日金曜日午前十時理事会、午前十時三十分から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後五時四十分散会      ————◇—————