○田口
委員 いまの
市町村保健センターの問題で、ちょっと突っ込んだところまでいっておるのですけれ
ども、むしろ、さっき
村山委員が申し上げたように、実は、いまある保健所と、それから
昭和五十三年度からやっていこうとしておる
市町村保健センター、この辺の絡みが、なお十分解明といいますか、すっきりされていない。そういう点で実は地方へ行きますと、保健所保健婦と、それから
国民健康保険保健婦、略して国保保健婦と言いますが、この保健婦同士で一体どうなるんだろうかという不安を現在持っておる。ただ保健婦だけではなくて、検査技師であるとか、栄養士であるとか、そういったいわゆるパラメディカルの方が、保健所と
市町村保健センターとの絡みの中で身分なり何なりに大きな変更があるんじゃないかという不安を持っておる。これは事実です。ですから私は、
市町村保健センターの
設置に反対であるとか、どうであるとかという、そういう前提でなしに、いま不安を持っておる状態に対して、もっと
厚生省は一本で、もともと一本でしょうけれ
ども、そういった
指導というか考え方を徹底しないことには、この地域保健課が出したものは、さっきも
村山委員が提示をしましたように
市町村保健所と
市町村保健センターとのかかわり合いなんかを明示しておるし、
市町村保健センターの目的というものも書かれてはおるんですけれ
ども、よりひとつ、すっきりした形で、きょう、ここで解明をしていただきたい、そういう
立場で申し上げたいと思います。
あと二つほど質問がありますので、ちょっとはしょって申し上げますが、この「
市町村保健センター構想について」という、本年一月に出された地域保健課の文書、この前段のことは私
どもも全く望むところですね。「総合的な対人保健サービスを充実することが要請されるようになったが、その反面現在の
市町村の対人保健サービスの実施体制は、極めて不充分な面が少なくない。」だから、その保健センターを充実、整備する。私は、この限りでは、これは大変いいことだと思うのです。もっともっと整備をしてほしいし、遅きに失するぐらいだと思います。
ところが、いまも
村山さんから保健所との絡みで御
意見がありましたように、私は、やはりその辺のところをすっきりしてもらいたいということで三つ四つ申し上げたいのですが、保健所との関係をどうするかということが、やはりはっきりされなきやならぬ。真空の状態の中で
市町村保健センターを
設置をするんだといえば、ぼくらはもろ手を挙げて賛成すると思うのですね。しかし、いま保健所があるじゃないか、この保健所と保健センターとの関係は一体どうなるのかということ、この点、私から言うならば公衆衛生局あたりはむしろ意識的に避けて通っておる。
検討するんだ、
検討しなきゃならぬと思うのですが、保健センターを打ち出すのならば、同時に保健所の
あり方についても並行的に構想を打ち出すべきじゃないか。避けておるというところに、これはいろいろな疑惑が生じる。
しかも、この予算を
要求した際に、私はあえて言いますが、健康
管理対策に関する官房の調整結果と、それに対する保険局の昨年八月にまとめ方ものなんかを見ると、やはりニュアンスの差ではなくて根本的に違うところがあると思うのです。
〔
委員長退席、羽生田
委員長代理着席〕
保険局が言っておるのは、四十七年に出された保健所問題懇談会の基調
報告に示されたのは、対人保健サービスは
市町村に引き取るということを言っておるんだから、保健所の保健婦の
扱いについては一元化の方向に持っていくべきだ。それを官房が調整したようなことにいけば、むしろ混乱をするのじゃないかと保険局ははっきり言っておる。こういったところから、やはり保健所とのかかわり合いについてはっきりしてもらいたい。
さらに、これに関連をいたしまして、十月の初旬に自治労が公衆衛生
局長といろいろと交渉といいますか、この問題で話し合いの機会を持ったそうでありますけれ
ども、そのときに出されておる話では、いや、いまある保健所をふやす方向だと考えてもらっていい、ミニ保健所として考えてもらってもいいというふうな発言があるんですね。
大臣、よけい混乱するでしょう、そういうふうな発言があれば。ミニ保健所という考えがあるのならば、保健センターに保健婦だけではなくて医師もおる、栄養士もおる、ときにはレントゲン技師もおる、そういった文字どおりミニ保健所のようなものをあまねくつくるということであれば、対人保健サービスは充実をするだろう。そうして保健所は、それを広域的に統括をするんだというふうな
観点であるならば、これはいい悪いは別として、やはりそれなりに理解もあるだろうと思うけれ
ども、保健所の問題を避けて通ってミニ保健所だと言ったら、一体どうなるんだということが
一つあるんじゃないですか。
それから二つ目は、ちょっと急いでなんですけれ
ども、一体、
市町村が保健センターを
設置する。しかも十年計画、本年五十三年度百カ所、こういうことでありますけれ
ども、対応できるのかという心配があるわけですね。
市町村の能力がどうこうじゃありませんよ。
市町村が果たして対人保健サービスというようなことに対して対応できるのか。現に保健センターは三分の一しか国が持たない。三分の二を一体、金の面でどうするのか。それは起債なり何なりでめんどうを見ましょうと言っておるようですけれ
ども、現在でも国保保健婦は全
市町村に
設置をしておりませんね、そうでしょう。そうなってくると、この指とまれということですよ。三分の一金をやるから保健センターをつくりたいところはこの指とまれ。今日の地方財政の
現状の中で、この指とまる
市町村はどれだけあるのか。さらに超過負担の問題がある。
それから、それに関連をいたしまして第三点目の問題は、一体、保健センターの
業務ということ、これは
大臣も十分御
承知いただいておると思うのですが、私は先月、国保保健婦さんの集まりで涙ながらの訴えを聞いたんですが千差万別ですね。
一つの郡の中で五つなら五つの町村がありますと、三つは保健婦を置いていない、二町村しか
設置をしていない。つまり、あんまり出過ぎたことをやるとたたかれる。結局、
市町村の衛生課の窓口で
一般事務をとっておるというようなところが多いわけです。だから、その場所を提供して、そこで
市町村保健婦さんがやりやすいようにするんだと、いま
局長はおっしゃいましたけれ
ども、この辺のところも、これはちょっと言い方は酷になるかと思うのですが、この保健センターの
設置の構想から見て結局、
市町村健康づくり推進協議会にゆだねられる。その中で地域の医師会の考え方に沿って今度は、その
市町村保健婦というものが動いていくのじゃないか。いままでは
市町村長の恣意的な考えで、あんまり出過ぎたことをするな、まあ衛生課の事務でもとっておれ。ところが今度は、地域医師会の意向によって動くと見なきゃなりませんから、そうすると保健婦さんが何でも屋ということになりますね。あれもこれもやらなきやならぬ、そういったことになっていくのではないのか。
まだ、ほかにも問題があると思うのですが、私は時間が十分でないですけれ
ども、ひとつ、この辺のところをすっきりすることが、
厚生省の本年度の目玉と言われておる
国民の健康づくり、それを増進することの、より力になっていくのじゃないか、こう思いますので、私は保健センターの問題については、これで終わりますが、ひとつ明快なお答えをいただきたいと思います。