○亘理
説明員 いま
お話しの六十一億円につきましては、昨年十二月末の
日米間の合意に基づいて
予算化をお願いしたわけでございますが、これは御承知のとおり長い経緯がございまして、石油ショック以降
わが国の賃金、物価が大変高騰した、一方、米国政府の海外駐留
経費の削減といった事情もございまして、何年も駐留軍従業員の
給与改定が円滑に実施できないという
事態が出たわけでございます。特に四十九年及び五十年のごときは、公務員のベースアップが行われましても、その後の
日米間の交渉が難航いたしまして、駐留軍従業員については、結果的には公務員と同率の
給与改定が実施されましたけれども、実際に従業員の手に渡ったのは半年もおくれるという
事態が続きました。こういうことでは大変困るということで、従業員の生活にかかわる大きな問題でございますので、こういうことが放置されては労使
関係やあるいは雇用の安定確保がきわめて困難になるということで、労務
関係全般について
日米間で基本的に相談をしようということで話し合いを行ってきたわけでございます。
この話し合いは、六十一億円の問題だけではございませんので、本来従業員の
給与改定について円滑に行われるようにという趣旨で始まりまして、そのほかいわゆる業者切りかえの問題でありますとか、長期雇用
計画の問題でありますとか、いろいろな問題がございまして、あわせて合意に至ったわけでございます。
この六十一億円の
内容は、御承知のとおり法定福利費、任意福利費、それから労務管理費ということでございますが、これは日本政府が雇用主の
立場において従業員の生活、雇用の
関係を安定した基盤に置くために日本政府で負担してしかるべきであるという判断のもとに、五十三
年度から日本側が負担することとしたわけでございます。
地位協定というのは、御承知のとおり一般的な
指針を示しておるものでございますが、
個々の
経費についてこれはどう、あれはどうというふうに一々書いてあるわけではございません。
検討の必要が生じましたときには、
個々の
経費についてしさいに
検討いたしまして、地位協定にもとるものではないかどうかということを、これは私どもだけではなくて
関係省庁で協議いたしまして、そして
国会において
予算の御審議を仰ぐ、こういうことでございます。
予算の審議の過程におきまして、
国会における大多数の御賛成がなければ私どもは実行できないわけでございますので、十分これから
検討いたしまして、何ができるかできないかということを詰めまして、御納得のいく
説明を申し上げられるということでなければならないと思っております。
具体的な
内容についていま申し上げられませんけれども、そういう
考えで、
国会におきましても大方の御理解の得られる範囲においてなし得ることを
考えてまいりたいというのが私どもの
立場でございます。