○森下
説明員 お答えいたします。
こういう廃棄物処理施設は、住民のお出しになったものを始末するわけでございますから、住民それぞれが受益するわけでございますが、先般来この
委員会でもいろいろ御
質問がありましたように、なかなか協力がうまく行われないというケースがあるようでございます。市町村は大変一生懸命にこの事業に取り組んでおるわけでございますけれ
ども、なかなかうまくいかない、今後どうしたらいいのだろうかというふうなお尋ねでございいますので、なぜうまくいかないのだろうかというふうなことを一応整理いたしますと、五つほどございます。
一つは、どこにつくるかというふうな
計画が公にされないまま、何となく、あちらの
地域がだめならこちらだというふうなことで候補地が二転三転しておる。その
段階で、どうも一般に公開されないでこそこそやっておられるというふうなことが
一つあるわけでございます。
それから二つ目に、施設の必要性、つくる必要性、それからその施設がどんな性能のものであるか、どんな機能で、どんな構造であるか、それから、その
地域を選ぶということがこういうことで合理的であるのだというふうなことについて、適切な説明が地元になされておらないということがあるわけでございます。
それから三番目に、住民の方の同意の取りつけ方が、大変強引にやられましたり、あるいは同意書がありましても形式的なものであったりというふうな場合があるわけでございます。
それから四番目に、大変重要なことでございますけれ
ども、その市町村の持っております施設が、ほかのごみ処理施設とかほかの屎尿処理施設が、管理がうまくいかないで、それ自体が大気汚染を起こしたり、水質汚濁あるいは悪臭などの
公害の原因となっておる、こういったために、今度できる施設もあんなふうに
公害が出るのじゃないかという
心配を住民の方が持っておられる。こういうことで、住民の方の設置反対の訴えをお取り上げになった、そういうふうな決定が下されるという例もございました。
それから五番目に、そういう施設、みんなが利用する施設でございますけれ
ども、地元に何のメリットもない、こういうふうなことから反対なさる。
恐らくこの五つほどの原因があるのじゃないかと思うのです。
したがいまして、今後、これらの
対策といたしましたら、これの
一つ一つについて
対策を講じるわけですけれ
ども、
一つには、
計画を早目に公開して住民の
意見を求める。
それから、地元への説明は、もう十分正しい科学的なデータ、科学的な情報を提供する。
それから三番目に、忍耐強く協力を求めるというふうなことになりましょう。
それから四番目に、先ほど申しました、大変重要なことですけれ
ども、施設の適正な管理について住民を裏切ることのないように、その
公害を出さないための施設が実は
公害の原因になってしまっては大変なことでございますので、そのために必要な管理
体制の
整備、人員の確保、こういったものもやっていただきたい。
それから、できましたならば五番目の地元のメリットということで、地元に利益をもたらすような方策をあわせて
考える。
こういったような方向でやりますように
指導しております。
しかし、これには、特に五番目の
対策ということになりますといろいろ金もかかるわけでございますので、周辺の
環境の
整備というふうなことをあわせまして、今後、財政面でも私
ども援助していかなければならぬと思っております。
とにかく、市町村はこの問題について大変一生懸命取り組んでおるわけでございますが、なかなかうまくいかない。努力しないでうまくいかないのじゃなくて、相当しておるのですがうまくいかないということで、私
ども、本当に何とかしてあげなければならぬ、こんなふうに
考えております。