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細野政府委員 雇用問題は午前中から御議論がございましたように、失業の予防の問題、それから失業者の
求職活動中の生活の安定やら、あるいは技能の付与の問題、それからもう
一つは、先生がいま御
指摘のように再
就職の先の問題と三つに分かれるわけでございます。
その中で、まず失業の予防の方から申し上げますと、これにつきましては
離職者臨時措置法そのものにおきましても、もちろん手当てをいたしておりますけれ
ども、基本的には、
雇用保険法の
改正におきまして先生も御存じの
雇用安定資金
制度というものがすでに発足をしておりまして、その
雇用安定資金
制度によりまして短期的な
雇用調整、それからどうしても長期にわたるので人を事業転換していかなければならぬという場合につきましての訓練なり、あるいは休業なり、あるいは出向なりについての、それぞれの助成
制度を設けているわけでございます。さらに、高
年齢者等の問題につきましては定年延長というものを積極的に進めることによって予防してまいるというふうな各種の
制度がございます。その上に、さらに特定
不況業種離職者臨時措置法におきましては、一定
規模以上の
雇用の変動を生じます場合には再
就職援助計画というものをつくって安定所に
提出することになっておりますが、その再
就職援助計画の中で、いろいろと事業主側にも再
就職の援助のための努力をしていただくということをやっているわけでございます。そういう意味で、失業の予防
関係の各種の仕組みは、
離職者臨時措置法及びその前からできている
制度と両方合わせまして、かなり充実されているというふうに考えるわけでございます。
それから
離職者の生活の安定なり技能付与の問題は、先ほど先生からも御
指摘ございましたので詳しくは申し上げませんけれ
ども、それぞれ充実をされているわけでございます。
残る問題としては、先生御
指摘の、今後どういうところへ
就職させるのか。あるいは見込みがあるのか。こういう問題になってくるわけでございます。一般的に申し上げますと、たとえば、まず
就職先ということになりますと、確かに御
指摘のように、中長期的な見通しも大事でございますが、同時に、訓練を修了した時点で現実に
就職していかなければならぬという問題がございます。したがいまして現実の
求人求職の
状況というものも非常に大きな問題になるわけでございます。そういう意味で、先生も御承知のように、安定所におきまして職種別の
求人倍率というものを持っているわけでございます。そういう意味で、非常に
不況下ではございますけれ
ども、現在でも
求人倍率が高くて、しかも
求人数の比較的多いという職種が技能職種を中心にかなりあるわけでございます。そういうものが私
どもの
一つの大きなよりどころになりますと同時に、さらに御存じの訓練局でやっておられる
技能労働者需給
状況調査等もございまして、そういうものに基づいて行き先あるいは訓練を受けるべき先についての私
どものめど、もちろん
求職者御本人の能力、適性なり、あるいは御希望というものも当然これまた大きな要素になってくる。
さらに中長期の問題になりますと、
製造業の中でも、先ほど通産省からもお話ございましたけれ
ども付加価値の高い
産業、たとえば機械
産業等におきまして、現在この
不況下でも比較的順調にいっておられる
業種等もございますし、それから従来までの、たとえばこの五
年間なり三
年間なりの
動きを見てまいりますと、第三次
産業におきまして、たとえば生活
関係とか福祉、医療、保健
関係とか教育、情報
関係とか、現実に着実にふえている職種で、しかも、その後における
伸びが今後においても望ましい方向ではないかと思われるものが幾つかあるわけでございます。そういうところについて積極的に
雇用の吸収を図っていく必要があるのではないか。その場合に活用されるべきものとして、本年度から、
中高年齢者を雇い入れてくれる事業主に対して助成金を
支給するという一種の賃金補助の
制度を採用いたしているわけでございます。そういうものをフル活用しまして、
雇用問題について、できるだけ万全を期してまいりたいというふうに考えておるわけでございます。