○田中(美)委員 指導するたてまえになっていながら、こういう不正な事件が起きておる。近畿圏では裁判にまでなる事件が起きておる。首都圏でも、この
資料で私が見つけただけでも、こういうものがある。あと、どれだけあさったら、どういうことが出てくるかわからない。今後とも私はこれを徹底的に調べていきたいというふうに思っていますけれ
ども、通産省ももう少し、一応指導することになっていると言うけれ
ども、何にも指導しない、ほっ散らかしている。だから、いま事業団の広瀬さんがおっしゃったように、利率も組合内部でやってもらうんだ、一体、組合にどれだけ金があるのか。この新聞広告ですね、これを朝日新聞社に問い合わせました。一回で約七百万かかっているのですね。そんな金が営利を目的としない組合でどうして出せるのか。金があると事業団は思っているか。思っているから、いまの利率でも七・五を六・七五にそろえようとすれば、そこをだれかが持たなければならない、これを組合に持たせるということは、やはり組合が営利をしているんだ、不動産業をしてもうけているんだということをある
程度御存じだから、そういうことを言うんじゃないかというふうに疑いたくなるわけですね。
ですから、私がいまこれを一緒くたにして、もう時間がありませんので、まず
お話ししますので、それでお答え願いたいと思いますけれ
ども、財形を専門にしての協同組合と
一般の
中小企業の事業協同組合と性質が違うんじゃないか、そうでしょう
大臣。事業協同組合というのは利潤を追求してもいいんだ。しかし財形の協同組合というものは、利益を追求するものではないはずだと思うんですね。ですから、たとえば単独の
事業主がこの
制度を利用する場合、集団でやるんじゃなくて一人でやる場合には、その
企業内、その会社の中に
福祉的な役割りを果たす部門として、そういう部門をつくってやるわけですね。ですから、これは組合の名前を見ますと、名称の中に
福祉福祉という字が書かれています。それが結局、
中小企業の場合では人数も少ないし、できない。だから集団になって、この
福祉部門のようなところを、この財住協がやるということですから、ここは本来というものはお金をもうけるべきところではないんじゃないか。
福祉的な業務をやることが本来の役割りではないか。
だから初めは組合がまず存在して、そうして、この業務というものが発生するのであって、それが本来の姿なのに、いま
お話ししたように首都圏財住協が初めは五社から出発している。それがほんの一、二年の間に三百社にふくれ上がっている。そうして、これもマンションを建てるたびに組合員がばあっといく。さっき話したように先に新聞広告で人を募って、それから
事業主を募るから、マンションを建てるたびに
事業主がばあっとふえるということで、
事業主のない人までが入っている。そうして社長が勝手に買う、専務
理事までがこれを私物化する、財形に入ってない人までがこの分譲をする。こういう不祥事件が起きるというのは、やはりここに私は問題があるんではないか。組合が先にあるんではなくて、後からどんどんマンション建つたびに組合員がふえていくというところに問題があるんじゃないかというふうに思います。
ですから、この
事業主団体つまり協同組合の目的や性格が大きく逸脱してきている。国の公金というものを使って不動産業が行われている。それを見て見ないふりをしているのか、それとも通産省と
労働省と事業団は監督を怠っているのか。そういうなまぬるいところだから、近畿のように水増しして、みんなだまされちゃう。そうして裁判にでもなるということだというふうに思うんです。
それで私は、この
財形制度というものを本当に
勤労者が入るように、
勤労者が買えるように、特に
中小企業の
労働者が買えるように健全に発展させるためには、やはりこの協同組合を全部もう一度洗い直してほしいんです。いま私が言いましたところだけというのではなくて、もう一度この組合というものを全部チェックしていただきたいのです。
大臣、これを全部もう一度チェックして、いままで不正がないかどうか。いま言った牧さんの問題だけじゃなくて、私はいま名前は言いません、小さな
企業の商店主が買っているというようなものは言いません。しかし、専務
理事で財形に入ってない人が買っているなんということは、これは許せないことなんですね。ですから、全部そういうことがあるかないか。いままでの組合というのは、おたくの方からいただいた名簿が来ていましたけれ
ども、これを全部洗っていただきたいのです。これを全部きっちり洗っていただきたい。こういうことが起きてないかどうか。そうして今後起きないようにするためにはどうしたらいいか。いまのように通産省も認可しただけでほったらかしておく。
労働省もこんな大きな朝日新聞の広告さえ御存じない、事業団も御存じない。一体新聞見ているのか。そんなことでやっていけるかと思うのです。ですから、もうちょっと、まずチェックをするということと、それから今後こういうことが起こらないように財形のあり方、特に協同組合のあり方、財住協のあり方というものをもう一度根本から検討していただきたい。
そうしなかったら、いつまでもここには犯罪的な事件がこれに付随して起きていくということは火を見るよりも明らかです。それをほっておくことはその犯罪を
促進していることになると思うのです。
労働省と通産省とそれから特に事業団ですよ、公金を預かりながらこんないいかげんで、自分の金だったら千円だってなかなか大変なものですよ。それを人の金だからといって、公金を預かっているのをいいかげんにぼんぼん融資して、それがどこにいったかもわかりはしない。こんな不正が行われても知らぬ顔している事業団、それを監督しておる
労働省、その一番の大元締めである
労働大臣もっとしっかりしてください。
これで時間になりましたので、
労働大臣の御意見を伺いたい。