○粟屋
政府委員 いま
先生お話しのように、今度の公共事業の施行がわが国経済の消長を左右するものである、特にその完全執行ということが最大の
課題であるという認識を持ちまして、昨年の年末、五十三年度予算の追認閣議の際に、
建設大臣から閣議におきましても、
建設省においては施行体制を強化するという
お話を申し上げたわけでございます。その
大臣のお考えを受けまして、本年御用始め、一月四日に公共事業施行
対策本部を設置いたしたわけでございます。
構成員でございますが、事務次官を長といたしまして、関係
局長等で構成をいたしておるわけでございます。一月四日の本部
会議におきましては、今後検討すべき事項を決めまして、以後幹事会等を開きまして具体的に作業を進めておるところでございます。
一月二十三日に第二回の本部
会議を開きまして、
基本的な事項を決めたわけでございますが、まず決めました第一点は予算執行事務の迅速化でございます。これは国会の御
審議もございますが、御
審議が終わりました
段階で直ちに予算が執行できるように、許され得る諸般の手続を進めるということが第一点でございます。
第二点は、補助金交付事務の簡素化でございます。往々補助金の交付事務が繁雑で、そのために膨大な人手あるいは書類を要するというような御批判もあるわけでございまして、これにつきましては、
建設省といたしましては
昭和四十四年、四十九年、五十一年と、過去三回にわたりまして書類の簡素化等を図ってまいったところでございますが、さらにその簡素化の徹底を図るという
意味で、従来ヒヤリングを予算要求
段階とそれから配分
段階、二回やっておりましたものを、これはいずれか一回で足りるという措置をとったわけでございます。さらに申請書、添付書類等の省略についても、これを追加することといたしたわけでございます。
この補助金交付事務の簡素化につきましては、一応二十三日の
会議でそういう方針を決めたわけでございますが、その後土木部長の代表者を本部に招集をいたしまして、その際諸般の要求を聞いたわけでございますが、その際の土木部長の要求といたしましては、設計変更につきまして、一定の範囲につきましては
大臣の承認を要しないこととされておりますが、その範囲をさらに拡大をしてくれ、さらにその配分事務を四月までに
都道府県の土木部長と本省とで協議をいたすわけでございますが、その際に工法協議を事前にいたしております。その工法協議の際に提出をした設計書については、さらに補助金の交付申請の際には添付を要しないこととしてくれというような御
要望がございましたので、その線に沿って目下鋭意検討中でございます。
第三番目は設計施行の合理化でございまして、これは直轄を問わず、また
地方公共団体を問わず、非常に発注事務が多くなるわけでございまして、それにつきましての簡素合理化を図る必要があるということで、設計に当たりましては、標準設計というものを構造物につきまして
建設省が制定をしておりますが、なるべくその標準設計を活用する。また、標準設計は大部な本になっておるわけでございますが、それで足らないものは一定のコンピューターを
建設局、
開発センター等に持っておりますので、その変形が多少できます。それを活用するということでございます。
第四番目は、自主的施行体制の推進でございまして、これは業界の体制
整備も必要でございますけれ
ども、なるべく自主施行体制を推進をするということでございます。
さらに発注あるいは監督等に当たりまして、コンサルタントを活用するというようなことで、設計施工の合理化を決めたわけでございます。こういう線に沿いまして、目下詳細の点についてはさらに幹事会等におろして検討いたしておりまして、近くさらにこれを具体化した方針を練るつもりでございます。
さらに、
地方に公共事業施行
対策地方協議会というものを設けることといたしまして、これは単に
建設省だけではございませんで、ブロックごとに
地方建設局を初めといたしまして、農政局でございますとか港湾
建設局等の公共事業の施行部局、さらに資材、労務面が今後施行上重要な問題となりますので、
地方の通産局でございますとかあるいは労働基準局あるいは
都道府県の労働部局等をもって構成をいたします公共事業施行
対策地方協議会を設置することにいたしまして、これは関係各省、
都道府県の御了解を得て鋭意その開催準備を進めております。ここにおきましては公共事業の施行の状況を相互に連絡いたしますとともに、施行上の隘路となります資材、労務等の問題につきまして問題が出ましたら、それを直ちに
建設省の本部、さらに通産省の本部に連絡をいたしまして、中央レベルにおきまして
地方的な隘路をあるいは需給の交流とかそういうことをもちまして打開をしていこうということで鋭意進めておるところでございます。