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山本(悌)
委員 私、別に質問しても追及するわけじゃないから、どうかひとつ心ゆくまで答弁してください。それから、わからなければわからないで結構です。
きょうお聞きした午前中の御質問の集約を私してみました。というよりも、私自身も
現場に行ってずっと見てまいりまして、いま
建設省の課長さんから御答弁がありましたように、今度の
災害に私は七不思議と称しているんですが、七つの疑問を持っております。これはさっき
高鳥さんもあるいは木島さんも皆
指摘をしていることですよ。
指摘をしていることだけれ
ども、少しも釈然としないからなんです。釈然としないというのは、いみじくもいま課長がまず話されたように、確かに五千六百十六カ所あるけれ
ども、あれは国有林だからわれわれの管轄外でありますというところからまず問題があるのではないか。
いま七つのことを一から七まで私が申し上げて、それを
一つ一つもう一回お聞き直しをしたり、あるいは御討論したりしてみたいと思うんですよ。
私は、きょうは
原因論を実はやりたくなかったのです。後で救済論をお願いしますけれ
ども、たとえば先ほど
広沢さんも
指摘しましたけれ
ども、予知の問題について十分でなかったのではないか。なぜならば、なだれ警報が出たのは数時間後であるし、それから四十六年の
災害のときに取りつけた警報機を外しておる。ここには不備があったことは事実ですが、お認めになりますか。
お答えは後で結構です。
二番目。さらにまた、四十六年にこれだけの問題が起きておるにもかかわらず、地質についての問題を
指摘されていたのかいなかったのかがはっきりされていない。地質ということは、火山
地帯であり火山灰土である。だから、あの
地帯一帯が豪雪
地帯であるだけに地盤が弱く、土が軽いからなだれが起きるという危険は当然あり得ることであります。そういうことが
指摘をされていたのか
いなかったのか。
三番目。これは新大の
調査班の教授が
指摘しているように、朝日新聞でも
指摘をしておりますけれ
ども、
工事用道路がちょうど一回目の
地すべりと二回目の
地すべりの真ん中にはさまれてできておる。第一次
地すべりのときはまず
道路の下からいった。第二のときは今度は上から崩れておる。これは問題にならないと言い切れるであろうか。
四番目。そうしてまた、この火山灰土で地質の弱いところを太さ十センチ余りの引湯管の埋設があって、パイプラインが通っておる。これも
指摘をされているところでありますが、問題になっているのではないか。
第五番目。
白田切川の管理の不備があったのではないか。これも先ほど
指摘をされております。管理の不備というのは幾つか問題がありますけれ
ども、そのうちの
一つであります砂防堤、砂防ダム、私はこの砂防ダムについて疑問を持っております。
白田切川のあの小さな川で、あれだけの砂防ダムがあれば十分だと恐らく
堰堤をつくるときには考えられたと思います。その時点ではそれでよかったかもしれないけれ
ども、あの小さな川が三メーター、四メーター、五メーター、あるいは頂上に行けば十数メーターの雪をかぶるところで、もしやその水が一気に出てきたならば、あの
堰堤で防止できたかどうかということは予想をしていたかどうかということだと思います。これも
指摘をされています。そうして結果として
土石流が流れてきて一遍に埋まり、その埋まったところが
ジャンプ台になって、ワン、ツー、スリーというような形で一気に時速六十キロで落ちていったことは否めない事実であります。これは事実としてはっきりしております。この問題について議論をされておったのかどうか。また恐らく全国には数限りないと言っても、私、数はわかりません。わかりませんけれ
ども、中小
河川のところにかなりの砂防ダムがありますが、その危険性はないのかどうか。今度の
災害を他山の石として考えるときに、私はこのままでいいとは思いませんし、日本の山々あるいは
地すべり地帯、
土石流のあるところ、がけ崩れのあるところ等を考えてみますると、十分論議と
対策が考えられていいのではないか。これは六番目のところに入っております。いまの
白田切川の管理の不備の問題、それから砂防ダムが
ジャンプ台の役割りをしたという話をしております。
最後に、いま課長が御
指摘になったように、あるいはまたけさから皆さんが御
指摘されているように、やはり行政当局のなわ張り争いと言っては変であるかもしれませんけれ
ども、どうもそういうものがある。行政官庁の間でうまくいかないんじゃないだろうか。ここからここまでは
林野庁であり、ここからここまでは
国土庁、
建設省であり、ここからここまでは何々庁であるといういわばなわ張りの解けないところに問題があるし、もしそうであるならば、後ほど私は
対策として申し上げたいと思いますけれ
ども、こういう防災問題の一貫性というものを県や市町村にある程度ゆだねた方がいいのではないかということを申し上げて、この
妙高高原の
災害七不思議を御
指摘申し上げました。何遍も答弁ありましたので、反論がありましたら
一つ一つ御反論をしていただきたいと思います。