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渡部(行)議員 私は、提案者を代表し、ただいま議題となりました
駅前自転車置場等の
整備に閲する
法律案につきまして、その提案理由と概要か御説明申し上げます。
近年、大都市圏を中心とじ人口の集中とそれに伴う住宅
団地の建設が急速に進んでおりますが、付随して
整備されるべき生活利便施設の建設が、住宅建設に追いつかないのが現状であります。特に朝晩の通勤、通学等に欠くことのできない交通施設は、地方自治体の財政の逼迫も関連し最も頭の痛い問題となっております。
最近では、わが家と通勤駅の間の交通手段は、自転車の利用がきわめて高く、通勤の際の家から駅までの基本的交通機関のごとくの様相を呈しておりますが、その自転車の駅前への放置は駅前交通の混雑の要因となるとともに、放置された自転車の窃盗の発生など管理についても好ましくない状況をつくり出す原因ともなっております。
昭和五十二年十一月に総理府が行いました
調査によりますと、国鉄、私鉄各駅等に放置されている自転車の台数は、全国で二千三百十四カ所、六十七万台にも及んでいる状況であり、一方、地方自治体、鉄道事業者、民間業者等全部含めましても、一応駅周辺に自転車置場が
設置されているのは三千六百四十五カ所、約六十万台にすぎません。私どもの推計によると、二百台以上放資してある個所だけでも全国で約八百五十カ所、五十万台も存在しております。
このような現状に対し
建設省では、五十三年度から、補助制度を設け、用地に対し三分の一、施設に対し二分の一の補助を行い、
昭和五十三年度、五百台以上を対象とし三十六カ所、十一億円の補助事業を予定しておりますが、全国の実情を見ますときわめて不十分な
対策となっております。
私は、駅前自転車置場
整備の必要性を重視するとともに、駅前という比較的土地利用度が高く、したがって、地価の高いことからも高率補助と早急に
整備するための十分な財源が必要であること、地方自治体が
整備を希望し、鉄道事業者に協力を求めても協力がなかなか得にくい現状であること、駅前混雑の実情から二百台以上の放置個所を対象とする必要性があること等を痛感し、自転車利用者の利便の増進と駅前交通
環境の
整備を図るため、本
法律案を
提出した次第であります。
次に、本
法律案の概要について御説明申し上げます。
第一に、国及び地方公共団体は、駅周辺の区域において自転車置場の
設置に努めなければならないことといたしました。
第二に、鉄道事業者は、国及び地方公共団体が駅周辺に自転車置場を
設置するため鉄道用地を必要とするときは、当該鉄道用地の譲渡、貸し付け等の
措置を講ずることにより、積極的に協力しなければならないことといたしました。
第三に、駅前広場、
道路等の
公共施設の
整備その他駅周辺区域の
整備に関連する事業を行おうとする者は、できる限り自転車置場用地が確保されるよう配慮しなければならないことといたしました。
第四に、国は、地方公共団体が駅周辺において自転車置場を
整備しようとするときは、その
設置に要する費用の四分の三を補助することといたしました。
第五に、民営自転車置場事業の育成を図るため、国は長期、低利の資金の融資等を行うこと、また、百貨店、スーパーマーケット等の
設置者は自転車置場の
整備に努めなければならないことといたしました。
以上が、本
法律案の提案理由と概要でございます。各
委員の御
理解をいただきまして、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。