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救仁郷政府委員 今回の
改正の
意味でございますが、これは私
ども住宅政策という
観点からまず第一に
考えますと、最近統計にも出ておりますように、
住宅金融公庫をお借り願っている方々の
所得層というものがだんだん下の方に下がってきております。そういった
意味で、どうしてもこういった方々に御利用いただくためには
負担を軽くしていただかなければならない。そのためには、
先生御
指摘のように
償還期間の延長のほかにも、利子を下げたり、限度額を上げたりするような方策があるわけでございますが、とりあえず法律
改正が必要だということで、
償還期間の延長ということをお願いしているわけでございます。それとあわせて、それは
住宅政策基本の問題でございますが、当面の課題たる景気
対策上も、こういった
対策というものが非常に緊急を要するということでお願いしている次第でございます。
それから、利子とか限度額につきましては、これは後でまた触れたいと思いますが、利子につきましては、公定歩合の今回の引き下げに伴いまして当然財投金利等の一連の引き下げがあるということになりますと、私
どもはこういった金融
公庫の金利も自動的に引き下げられるというように
考えておりますし、ただ、これは法律
改正では五・五%以内ということで四十八年に
改正していただきましたので、これは法律によらずに事務的に引き下げる場合には引き下げられるということに相なるわけでございます。
それから限度額につきましては、これはまだ私
どもも十分だとは
考えておりませんが、
木造につきまして最高限四百五十万を五百万円、マンション購入につきましては六百五十万円を七百五十万円というように引き上げた次第でございます。
それから、
償還期間について、なぜ
木造と
簡易耐火構造についてはいじったが、耐火構造については三十五年を据え置いたのかという御質問でございますが、この点につきまして、たとえば耐火構造の三十五年ということは、個人の
融資としては一応私
どもは感じとしては最高の形ではないかというように
考えております。もちろん
住宅金融公庫の
融資は、御本人が亡くなられた場合には債務承継で相続の方に引き継いでいただくというような形をとっておりますので、その点は別に支障ないわけでございますが、ただ、必ず二世代にわたってそういったものを払っていかなければならないというようなシステムが、いまの
公庫融資の個人
融資という中で
日本的に受け入れられるのかどうかということから、三十五年は据え置いた。
それからもう
一つ、実質的な
意味で申しますと、
木造の十八年を二十五年にいたしますと、百万円当たりで千百六十三円引き下げられることになります。それから
簡易耐火構造の二十五年を三十年に延ばしますと、百万円当たりで四百六十三円引き下げられる。ところが、仮に耐火構造の三十五年を四十年に五年延長いたしましても、これは二百十二円しか下がらない。これは当然長くなれば長くなるほど少々いじっても響いてこないというような結果がございます。そういったことを総合的に勘案いたしまして、私
ども一応耐火構造の三十五年は据え置いたという次第でございます。
それから、
償還期間を延ばしても結局返済総額はトータルとしてふえるではないかというような御
指摘でございます。これは当然結果的にそうなるわけでございますが、私
どもは、同じ金利で同じ
条件の貸し付けの場合には、むしろ返済総額が多くなるほど有利な借り方だというような認識をしているわけでございます。ただ、常識的にと申しますか、一応一般の方々が
償還金額がふえるのはいやだというような御認識の方もあろうかと思いまして、私
ども実行上は、これは二十五年以内ということでございますので、二十年あるいは十五年というようなことも、ユーザーの方の御希望によりましては選択できるような形で運営してまいりたいというように
考えている次第でございます。
それから
融資の単価、
融資率等につきましての御
指摘もございましたが、それから
融資対象面積の八十平米、これも実態に合わないじゃないかというような御
指摘でございます。私
どもも単価につきましてもあるいは
融資率につきましても、
融資対象面積につきましても、これはもっともっと上げなければならないということは、やはり今後も
努力をしなければならないことは当然でございます。ただ、いまの私
どもの個人の四百五十万円を五百万円に上げた、五百万円というのはむしろそういった
融資率を計算上は掛け合わせた結果として出しておりますが、ただ五百万円がいいのか、四百五十万円がいいのか、あるいは六百万円が実態に合っているのかというような認識で検討していく段階に来ているのではないかというように
考えております。したがいまして、私
どもも四百五十万円を五百万円、もっと上げたかったわけでございますが、財投
資金全体の中で
戸数枠もふやさなければならない、単価も上げなければならない、そういったことを総合的に勘案しまして、一応五百万円ということで五十三年度はお願いしているというところでございます。