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吉田参考人 ただいま御質問がございました九州横断自動車道湯布院−大分間約三十九キロでございますが、この道路の中にいま御
指摘の問題があろうかと思います。
この道路につきましては、私たち四十八年の十月十九日に
大臣から施行命令をいただいたわけでございまして、各種の
調査を行いまして、その結果
昭和五十二年三月三十一日に路線発表を行ったわけでございます。現在は、この三十九キロの間別府市内のところ約四・九キロを除きまして大部分には
中心ぐいを打ち、現在設計協議中でございます。
ただいま
お話しの点は、別府市の南立石あるいは堀田という地区で、道路延長にいたしまして約六百メートルの個所、この地区におきまして別府地区九州横断自動車道建設反対連合会という組織がございまして、この方々から路線を住居地域から避けて山側に振ってくれ、こういうふうな要求をされた、この問題であろうかと思います。
道路
公団といたしましては、施行命令をいただきますと、直ちに整備
計画策定の際の
建設省が
調査なさいました路線を
中心に、地形
調査あるいは土地の利用
状況調査、それから土質
調査あるいは
環境の現況
調査、こういうものを行いまして大体の路線を決める、かような姿でございます。その段階におきまして、大体線が決まった段階において関係の行政機関の方々、ここの場合では大分県あるいは別府市、そういうふうな市のそれぞれの責任の方々、
知事さん、市長さんあるいはそれぞれの議会の方々、それからその地域における公職の代表者、こういう方々の御
意見をお聞きして路線がどうだということを聞いて、それを勘案して路線発表を行うわけでございます。
特にこの別府におきましては、御案内のように地形的に申しまして三方が山に囲まれ、一方が海だ、こういうふうに非常に限定された地形でございます。しかも御存じのように、ここは温泉を
中心とした国際観光
都市でございます。したがいまして私たち、温泉が非常に大きな観光資源であるということから考えまして、温泉問題については特に入念な
調査を行い、それからまた関係の、特に行政関係者と申した方がよろしいかと思いますが、住民の方一人一人じゃなくて、行政関係者の方々の
意見を十分伺った上で路線を決定したわけでございます。
それで、反対連合会側からの山側に路線を振れ、どうだというふうな御要求がありましたのは昨年の四月二十五日でございます。道路
公団といたしましては、これを受けまして、もう一度改めて山側の路線の再検討を行いました。
その結果は、やはりいまの堀田地区を避けてさらに山側に入るということになりますと、道路そのものがトンネル
構造になります。ところがこの地域につきましては、鶴見岳を発生源とする火山岩地帯でございますから非常に地質
構造が不安定でございます。そこでトンネルをつくることは非常にむずかしいということが
一つございます。
それから二番目には、この地区から扇山と申しますか、若干東の方へ進んだ場合、ここで別府が生きております温泉源である地下水を断ち切るという形になってまいります。こういうことが二つ目の問題。
それから三番目には、どうしても別府にインターチェンジをつくる必要がございます。そうしますと、私たちが取りつけようと考えて施行命令をいただいております別府一の宮線という主要地方道、ここまで高低差が約百十メートルぐらいございまして、非常にこの取りつけがむずかしく、そのためには新しい
住宅地をさらにつぶさなければならぬ、かような問題が出てまいります。さような結果を得ました。
そこで、地元の方が御提案になる山側のルート、それはともかくいま申しましたような次第で非常にむずかしい、しからば山側にもう少し寄せ得るルートはないだろうかというふうな検討もいろいろ行ってみたわけでございます。しかし実際には、山側にはたとえば恵下団地という新興の
住宅団地ができておる、あるいは既存の
住宅地が多数ある。そこでインターを設けますと、さらに住居地をつぶす割合が大きくなります。したがいまして、地元の要求である住居地を避けてほしいということと若干違反する形になろうかと思います。
そういうふうな結果を踏んまえまして、昨年の十二月五日以降今日まで反対連合会の代表の方々と数回話し合いをしております。すでに五回やっております。来月の四日にももう一回
お話をいたしたいというふうに考えておりますが、なかなか合意が得られない。主として会長、事務
局長という幹部の方がやっております。現在は、さらにその連合会の構成の各種団体の方々と
お話をいたしたい、こういうふうに考えておりますが、まだその機会を得られず、状態が平行になっておるというのが
現状でございます。なお今後は十分誠意を持って
お話をしてまいりたいと思います。特に
環境問題については十分配慮をしてまいりたい、かように考えております。