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小林(幸)政府
委員 都市計画法の五十四条では、いま御
指摘のように、当該建築が
都市計画施設等に関する
都市計画に適合し、またはその建築物が次に掲げるような要件に該当し、かつ容易に移転し、もしくは除却することができるものであると認めるときに許可をしなければならぬ、こういうことがございまして、その各号と申しますのは、いま先生がおっしゃいましたように、階数が二以下でかつ地階を持たない、それから主要構造部が木造、鉄骨づくり、コンクリートブロックづくりその他これらに類する構造であることというふうになっておるわけでございます。
そこで、これは少し厳し過ぎるのではないかということで、二つといいますか、三つといいますか、議論があるわけでございますが、
一つは、金をつけてどんどん
街路工事をやってりっぱな町並みにしろ、こういうことが
一つございます。それからもう
一つは、とにかくその
計画はもう変更してしまえ、現状に合わせて、できぬことをいつまでも
計画だと言って制限しているのではひどいじゃないか、幾ら幹線でも
計画の幅員を狭めたらどうか、こういうふうな議論が
一つ。もう
一つは、そこまではいかぬけれども、とにかく幹線で
計画は大事なものであるということはわかるから、とりあえず
街路を広げるまでの間は、制限が厳し過ぎる、もう少し
法律の要件を緩和できないか、これは
法律改正という問題も
一つございます。もう
一つは、運用上の問題としまして、たとえば、将来
街路工事がある場合は、自分で費用を負担するから、この制限にかからない、もうちょっと制限以上の建物を建てさせてくれ、こう言ってきたら条件づきで許可したらどうかとか、あるいは三階建てぐらいまではどうかとかいうふうな、まあいろいろなやり方、要するにこれは緩和ということでございます。
そこで、まず一番最後の緩和の問題でございますけれども、これはいろんな議論があることは先ほど
大塚先生もおっしゃいましたように事実でございます。ただ、どうもやはりむずかしい点がある。たとえば木造の三階建てはいいじゃないか、これは建築基準法の方で問題がある。それから、先ほど申しました、将来
街路工事がある場合には、もう文句言わずに自分で負担するから、いつのことやらわからぬのだから、りっぱな建物を建てさせろ、こういうことにしましても、これを許可条件にするということはやはり相当問題がある、疑義がある。これはなかなかやはりむずかしい。議論はございますが、どうもやはりむずかしいということでございます。
そこで、
計画変更して狭めたらどうかという問題でございますが、これは本省の問題と申しますよりは、認可はございますけれども、御承知のとおりやはり
都市計画は、これは第一にその
都市自体の問題でございます。したがって、そこの市民の中でそういう声がはい然として起こってきまして、また、この直接の許可権者である知事なりなんなりが、あるいは責任者である市長なりが、どうもこれはやむを得ぬ、将来の
都市構造を考えれば、これはやはり
計画としてはとっておくべきであるけれども、まあいろんな事情からこれはやむを得ぬ、そういうふうなコンセンサスができまして、そういうものの認可申請が上がってくる、こういうふうなことになりますと、それは
所管大臣である建設相としても、幾ら市民の合意であってもそんなことはだめだというふうに、これは事務的には言い切りたいところでございますけれども、これはなかなかむずかしい問題があると思います。
そこでやはり私どもは、どうも
お答えにならないようなことで申しわけございませんけれども、第一の方法といいますか、相当
街路予算も明るくなってきましたので、やはり重点的に
投資をする。そこで
路線全体に同時に着工するということはなかなか無理であっても、
部分的に、街区単位ででも、とにかく仕事を始めるというふうなことをやはりこれからは考えていかなければならぬじゃないかということが
一つあると思います。
それからいま
一つは、この沿道の建物につきまして中高層化が行われるというふうな場合には、できる限りこれに応じられるように、
街路事業費の重点配分はもとよりでございますが、先行取得制度あるいは
都市開発資金の活用というふうな手段を使いながら、できるだけこれは前向きに、少しでも、
部分的でも、実施していきたいというふうに考えておるわけでございます。
なおまた、現行制度で果たして十分か、
街路事業というものと、言うなればいまの中高層化というふうな問題でございますが、これは一種の線的再開発みたいな問題でございますが、その辺のところについて制度上の議論もいろいろあるわけでございまして、この辺につきましても、うまい組み合わせ方法がないか。
街路事業とまた線的な
都市改造、こういうふうな
意味で線的再開発とでも申しますか、何か有効なシステムはないかということは、私どもいろいろ目下議論はしておる
段階でございます。
そういうことで、まことにどうも百年河清を待つような話じゃないかとおしかりをこうむるかもしれませんが、いろいろと努力はしておるつもりでございますし、今後もそういうところにつきましては重点的に予算配分を図っていきたいというふうに考えておる次第でございます。