○石井説明員 ただいま
先生の御
指摘の点でございますが、私
ども賃金というものは、労働条件の最たるものということで団体交渉事項になっております。その中で、現場の交通保安係という人たちからもよく意見をいろいろ聞かされております。
これに対する
考え方を申し上げますが、まず
先生の御
質問と多少順序が逆になりますが、職群の話でございます。職群につきましては、国鉄の
基本給体系といいますのがランクが十二に分かれております。十二に分かれておりまして、先ほどのお話のとおり、現在の体系といたしましては、交通保安係が一から五まで、それからその上のベテランクラスの交通保安
指導係、これが三から六までということになっております。
これが高いか低いかという議論でございますが、団体交渉におきましていろいろ議論いたします要素と申しますか、どの職種をどこへ位置づけるのが正当であるかといったたぐいの議論をよくいたしますが、これについて出ます要素といたしまして、一つは国鉄、非常に長年の歴史をしょっておりまして、たくさん職種がございます。ざっと申しまして、職種が、大体いまの交通保安係というのを一つと数えまして、全部で三百ぐらいございます。その三百職ぐらいをこの十二のランクの中にどう位置づけるかというのが私
どもの仕事の一つでございますが、これにつきまして、一つは長年の歴史の中から来る、おのずからできた兵隊の位と申しますか、俗な言葉で言えばそういった問題。これは言葉をかえますと、職員相互間でお互いに認め合ったランクという感じでもございますが、そういう問題。あるいは近代化、機械化に伴いまして職務の再評価を行ってその位置づけを変える。あるいは仕事そのものは変わらないけれ
ども、客観情勢が大きく変化した場合に職群をどうするか、おおよそそういったことを議論いたしております。
それで、確かに一から六が高いか、低いかという議論はあろうかと思いますが、これは昔をたどりますと、実は三十九年までは一職から三職でございます。その後、自動車の増加、要するに踏切業務が非常に大変になってきたということで労使
協議いたしまして、四十年の四月に一職群から四職群にしております。それから四十八年になりましてその交通
指導係をつくりまして、六職というのをつくりまして、その年同じく根っこの交通保安係を一職から五職にいたしております。これは長年の結果積み上げて決まってきたものでございまして、これがいいか悪いかという御議論はいろいろあろうかと思いますが、現在の国鉄の三百職種をおさめていくという中ではあるいはこれが妥当ではないかというふうに考えております。
それからもう一つ、手当の話でございます。この手当は、手当と申しましてもいわゆる
基準内賃金に入っておる手当でございまして、職務手当とそれから
基本給調整額と二つになっております。この職務手当と
基本給調整額を含めましてこれはボーナスの対象月数の計算基礎になりますし、割り増し賃金の計算基礎にもなるという性格の金でございます。これが途中でなぜ減るかと申し上げますと、この
制度は最初につくったのがやはり四十年ぐらいで、以後いろいろ変遷を重ねてきたわけでございますが、当時若い人が入った場合に、
先生御
指摘のとおりでございまして、職務と本当に賃金が見合うのか、仕事の方が非常に大変じゃないか。ところが、若い人は高卒採用給で入るので賃金が低い。これは何とかしなければいかぬという議論が起こりまして、これに対しまして、それでは完全職務給というのは日本の賃金体系からしましていろいろ問題がございますので、部分的な職務給を
導入しようということで、一番最初の入ったばかりの人のところを一番高くしまして、それから経年に従いまして少しずつ減っていきます。したがって、おっしゃるように十年ぐらいたてば逆に、先ほど申しましたランクの方は一から二、二から三というふうに上がっておりますので、そちらとの総合判断の中で少しずつ減らしていくというスタイルをとっております。したがいまして、こういう手当類、
基本給のランクの改正その他を含めまして、ここ数年交通保安係の待遇改善には取り組んできておりまして、このあたりでほぼ妥当な線に落ちつけてきたのではないかというふうに考えております。