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松本(忠)
委員 百貨店法というものが大店法というものに変わった、そして変わった機会に、売り場面積であるとかあるいはまた閉店の時間であるとか休日であるとか、そういった問題が主要な規制の対象になったわけでございますけれ
ども、本来、単一の商品を売るものと、いろんな商品を売る場合と
考えてみたときに、単一の商品を売るのに六百坪でも、千九百八十平米でも、本屋さんとしては相当のものだと思うのです。しかし、これは自分の
努力によってここまで持ってきたわけですから、この本屋さんを私は別に云々するわけじゃございませんけれ
ども、この千九百八十平米という、日本で最も大きな本屋さんの売り場面積をさらに数倍したところのものが今度出るわけですね。そうしたことを
考えてみるときに、いわゆる百貨店の売り場面積というものは、いろんな商品が並んでいるわけです。
影響するところというのは多種方面に
影響するでしょうけれ
ども、いわゆるブックセンターの場合、本屋さんにだけ
影響があるわけです。この点を
一つ私は
考えなければならないのじゃないかと思うのです。
そこで、時間の
関係もございますので、私、いろいろと申し上げたいことがございます。
三条の申請というものがなされる前に、いろいろ当事者間の話し合いがあったということも聞いております。いわゆる三条申請が五十二年十月二十八日でございますけれ
ども、それに先立つ二カ月前の五十二年八月三十一日に、八重洲ブックセンターの社長さんから、東京都書店商業組合に対し、話し合いによって解決したいという要請があった。ところが、十月十一日になりまして、書店組合側は
計画の白紙撤回を求めた。そうして、これはどうしてもやめてほしいという申し入れをした。これが三条申請に至るまでにこうした応酬が何回かあったようでございますけれ
ども、昨年の十二月八日に出店反対の総決起大会をやりまして、自民党を初めとして、与野党の東京都選出の国
会議員十数名がこれに出席をいたしまして、出店反対の意思表明を行いました。
次いで、ことしの二月の八日に、東京都書店商業組合の幹部をお呼びしまして事情を聞きました。そうしてまた、これにも与野党の代議士十二名が出席をいたしました。参考のために申し上げておきますと、代理出席でなくて御本人がお出になった。そのお方のお名前は、自由民主党の鯨岡兵輔、粕谷茂、日本社会党の佐野進、
渋沢利久、山花貞夫、公明党・国民
会議の池田克也、私
松本、民社党の和田耕作、日本共産党・革新共同の
松本善明、工藤晃、新自由クラブの伊藤公介、無党派クラブの鳩山邦夫等の先生方がお出になって、この問題についてそれぞれ独自の立場から書店商業組合の幹部から意見も聞きましたし、その後また東京通産局からも事情を聴取したわけでございます。
しかし、一方的にそれでやめてしまってはいけないということで、われわれといたしましても八重洲ブックセンター側からの意見の聴取も
考えております。
予算分科会が終了したならばやりたいということで、皆さん方と御相談ができているわけでございますけれ
ども、要するに当事者間相互の話し合いというものがますます詰められなければならない
段階でございます。
先ほど
大臣の御答弁の中にもありましたように、結局当事者間の話し合いができなければ、もう商調協の場に上げてしまうのだということであっては私はならないと思うのです。ブックセンターの側からも、当事者間で話し合いをしたいということで申し入れがあった。ただし、一方は、それは死活問題であるからということで応じられない、白紙撤回をしてほしいというようないきさつもあったわけでございますし、当事者間の話し合いというものが十分なされなければならないと私は思うわけでございます。
私
どもも、この問題には異常な関心を持っておりますので、各方面の識者の方々から御意見も伺ってみました。
そうした中で、第一番目に、出店
規模というものを縮小すべきであるという意見もあります。これは、最大でも七百五十坪、それ以下にしなさいという意見、その根拠というのはどこかというと、中央区の中小零細
企業の本屋さんの総売り場面積が約千五百坪であるから、一店ならばその半分でよかろうという、これはこういう単純な意見でございます。
第二に、販売する書籍について、月刊誌、週刊誌、その他雑誌類は取り扱いしない。いわゆるベストセラー物は避けて、専門書、学術書に限るべしという意見。これは鹿島建設の創立者であり、この
計画を
考えられていたところの故鹿島守之助博士の遺志だろうという意見です。その人の言うのに。確かに、この鹿島博士が生存していらっしゃったならば、いわゆるエロ・グロ雑誌というものを販売するなどと言ったら怒るだろう、その人はこういうふうにつけ加えております。
第三に、販売する書籍についての数量制限をさせないと、売れ行き良好書が八重洲ブックセンターに偏ってしまうのではないかという疑問点、これは先ほど私述べました。
第四に、周囲のビルの中には大会社がひしめいていますので、そうしたところからの注文によって配達するいわゆる外売、外売りはしない。
また、休日日数も年間二十四日では少な過ぎるからもう少し多くしろ。そして売り場面積が縮小された
部分は有料図書館にしてはどうかという御意見がございました。
また、販売する学術書にいたしましても、一度に高価な書籍を何冊も求めるということはできないというような学者先生方もいらっしゃいます。そうしたところから、この有料図書館の一角にテーブルを置いて、求めようとする書籍の現物をそこまで運んでもらって、比較対照していずれかに決めてお買い求めを願う、こういうこともするべきではないか、その方が学者先生としても大変便利だ、こういう御意見を先生方から伺ったこともあります。
また、八重洲口から近いところにブリヂストンの美術館がありますが、このブリヂストン美術館というのは、御承知のように
石橋財閥がこの世に残したものでございます。そうした点から
考えて、この鹿島の場合にしてみても、要するに、どういう経過をたどって本ができるのだ、原稿から印刷あるいはまた製本、こうした一連の工程というものを展示する場所、こういうものにしてはどうか。いわゆる本の博物館にしてはどうか、こういうことを言っておられました。その人は、東京都の北区の国電王子駅前に紙の博物館がある。これは王子製紙発祥の地を記念して、創立者の意向で古い建物が残されて紙博物館になっております。そして紙がどういうふうにやってつくられるかということが一目瞭然に展示できるようになっております。また、都心部で非常にいい場所でございますから、ここに、環境のいい、音響
効果のすぐれた各種の会合ができる会場にしてはどうか、さらに書画あるいは美術品、こうしたものの展示会場にしてはどうか、いろいろと売り場面積の縮小をしてその活用の方法というものがあるのだということを言っております。
まあいずれにしましても、当事者間の話し合いというものを煮詰めて、双方が納得するまで話し合いの時間を十分にとるようにしなければならないと私は思うわけでございますし、先ほど申し上げました自民党以下二月八日でしたか出席をされました先生方も全部、とにかく当事者間の話し合いをさせろ、それまでまず通産局としても余りタッチしないで、十分な話し合いをさせろ、その時間を十分とりなさい、それからいよいよそうしたものの話し合いがついた
段階で五条の申請を受けるべきだ、こういうふうな意見がございます。
そこで、もう時間もございませんので、この問題について
大臣並びに
山口審議官から
お話を伺いたいと思うわけでございます。