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津島委員 大臣がいみじくも超学歴
社会は非常に問題があると
指摘されたのは、私は非常にうれしいのでございます。私は
最初にお話ししました
日本の
教育の欠陥、受験競争、それがすべて最後の卒業するとき、そして卒業した以後の学歴
社会につながっているというところに問題がある。非常に正しい認識の仕方をしておられるということで非常にうれしいわけでございますし、また私自身そういう受験競争に、げすの言葉で言うと非常なスピードで勝ってきた
自分の一生を振り返ってみまして、非常にぐあいが悪かった、私はそのような
教育を受けなかった方がもっと丸みのあるいい人間になったのではないかと、私個人非常に反省するところがございます。ただただ人をけ落としてきた、そして本当に
社会に出て正しいことを学ぶ、
社会のためになることを学ぶという血の通った
教育に、
学校を出て静かに
自分を顧み、周りを振り返ってみるまでは十分気づかなかったという自省の念を込めておるわけでございます。
そこで、このような受験地獄から、何とか少しでもこれから育っていかれる
方々、そしてまたそういう
方々の成長を楽しみにしておられる親御さんに評価してもらえるような
教育内容を実現していきたいということが、大きな眼目になると思うのでございますが、その競争という面を、いま大臣は幾らか競争はあった方がいいとおっしゃいましたけれ
ども、私はできるならばない方がいい、いま言われているような
意味の競争はない方がいい。少なくとも
教育を受ける
国民の権利を競争によって阻害するような、縮めるようなことはあってはならない、こういうふうに感ずるわけでございます。
そこで問題は、私は二つあると思うのでありますが、
一つは最高の高等
教育を受けた後の
社会の問題でございます。これは超学歴
社会というものをどうやって改めるかということになりますが、私は
一つのやり方は終身雇用制の反省を一遍やってみなければいかぬ。
けさ大分
議論になりました
大学あたりは、いい
意味か悪い
意味か
一つの例でありますけれ
ども、一たん助手に選ばれれば何をやろうと最後まで、名誉教授になるまでおられるというようなのも、これは
一つのいい例であります。お役所もそうでありますし、大会社もそうであります。とにかくどの
大学をどの成績で出るかで一生が決まるようなこの
社会に歯どめをかけるには、これは大臣の御所管ではないと思いますので、印象批評で結構でございますが、いまの雇用形態というものについてやはり
教育の見地からも検討してもらいたいという感じをお持ちかどうか、これを第一点お伺いをいたします。
二番目の方は、本来の
教育の問題でありますけれ
ども、そういう
社会的な背景の中で現実には激烈な受験競争が行われている。そして小
学校——小
学校も一部の
学校はそうでありますが、中
学校、
高等学校と父兄に人気のある先生に限って一生懸命受験のことを心配してくださる。これはある
意味では需要と供給とちゃんと合っているわけなんですけれ
ども。
しかし、たとえばどういうやり方で人を選んでいるかということで、私、ことしの
東大の試験問題をずっと関心を持って見ました。私が一番楽にあれできる英語の出題でございますけれ
ども、文章でお示ししていいかと思うのですが、非常に片寄った英文なんです。
自分で言うのも変ですけれ
ども、私は英語はかなり堪能でございます。どうしてこんな片寄った文章で英語の能力を試さなきゃならぬかということを感ずるのであります。
それから、現実に私の子供が通っております
学校の受験の準備を見ておりますと、まだ初等
教育の段階でありますけれ
ども、漢字の書き方について、たとえば曲げるとか伸ばすとか、しんにゅうの書き方はこうであるとか、大臣以下
文部省のどなたも恐らく気がついておられないような本当に局所拡大的な問題を取り上げて、たとえばしんにゅうがちょっと曲がり方が悪いとそれはアウトである、それで国語の能力が決まっていくわけです。そうすると子供
たちはノイローゼになってしまう。漢字の書き方、われわれは崩して書きますから、私のここに書いてある字なんか全部落第です。おとなになるとみんなこれなんですけれ
ども、子供は受験のためにそれをノイローゼになって覚える。
つまり二番目に私が御
指摘したいのは、けさもちょっと触れましたけれ
ども、この受験の問題につきましても、
大学人あるいは高校の
教育者、いわゆる
教育専門家だけに任しておいていいものでしょうか、こういう疑問を禁じ得ないわけでございます。
そこで、
大学初め入学試験のあり方について、どのように健全な
社会常識と、それから
国民の要請を受験の内容に盛り込む努力をしておられるか、大臣から、細かいあれは事務
当局の方がよければ事務
当局からでも結構でございますが、いまの二点、ちょっと御答弁いただきたい。