○金子(み)
委員 いまさら、ここに憲法の二十五条を持ち出す必要はないと思うのですけれ
ども、しかし、国は
国民の健康を守るという責任を持っていますし、同時に最低生活を
保障するという責任と義務も持っているわけですね。その立場からいって健康を守る
政策としては、いま行われています
医療制度の抜本
改正、あの長い間いろいろ問題がございました、いまの問題になっている
医療制度を抜本的に
改正するということを、
大臣は先般この五十三年、五十四
年度の間にやりたいということをおっしゃいましたね。そういうことはおっしゃっていらっしゃるわけです。
医療問題については、
国民の健康を守るという点については、いままでの
改正できなかったいろいろな点を見直しをして、そして五十三年から五十四年にかけて抜本的にいろいろな
改正をやりたいというふうにおっしゃったわけです。健康の問題については一応それで、ある程度解決できるかもしれないと思います。
ところが、
国民の生活を守るという問題につきましては、いま問題になっております
老後の生活を安定させるための、この
保障をするための
年金制度というものが中心になっているわけですね。そこで、この
年金制度についても、
大臣はやはり
国民の健康を守るときと同じように、
国民の最低生活を守るという立場から、この
年金制度にいろいろといま問題があるわけですけれ
ども、それらの問題を解消できるように努力を進めているというふうに、先ほど午前中の
大原議員の質疑のときにおっしゃっていらしたと思うのですけれ
ども、
一つ私が気になりますことは、
日本の国の
年金制度というのが
給付水準において諸外国に比べると、
国民所得に比例しても大変に少ないという事実がございますね。ちょっと、きょうは時間がありませんので、数字はおわかりになっていらっしゃると思いますので
一つ一つは述べませんけれ
ども、諸外国に比べたらば七、八分の一から、ひどいところは十分の一くらいの違いがございます。
それほど少ないということがあるわけなんで、その低いのを何とかして直していかなければならないと思いますが、
経済の減速化を理由にして福祉見直し論というものが起こってきて、そして福祉に対する国の姿勢というのが変わってきたように思うわけですね。福祉元年と言われた時代に比べますと、はるかに変わってきたような感じがして、公的
年金に関しても拡充
限界論というようなものが出てきたのじゃないかというふうな感じがするわけです。そういうようなことが基本にあるからでしょうか、前回の
国会でも
国民年金法等の
改正がございましたですね。そのときにも基本的な問題には触れないで、
財政的なと申しますか、支給額の増額、スライドした分だけの増額程度の
改正にしか終わってないわけですね。
本当にやっていただきたいと思っている基本的な問題、いろいろな問題は、この前の
国会で
年金制度が一応採決されましたときに附帯決議がついていますし、それから
社会保障制度審議会からも
答申が出ていますし、それから社会
保険審議会からも出ていますね。いろいろなところから、いろいろな
意見が出ておりますのですから、
年金制度の
長期見通しによる改善を必要とする時期になっていると思うのですね、いま。それなのに具体的な方針というのが示されていない。そのことについて非常にいらいらするわけですね。ことに減速
経済の
関係からというようなことで、先ほ
どもおっしゃられたように福祉見直し論が出てくるとすれば、せっかく、いきそうになっていたところが、またそこでダウンするというようなことにもなりそうな感じもいたします。そこでそういうようなことをいろいろ踏まえて
考えてみると、
年金制度についても触れたくないと言って避けて通ってきたと思われる節のある基本的な問題に、ここでどうしてもはっきりと触れていかなければならないし改善していかなければならないということになるわけなんですが、
医療制度の場合と同じように、生活を
保障する
制度の問題について、
大臣は
政策として、御方針として早急にこの問題と取り組んで結論を出すという姿勢にいらっしゃるのかどうですか。その御決意がおありになるのかどうですか、まず承りたいと思います。